2023/10/04

🟧長野県民の9割以上が塩分取り過ぎ 調味料から取る量が多いことや漬物などを多く食べる食文化が影響か

 長野県民の9割以上が食塩を取り過ぎていることが、県の県民健康・栄養調査(速報値)でわかりました。塩分の取り過ぎは脳血管疾患の要因とされており、調味料から取る量が多いことや、漬物、魚の加工品を多く食べる食文化が影響している可能性があるとみて、県は減塩を呼び掛けます。

 調査はおおむね3年に1度行っており、今回は昨年10~12月、県内42地区の599世帯約1250人が回答しました。

 それによると、20歳以上の1日当たりの食塩摂取量の平均は男性11・5グラム、女性9・6グラム。国の定める目標量は男性7・5グラム未満、女性6・5グラム未満で、目標量を上回る男性は93・5%(前回比0・3ポイント増)、女性は90・0%(前回比2・0ポイント減)でした。県は男女ともに8グラム以下を目標に減塩を呼び掛けているものの、摂取量は横ばいでした。

 また、野菜の摂取量の平均は近年横ばいで、男性が333グラム、女性が298グラムでした。全国的にみると、県民の野菜摂取量は多いとみられるものの、男女ともに国の目標量の350グラムより少なくなりました。

 肥満とされるBMI(体格指数)25以上の20歳以上の男性は27・1%、「やせ」とされるBMI18・5未満の20歳以上の女性は14・0%で、ともに横ばい。一方、65歳以上の低栄養傾向の女性は、前回よりも9・6ポイント多い36%と急増していました。

 長野県は2020年時点で平均寿命が男性が全国2位の82・68歳、女性が全国4位の88・23歳ですが、2010年時点の健康寿命の男性72・55歳、女性74・99歳との差は大きくなっています。また、脳血管疾患の死亡率は全国上位であり、脳卒中は要介護の主な原因となっています。

 2023年10月4日(水)

2023/10/03

🟧プール熱の患者報告数が減少に転じる 専門家「さまざまな感染症に注意が必要」

 子供を中心に感染する「咽頭結膜熱」、いわゆる「プール熱」は、患者が多い状態となって5週連続で増加していましたが、最新のデータでは前の週より患者の数が減少に転じました。専門家は「今年は引き続きさまざまな感染症に注意が必要だ」と指摘しています。

 「咽頭結膜熱」、いわゆるプール熱は、子供を中心に高熱や結膜炎などの症状が出るウイルス性の感染症で、せきやくしゃみなどの飛まつで感染するほか、ウイルスが付着したタオルやプールでの接触などを介しても感染します。

 国立感染症研究所によりますと、9月10日から24日までの1週間に全国約3000の小児科定点医療機関から報告された患者の数は4126人で、前の週よりも400人余り減りました。1医療機関当たりでは、前の週より0・14人少ない1・31人となりました。過去10年で2番目に多い患者数です。

 地域別では、福岡県が4・44人、沖縄県が3・61人、大阪府が3・55人と国の警報レベルの目安となる「3」人を超えていて、このほか、佐賀県が2・39人、大分県が2・36人などとなっています。

 子供の感染症に詳しい国立病院機構三重病院の谷口清州院長は、「プール熱はピークを超えたと思うが、今年はほかにもさまざまなウイルス感染症が交錯している状況で注意が必要だ。すでにインフルエンザの流行が始まっている地域もあるので、親も子もワクチンを打つなど対策をとってほしい」と話しています。

 2023年10月3日(火)

🟧武田薬品のワクチンをWHOが推奨 デング熱流行地域の6~16歳に接種を

 世界保健機関(WHO)は2日、武田薬品工業が開発したデング熱ワクチン「QDENGA(キューデンガ)」について、デング熱が大規模流行している地域で6~16歳の子供への接種を推奨すると発表しました。QDENGAはヨーロッパ連合(EU)やインドネシア、ブラジルなどではすでに承認済み。

