2023/07/19

🟧宮城県大崎市の病院で6人がレジオネラ属菌に感染、1人死亡1人重症 目安値の68万~97万倍

 宮城県は19日、大崎市の医療法人永仁会病院を利用した患者6人からレジオネラ属菌を検出し、このうち通院患者の80歳代の1人が死亡、40歳代の患者が重症になったと発表しました。70歳代3人と90歳代1人は快方に向かっているといいます。

 病院に設置している2台の空調施設の冷却水を検査した結果、目安値の68万~97万倍のレジオネラ属菌が検出されているといいます。県では遺伝子検査を行い、罹患との関連を調べます。

 県によると、6月28日にレジオネラ肺炎の患者を確認したものの、感染源の特定には至りませんでした。7月4日になって3人のレジオネラ肺炎の届け出を受けたため、大崎保健所で聞き取りから患者が共通で利用してい永仁会病院を特定。空調施設の冷却水を採取するとともに清掃を指導しました。

 その後の検査で、冷却水からは目安値の68万~97万倍のレジオネラ属菌が検出されました。

 冷却水が蒸発する際、レジオネラ属菌も同時に排出された可能性があるものの、遺伝子の特定には至っていません。

 レジオネラ属菌は、河川や湖水などの自然界に生息。感染すると「レジオネラ症」を引き起こし、国内では入浴施設などを発生源とした感染例が多数報告されており、過去には死亡した人もいます。人から人へは感染しません。

 厚生労働省によると、レジオネラ症の潜伏期間は、2~10日。同症の主な病型として、重症の肺炎を引き起こす「レジオネラ肺炎」と、一過性で自然に改善する「ポンティアック熱」が知られています。

 レジオネラ肺炎は、全身の倦怠(けんたい)感や頭痛などに始まり、せきや38度以上の高熱といった症状もみられるようになります。抗菌薬で治療できます。

 最近では、福岡県筑紫野市の老舗旅館で昨年2月、週1回以上必要な浴場の湯の取り換えを年2回しか行わず、調査で基準値の最大3700倍のレジオネラ属菌が検出されました。

 2023年7月19日(水)

🟧熱中症の救急搬送者、7月16日までの1週間で8189人 前週比・前年比とも2倍

 危険な暑さが相次いだ7月16日までの1週間に、熱中症の疑いで病院に運ばれた人は8100人余りと、前の週の約2倍に上ったことが19日、総務省消防庁のまとめでわかりました。

 総務省消防庁によりますと、7月10日から16日までの1週間に熱中症の疑いで病院に運ばれた人は、全国で合わせて8189人(速報値)でした。

 最高気温が39度を超えるなど危険な暑さが相次いだこともあり、前の週(3~9日、3964人)の約2倍と今年最も多くなったほか、昨年の同じ時期(3958人)比と比べても約2倍に増えています。

 このうち、死亡した人は愛知、和歌山、岡山3県の計3人(前週比1人増)で、入院が必要な「重症」や「中等症」が合わせて2752人、「軽症」が5350人でした。

 年齢別では、65歳以上の高齢者が4484人と全体の半分以上を占めたほか、18歳以上65歳未満が2836人、7歳以上18歳未満が794人、0歳から7歳未満が75人でした。

 都道府県別では、東京都が1066人と最も多く、昨年の同じ時期の4・6倍に上りました。次に多かったのが埼玉県で806人、次いで愛知県の540人、神奈川県の473人、大阪府の433人などとなっています。

 また、場所別では、住居が3215人と最も多く、次いで道路が1445人、屋外の競技場や駐車場などが1066人などとなっています。

 気象庁によりますと、この先1週間も各地で厳しい暑さが続く見込みで、総務省消防庁は、適切に冷房を使用したり、こまめに水分を補給したりするほか、作業を行う時は適度に休憩するなど熱中症への対策を呼び掛けています。 

 2023年7月19日(水)

🟧福岡西陵高校、新型コロナ集団感染の疑いで休校 200人以上が陽性や発熱

 福岡市教育委員会は18日、市立福岡西陵高校(西区)で新型コロナウイルスの集団感染が疑われるとして、21日まで全校休校にしたと発表しました。

 市教委によると、全校24クラスの生徒939人のうち、18日朝の時点で、全学年にわたり39人が新型コロナ陽性と判明し、それ以外にも199人が発熱などの症状で欠席。同日午前に休校を決めたといいます。

