2023/05/01

🟩アステラス製薬がアメリカのバイオ企業買収 8000億円、眼科領域に強み

 アステラス製薬は1日、アメリカのバイオ医薬品企業のアイベリック・バイオ(ニュージャージー州)を約59億ドル(約8000億円)で買収すると発表しました。注力分野である眼科領域での新薬を取得する狙いがあり、2023年7〜9月中の買収完了を見込みます。新たな収益の柱に育て、2020年代後半にも本格化する主力薬の特許切れに伴う売り上げ減少に備えます。

 アイベリック・バイオはアメリカのナスダック市場に上場しており、眼科領域の新薬の研究開発に強みを持ちます。網膜の中心部にある黄斑の異状で視力低下を引き起こす目の病気の「加齢黄斑変性」の治療薬候補をアメリカで承認申請中です。アメリカ食品医薬品局(FDA)から優先審査に指定されており、8月19日の審査終了を目標としています。

 アステラス製薬は1株40ドルで、アイベリック・バイオ株を全株取得します。3月31日終値を6割上回る水準です。買収資金は手元資金と借入金、コマーシャルペーパー(CP)の発行で賄います。アステラス製薬の企業買収では過去最高額となります。

 アステラス製薬は研究開発で重点投資する領域の一つに眼科領域を挙げており、中でも視力の維持・回復につながる新薬に力を入れています。今回の買収によりアイベリック・バイオが持つアメリカでの眼科領域の開発基盤を取得し、研究開発力を強化します。

 眼科領域での新薬を取得し収益の柱に育て、2027年以降に本格化する主力の前立腺がん薬「イクスタンジ」の特許切れに伴う売り上げ減少を補う狙いもあります。イクスタンジの2023年3月期の売上高は約6600億円で、連結売上高の4割強を占めます。

 岡村直樹社長は1日に開いたオンライン会見で買収の狙いについて、「新たな収益の柱として(経営計画で掲げる)2025年度の売上高目標(1・8兆円)の達成を確実にするとともに、イクスタンジの独占期間が満了した後の売り上げ減少を補うことができると期待している」と述べました。

 世界の製薬大手は、がんやアルツハイマー病など、成功すれば大きな収益を見込める難病の治療薬の開発に注力しています。ただ、有望な候補薬を自社だけでそろえるのは難しいため、有望な候補を持つバイオ系スタートアップなどのM&A(合併・買収)を通じてパイプラインの強化を急いでいます。

 武田薬品工業は2月に、炎症性腸疾患などの候補薬を有するアメリカのニンバス・ラクシュミを40億ドルで買収しました。アメリカの製薬大手メルクも炎症性腸疾患の治療薬を開発しているアメリカのバイオ企業プロメテウス・バイオサイエンシズを買収総額108億ドルで完全子会社化すると発表しました。

 2023年5月1日(月)

2023/04/30

🟩症状が長引く「コロナ後遺症」、診療報酬加算へ 「5類」移行の5月8日から

 新型コロナウイルスに感染後、症状が長引く「後遺症」について、厚生労働省は、患者を診た医療機関への診療報酬を加算します。新型コロナの感染症法上の位置付けが「5類」に移行する5月8日から始めます。報酬を手厚くし、後遺症の診療体制の充実につなげる狙いがあります。

 コロナに感染後、多くの患者は時間とともに症状が改善する一方で、症状が長引く罹患(りかん)後症状(後遺症)が残る患者がいます。疲労・倦怠(けんたい)感や関節痛、味覚障害、脱毛のほか、記憶障害や抑うつなどさまざまな症状があるとされ、1年以上続く人もいます。

 報酬を加算するのは、後遺症に対応できるとして都道府県がウェブサイトで公表している医療機関。新型コロナと診断されて3カ月がたち、後遺症が2カ月以上続く患者に対し、厚労省が示している「診療の手引き」を参考に診療した場合、3カ月に1回、1470円を加算します。

 厚労省は各都道府県に、後遺症の患者を診療する医療機関をウェブサイトに掲載するよう求めており、5月に情報を取りまとめて公表します。 

 2023年4月30日(日)

🟩明治ホールディングスの製薬子会社、コロナワクチンの製造販売承認を申請 アメリカのバイオ企業が開発

 明治ホールディングスの製薬子会社Meiji Seika ファルマ(東京都中央区)は28日、アメリカのバイオ企業アークトゥルス・セラピューティクスが開発中の新型コロナワクチン「ARCT―154」について、日本での製造販売承認を厚生労働省に申請したと発表しました。

 開発中のワクチンは、メッセンジャーRNA(mRNA)と呼ばれるタイプのワクチンで、アメリカのモデルナやアメリカのファイザーなどが開発し、日本で実用化されているmRNAワクチンより、投与量が少なくてすむメリットがあります。成人用で、現在の感染者に多い「オミクロン型」にも有効とみられています。

 Meiji Seika ファルマは、ワクチンの実用化権を持つオーストラリアのCSLグループと契約しており、日本での供給や販売を担います。医薬品の受託製造会社のアルカリス(千葉県柏市)と連携し、同社が福島県南相馬市に建設中の工場で生産する予定といいます。

 新型コロナワクチンを巡っては、明治ホールディングス傘下のKMバイオロジクス(熊本市)も「不活化」と呼ばれるタイプのワクチンを開発しており、2023年度内の供給開始を目指しています。これに加えて、mRNAワクチンも用意することで、先行するモデルナやファイザーを追います。

 2023年4月30日(日)

