2023/07/05

🟧太平洋赤道域のエルニーニョ現象、7年ぶり発生 WMO、気温上昇や災害発生に警戒

 国連の世界気象機関(WMO)は4日、太平洋赤道域で海面水温が高い状態が続く「エルニーニョ現象」が7年ぶりに発生したと宣言しました。「世界の多くの地域や海洋で気温の記録が更新され、猛暑を引き起こす可能性が大幅に高まる」として、注意を呼び掛けました。

 エルニーニョは、南米ペルー沖から太平洋中部の赤道域で、海面水温が平年よりも高くなる現象。数年おきに発生し、世界の気温を押し上げるほか、地球規模で異常気象に伴う災害発生の原因になるとされます。

 WMOは世界の気象当局、研究機関や専門家による助言などを基に、今夏のエルニーニョは少なくとも中程度の強さを保ち、90%の確率で今年後半まで続くと予測しました。ペッテリ・ターラス事務局長は声明で、「WMOによる宣言は、私たちの健康、生態系、経済への影響を抑えるために、各国の政府に準備を呼び掛ける警告だ」と述べた。

 WMOは、今年から5年間の世界の気温が記録的に高まる可能性が高いと予測しています。2016年は前年に発生したエルニーニョと人為的な地球温暖化との「ダブルパンチ」で、世界の年平均気温が観測史上で最も高い年になりました。エルニーニョの地球の気温への影響は発生翌年に現れる傾向があり、今夏のエルニーニョは2024年の世界の気温に最も強く影響を与える可能性があるといいます。

 気象災害のみならず、漁業被害や熱帯病の増加など広範囲の影響が危惧されています。アメリカのダートマス大の研究グループは今年5月、アメリカの科学誌「サイエンス」に発表した論文で、エルニーニョに伴う長期的なコストを過去の事例を基に検証。今夏にエルニーニョが発生した場合は、2029年までに世界経済に3兆ドル(約433兆円)の経済損失をもたらす可能性があると見積もっています。

 2023年7月5日(水)

🟧日本医師会、「新型コロナ第9波と判断が妥当」 沖縄県など九州地方で感染拡大

 日本医師会の釜萢敏(かまやち・さとし)常任理事は5日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染が沖縄県など九州地方で拡大していることなどを踏まえ、「現状は第9波と判断することが妥当だ」と指摘しました。

 この中で、釜萢常任理事は、新型コロナウイルスの感染状況について、「5類への変更後、一貫して全国で徐々に増えているのは変わらない。ほとんどの県で、5月よりも6月のほうが報告数が増えており、沖縄県の感染者の増加が非常に著しい」と懸念を示しました。

 その上で、「これまで一時下がって、最も低いところになって、もう一度上がる状態がずっと持続している場合には、新しい波と考えてきた。現状は、第9波という状況になっていると判断することが妥当ではないか」と指摘しました。

 加えて、沖縄県では、リスクの高い高齢者などへの感染を防ぐ取り組みが最も求められるとし、ほかの地域についても、今後の感染状況を注視していく必要があるという考えを示しました。

 厚労省は6月30日、全国約5000の定点医療機関から6月19~25日の1週間に報告された新型コロナウイルスの感染者は前週から2641人増えて、計3万255人となり、1医療機関当たりの平均は6・13人だったと発表。前週比1・09倍でした。都道府県別では沖縄県が最多の39・48人(前週比1・37倍)、続く鹿児島県が11・71人(同1・22倍)で、前週比で増加したのは39都府県に上りました。

 新型コロナの法的位置付けが5月8日に「5類」に移行してから2・3倍となり、6週連続で増加しています。

 2023年7月5日(水)

🟧北朝鮮、7月からマスク着用義務緩和か メディアの画面や写真でノーマスクの住民を確認

 北朝鮮当局が7月に入り、新型コロナウイルス対策として取っていた屋内外でのマスク着用義務を解除したもようです。テレビ画面や新聞の写真から、住民がマスクを着用していない姿が確認されました。アメリカ政府系のラジオ自由アジア(RFA)は、北朝鮮当局がマスク着用義務を7月1日に解除したと報じました。 