 14日に全学年での体育祭があり、市総合体育館(東区)で綱引きやリレーなどを行ったといいます。マスク着用は個人の判断に任せていました。14日の欠席者は32人で、15~17日は休みでした。

 2023年7月19日(水)

2023/07/18

🟧アメリカFDA、RSウイルスワクチンを承認 2歳以下の乳幼児向けで初

 アメリカ食品医薬品局(FDA)は17日、イギリスのアストラゼネカとフランスのサノフィが共同開発した乳幼児向けのRSウイルス(呼吸器合胞体ウイルス)感染症のワクチンを承認したと発表しました。健康状態などに関係なく、2歳以下の幅広い乳幼児に使用できるRSウイルス向けのワクチンが許可されるのは初めて。

 アメリカ疾病対策センター(CDC)は8月に専門家による諮問委員会を開催し、医師による具体的な使用方法などの詳細を取りまとめる計画で、これを踏まえてCDCが推奨すれば接種を始められます。

 RSウイルスは大半の場合は軽い風邪のような症状ですむものの、乳幼児がかかると重症化する場合があります。アメリカでは昨年に子供の患者が急増し、緊急医療の現場が逼迫する一因となりました。RSウイルスの流行シーズンは秋から冬で、今年の流行期を前にRSウイルスワクチンへの期待は高まっています。

 製薬業界では近年、RSウイルスワクチンを巡る競争が激化していました。今年5月3日、FDAが世界で初めてとなるRSウイルス向けのワクチンを承認しました。イギリスのグラクソ・スミスクライン製のワクチンで、60歳以上の高齢者を対象としていました。

 RSウイルスは免疫が低下し持病のある高齢者では肺炎を起こし、重症化するリスクが高まります。アメリカ国立アレルギー感染症研究所の推定によると、アメリカではRSウイルスが原因で年間に約1万4000人の65歳以上の高齢者が死亡しています。世界では毎年6400万人が感染し、死亡者は16万人に上ります。日本では年に約6万人の入院と4000人の死亡につながるとの推計もあります。

 2023年7月18日(火)

🟧夏の間に一定のコロナ感染拡大が生じる可能性 加藤厚労相、感染対策を呼び掛け

 新型コロナの感染者数が増加傾向にあり、加藤勝信厚生労働相は夏休みの帰省で高齢者と会う際などには、手洗いや換気、マスクの効果的な場面での着用など、基本的な感染対策を心掛けるよう呼び掛けました。

 新型コロナウイルスの全国の感染状況は、7月9日までの1週間では1つの医療機関当たりの平均の患者数が9・14人で、前の週の1・26倍となっています。

 これについて、加藤厚労相は18日の閣議の後の記者会見で、「新規感染者数は緩やかな増加傾向が続いている」とした上で、「過去の状況なども踏まえ、今後、夏の間に一定の感染拡大が生じる可能性がある」との認識を示しました。

 また。加藤厚労相は夏休みの旅行や帰省などで高齢者や基礎疾患のある人に会ったり、大人数で集まったりする際には、手洗いや換気、マスクの効果的な場面での着用など、基本的な感染予防対策を心掛けるよう呼び掛けました。

 また、マスクを着用する際にはより熱中症のリスクが高まるとして、こまめな水分補給などの熱中症対策についても周知を図っていく考えを示しました。

 2023年7月18日(火)

🟧熱中症の疑いで救急搬送、埼玉県内で101人 東京都内で73人

 埼玉県によりますと、18日午後4時の時点で、熱中症の疑いで救急搬送された人は101人に上り、10日の102人に次ぎ今シーズンで2番目に多くなりました。

 101人のうち重症が6人、中等症が29人、軽症が66人となっています。

 また、65歳以上の高齢者が66人と全体の3分の2近くを占めています。

 県は、外出を控えることや、こまめに水分を補給することなど、熱中症対策を呼び掛けています。特に、高齢者や持病がある人は、暑さで徐々に体力が低下し室内でも熱中症になることがあるとして、エアコンを適切に使い、周りの人も高齢者がいる部屋の温度に注意してほしいと呼び掛けています。

