2023/06/23

🟧マダニが媒介「オズウイルス」に感染、茨城県の70歳代女性死亡 発症と死亡の報告は世界初

 茨城県は23日、県内在住の70歳代女性がオズウイルスに感染し死亡したと発表しました。人の発症と死亡が確認されたのは世界で初めて。女性はマダニにかまれ、感染したとみられます。

 県によると、女性は昨年初夏、発熱や倦怠(けんたい)感、嘔吐(おうと)などの症状から医療機関を受診しました。肺炎の疑いとして抗生剤を処方され自宅療養していましたが、症状が悪化しました。入院した別の医療機関でマダニにかまれたことが確認され、その後、心筋炎で入院から26日目に死亡しました。

 県衛生研究所で入院時の検体を検査した結果、オズウイルスの遺伝子を検出。国立感染症研究所の検査で同ウイルス感染症と診断されました。

 現時点で有効な治療薬に関する知見はなく、治療は対症療法のみとされます。茨城県は、マダニが生息する草むら、やぶなどに入る際、肌の露出が少ない服を着るなどの注意を呼び掛けています。

 オズウイルスは、2018年に日本で発見されたウイルスです。厚生労働省などによりますと、これまでに国内では血液中の抗体検査でオズウイルスに感染したと考えられるケースがあったことから「感染が必ずしも致死的な経過につながるわけではない」としていて、ウイルスの特徴や症状などについて引き続き調査や研究を行うことにしています。

 2023年6月23日(金)

2023/06/22

🟧3Dプリンターで傷付いた手指の神経再生に成功 京大病院

 京都大病院は4月24日、有機物を扱う「バイオ3Dプリンター」を使って、神経を再生する技術の開発に成功したと発表しました。医師主導の臨床試験(治験)で、指や手首の末梢(まっしょう)神経を損傷した患者に、作製した神経細胞の塊を移植したところ、痛みが和らぎ、知覚神経が回復するなどの効果が確認できたといいます。

 国内では、手指の末梢神経損傷の患者が年1万人ほど出ています。現在の治療は、患者の体の他の部分から健常な神経を移植する「自家神経移植」が主流です。ただ、神経採取によってしびれや痛みが残ることがあります。

 人工神経の開発も進められてきたものの、細胞成分が乏しいため再生に必要なたんぱく質などが不足し、自家神経移植に比べて治療成績がよくなく、一般に普及していません。

 京大病院は再生医療ベンチャーのサイフューズ(東京都港区)と手を組み、バイオ3Dプリンターで神経細胞の塊を作製。ラットやイヌでまず試したところ、これまでの人工神経に比べて良好な成績を得られました。

 そこで、仕事中に左手の指や手首を刃物で誤って切って5~10ミリほど神経が欠けてしまった30~50歳代の男性3人を対象に、医師主導の治験を実施。

 患者のおなかの皮膚にある細胞を約2カ月間培養し、3Dプリンターを使って積み重ねて、直径2ミリ、長さ2センチほどの神経細胞の塊をつくりました。それを患部に移植し、48週間にわたり経過を観察をしました。

 その結果、3人の患者は「痛みがかなりよくなり、指先の感覚が普通に戻った」と話し、仕事も元の通りできるようになりました。手や指の知覚機能検査や、神経障害の予後評価の成績も正常レベルまで回復していました。副作用や合併症はなかったといいます。

 研究チームの京大病院リハビリテーション科の池口良輔准教授は、「末梢神経の損傷で苦しむ患者の治療法の1つとして、社会復帰につなげたい」と話しています。

 2023年6月22日(木)

🟧青森産ブラックベリーで機能性表示サプリ 東北三吉工業が開発

 機械製造・農園運営を手掛ける東北三吉工業(青森県五戸町)は、青森県産のブラックベリーを使った機能性表示食品のサプリメントを開発し、販売を始めました。ポリフェノールの一種エラグ酸を含んでおり、体脂肪や体重、内臓脂肪の減少、体格指数(BMI)の改善などへの効果が期待できるとされています。ブラックベリーを使うエラグ酸の機能性表示食品は全国初となるといいます。

