2023/05/22

🟧新たにジャムー茶2製品からステロイド検出 国民生活センターが注意喚起

 海外から輸入された「ジャムー・ティー」と称する粉末状のお茶から医薬品成分のステロイド、デキサメタゾンが検出された問題が広がりました。国民生活センターは17日、新たに2製品から同成分が検出されたと発表。これを受けて厚生労働省は、医薬品医療機器等法に違反する恐れがあるとして、同2製品の加工事業者を所管する大阪市に対し、当該事業者への調査、指導を要請しました。

 国民生活センターは4月12日、香塾(大阪市都島区)が花粉症に対する効果をほのめかしながら販売していた「ジャムー・ティー・ブラック」からデキサメタゾンが検出されたと発表。成分分析を行ったのは、医療従事者からの情報提供が切っ掛けでした。

 類似の製品が販売されていたため、4月上旬、3製品をインターネット通販で購入し分析したところ、自然食品製造会社、香塾堂(大阪市北区)が加工する「ジャムー・ティー・ブラック(無糖タイプ)」と、食品加工会社、澪森(大阪市中央区)が加工する「森澪混合茶(ジャムーティーブレンド ショウガ+)微糖タイプ」の2製品からもデキサメタゾンが検出されたといいます。残りの1製品からは検出されませんでした。

 国民生活センターでは、デキサメタゾンが検出された製品を飲用している消費者に対し、医療機関に相談するよう呼び掛けています。ステロイドを継続的に飲用している人が急に飲用を止めると、体への影響が生じる恐れがあるとしています。

 最初にデキサメタゾンが検出された製品を販売していた香塾によると、当該製品はインドネシアの製造会社から原材料を輸入し、国内で包装、販売していました。

 同社は「製造会社に混入経路を確認した上で、その結果を弊社のホームページで改めてご報告する予定」だとしているものの、今のところ情報は更新されていません。

 国民生活センターには4月12日の発表に関連した相談が47件あり、うち9件で頭痛などの健康被害情報がありました。

 2023年5月22日(月)

🟧世界の気温が産業革命前より1・5度超の年、今後5年で発生確率98% 世界気象機関が警告

 国連の世界気象機関(WMO)は17日、エルニーニョ現象の発生により、今年から5年間の世界の気温が記録的に高まる可能性があると発表しました。産業革命前と比べた地球の平均気温の上昇幅が一時的に1・5度を上回る確率を98%と予測。人々の健康や食糧安全保障、水資源の管理、環境分野などに広範な影響を及ぼす可能性があると警告しています。

 エルニーニョは、南米ペルー沖から太平洋中部の赤道域で、海面水温が平年よりも高くなる現象。世界の気温を押し上げるほか、各地に異常気象を引き起こす可能性があるとされます。各国の気象機関は、今年の夏ごろまでにエルニーニョが高確率で発生するとみています。

 WMOは17日のリポートで、2023~2027年に、世界の単年の平均気温が少なくとも1回は観測史上最高となる確率と、5年間の世界の平均気温が過去最高を更新する確率を、いずれも98%と予測しました。世界の単年の平均気温が観測史上最も高かったのは2016年で、この年は、産業革命前と比べて1・2度高くなりました。

 各国は、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」に基づいて、世界の平均気温の上昇幅を産業革命前と比べて1・5度に抑える目標を掲げています。

 WMOのペッテリ・ターラス事務局長は、エルニーニョと人為的な要因の気候変動の組み合わせが「地球の気温を未知の領域に押し上げるだろう」と指摘。「パリ協定が掲げる1・5度を恒久的に超えることを意味するものではないが、一時的に1・5度を上回る状況はより頻繁に起きるだろう」としました。

 ターラス事務局長は、今回の予想は「我々が温暖化を抑制できておらず、いまだに誤った方向に向かっていることを示している」とし、こうした傾向に歯止めがかかり、悪化する状況を止められるのは2060年代になる可能性があるとしました。

 また、温室効果ガスの大気中濃度は史上最高となっており、「通常の水準に戻るまでには数千年かかる恐れがある」とし、「前世紀のような気候に戻ることはない。それは間違いない」としました。 

 2023年5月22日(月)