 蚊が媒介するウイルス感染症のデング熱は近年、感染者が増加しており、地球温暖化も要因となって確認地域も拡大しています。QDENGAは初回接種の3カ月後に、2回目を受けるようWHOは求めています。9月下旬に開かれた専門家による諮問委員会の協議結果を踏まえて決定しました。

 デング熱はアフリカやアジア、中南米での流行拡大が懸念されており、専門家はQDENGAについて「幅広い使用の可能性を秘めた最初のデング熱ワクチンだ」と述べました。 

 WHOはまた、イギリスのオックスフォード大が開発したマラリアのワクチン「R21」の子供への接種を推奨すると発表しました。

 蚊が媒介するマラリアは、アフリカの幼い子供を中心に毎年50万人もの死者を出しています。マラリアのワクチンは、すでにWHOによって承認されたものがありますが、現在世界的な需要に供給が追い付いていないということで、WHOとしては新たなワクチンの承認によって普及を後押ししたい考えです。

 2023年10月3日(火)

🟧フランスでトコジラミ大発生 政府、オリンピック向け駆除作戦

 フランスの公共交通機関や空港などで「南京虫」の名前で知られる害虫の「トコジラミ」の発生が相次いで報告され、社会問題となっています。殺虫剤への耐性が高まったことなどが背景とみられます。国内外からの多くの観客が予想される来年7月のパリ夏季オリンピック開催まで1年を切る中、政府は深刻な問題だとして駆除作戦に乗り出しました。

 地元メディアによると、ここ数週間、パリの地下鉄や高速列車TGV、空港の待合室、映画館、病院などでトコジラミの発生が報告されました。すべてが確認されたわけではないものの、ソーシャルメディア上に列車や地下鉄をはい回るトコジラミの映像が公開され話題となっています。

 事態を重く見たパリのエマニュエル・グレゴワール副市長は9月下旬、エリザベット・ボルヌ首相に書簡を送り「来年にオリンピック・パラリンピック開催を控える中、国はこの災いに見合った行動計画を早急に策定する必要がある」と訴えました。

 これを受け、クレマン・ボーヌ交通担当相は9月29日、対策を話し合うため近く交通事業者と面会すると約束しました。

 トコジラミはフランスでは1950年代までにほとんどいなくなっていましたが、ここ数十年は、人口密度の上昇と大量輸送機関での移動の機会が増えたことなどで再び増加しています。

 トコジラミの問題が生じた世帯はここ数年、全体の10分の1に上っているとみられます。通常、駆除には数百ユーロかかり、多くの場合、何度も行う必要があります。

 トコジラミは、マットレスに卵を産み付け、生息する習性があることから名付けられましたが、衣服や荷物の中にも入り込み、夜になると出てきて人の血を吸います。

 フランスの衛生当局は、旅行の際はホテルのベッドを点検し、中古の家具やマットレスを自宅で使用する時は注意するよう呼び掛けています。また、自宅で発見した場合は、直ちに影響を受けた部屋の駆除作業を行わなければならないとしています。

 血を吸われると、皮膚に赤みや水疱(すいほう)、大きな発疹ができ、場合によって激しいかゆみやアレルギー反応を起こします。精神的苦痛や睡眠障害、不安、うつ病を引き起こすこともあります。

 フランス当局によれば、トコジラミの発生は衛生状態とは関係ありません。

 2023年10月3日(火)

2023/10/02

🟧7月、8月に続いて9月も平均気温が過去最高 平年を2・66度上回る

 気象庁は2日、今年9月の平均気温が、平年値(1991~2020年の平均)を2・66度上回り、1898年の統計開始以降で最も高くなったと発表しました。これまで最高だった2012年のプラス1・51度より1度以上高くなっています。今年は7、8月もそれぞれ過去最高気温を記録しており、3カ月連続の更新となった。

 今年は春(3~5月)、夏(6~8月)も過去最高で、年間でも1位のペースで推移。気象庁は10月から冬(12月~来年2月)にかけても高温傾向が続くと予想しています。

 9月の高温の原因は、「偏西風」と「太平洋高気圧」です。日本の上空には「偏西風」と呼ばれる、西から東に向かう風の流れがあり、寒気と暖気の境目になっています。9月はこの偏西風が平年より北側にあったため、暖気が北上し全国的に暖かい空気に覆われやすくなっていました。また夏には日本の南に温暖な「太平洋高気圧」がありますが、9月はこの張り出しが強かったため暖気が日本の上空に、より流れ込みやすくなっていました。