 商品名は「ブラックベリーES」。1日の使用目安2粒当たりに、効果が見込まれる3ミリグラムのエラグ酸が含まれています。成分分析などで青森県産業技術センター弘前工業研究所や県が協力しました。

 1袋62粒入り(約1カ月分)で、税込み4000円。同社オンラインショップのほか、八戸市のユートリー、六ケ所村の特産品販売所「六旬館」、三沢市のスカイプラザミサワ、十和田市の農産物直売施設「ファーマーズ・マーケットかだぁ~れ」などで購入できます。

 2023年6月22日(木)

🟧新型コロナ再感染の平均間隔、徐々に短く 第7波で3・7カ月

 新型コロナウイルスに一度感染後、再び感染した場合の平均間隔が、昨年夏の流行「第7波」では約3・7カ月だったとの分析結果を、名古屋工業大などの研究チームがまとめたことが22日わかりました。第1~3波の約16・9カ月から、感染規模の拡大に伴い徐々に短くなっていました。感染者の約3%が複数回かかり、若者が占める割合が多くなりました。

 平田晃正・名工大教授は、「特に第6波以降で感染者の増加や免疫の減弱によって再感染のリスクが高まったといえる。引き続き警戒が必要」と指摘しています。

 研究チームは、新型コロナで受診した約85万人の健康保険組合などのレセプト(診療報酬明細書)データを分析。新型コロナによる診療と診療の間隔が30日を超えた場合に「再感染した」と定義し、2020年4月~2023年1月の感染回数や再感染までの間隔を調べました。

 期間中に複数回感染した人は、約3%に当たる約2万5000人。2020~2021年の第1~3波で最初の感染をした人が再び感染するまでの間隔は、平均で約16・9カ月でした。間隔は次第に短くなり、第4波で感染した人は約13・6カ月、第5波で感染した人は約10・9カ月、第6波で感染した人は約7・3カ月、第7波で感染した人は約3・7カ月でした。

  2023年6月22日(木)

🟧認知症の行方不明者、全国で過去最多1万8709人 10年前から1・95倍に

 警察へ2022年に届け出があった認知症の行方不明者は1万8709人(前年比1073人増)で、統計を取り始めた2012年以降、10年連続で増加して過去最多でした。警察庁が22日、発表しました。大半はその後無事に見付かっている一方で、2021年以前に届け出られた人も含め、2022年には491人が遺体で見付かりました。

 認知症で行方不明になった人は、10年前の2012年の9607人から1・95倍に増えました。警察庁は、高齢化の進展で認知症患者が増えていることが背景にあるとみています。

 警察庁によると、2022年に届け出があった1万8709人のうち、80歳代以上(1万670人)と70歳代(6968人)で合わせて94%を占めました。

 都道府県別では、兵庫県が最多の2115人。大阪府1996人、埼玉県1902人、神奈川県1780人、愛知県1549人と続きました。2022年中に見付からなかった人は284人いました。

 2021年以前に届け出があった人も含め、昨年中に生存した状態で所在が確認できたのは1万7923人。このうち、届け出を受理した当日に見付かったのが77・5%。99・6%は1週間以内に見付かりました。

 高齢化が進み、行方不明者は今後さらに増加する可能性があります。警察は自治体や地域の団体、企業などと連携し、行方不明者の特徴を広く知らせるなど、早期発見に向けた取り組みを進めています。

 認知症以外の人も含めた昨年の行方不明者の総数は8万4910人。統計が残る1956年以降で最少だった2020年(7万7022人)から、2年連続で増えました。

 原因別では、認知症を含む「病気関係」が2万4719人(29・1%)で最多。親子・夫婦間の不和など「家庭関係」が1万2899人(15・2%)、失業など「事業・職業関係」が9615人(11・3%)と続きました。

 また、認知症以外を含む行方不明者の総数は、前の年から5692人増えて8万4910人となりました。過去最少だった2020年から2年連続の増加で、新型コロナウイルス禍に伴う行動制限が緩和された影響とみられます。

 年代別では、20歳代が最も多い1万6848人、次いで10歳代が1万4959人。さらに80歳以上が1万3749人、70歳代が1万779人で続き、これら4つの年代で6割以上を占めました。