2023/05/21

🟧iPS心筋細胞シート移植、治験の全手術完了 1~1年半で実用化へ

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)から心臓の筋肉(心筋)細胞を作り、シート状に加工して重症の心不全患者に移植する世界初の治験を進めてきた大阪大学などの研究チームは19日、すべての手術を完了し、安全性や有効性がみられたと発表しました。今後は薬事申請し、1~1年半後の実用化を目指すとしています。

 手術は2020年1月から今年3月までに、大阪大学、順天堂大学、九州大学、東京女子医科大学で計8例を実施しました。最終的な評価はこれからですが、現時点では8例すべてで重篤な副作用や細胞のがん化がなく安全に推移し、7例で症状が改善するなど有効性がみられたといいます。当初は最大10例の手術を予定していたものの、順調に進んだため8例で終了としました。

 治験を指揮した澤芳樹・大阪大学教授は記者会見で、「共同研究者や患者の協力があり、無事にすべての手術を終えることができた」と振り返り、今後については「1~1年半後に薬事承認を得て実用化し、世界の患者を元気にしたい」と語りました。

 また、会見には今年3月に東京女子医科大学で移植手術を受けた60歳代の女性患者も出席。「元気になった。悩んだが手術を受けてよかった。幸せだ」などと、現在の心境を語りました。

 治験対象となったのは、心臓の血管が詰まって心筋が壊死(えし)し、血液を送る力が衰える「虚血性心筋症」という重い心不全の患者。国内患者数は10万人程度で、症状が進行した場合の治療法は心臓移植となるものの、臓器提供者は不足しています。

 治験では、京都大学が作製し備蓄していたiPS細胞を心筋細胞に分化させ、直径約3・5センチ、厚さ約0・1ミリの円形のシート状に加工し、患者の心臓の表面に3枚張り付けて移植しました。移植した細胞数は患者1人当たり約1億個といいます。

 2023年5月21日(日)

🟧建設アスベスト訴訟、建材メーカーと一部原告で和解成立 全国で2例目、首都圏では初

 建設現場でアスベスト(石綿)を吸い込んで肺の病気になったとして、神奈川県などの元作業員や遺族が建材メーカーに損害賠償を求めている集団訴訟は、被告6社のうち1社が謝罪し、解決金を支払うことで一部の原告との間で和解が成立しました。

 原告側の弁護団によりますと、元作業員などが国と建材メーカーを訴えた集団訴訟で、建材メーカーと和解が成立したのは全国で2例目、首都圏では初めてです。雇用や契約の関係にない元作業員との和解成立は初めてといいます。

 建設現場でのアスベストによる健康被害を訴えた集団訴訟では、一昨年5月に最高裁判所が国と一部の建材メーカーの賠償責任を認める判決を出し、国との間では各地で和解が進められていますが、建材メーカーとは争いが続いています。

 原告側の弁護団によりますと、このうち神奈川県の元作業員などによる集団訴訟は、被告6社のうち神戸市に本社がある「ノザワ」が謝罪し、解決金を支払うことで19日、4人の原告との間で和解が成立しました。

 このほかの32人については、5月31日に東京高等裁判所で判決が言い渡される予定です。

 建材メーカーとの和解は全国では2例目で、東京、神奈川、埼玉で起こされた首都圏の訴訟では初めてだということです。

 和解した原告の1人で夫を肺がんで亡くした森松けい子さんは記者会見で、「皆さんのお陰でここまでやってくることができました」と喜びを見せました。

 神奈川建設アスベスト訴訟弁護団の西村隆雄団長は、「いわゆる“ひとり親方”などメーカーの下請け関係にない労働者が原告になっている裁判では初めての和解で、本筋のところで成立できた。大きな一歩だ」と話していました。

 「ノザワ」は、「個別の案件のためコメントしない」としています。同社が解決金を支払うものの、金額は明らかにされていません。

 大阪地裁では2022年8月、建材メーカーの日本インシュレーション(大阪市)が元労働者の男性1人の遺族と初の和解に応じました。同社は男性が専属下請けだったことなどから「特殊事情と判断した」と説明しました。

 2023年5月21日(日)

🟧新型コロナ感染者数を毎日推計してウェブサイトで発表 モデルナ・ジャパン

 全国や都道府県別の新型コロナウイルスの感染者数を毎日推計して掲載するウェブサイトを、アメリカの製薬会社モデルナの日本法人「モデルナ・ジャパン」が開設しました。

 直近の全国の感染者数は約2万4000人と推計されるということで、新型コロナの「5類」への移行に伴って感染者数の全数把握が終了した中で、ウェブサイトを活用してほしいとしています。