 朝鮮中央テレビでは2日から、屋内でマスクを着けていない住民の姿が見られました。3日には北東部の咸鏡北道の劇場で、マスクを着用していない数百人の若者がびっしりと着席している様子が映し出されました。6月30日にはまだ、屋内の行事で全員がマスクを着けていました。

 朝鮮労働党機関紙の労働新聞を見ると、6月30日付け紙面に掲載された平壌樹脂鉛筆工場の写真では、写っている5人全員がマスクを着けています。一方、7月4日に掲載された咸鏡北道出版物管理局の写真の8人は誰も着用していません。咸鏡北道革命史跡館と金正淑平壌紡績工場の写真にも、マスクを着けた住民は見当たりません。

 ただし、新型コロナ防疫に従事する人と田で農薬をまく農業従事者は、マスクを着けています。

 RFAは西部・平安北道在住の消息筋の話として、6月30日に住民に対しマスク着用義務を7月1日付けで解除するとの指示が出されたと伝えました。国家非常防疫司令部が各道の防疫指揮部に着用義務解除を指示し、道内の工場や企業所、機関、社会団体、住民に伝達されたといいます。

 だが、着用義務の解除は一時的な措置の可能性もあります。RFAによると、当局は解除を公示した際、夏場のマスク着用による皮膚と目の不調・病気が広がることを懸念した臨時措置と説明しました。

 昨年5月から新型コロナウイルス感染者が急増した北朝鮮では、同年8月に金正恩朝鮮労働党総書記が新型コロナに「勝利した」と宣言し、マスク着用の義務はいったん解除されました。しかし、翌9月下旬から当局は再び全住民にマスク着用を求めていました。

 北朝鮮は感染対策として、2020年1月末から国境を越える人の往来を厳格に統制しており、この措置が緩和される見通しは立っていません。

 2023年7月5日(水)

🟧新型コロナワクチン接種による健康被害認定37件、うち1件は死亡事例 熊本県

 新型コロナウイルスのワクチン接種による健康被害が疑われる人が申請する国の救済制度について、熊本県は6月30日現在、県内で37件の健康被害が認定され、うち1件は2021年度に申請があった死亡事例だったと発表しました。否認は7件で、亡くなったケースはありませんでした。

 県はこれまで、認定や否認の年度ごとの内訳や死亡事例の件数について公表していませんでした。県健康危機管理課は、「県議会や報道機関から質問があり、関心が高い事柄だと判断した」として運用を改め、今後は半年に1回程度公表します。

 認定37件の内訳は、専門家でつくる審査会で救済の可否の審査が始まった2021年度が33件、2022年度が4件。否認は2021年度5件、2022年度2件でした。

 県が6月定例県議会の厚生常任委員会後に明らかにした5月24日時点と比べると、申請は3件増の累計114件、死亡事例は2件増えて13件でした。一方、審査中は70件。

 厚生労働省が公表している審議結果や県のまとめによると、全国の申請累計は6月26日現在で7966件。認定2881件(死亡事例103件)、否認405件(同4件)で、審査中は4680件。

 県健康危機管理課は、「被害の認定があったのは事実だが、ワクチンの重症化予防効果と副反応のリスクの双方を踏まえて接種するかどうか判断してほしい」と呼び掛けています。

 2023年7月5日(水)

2023/07/04

🟧職場の熱中症を防ぐ、現場作業者向けガイド作成 厚労省

 職場での熱中症対策をまとめた「働く人の今すぐ使える熱中症ガイド」を厚生労働省が作成し、ウェブサイトで公表しています。職場で発生する危ない状況と対策をイラスト付きで表記。屋外作業を伴う建設業者や、産業医のいない中小企業の事業主などへ周知を図ります。

 厚労省によると、過去10年で職場で熱中症になった人は建設業が1571人と最多で、製造業1311人、運送業940人と続きます。ガイドでは現場で作業員が倒れた時は、すぐに119番し、作業着を脱がせて水をかけ、全身を急速冷却することが「命を救う行動」だと強調しました。