 地球温暖化により平均気温は上昇傾向にありますが、9月はさらに気温上昇を強める条件が重なっていたということで、気象庁の担当者も「これほどの高温になるのは信じられない。温暖化を背景に、たくさんの要因が重なり記録的な現象となった」と語りました。

 2023年10月2日(月)

🟧ノーベル生理学・医学賞にアメリカのカリコ氏ら2人 mRNA研究で新型コロナワクチン開発に貢献

 スウェーデンのカロリンスカ研究所は2日、2023年のノーベル生理学・医学賞を「メッセンジャーRNA」(mRNA)ワクチンの基盤技術を開発したハンガリー出身でアメリカ・ペンシルベニア大のカタリン・カリコ特任教授(68)と同大のドリュー・ワイスマン教授(64)に贈ると発表しました。新型コロナウイルス禍で普及したmRNAワクチンで、多くの人命が救われたことが評価されました。

 mRNAという遺伝物質を使ったワクチンや難病の治療薬として応用しようとする研究は約30年前からあったものの、mRNAを人体に投与すると免疫が攻撃して強い炎症が起きるため、安全性で難点がありました。これを解決したのがカリコ氏とワイスマン氏で、2人がペンシルベニア大で研究していた2005年、mRNAの一部の化学物質(ウリジン)を別の化学物質(シュードウリジン)に置き換えると、免疫の攻撃が抑えられることを発見しました。

 この研究がmRNAを医薬品化する最初の足掛かりとなって、ドイツの製薬企業ビオンテックやアメリカのモデルナなどのバイオ企業が注目し、がんやインフルエンザなどに対するmRNAを使った次世代の創薬研究が盛んになりました。

 2020年初頭、新型コロナの感染が世界に拡大すると、アメリカのファイザー、モデルナがmRNAワクチンの開発を進め、同年12月に世界で初めて実用化しました。

 授賞式は、アルフレッド・ノーベルの命日に当たる12月10日にスウェーデンの首都・ストックホルムで開かれます。

 2023年10月2日(月)

🟧果物を食べない日本人、20歳以上の38%は1日摂取量が0グラム 目標は1日200グラム

 春から夏にかけてはイチゴにサクランボ、スイカにメロン、秋になれば梨、ブドウ、柿、栗。冬にはリンゴとミカン。日本では四季折々の果物が楽しめますが、日本人は驚くほど果物を食べていません。厚生労働省の国民健康・栄養調査の最新結果では、20歳以上の38%は、果物の1日摂取量が0グラムです。若い世代ほどその割合が高く、20歳代は61%、30歳代は55%、40歳代は53%となっています。

 この調査は、ある特定の1日の食事内容を調べるため、1年を通して全く食べない人の割合とはいえないものの、果物を食べる習慣のない人が相当数いることを示しています。

 ただ、果物は野菜と同じように生活習慣病のリスクを減らし、健康維持に大きな役割を果たしています。

 厚労省は今年、2024年から開始する「健康日本21(第三次)」で、果物摂取量の目標値を1日200グラムと定めました。

 健康日本21は、生活習慣の改善、社会環境の質向上といった健康づくりの各種指標を定めたもの。食生活に関して品目別に挙げられているのは、果物のほか、野菜と食塩の摂取量のみです。「疾患予防に寄与する科学的根拠がそろっている項目を、指標に設定した」と担当者は話しています。

 2023年10月2日(月)

🟥ゴールドウイン、PFAS不使用に 年内に衣料品の素材切り替え、海外拡大で

 アパレル大手で衣料品の素材として有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」を使うことを取りやめる動きが広がっている。「ザ・ノース・フェイス」などを展開するゴールドウインは2025年内で代替素材に切り替える。PFASは熱に強く、アウトドア向け衣料で活用されている。健康への有害性...