2023/11/08

🟩マイナンバーカード、救急搬送時に医療情報閲覧システム導入へ

  救急搬送を迅速に行うためとして、総務省消防庁は、健康保険証と一体化したマイナンバーカードを救急隊が現場で読み取り、通院歴などの情報を閲覧できるシステムを導入する方針を固めました。必要な費用を今年度の補正予算案に盛り込むことにしています。

 救急搬送の要請を受けた救急隊は、現場で患者や関係者から通院している医療機関などを聞き取って搬送先を決める参考にしていますが、患者本人が話ができない場合は正確な情報を得られず、現場で迅速な措置ができないケースもあるということです。

 こうしたことから総務省消防庁は、健康保険証と一体化したマイナンバーカードを患者が持っている場合に、救急隊が専用のタブレットを使って現場でカードを読み取り、医療情報を閲覧できるシステムを導入する方針を固めました。

 導入すれば、氏名や生年月日に加えて、通院歴がある医療機関や処方された薬などの情報が閲覧でき、現場での救命措置や、搬送する医療機関の選定に役立てられるということです。

 カードの読み取りには患者本人の同意が必要ですが、意識がない場合などは、救急隊の判断で閲覧できるようにすることも検討することにしています。

 総務省消防庁は、来年度、全国の約50の消防本部で実証事業を行うことにしており、必要な費用3億7000万円を、今年度の補正予算案に盛り込むことにしています。

 2023年11月8日(水)

🟩今年の10月は「観測史上最も暑い10月」 5カ月連続で記録更新

 ヨーロッパ連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)は8日、今年の10月は1940年からの観測史上最も暑い10月だったと発表しました。世界の平均気温は6月から5カ月連続で記録を更新しており、2023年は史上最も暑い年になる見込み。

 C3Sのサマンサ・バージェス副所長は、「世界の気温の記録が4カ月連続で破られた後の2023年10月は特に異常な気温となった」と述べました。

 「2023年は、ほぼ確実に観測史上最も暑い年になるといえる。現時点で(今年の気温は)産業革命前の平均より1・43度高い。野心的な気候変動対策を求める切迫感がこれまでになく高まった状態で、国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)がアラブ首長国連邦で30日から始まる」と述べました。

 C3Sによると、今年の10月の平均気温は15・3度で、これまで最も高かった2019年を0・4度上回り10月の記録を更新。産業革命前の10月の推定平均気温を1・7度上回りました。北緯60度から南緯60度の海域を対象にした平均海面水温も20・79度で、10月としては最高でした。

 また、C3Sは、1~10月の世界平均気温も1940年からの観測史上、過去最高だったと発表しました。1991~2020年の同期間の平均気温を0・55度上回り、これまで最高だった2016年を超えました。

 正式な観測記録以外では、木の年輪や氷床コアなどのデータから、今年の気温は人類史上類をみない高さで、過去10万年で最も暑かった可能性があるとされます。

 今年はアジアや北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカが熱波に見舞われ、カナダやギリシャ、スペインなどで山火事が相次ぎました。

 2023年11月8日(水)

🟩北海道大、ウイルス増殖抑制の化合物発見 新型コロナ、デング熱の新薬期待

 北海道大学の前仲勝実教授と松田彰名誉教授らは、新型コロナやデング熱などのウイルス増殖を抑える化合物を新たに発見しました。細胞には強い毒性を持たず、デングウイルスなど複数のウイルス種に対して強力な抗ウイルス活性を示す化合物を同定しました。

 ウイルスのリボ核酸(RNA)の合成伸長を阻害し、投与によりウイルス感染マウスの生存率が向上しました。デング熱など有効な治療薬のない新興・再興ウイルス感染症に対する抗ウイルス薬開発が期待されます。

 北大創薬科学研究教育センターの化合物ライブラリーを用いてスクリーニングし、デングウイルス感染モデルで薬効評価した結果、「2―Thiouridine(s2U)」という化合物が強力な抗ウイルス活性を持つことを見いだしました。

 s2Uは、デングウイルスだけでなく、人に重篤な疾患を引き起こすジカ、黄熱、日本脳炎ウイルスやオミクロン型を含む複数の新型コロナウイルスなどプラス鎖RNAをゲノムに持つ多数のウイルスにおいて、その複製を強力に抑制しました。

 デングウイルスなどのRNAウイルスは、自身のゲノム複製時にRNA依存性RNAポリメラーゼという酵素を介して核酸合成します。s2Uはこの酵素に作用し、酵素によるウイルスRNAの合成伸長を妨げることでウイルス増殖を抑えます。

 実際にデングウイルスと新型コロナウイルスの感染マウスでの試験において、投与量に応じて体内のウイルス量が減少し、致死抑制効果を認めました。

 前仲教授は、「将来起きうるパンデミック(世界的大流行)にいち早く対応できる新薬の開発につながる可能性がある」と述べています。

 2023年11月8日(水)

🟩ピーナッツなし版の「柿の種」にピーナッツ混入 亀田製菓が2万8000パック自主回収

 亀田製菓(新潟市江南区)は7日、米菓「135g亀田の柿の種ピーナッツなし6袋詰」約2万8000パックを自主回収すると発表しました。パッケージに記載のないアレルギー物質のピーナッツ(落花生)が混入していました。

 亀田製菓によると、製造工程で本来とは違う作業が行われ、一部の該当商品にピーナッツが混入しました。購入者からの指摘で6日に把握しました。

 同社は「お客様には多大なご迷惑をおかけいたしますこと深くお詫び申し上げます。落花生にアレルギーのある方は、発症する恐れがあるのでお召し上がりにならないようお願いいたします」とし、「特定の日におけるヒューマンエラーによるもので、被害の拡大性はない」と説明しています。

