2023/10/12

🟧東京都のプール熱感染者が増加 統計開始以降初めてとなる警報を発表

 子供を中心に感染する咽頭結膜熱、いわゆるプール熱の感染者数が増えて基準を超えたとして、東京都は初めてとなる警報を出し、手洗いやうがいなどの感染対策を呼び掛けています。

 これは12日、東京都庁で開かれた感染症の対策会議で発表されました。

 プール熱は、子供を中心にのどの痛みや高熱、結膜炎などの症状が出るウイルス性の感染症で、せきやくしゃみなどの飛まつで感染するほか、ウイルスが付着したタオルやプールでの接触などを介しても感染します。

 プール熱は季節性インフルエンザと同じ5類感染症に位置付けられていて、通常は7月から8月に流行のピークを迎えます。今年は8月をすぎてから都内で感染が急拡大していて、10月8日までの1週間で、警報レベルにある保健所の管内人口の合計が都全体の人口の30%超となり、都全体としての警報基準に達したため、都は12日、統計を取り始めた1999年以降初めてとなる警報を出しました。

 感染者の8割は5歳以下の子供だということです。

 東京感染症対策センターの賀来満夫所長は、「プール熱はほとんどの場合は自然に治るが、アルコールがなかなか効かないので、感染を拡大させないためにも、流水による手洗いやうがい、タオルを別にするなどの対策をお願いしたい」と呼び掛けました。

 また、対策会議では新型コロナの感染者数について、1医療機関当たり3・62人と、前の週の約51・1%と5週続けて減少したことが報告されました。

 一方、インフルエンザの感染者数は、1医療機関当たり16・44人と前の週からほぼ横ばいで、引き続き注意報のレベルを超えています。

 2023年10月12日(木)

🟧5000キロ以上離れた愛知県とシンガポールでロボット遠隔手術の実験 藤田医科大学など

 手術支援ロボットを使った遠隔手術の実証実験が愛知県の藤田医科大学と5000キロ以上離れたシンガポール国立大学の間で行われました。藤田医科大学は、遠隔で手術を支援し、高度な医療技術を広めていきたいとしています。

 この実証実験は、愛知県豊明市にある藤田医科大学とシンガポール国立大学との間で9日から4日間の予定で行われ、医療用ロボットメーカー「メディカロイド」(神戸市)の手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ」が使われています。

 11日は、ロボット手術の第一人者で藤田医科大学の宇山一朗教授らが、シンガポール国立大学でロボットを操作し、5000キロ以上離れた藤田医科大学の手術台に設置された、人工の胃からがんを切除する手術を遠隔で行う様子が公開されました。

 2つの病院は専用の高速回線でつながれ、宇山教授らは離れた場所からの操作に遅れがないかや、正確に動いているかを確認していました。

 藤田医科大学は、今後、国内外で遠隔で手術を支援することで、高度な医療技術を広め、医療の質の向上に貢献していきたいとしています。

 宇山教授は、「実験が成功し、うれしく思っています。0・1秒くらいの遅延を感じたが、やっているうちに慣れていくので、特に大きな問題はなかった。今後はロボット手術の指導を遠隔で行っていきたい」と話していました。

 2023年10月12日(木)

2023/10/11

🟧新型コロナと季節性インフルの両方に効果、第一三共が混合ワクチン開発へ

 製薬大手の第一三共は10日、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの両方に効果がある混合ワクチンの開発を始めると発表しました。遺伝物質「メッセンジャーRNA(mRNA)」を使ったタイプで、同時流行の際、より大勢の感染予防効果を高められるほか、医療従事者の負担軽減も期待されます。

 新型コロナとインフルの混合ワクチンは、冬季に流行しやすい2種類の感染症の予防が1度の接種ですみます。mRNAワクチンの開発を独自に進める同社は、新型コロナのオミクロン型から派生した「XBB」系統に対応するタイプの製造販売の承認を厚生労働省に申請中。新たに開発する混合ワクチンもmRNAを使う方針で、政府のワクチン推進事業に採択されたことで、政府のワクチン開発の司令塔「先進的研究開発戦略センター( SCAスカRDAーダ )」が開発費を支援します。

 mRNAを使った混合ワクチンの開発を巡っては、アメリカのモデルナ社とアメリカのファイザー社が先行しています。このうちモデルナ社は10月4日、初期の臨床試験で安全性と有効性が確認できたと発表。年内にも最終段階の試験を開始し、2025年の承認を視野に入れています。

 2023年10月11日(水)

🟧しらす干しパックに毒を持つフグの稚魚混入 食品加工会社の川崎事業所が自主回収

 9日、東京都内のスーパーで販売されたしらす干しのパックに猛毒・テトロドトキシンを持つフグの稚魚のような魚が混入しているのが見付かり、製造した川崎市の食品加工会社が商品の自主回収を進めています。

 川崎市は購入した人に絶対に食べずに返品するよう呼び掛けています。

 川崎市によりますと、9日、東京都内にあるスーパー「マルエツ」の店舗でしらす干しのパックを購入した人から「異物が混入していた」という連絡が店側にありました。

 店側が調べたところ、体長約2・5センチの毒を持つフグの稚魚のような魚が混入しているのが見付かり、製造した食品加工会社「マルエツフレッシュフーズ」の川崎事業所が自主回収を進めています。

 自主回収の対象は、このしらす干しと同じロットで製造された1474パックで、9日と10日の2日間、東京都、神奈川県、千葉県の合わせて108店舗で販売されましたが、これまでに健康被害の報告は入っていないということです。