 原因・動機別では、認知症を含む「病気関係」が約3割と最も多く、「家庭関係」、「事業・職業関係」と続き、この3つで約6割となっています。

 一方、理由がわからず犯罪被害や事故に遭遇した恐れなどがある不明者は、1万7080人に上っているということです。

 2023年6月22日(木)

2023/06/21

🟧無免許で強い光を当てて脱毛、女性客やけど エステ店経営者ら書類送検、大阪府警

 医師免許がないのに強い光を当てて脱毛行為をし、女性客にやけどを負わせたとして、大阪府警は21日、美容エステ店「BeSonder(ベゾンダァ)」(大阪市西区)の女性経営者(24)=大阪市=と、女性アルバイト(24)=大阪府柏原市=を医師法違反(無資格医業)と業務上過失致傷の疑いで書類送検しました。

 送検容疑は2022年8月、医師免許がないにもかかわらず、大阪府内の20歳代女性客に対して光線を当てる機器で背中を脱毛。減光フィルターを付けないまま毛根に強い光を当てて施術し、客の背中に全治約1〜2週間のやけどを負わせたとしています。

 府警によると、2人は業務上過失致傷容疑は認めているものの、医師法違反容疑は否認しており、経営者は「脱毛機器を使用するのに医師の資格が必要とは知らなかった」と話しているといいます。

 府警生活環境課によると、女性客は店舗を利用した数日後、府警に被害を相談。店は元々ネイルサロンで、2020年12月から脱毛施術も始めました。2023年1月までに少なくとも約110人の客を脱毛していましたが、今のところ他の客から被害の訴えはないといいます。

 厚生労働省は2001年、「強い光線を毛根部分に照射し、毛乳頭などを破壊する行為」は医療行為に当たり、医師免許を持たない者が実施すれば医師法違反になるとの通知を都道府県に出しています。

 府警は、今回の脱毛行為が医師にしか認められていない「医業」と判断したとみられます。

 エステ店での脱毛を巡る事故は相次いでいます。国民生活センターによると、2022年度の事故件数は163件で、2017年度の123件から約3割増えています。

 日本エステティック振興協議会は、脱毛方法について「除毛や減毛を目的に、毛の幹細胞を破壊しない範囲で行う」とする自主基準を策定し、エステ店に法令順守を求めています。

 2023年6月21日(水)

🟧人工呼吸器が外れ5歳が5年意識不明 看護師3人を書類送検、愛知県警

 愛知医科大病院(愛知県長久手市)で2018年7月、人工呼吸器のチューブが外れて入院中の男児(5)=当時7カ月=が意識不明の重体となる医療事故があり、愛知県警捜査1課と愛知署は21日、担当の看護師だった女性3人を業務上過失傷害容疑で書類送検しました。県警は起訴を求める「厳重処分」の意見を付けました。

 送検容疑は2018年7月19日、病院の総合集中治療室(GICU)で、男児の体位を変えるために体を持ち上げた際、人工呼吸器のチューブが気管から外れたのに適切に対応せず、重度の低酸素脳症に陥らせたとしています。

 男児は約30分間にわたって心停止となりました。チューブが食道に入っていることに気付いた医師が気管に挿し直したものの、男児は約5年が経過した現在も意識が戻っていません。

 男児は事故2日前に激しいせきで救急搬送され、気管支炎と肺炎の疑いで入院。気管にチューブを挿入する人工呼吸管理を受けていました。30~33歳の3人は当時GICUを担当し、事故後に退職しました。

 県警から書類送検の知らせを受けた男児の母親(46)は、「親としてほっとしている。警察が捜査を尽くしてくれたことに感謝したい。看護師らが刑事罰を受けてけじめをつけなければ、同じことが繰り返される」と話しました。

 事故を巡っては、男児の両親らは今年1月、3人を刑事告訴。3月には同病院側を相手取り、約1億7000万円の損害賠償を求めて名古屋地裁に提訴しています。

 2023年6月21日(水)

🟩世界の糖尿病患者、過去32年で倍増

 世界の成人の糖尿病患者の割合は過去30数年で倍増し、特に途上国での増加が著しいとする論文が14日、イギリスの医学誌「ランセット」に掲載されました。  イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者らによると、成人の糖尿病患者は1990年には全成人のうち7%でしたが、202...