厚生労働省は19日、8~14日の1週間に全国約5000カ所の定点医療機関から報告された新型コロナウイルスの感染者数は計1万2922人で、1医療機関当たり2・63人だったと発表しました。新型コロナの感染症法上の分類が5類に引き下げられたことに伴い、感染者数の「全数把握」が7日で終了し、インフルエンザと同様の「定点把握」に移行してから初めての公表となります。
都道府県別にみると、8~14日の1週間の新規感染者数は、北海道964人(定点医療機関221カ所)、東京都994人(同414カ所)、愛知県667人(同195カ所)、大阪府515人(同287カ所)、福岡県475人(同198カ所)でした。
都道府県別にみると、1医療機関当たりの感染者数は、沖縄県が6・07人で最多。最少は高知県の1・27人で、全都道府県で1人を超えました。北海道は4・36人、東京都は2・40人、愛知県は3・42人、大阪府は1・79人、福岡県は2・40人でした。
国立感染症研究所の鈴木基(もとい) ・感染症疫学センター長は、「データ収集の仕みが変わったので正確な評価は来週以降になるが、5類に移行する前の状況も踏まえると、流行は緩やかだが、拡大する局面にあるだろう」との見方を示しました。
厚労省によると、定点把握は、感染者数が多い5類感染症について、流行の拡大・収束の傾向をつかむために実施されます。新型コロナの定点医療機関は、この病気の診療実績のある内科や小児科を都道府県が指定しています。原則、毎週金曜日に、直前の日曜日までの1週間分をまとめて発表します。
新型コロナの場合、流行入りなどの指標となる定点報告の基準値は、現時点では設定されておらず、厚労省は「今後検討していく」としています。インフルエンザの場合、1医療機関当たりの感染者数が1人になると「流行入り」、10人になると、大きな流行発生の可能性を示す「注意報」、30人になると、大きな流行の継続を警戒する「警報」の水準とされます。インフルエンザの基準値は、過去の定点報告のデータと流行状況を国立感染症研究所が分析した上で設定しています。
2023年5月19日(金)