2023/08/07

🟧新型コロナ5類移行3カ月、感染者数6倍 イベント再開も拡大の一因

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」から「5類感染症」に移行してから8日で3カ月となる中、一貫して感染者の増加が続いています。今夏は祭りや花火大会などのイベント再開が感染拡大の一因とされ、お盆の帰省などでさらなる感染増も懸念されます。

 厚生労働省によると、7月30日までの直近1週間に、全国約5000の定点医療機関から報告された新型コロナウイルスの感染者数は計7万8502人で、1医療機関当たりの感染者数は、15・91人。5類移行から11週連続の増加となり、移行直後の約6倍に達しました。

 厚労省に助言する専門家組織は8月4日の会合で、「より免疫逃避が起こる可能性のある変異型の割合増加」「夏休みなど接触機会の増加」などを挙げ、今後の見通しを「患者数の増加が継続する可能性がある」と分析しました。

 現在主流で複数のオミクロン型が組み合わさった「XBB」系統は、従前の「BA・5」より感染力が高く、ワクチンや自然感染で得た免疫を逃れる性質も強いとされます。

 感染者数は、8波ピークの29・80人(参考値)に比べると半分程度。確保病床使用率(7月26日時点)も、50%超の自治体は福岡、宮崎、沖縄の3県にとどまるものの、現場は楽観視していません。

 「いとう王子神谷内科外科クリニック」(東京都北区)では、8月3日までの直近1週間に発熱などの症状で受診した患者のうち、約6割がコロナ陽性。1日当たり6~7人に上り、伊藤博道院長によると、昨夏の7波と同水準だといいます。

 伊藤院長は、「感染者は祭りや花火大会など、今夏から久しぶりに復活した行事に参加していたケースが多い」と指摘。盛夏に入り熱中症も増加傾向にあり、「コロナ疑い患者のこれ以上の増加は厳しい」と懸念します。

 警戒意識の共有を巡っては、4日の専門家組織の会合で、季節性インフルエンザで使われている「注意報」(1定点当たり10人超)や「警報」(同30人超)の導入を求める意見がありました。

 厚労省は「できるだけ早く形を示したい」としたものの、コロナの流行に明確な周期性はなく、目安設定の在り方には検討の余地があります。脇田隆字座長は「基礎データがまだ少ない。まずは暫定的なものになるだろう」との見方を示しています。

 ウィズコロナの夏。高齢者らには依然、リスクが高い感染症であり、同省は「換気や混雑時のマスク着用など、基本的な対策に改めて取り組んでほしい」としています。

 2023年8月6日(日)

🟧成人喫煙率が男性25%、女性7%に低下 厚労省調査

 厚生労働省の2022年国民生活基礎調査によると、たばこを吸う人の割合は男性で25・4%、女性で7・7%でした。3年ごとに喫煙率を調べており、男性は前回2019年から3・4ポイント、女性は1・1ポイント低下。いずれも減少傾向が続いています。

 害悪が広く認識されるようになったことや、健康志向の高まり、受動喫煙対策を強化した改正健康増進法の施行などが、影響したとみられます。

 男性は2001年時点で全体の48・4%と、ほぼ2人に1人が吸っていました。約20年が経過し4人に1人まで減ったことになります。

 年代別にみると、男性は40歳代が34・6%と最も高く、50歳代32・6%、30歳代29・9%と続きました。

 2023年8月7日(月)

2023/08/06

🟧アステラス製薬の眼疾治療薬「アイザーヴェイ」、アメリカで承認 現地子会社が開発

 アステラス製薬は5日、眼疾治療薬「アイザーヴェイ」について、アメリカ食品医薬品局(FDA)から4日付(現地時間)で承認されたと発表しました。ピーク時売上高は非開示ながら、年間売上高10億ドルを超える大型薬「ブロックバスター」になることを期待しています。

 アイザーヴェイは7月に子会社化したアメリカのアイベリック・バイオ社が開発しました。目の細胞の機能が中心部から衰えていく地図状委縮を伴う加齢黄斑変性に対する核酸医薬品。加齢黄斑変性は老化などによって視力低下や失明を引き起こす難病で、新薬は治療に向けた新たな選択肢となる可能性があります。

 臨床試験(治験)では、地図状委縮の進行速度の抑制が早い例で投与後6カ月時点でみられたといいます。最初の1年間で進行速度を最大35%抑制したことも確認できました。

 アステラス製薬の主力薬である前立腺がん薬「イクスタンジ」は2023年3月期の売上高が約6600億円と、連結売上高の4割強を占めます。ただ、イクスタンジは2027年ごろから特許切れを迎えます。医薬品は特許が切れると後発薬が登場し、収益が激減します。

 アステラス製薬はイクスタンジの独占期間満了による売り上げ減少を補う収益の柱の一つとして、更年期障害向け治療薬「フェゾリネタント」などとともに「アイザーヴェイ」を位置付けています。今後2〜4週間以内にアメリカでアイザーヴェイを発売する予定。

 アステラス製薬は、2024年3月期連結業績への影響は「精査中」としています。

 地図状委縮は、アメリカで約150 万人に影響を及ぼしています。しかし、アメリカで地図状委縮を患っている人の約75%は未診断と考えられています。適切なタイミングでの治療がなければ、地図状委縮患者の推定66%が失明または重度の視覚障害になる可能性があります。

 2023年8月6日(日)