🟩国内初の経口中絶薬「メフィーゴパック」、製造販売を承認 WHO推奨の選択肢広がる

 厚生労働省は28日、イギリスの製薬会社ラインファーマが開発した人工妊娠中絶のための飲み薬について、製造販売を承認しました。妊娠9週までが対象で、母体保護法の指定医の下で服用できるようになります。国内初の経口中絶薬となり、手術と比べ女性の心身に負担が少なく、世界保健機関(WHO)が推奨する中絶の新たな選択肢になると期待されます。

 承認されたのは「メフィーゴパック」。2種類の薬剤からなり、妊娠の継続に必要なホルモンの働きを抑える「ミフェプリストン」を投与し、さらに36~48時間後に子宮の収縮を促す「ミソプロストール」を服用します。

 腹痛や出血などの副作用があることから、安全に使用できる体制が整うまでは当面、外来でも中絶が確認されるまで病院での待機を求めます。

 2023年4月30日(日)

🟩国内で新たに6722人感染確認 新型コロナ、14人死亡

 厚生労働省によりますと、4月30日に発表した国内の新たな新型コロナウイルス感染者は空港の検疫などを含め6722人となっています。

 また、国内で感染して亡くなった人は、大阪府で3人、長野県で3人、京都府で2人、大分県で1人、宮城県で1人、岐阜県で1人、愛媛県で1人、栃木県で1人、群馬県で1人の合わせて14人、累計で7万4542人となっています。

 都道府県別の新規感染者数の最多は東京都で976人。次いで神奈川県の567人、大阪府の458人、北海道の435人、広島県の368人、兵庫県の326人、千葉県の282人、埼玉県の261人、茨城県の225人、長野県の218人、愛知県の206人と続きました。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、30日時点で51人となっています。重症者の数は、29日と比べて2人増えました。

 一方、北海道は30日、道内で新たに435人が新型コロナウイルスに感染し、死者はいなかったと発表しました。日別の新規感染者数は前週の日曜よりも72人少なく、15日ぶりに前週の同じ曜日を下回りました。

 発表者別の感染者数は道立保健所管内が185人、札幌市が121人、函館市が103人、旭川市が18人、小樽市が8人。道内の感染者数は延べ135万7841人となりました。

 新たなクラスター(感染者集団)は1件。釧路管内の高齢者施設で7人の感染が確認されました。

 2023年4月30日(日)

🟩東京都で新たに976人感染確認 新型コロナ、前週より162人減

 厚生労働省は30日、都内で新たに976人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1週間前の日曜日より162人減りました。前の週の同じ曜日を下回るのは4月16日以来です。

 1週間平均の新規感染者数は、30日時点で1484・6人で、前の週に比べて113・1%。

 新規感染者976人を年代別でみると、0歳4人、1~4歳11人、5~9歳23人、10歳代91人、20歳代180人、30歳代158人、40歳代185人、50歳代149人、60~64歳46人、65~69歳38人、70歳代49人、80歳代36人、90歳以上6人。重症化しやすいとされる65歳以上の高齢者は129人でした。

 入院患者は738人で、病床使用率は14・5%。人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使っている重症の患者は、29日と同じ4人でした。

 死亡した人はいませんでした。

 東京都の累計は感染者437万4638人となりました。

 2023年4月30日(日)

🟩新型コロナワクチン接種後の長引く症状は多様 厚労省研究班が実態調査公表

 新型コロナウイルスワクチンの副反応を調べる厚生労働省の専門部会が28日開かれ、接種後に発熱や頭痛などが長期間続いた症例に関する初の実態調査結果を公表しました。

 症例は関節痛や手足のしびれなど多岐にわたっていたものの、「症状、確定病名、疑い病名の一覧からは、現時点で懸念を要するような特定の症状や疾病の報告の集中はみられなかった」としています。

 厚労省研究班の報告によると、調査は2021年2月~2022年5月に受診した10~90歳代の男女が対象。医療機関から128人分、医師から119人分の回答がありました。

 15医療機関から回答があった128人のうち、女性が81人と約6割を占め、うち40歳代女性が22人と最多でした。最も受診回数が多かった診療科は総合内科(25人)で、救急科(22人)、脳神経内科(18人)と続く一方、皮膚科(4人)、精神科(1人)もありました。報告された確定病名は、ワクチン予防接種副反応(54人)、アナフィラキシー(4人)など多様でした。

 16医療機関の医師から回答があった119人のうち、51人(42%)は基礎疾患がありました。受診の切っ掛けになった主な症状は、37度以上の発熱(28人)、疼痛(とうつう)(13人)、倦怠(けんたい)感(12人)、頭痛(11人)、関節痛(9人)など。医師からの回答には最も支障が出た症状についての質問もあり、発熱が最多の28人となる一方、関節痛(9人)、意識障害(4人)、しびれ(1人)などを訴えた人もいました。

 今回の調査は、症状とワクチン接種との因果関係については調べていません。

 調査に当たった大曲貴夫国立国際医療研究センター国際感染症センター長は、「ワクチン接種後の急性期に出ることが多い症状の報告数が多かった。今後は個別の症例を詳細に調べる必要がある」と指摘しました。 

 2023年4月30日(日)

🟥B型肝炎の救済対象を拡大 「再発」患者ら、除斥期間めぐり国と和解

 集団予防接種が原因のB型肝炎を巡り、賠償を求める権利が消滅する除斥期間(20年)の起算点が争われた裁判が15日、福岡高裁(河合芳光裁判長)で和解した。国と全国原告団との基本合意も新たに交わされ、従来の国の運用より救済対象が拡大される。対象者は数百人ほどとみられる。  B型慢性...