新型コロナウイルスの全国の感染状況は、8月6日までの1週間では1つの医療機関当たりの平均の患者数が15・81人で、前の週に比べわずかに減少したものの、ほぼ横ばいの状態となっています。また、23の都道県では前の週より増加しています。
厚労省によりますと、7月31日から8月6日までの1週間に全国約5000の定点医療機関から報告された新型コロナの患者数は前の週から565人減って、7万7937人となりました。
また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は15・81人で前の週の0・99倍となり、5月に感染症法上の分類を5類に移行してから初めて減少しました。10人を超えるのは4週連続。
都道府県別では、多い順に佐賀県が34・69人、長崎県が28・46人、宮崎県が25・84人、大分県が24・86人、石川県が24・1人、熊本県が22・41人、鳥取県が21・97人、山口県が21・18人、福岡県が21・0人、鹿児島県が20・76人などとなっていて、23の都道県で前の週より増加しています。少ないのは秋田県8・08人、群馬県9・95人、北海道10・16人など。
このほか、8月6日までの1週間に新たに入院した人は全国で1万1801人で、前の週と比べて167人の増加となりました。
厚労省は全国の流行状況について、「感染状況はほぼ横ばいの傾向が続いており、入院外来もひっ迫していない状態だが、例年、お盆明けは感染拡大のピークとなるので、高齢者と一緒に過ごす際には、体調に留意し、マスクを着用するなど引き続き感染対策を行ってほしい」としています。
新型コロナの現在の感染状況について、感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は、「1週間前に比べてやや減少しているが、夏休み期間で10歳代の学校での感染が減ったことが要因として考えられる。一方で、60歳代以上の高齢者は引き続き増加が続いていて、横ばいの状況とみていいと思う」と話しています。
今後の見通しについては、お盆で人の移動が活発になっていることや、台風の接近で外出を控えて家で家族などと過ごす人が増えることで、人と人との接触が増え、感染が広がりやすい状況になっているとして、「今月末に向けて再び増加に転じる可能性が高い」と指摘しました。
その上で「新型コロナを疑う症状がある場合は、食事会や行事への参加を控えるなどの対応を考えてもらいたい。お盆休みが明けて仕事を再開する時に体調が悪い場合は、検査を受けたり、無理せずに休んだりすることが大事だ」と話していました。
また現在、オミクロン型のうち、EG・5という変異ウイルスが増加傾向にあることについて、「EG・5は従来のオミクロン型よりやや感染力が強いのではないかと懸念されていて、世界的にも感染が拡大している。世界保健機関(WHO)は病原性は高くないのではないかとしているが、感染力がどの程度なのか注視していく必要がある」と述べました。
2023年8月15日(火)