 ウェブサイト「モデルナ 感染症リアルタイム流行情報サイト」はモデルナ・ジャパンが5月15日に公開し、民間の医療情報データベースに登録された全国約4200の医療機関からのデータをもとに、専門家の監修を受けて統計的に推計した、全国や北海道・東北、関東、東京、中部、近畿、中国・四国、九州の7エリアごとの感染者数を毎日更新して示しています。

 また、年代別の感染者数の推計や検査を受けた人のうちの陽性者の割合「陽性率」も掲載されています。

 18日までのデータでは、全国の感染者数は1週間平均で1日当たり約2万4000人と推計されていて、モデルナ・ジャパンは「これまで慣れてきた感染者数の形でデータを示すことが、最新の流行状況を正しく把握し、適切に行動するために重要と考える」としています。

 データ分析を監修したカリフォルニア大学ロサンゼルス校の津川友介准教授は、「データベースの情報を統計処理して感染者数を示すことで、労力を抑えながら多くのデータを得ることができる。国や自治体も有効活用して、今後の対策に役立ててほしい」と話しています。

 2023年5月21日(日)

2023/05/19

🟧神戸市でもはしか患者を確認 茨城県、東京都に続き

 神戸市は18日、市内ではしか(麻疹)患者が確認されたと発表しました。15日に市に報告があり、18日公表した感染症発生動向調査週報で明らかにしました。はしかは非常に感染力が強く、茨城県や東京都でも相次いで感染者が報告されています。

 市によると、神戸市の患者は6日に発症し、11日まで市内での行動歴があります。この患者と接触し、感染の可能性がある人にはすでに連絡しました。疑われる症状が出た場合には医療機関に事前連絡をした上で、公共交通機関の利用を避けて受診するよう求めたといいます。

 はしかは空気感染などで広がり、予防接種を受けておらず抗体を持たない人の発症率は非常に高くなっています。10~12日間の潜伏期間後、高熱やせき、たんといった風邪のような症状がみられます。一度熱が下がった後、再び高熱が出て耳や首に発疹が現れ、顔や手足などに広がります。

 これまでに、茨城県で感染が確認された男性が、4月21~23日に神戸市を訪れたことを確認。また、男性が乗車した東京行きの新幹線車内にいた東京都内の男女2人が感染しています。

 2023年5月19日(金)

🟧埼玉県内、熱中症疑いで39人救急搬送 今年初の猛暑日

 太平洋上の高気圧や暖気の影響により全国的に気温が上昇した18日、埼玉県内でも熊谷市と鳩山町で最高気温が35・0度と、今年初めての猛暑日になりました。県によると、同日午後4時現在、県内では熱中症の疑いで39人が救急搬送されました。

 熊谷地方気象台によると、午後1時8分に鳩山町、同42分に熊谷市で、それぞれ35・0度に達しました。ほかに6カ所ある観測地点でも軒並み33度以上となり、8月上旬並みの気温となりました。

 救急搬送された39人のうち8人が中等症、31人が軽症で、いずれも命に別状はないということです。

 年代別では、65歳以上の高齢者が21人と最も多く、次いで、7歳から18歳未満が11人、18歳から65歳未満が6人、7歳未満の乳幼児が1人となっています。

 八潮市では、市立大原中学校が午前中に校庭で行った体育祭の全校予行練習で、27人の生徒が暑さによる体調不良を訴え、うち3人が救急搬送され、3人が病院で治療を受けました。市教育委員会によると、いずれも軽症で、回復して帰宅しました。

 熊谷地方気象台によると、19日以降、季節外れの暑さは和らぐ見通し。

 2023年5月19日(金)

🟩特定保健用食品、2商品で機能性成分不足 消費者庁の買い上げ調査

 消費者庁は7日、機能性表示食品や特定保健用食品(トクホ)の表示が適正かどうかを確かめる買い上げ調査の結果を公表しました。調査した101商品のうち機能性表示食品は84商品で、うち2商品で機能性関与成分が記載された含有量を下回っていました。  消費者庁の指摘を受けた2事業者は2商...