 川崎市は食品加工会社に再発の防止を指導するとともに、購入した人には絶対に食べずに返品するよう呼び掛けています。

 フグ処理の資格・免許を持たない素人による調理は大変危険なため禁じられていますが、一方でフグがほかの魚に混じって誤って販売されてしまったケースは度々起こり問題になっています。

 返品の連絡先は、「マルエツフレッシュフーズ」川崎事業所で、電話番号は044−287−2730、24時間受け付けているということです。

 2023年10月11日(水)

🟧新型コロナ感染者、埼玉県は4週連続で減少 千葉県は5週連続で減少

 埼玉県内の新型コロナウイルスの新たな感染者の数は、1医療機関当たり5・29人で4週連続で減少しました。

 埼玉県が11日発表した新型コロナの感染状況によりますと、10月2日から8日までの1週間に定点把握の対象となっている261の医療機関から報告のあった新たな感染者数は1365人でした。

 1医療機関当たりでは5・29人で、前の週と比べて4・47人減少しました。減少したのは4週連続となります。

 感染者はすべての世代で減少していますが、10歳代が261人と最も多く、次いで10歳未満が245人となっています。

 埼玉県は、感染者は減少傾向にあるものの高齢者や基礎疾患がある人にとっては重症化リスクが高いとして、体調が悪い時は外出を控えることや場面に応じてマスクをするなど引き続き感染対策をとるよう呼び掛けています。

 一方、千葉県は11日、県内199の定点医療機関から10月2日から8日までの1週間に報告された新型コロナウイルスの感染者数が1医療機関当たり6・24人で、前週の0・58倍(4・37人減)になったと発表しました。減少は5週連続で、16保健所すべてで平均報告数が前週を下回りました。インフルエンザは21・08人で、1・07倍に微増しました。

 県の週報によると、新型コロナは16保健所別で長生が最多の12・29人。次いで君津が9・77人、夷隅(いすみ)が8・20人、市原が8・18人、松戸が7・89人でした。

 年代別の総数は、10歳代が最も多く242人。10歳未満が159人、40歳代が158人、50歳代が154人、30歳代が137人と続きました。

 インフルは保健所別で、海匝(かいそう)が最多の44・5人、習志野が34・0人、松戸が29・5人でした。

 2023年10月11日(水)

🟧人間ドックで判定ミス、システム改修で誤り 京都府亀岡市立病院

 京都府の亀岡市立病院は10日、6~9月に行った人間ドックで判定ミスがあったと発表しました。判定が悪くなったケースはなく、健康への影響はないとしています。

 同病院によると、人間ドックを6月6日~9月7日に受診した60人について、血清に含まれるタンパク質の一部の検査数値が診断システムに反映されていませんでした。11月5日に判定医が数値の不自然さに気付いて判明。検査会社の変更に伴うシステム改修で誤りがあったといいます。

 再判定の結果、「軽度異常あるも日常生活に支障なし」と通知した18人が「異常なし」に変更されました。対象者には電話で謝罪した上で、正しい結果報告書を送付するといいます。

 2023年10月11日(水)

🟧海外での臓器移植あっせん NPO法人理事に懲役1年と罰金100万円を求刑

 海外での臓器移植を希望する患者に対し、国の許可を受けずに臓器提供をあっせんした罪に問われているNPO法人の理事の裁判で、検察は「移植の公平性を損なう行為だ」として、懲役1年と罰金を求刑しました。

 一方、弁護側は「あっせん行為には当たらない」などと無罪を主張しました。

 NPO法人「難病患者支援の会」(東京都目黒区)の理事菊池仁達(ひろみち)被告(63)=横浜市都築区=は、国の許可を受けずに昨年、海外での臓器移植を希望する患者2人に対し、東欧ベラルーシで腎臓の移植手術を受けさせるなど臓器提供のあっせんをしたとして、臓器移植法違反(無許可あっせん)の罪に問われています。

 10日の裁判で検察は「患者の募集や病院への連絡・調整をしていてあっせんに当たる。国内外の移植の公平性を損なう行為だ」などとして、菊池被告に懲役1年と罰金100万円、NPO法人に罰金100万円をそれぞれ求刑しました。

 一方、弁護側は「海外での移植に臓器移植法は適用されず、仮に適用されたとしても臓器の提供者側とは接触しておらず、あっせん行為には当たらない」などとして、無罪を主張しました。

 菊池被告は審理の最後に、「私はこれまでに100人以上の命を救ってきていて、恥ずべきことはない」と述べました。

 判決は11月28日に言い渡されます。

 起訴状によると、菊池被告は2021年、海外での臓器移植を希望する患者をホームページで募集。問い合わせをしてきた慢性腎臓病の患者と肝硬変の患者・親族に対し、ベラルーシでの死体からの臓器移植を厚生労働相の許可なくあっせんし、計5150万円を受け取ったとされます。患者2人は2022年に現地で移植手術を受けました。

 2023年10月11日(水)

🟪新型コロナ、沖縄県が独自で注意喚起へ 流行時に「拡大準備情報」を発出 

 沖縄県は19日、新型コロナウイルス感染症の流行が疑われる場合、県独自で「新型コロナ感染拡大準備情報」を発出すると発表しました。新型コロナについては、過去の感染データの蓄積が乏しいことなどから、国がインフルエンザのような注意報や警報の発令基準を設けていない一方、重症化する高齢者...