 回収対象は、賞味期限が2024年4月6日の商品。亀田製菓は該当商品を着払いで返品すれば、商品相当額のクオカードを送るとしています。

 問い合わせ先の電話番号は0120-956-382。受付時間は平日の午前9時から午後5時まで。11日、12日の土日は問い合わせを受け付けるといいます。

 2023年11月8日(水)

2023/11/07

🟩糖尿病の治療薬が不足、「ダイエット目的の不適切使用」で必要な患者に届かず

 医療現場で糖尿病の治療薬が不足しているとして、医師や患者らで作る日本糖尿病協会(清野裕理事長)などが6日、安定供給対策を求める要望書を、厚生労働省に提出しました。糖尿病患者以外に、ダイエット目的で不適切に使われているとの指摘もあります。同協会は「命にかかわる糖尿病患者に確実に届ける仕組みを作ってほしい」としています。

 不足しているのは、「GLP―1受容体作動薬」というタイプの注射薬です。体内でインスリンの分泌を促して血糖値を下げる働きがあるほか、食欲を抑え体重を減らす効果があり、国内外で需要が増加。国内では使えない患者が増加しています。

 要望は、同協会と日本糖尿病学会、日本くすりと糖尿病学会が行いました。これ以外の治療薬でも供給が不安定だとして対策を求めました。

 患者で同協会業務執行理事の中園徳斗士(のりとし)さんは、「患者の声を聞きながら、対策を進めてほしい」と訴えました。

 日本医師会が10月に公表した医薬品不足に関する緊急調査でも、せき止め薬などと並んで、GLP―1受容体作動薬の不足が目立ちました。その一つである「トルリシティ皮下注0・75mgアテオス」は、不足を訴えた医療機関が4番目に多くなりました。

 日本医師会は、「美容クリニックなどで、やせ薬として不適切に使用されている実態を憂えている」と述べ、「不適切な使用で薬が不足する事態が続いている」と指摘しました。

 その上で、「糖尿病の患者がしっかり使えるよう、不適切な使用は控えてほしいし、ダイエット目的の場合、副作用の被害救済制度の対象外となり、非常に大きな問題だ」としています。

 2023年11月7日(火)

🟩せき止め薬、たん切り薬の増産、24社に要請 武見厚労相「まだ足りない」

 供給不足が続くせき止め薬やたんを切る去痰(きょたん)薬について、厚生労働省は7日、製薬企業24社に増産を要請しました。武見敬三厚労相は製薬企業の幹部と省内で面会し、今冬の感染症の流行に備え、安定供給に向けた「あらゆる手立てを講じていただくことを改めてお願いしたい」と要請しました。

 厚労省は10月にも、不足している薬を製造する主要メーカー8社に対し、増産を要請。ほかの医薬品の製造ラインからの融通や在庫の放出により、9月末時点から1割以上の供給増となる見込みです。しかし、医療現場などから「薬がまだ足りない」との声が寄せられており、今冬に新型コロナや季節性インフルエンザなどの流行が拡大する恐れがあることから、幅広い企業を対象に改めて増産を要請しました。

 企業側からは「医薬品供給の責任を果たすために、要請を踏まえできる限りの増産を検討する」「行政からの支援もお願いしたい」との意見が出たといいます。

 政府が2日に閣議決定した総合経済対策では、さらなる増産に対応する企業への支援や、来年度の薬価改定での対応を検討することが盛り込まれました。

 2023年11月6日(月)

🟩プール熱の1週間の患者数、過去10年間で最多の状態続く

 流行が続く咽頭結膜熱、いわゆるプール熱の10月29日までの1週間の患者数は、前の週からさらに増え、過去10年間で最も多い状態が続いています。

 専門家は、「流行の地域差が大きく、今後、まだ患者が多くない地域で感染が広がる可能性がある」としています。

 咽頭結膜熱、いわゆるプール熱は、子供を中心にのどの炎症や高熱、結膜炎などの症状が出るアデノウイルスによる急性ウイルス性感染症で、せきやくしゃみなどの飛まつで主に感染するほか、ウイルスが付着したタオルや、プールでの接触などを介しても感染します。ドアの取っ手、エレベーターのボタンなど患者が触れたものを介してもうつり、保育園、幼稚園、小学校などでの小児の集団発生も少なくありません。

 国立感染症研究所によりますと、10月29日までの1週間に全国約3000の小児科の定点医療機関から報告された患者数は7635人で、前の週から840人増えました。

 1医療機関当たりでは2・43人で、過去10年で最も多かった前の週からさらに増加し、最も多い状態が続いています。

 都道府県別にみますと、福岡県が6・94人、沖縄県が5・81人、佐賀県が5・22人、奈良県が5・09人、福井県が4・8人、大阪府が3・86人、三重県が3・64人、京都府が3・49人、北海道が3・15人、和歌山県が3人と、10の道府県で国の警報レベルの目安となる「3人」を超えています。

 子供の感染症に詳しい国立病院機構三重病院の谷口清州院長は、「これまでにみられたことのない季節外れの流行だ。流行状況を細かくみると地域差がかなりあり、今後、まだ患者が多くない地域で感染が広がる可能性がある」と話しています。

 2023年11月6日(月)

🟪妊産婦の自殺、昨年までの3年間で162人 20歳代前半と40歳代前半がハイリスク

 自殺の調査や支援に当たる一般社団法人「いのち支える自殺対策推進センター」がまとめた調査によりますと、昨年の妊産婦(妊娠中および産後1年以内)の自殺者数は44人でした。このうち妊娠中は12人、産後2カ月以内は7人、産後3カ月〜1年以内は25人だったということです。  妊産婦の自...