宮城県は19日、大崎市の医療法人永仁会病院を利用した患者6人からレジオネラ属菌を検出し、このうち通院患者の80歳代の1人が死亡、40歳代の患者が重症になったと発表しました。70歳代3人と90歳代1人は快方に向かっているといいます。
病院に設置している2台の空調施設の冷却水を検査した結果、目安値の68万~97万倍のレジオネラ属菌が検出されているといいます。県では遺伝子検査を行い、罹患との関連を調べます。
県によると、6月28日にレジオネラ肺炎の患者を確認したものの、感染源の特定には至りませんでした。7月4日になって3人のレジオネラ肺炎の届け出を受けたため、大崎保健所で聞き取りから患者が共通で利用してい永仁会病院を特定。空調施設の冷却水を採取するとともに清掃を指導しました。
その後の検査で、冷却水からは目安値の68万~97万倍のレジオネラ属菌が検出されました。
冷却水が蒸発する際、レジオネラ属菌も同時に排出された可能性があるものの、遺伝子の特定には至っていません。
レジオネラ属菌は、河川や湖水などの自然界に生息。感染すると「レジオネラ症」を引き起こし、国内では入浴施設などを発生源とした感染例が多数報告されており、過去には死亡した人もいます。人から人へは感染しません。
厚生労働省によると、レジオネラ症の潜伏期間は、2~10日。同症の主な病型として、重症の肺炎を引き起こす「レジオネラ肺炎」と、一過性で自然に改善する「ポンティアック熱」が知られています。
レジオネラ肺炎は、全身の倦怠(けんたい)感や頭痛などに始まり、せきや38度以上の高熱といった症状もみられるようになります。抗菌薬で治療できます。
最近では、福岡県筑紫野市の老舗旅館で昨年2月、週1回以上必要な浴場の湯の取り換えを年2回しか行わず、調査で基準値の最大3700倍のレジオネラ属菌が検出されました。
2023年7月19日(水)