厚生労働省は26日、今後、起こり得る新型インフルエンザの流行対策として「H5N8型」のウイルスのワクチンを2023年度から備蓄する方針を決めました。世界的に拡大しているH5N1型の高病原性鳥インフルエンザへの効果が期待できるため。専門家による感染症部会が同日了承しました。
政府は、人の新型インフルエンザに変異する可能性が高い鳥インフルエンザのワクチンを2006年度以降備蓄しています。現在のH7N9型からH5N8型に切り替えて最大1000万人分の備蓄を目指します。
H5N8型のウイルスは、流行中のH5N1型と系統が近く、世界保健機関(WHO)がワクチンの製造に使用可能だと確認していることから選びました。
H5N1型の鳥インフルエンザは2021年以降、世界中で鳥類に拡大し、哺乳類のアザラシやミンクなどのほか、人でも散発的に感染が報告され、死者も出ています。2022年には,、北海道でキタキツネやタヌキの感染が確認されました。
人から人への感染は確認されておらず、人で流行する可能性は低いとされますが、人への感染性がより高くなったウイルスが出現する可能性も否定できないとされています。
2023年5月27日(土)