 一方、東京消防庁によりますと、東京都心で3日連続で「猛暑日」となる中、都内では18日午後3時の時点で、4歳から95歳までの合わせて73人が熱中症の疑いで救急搬送されたということです。

 73人のうち、70歳代と80歳代の男性合わせて2人が重症、28人が中等症、43人が軽症だということです。

 東京消防庁は、のどが渇く前にこまめに水分を補給するなど対策を徹底するよう呼び掛けています。

 2023年7月18日(火)

2023/07/17

🟧北京市の最高気温41・8度、欧米には熱波 記録的猛暑、北半球を襲う

 北半球の各地を記録的な猛暑が襲っています。中国・北京市では6月に最高気温が40度を超え、冷涼なロシア・シベリアでは森林火災が拡大。欧米も熱波に見舞われています。今年は南米ペルー沖の海面水温が高くなる「エルニーニョ現象」が発生しており、世界全体の気温はさらに上昇するとの観測も出ています。

 7月初旬、スマートフォンに北京市の気象当局からメッセージが届きました。「赤色警報。熱中症対策をしっかりして、高温時は屋外の作業をやめてください」。中国ではその日の気温の予測に応じ、警戒レベルを3段階に区分。6月下旬以降、最高気温が40度以上と最も深刻な「赤色」警報が相次いで出されました。

 中国気象局は、6月の全国平均気温が1961年以来、2番目に高かったと公表。北京市では6月22日に最高気温が41・8度に達しました。市内のタクシー運転手は「外が暑すぎて、エアコンの効き目がない」とぼやきました。

 アメリカでは西部や南部の広い範囲で熱波に見舞われ、アリゾナ州フェニックスでは7月15日までに16日連続で43度を超えました。アメリカ国立気象局は、西部・南部の州で「広範囲で厳しい」熱波についての警告が発せられ、8000万人以上が影響を受けるとの見方を示しました。

 カリフォルニア州南部では山火事が相次ぎ、リバーサイド郡では3000ヘクタール超が焼失したほか、各地で避難命令が発出されました。

 ヨーロッパでもスペインやイタリア、ギリシャなどで40度を超える日が出ており、イギリスのBBC放送は「今夏は昨年よりもさらに死者が増える恐れがある」と報じました。

 世界気象機関(WMO)によると、先月は観測史上最も暑い6月となりました。7月7日に記録した世界平均気温は17・24度で、過去最高だった2016年8月16日の16・94度を更新。WMOはエルニーニョ現象が7年ぶりに発生したとし、さらに暑くなる可能性があると予測しています。

 エルニーニョ現象の際は日本では冷夏になることが多いものの、逆の影響が出る「ラニーニャ現象」終息から間もなく、日本列島も16日、各地でこの夏1番の暑さとなりました。

 ロシアのシベリアや極東でも6月から猛暑が続いています。現地メディアなどによると、アルタイ地方の中心都市バルナウルでは、20度台前半とされる例年6月の最高気温を大幅に上回り、6月7日に38・5度を記録しました。

 雨不足もあり森林火災も拡大し、サハ共和国では160カ所以上で火災が発生。首都ヤクーツクの旅行会社経営ボチカリョフ氏は取材に「猛暑と森林火災は近年は毎年続いているが、今年は暑さ到来が特に早かった」と話しました。

 インドでは、モンスーン(雨期)による豪雨に見舞われた北部で洪水や土砂災害が発生しています。首都ニューデリーではヤムナ川の水位が過去最高を記録しました。専門家は気候変動の影響により、同国におけるこうした自然災害の発生頻度と規模の増大を指摘しています。

 2023年7月17日(月)

🟪「がん予防」うたう再生医療で敗血症、厚労省がクリニック運営法人などに改善命令

 医療法人輝鳳(きほう)会(東京都豊島区)が運営する医療機関で自由診療の再生医療を受けた2人が敗血症となった事案で、厚生労働省は24日、再生医療安全性確保法に基づき、輝鳳会と都内の医療機関代表2人に対し、再発防止策の策定などを求める改善命令を出しました。調査では複数の法令違反や...