🟧世界の平均海面水温、過去最高の20・96度を記録 コペルニクス気候変動サービスが発表

 イギリスなどの複数のメディアは、世界の平均海面水温が今週、過去最高を記録したと、ヨーロッパ連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」が明らかにしたことを伝えました。

 イギリスの公共放送BBCは4日、世界の平均海面水温が今週、20・96度に達し、記録が残る1979年以降最も高くなったと「コペルニクス気候変動サービス」が明らかにしたと伝えました。

 これまでの記録は2016年の20・95度で、これは南米ペルー沖から太平洋中部の赤道域で、海面水温が平年よりも高くなるエルニーニョ現象の影響を受けたものだったということです。

 そして、海面水温が高くなることで、氷河が溶けやすくなって海面が上昇したり、水中に吸収される二酸化炭素の量が減ったりして、気候全体に影響を与えかねないという見方を伝えています。

 また、専門家の話として例年、海面水温が最も高くなるのは8月ではなく3月だとして、今後、来年3月までの間にさらに海面水温が高くなる恐れがあるとの懸念を示しています。

 今年は陸地でも世界的に記録的な暑さとなっていて、世界気象機関(WMO)によりますと、中国の新疆ウイグル自治区のトルファン市では7月16日に52・2度を、北アフリカのチュニジアの首都チュニスでも7月24日に49度を記録しています。

 2023年8月6日(日)

🟧新型コロナウイルス秋接種、9月20日開始 XBB対応1価ワクチンを使用

 接種可能なすべての年代を対象とする新型コロナウイルスワクチンの秋接種を巡り、厚生労働省は6日までに、現在流行の主流となっているオミクロン型の派生型「XBB」に対応した1価ワクチンを使い9月20日から始めると、都道府県などに周知しました。

 ファイザーはXBB対応品の対象を生後6カ月以上として承認申請しています。モデルナは12歳以上で申請したと発表していたものの、その後6歳以上に訂正しました。

 高齢者や基礎疾患がある人、医療従事者らを対象に5月から始まった春接種は9月19日で終了。厚労省は、希望者に早めの予約を呼び掛けるよう自治体に要請しました。

 2023年8月6日(日)

2023/08/05

🟧無痛分娩で31歳死亡、和解成立 医院側が遺族に7500万円支払い、大阪府和泉市

 大阪府和泉市の産婦人科医院「老木(おいき)レディスクリニック」で2017年、麻酔で痛みを和らげる「無痛分娩(ぶんべん)」での出産に臨んだ女性=当時(31)=が死亡し、遺族が医療法人と男性院長に計約8300万円の損害賠償を求めた大阪地裁での訴訟で、医院側が7500万円を支払う内容で和解したことが4日、わかりました。裁判手続き外の和解で、遺族側は訴訟を取り下げて7月25日付で終結しました。

 女性は長村千恵さん。訴状によると、2017年1月、同院で無痛分娩で出産しようとした際に局所麻酔を受けたものの、呼吸困難で意識不明となり、10日後に脳機能損傷で死亡しました。子供は帝王切開で生まれ無事でした。

 遺族側は、麻酔時に背中から挿入した管(カテーテル)の位置が不適切だったため呼吸困難に陥ったとして、医院側の注意義務違反などを主張していました。

 院長は、業務上過失致死容疑で書類送検されましたが、大阪地検が嫌疑不十分で不起訴処分としました。クリニックは昨年1月、地裁から破産手続きの開始決定を受けました。

 2023年8月5日(土)

🟧セブン-イレブンのおにぎりにゴキブリ混入 埼玉県の一部店舗で販売、約2000個自主回収へ

 コンビニ大手のセブン-イレブン・ジャパンは埼玉県内の一部の店舗で販売したおにぎりにゴキブリが混入した恐れがあるとして、2000個近くを自主回収すると発表しました。

 対象となるのは、埼玉県内の約370店舗で3〜4日に販売した「梅香る混ぜ飯おむすび 紀州南高梅」です。

 会社によりますと、4日朝、商品を購入した客と店内で商品を見た客合わせて2人からゴキブリが混入していると指摘があったということです。

 会社では、埼玉県さいたま市の委託先のわらべや日洋食品大宮工場で製造された同じ製品にゴキブリが混入した可能性があるとして、消費期限が4日午後9時となっている1972個について、店頭から撤去できなかったぶんを自主回収するということです。

 委託先の工場では製造ラインを停止して洗浄や殺菌、防虫業者による緊急点検などを行ったほか、今後、点検の頻度を増やすということです。

 会社によりますと、これまでのところ健康被害の報告はないということです。

 セブン-イレブン・ジャパンは、「多大なご迷惑、ご不快な思いをおかけし、心より深くおわび申し上げる。今後はよりいっそう品質管理を強化・徹底し、再発防止に努めていく」とコメントしています。

 問い合わせ先の電話番号は、フリーダイヤル0120-711-008で、午前9時から午後5時まで受け付けています。

 2023年8月5日(土)

🟥ゴールドウイン、PFAS不使用に 年内に衣料品の素材切り替え、海外拡大で

 アパレル大手で衣料品の素材として有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」を使うことを取りやめる動きが広がっている。「ザ・ノース・フェイス」などを展開するゴールドウインは2025年内で代替素材に切り替える。PFASは熱に強く、アウトドア向け衣料で活用されている。健康への有害性...