 予防にはこまめに水分と塩分を取ることや、休憩することが大事。作業初日や長期休暇明けの人は、体が慣れていないので特に気を付ける必要があります。実際に現場でできる取り組みとして、車を涼しくして休憩所として利用することや、足を水に入れて冷やす足水コーナーの設置を紹介しています。

 手足がつる、吐き気や立ちくらみ、めまいがする、汗のかき方がおかしい(汗が⽌まらない/汗がでない)といった症状は熱中症の可能性があります。

 担当者は「ちゅうちょなく119番し、水をかけるなどしてほしい」と呼び掛けました。

 2023年7月4日(火)

🟧子供で広がる夏風邪「ヘルパンギーナ」、過去10年で最多 18の都府県で警報レベル上回る

 乳幼児がかかりやすい夏風邪「ヘルパンギーナ」が流行し、各地で警報が発令されています。国立感染症研究所が4日に公表した速報値によりますと、感染者は6月下旬に前年同期比で41倍超に増加、18都府県が警報レベルとなりました。

 専門家は新型コロナウイルス対策で感染者がここ数年減少し、免疫を持たない乳幼児が増えたことが原因と指摘しています。

 ヘルパンギーナは飛沫や接触によって、エンテロウイルスに感染して発症します。38~40度の高熱と、口の中に水膨れができたり、のどが痛んだりといった症状が出るのが特徴。飲食できずに脱水症状となり、重症化する場合があります。ワクチンや特効薬はなく、解熱剤などの対症療法で対応します。

 感染症研究所によると、6月19~25日に全国約3000カ所の小児科の定点医療機関に報告された感染者数は患者は1万8176人、1医療機関当たりでは5・79人で、過去10年間で最も多くなりました。

 厚生労働省研究班が定めた基準では1定点医療機関当たり6人を超えると警報レベルで、地域別では、宮城県が1定点医療機関当たり14人と最も多く、鹿児島県や静岡県でも10人を上回るなど、18都府県が基準を超えました。

 千葉大の石和田稔彦教授(小児感染症学)によると、例年より1~2カ月早いペースです。

 2023年7月4日(火)

🟧医療機関8割、オンライン診療の届出意向なし 「対面診療のほうが優れている」など理由

 オンライン診療料の届出意向がない医療機関の多くは、対面診療のほうがオンライン診療よりも優れていると認識しており、受診経験のある患者も対面診療に比べると十分な診療を受けられないと感じている―。こんな実態が、厚生労働省が6月8日の診療報酬調査専門組織である入院・外来医療等の調査・評価分科会に報告した、2022年度診療報酬改定の検証調査の結果(速報値)で明らかになりました。

 調査結果によると、回答した800施設中、情報通信機器を用いた「初診料」等の届出をしていたのは255施設(31・9%)でした。2022年10月1カ月間の実施状況では6施設(2・4%)が「オンライン初診料」を算定。「オンライン再診料・外来診療料」の算定は23施設(9・3%)で15回を超えていました。

 オンライン診療料の未届出施設の今後の意向では、「届出の意向なし」が82・3%で最多。その理由では、「対面診療のほうが優れているため」(72・3%)、「患者のニーズがない・少ないため」(52・9%)、「オンライン診療のメリットが手間やコストに見合わないため」(43・0%)などの回答が多くなりました。

 一方、オンライン診療の受診経験がある外来患者や一般国民の感想では、「対面診療であればすぐに受けられる検査や処置が受けられないと感じた」、「対面診療と比べて十分な診療を受けられていないと感じた」などが上位となりました。

 回答者全体の約7割はオンライン診療よりも対面診療を希望しているものの、対面とオンラインの選択については、「医師の判断に任せたい」、「症状に応じて使い分けたい」との回答が4割から5割程度となりました。

 2023年7月4日(火)

🟩20歳代男性がレプトスピラ症に感染 茨城県内で5年ぶり確認

 茨城県は15日、県内の20歳代男性が、重症化の恐れがある感染症「レプトスピラ症」と確認されたと発表しました。男性は腎不全などで10月16日に入院したものの、すでに回復し、退院しています。茨城県内での確認は5年ぶり。渡航先のタイで感染したとみられます。  県感染症対策室によると...