子供を中心に感染する咽頭結膜熱、いわゆるプール熱の感染者数が増えて基準を超えたとして、東京都は初めてとなる警報を出し、手洗いやうがいなどの感染対策を呼び掛けています。
これは12日、東京都庁で開かれた感染症の対策会議で発表されました。
プール熱は、子供を中心にのどの痛みや高熱、結膜炎などの症状が出るウイルス性の感染症で、せきやくしゃみなどの飛まつで感染するほか、ウイルスが付着したタオルやプールでの接触などを介しても感染します。
プール熱は季節性インフルエンザと同じ5類感染症に位置付けられていて、通常は7月から8月に流行のピークを迎えます。今年は8月をすぎてから都内で感染が急拡大していて、10月8日までの1週間で、警報レベルにある保健所の管内人口の合計が都全体の人口の30%超となり、都全体としての警報基準に達したため、都は12日、統計を取り始めた1999年以降初めてとなる警報を出しました。
感染者の8割は5歳以下の子供だということです。
東京感染症対策センターの賀来満夫所長は、「プール熱はほとんどの場合は自然に治るが、アルコールがなかなか効かないので、感染を拡大させないためにも、流水による手洗いやうがい、タオルを別にするなどの対策をお願いしたい」と呼び掛けました。
また、対策会議では新型コロナの感染者数について、1医療機関当たり3・62人と、前の週の約51・1%と5週続けて減少したことが報告されました。
一方、インフルエンザの感染者数は、1医療機関当たり16・44人と前の週からほぼ横ばいで、引き続き注意報のレベルを超えています。
2023年10月12日(木)