季節性インフルエンザについて、厚生労働省は22日、9月11日から17日の患者数を発表しました。全国約5000の定点医療機関から1週間に報告された新規感染者数は計3万4665人、1医療機関当たり7・03人で、前週(9月4~10日)の4・48人を上回りました。昨年同時期は0・02人で、9月に流行する異例の状況が続いています。
厚労省は、全国約5000の医療機関を受診した1週間ごとの患者数に基づき、流行状況を公表しています。都道府県別では、沖縄県(20・85人)が最も多く、千葉県(14・54人)、愛媛県(12・07人)、佐賀県(11・95人)、東京都(11・37人)、埼玉県(11・07人)、徳島県(10・35人)の計7都県で注意報レベルとされる10人を超えました。少なかったのは順に青森県(0・38人)、岩手県(0・60人)、山形県(0・74人)でした。この週に休校、学年閉鎖、学級閉鎖となった保育所、小中高校などは1625施設に上りました。
例年は、12月初めぐらいから流行が始まります。インフルエンザに詳しい菅谷憲夫・慶応大客員教授は、「子供だけでなく高齢者の入院患者も出始めており、感染は全世代に広がりつつある。今後大きな流行になると考えられる」と警告しています。
その理由として、日本では2020~2021年、2021~2022年の2シーズン中は流行がなく、インフルエンザの免疫を持つ人が少ないことを挙げます。欧米では2021~2022年に小規模な流行があり、翌2022~2023年に大流行が起きました。日本は1年遅れで2022~2023年に小規模な流行があり、欧米同様に、その翌シーズに当たる今年から来年にかけて大規模な流行になる恐れがあるといいます。
厚労省の8月時点の見込みでは、9月末までに年度内に供給されるワクチンの半数以上の量が出荷されます。菅谷教授は、「特に高齢者は、新型コロナワクチンとともにインフルエンザのワクチンも早めに接種してほしい」とし、手洗いや屋内でのマスク着用、換気などの励行も呼び掛けます。
2023年9月22日(金)