2023/11/27

🟩中国北部で増加の呼吸器疾患「インフルエンザが中心」 保健当局が通常の疾患と説明

 中国の保健当局は、中国北部で増加している呼吸器の疾患について「インフルエンザが中心だ」とする見方を示し、マスクの着用など感染対策を徹底するよう呼び掛けています。

 中国北部では10月中旬以降、呼吸器の疾患が増加しています。これについて、中国の保健当局、国家衛生健康委員会は26日の記者会見で「インフルエンザが中心だ」と説明しました。

 その一方で、インフルエンザ以外の病原体による疾患も確認されたとして、1歳から4歳では通常の風邪のウイルスの「ライノウイルス」が、5歳から14歳では発熱やせきなどの症状が特徴の「マイコプラズマ肺炎」が、15歳から59歳では新型コロナウイルスなどが、それぞれ一定程度みられるとしています。

 保健当局は、こうした複数の病原体が呼吸器疾患の増加にかかわっているとして、医療体制の整備を進めるとともに、国民に対しワクチンの接種やマスクの着用など感染対策の徹底を呼び掛けています。

 一方、台湾の保健当局、台湾疾病管制署は25日、中国北部で子供の肺炎感染が急増しているとして、空港や港湾の検疫で警戒を強化していると発表しました。中国からの旅客に、症状がないかどうか注意するよう呼び掛けています。

 中国へ渡航する台湾人に対しては、インフルエンザや新型コロナウイルスのワクチンを接種するよう促しました。中央通信社によると、今後、医療関係者らに対しても、流行状況を注視するよう通知します。

 世界保健機関(WHO)によると、中国北部で10月半ばから、過去3年間の同時期に比べ、インフルエンザのような疾患が増加しています。

 2023年11月27日(月)

🟩コンゴ民主共和国のエムポックス感染、過去最多に WHO発表

 世界保健機関(WHO)は25日、今年に入って12日までのコンゴ民主共和国におけるエムポックス(サル痘)の疑い例を感染が1万2569件と、1970年に同国で初感染が確認されて以来、最多となったと発表しました。そのうち581人が死亡したといいます。

 WHOによると、同国全26州のうち22州で疑い例を含む感染が報告されました。「これまでなかったキンシャサ特別州、ルアラバ州、南キブ州などでも新たな報告があった」としています。

 WHOは変異による感染拡大に懸念を示すとともに、コンゴ保健・衛生・予防省と協力して状況を評価しているとしています。

 WHOは昨年7月、欧米でのエムポックス感染拡大を受け、最高度の警告である「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言。今年5月11日には終了したものの、引き続き警戒を呼び掛けています。

 WHOによれば、昨年1月から今年10月末までの116カ国・地域の感染確認件数は累計9万1788件に上ります。

 2023年11月27日(月)

2023/11/26

🟩孤立や貧困抱える特定妊婦、11年間で8倍に増加 住居や食事など支援拠点を全国整備へ

 こども家庭庁は2024年度から、孤立や貧困などの問題を抱える「特定妊婦」の生活支援を行うため、全国で拠点整備に乗り出します。一時的な住まいや食事を提供するほか、妊娠や養育の悩みに関する相談にも応じます。妊娠中から産後までサポートする窓口の一元化を図り、育児放棄や虐待の防止につなげる狙いです。

 生活支援は基本的に、都道府県や政令市などが来年度以降に開設する妊産婦向けの「生活援助事業所」が担うものの、民間事業者が運営することもできます。来年度については、政府は1施設当たり最大2800万円程度の運営費の補助を想定しており、全国各地で整備を促す考えです。

 事業所には、看護師や助産師の資格を持つ職員を配置し、それぞれの家庭環境などを踏まえ、経済的な自立を含めた支援計画を策定します。医療機関受診や行政手続きに同行するほか、児童相談所など関係機関とも緊密に連携します。自ら育児をすることがむずかしい事情がある場合は、里親や特別養子縁組の制度も紹介します。

 特定妊婦は、自治体が「特に支援が必要」と判断した妊婦で、2009年施行の改正児童福祉法に明記されました。厚生労働省によると、自治体が特定妊婦として認定したのは2020年度で8327人に上り、11年前の2009年度と比べて8倍に増えました。

 自治体に妊娠届を提出する際のやりとりや、医療機関からの連絡など限られた情報をもとに判断しており、「把握している人数よりも実態はさらに多い」(こども家庭庁幹部)とみられ、育児放棄や虐待を防ぐ観点からも対策が急務となっています。

 特定妊婦に対する支援を巡っては、地域によって取り組みにばらつきがあることに加え、支援内容によって相談窓口が異なるケースも多くみられました。当事者からは「一元的な窓口を設置してほしい」との声が上がっていました。

 2023年11月26日(日)

🟩低体重で生まれると生活習慣病リスク高い 国立成育医療研究センター調査

 国立成育医療研究センターの研究チームが出生時の体重と大人になってからの病気の関係について調査を行ったところ、低体重で生まれると、生活習慣病のリスクが高くなるなどとする調査結果をまとめました。

 低出生体重が生活習慣病のリスク因子になることは、ヨーロッパなどの疫学研究で指摘されていましたが、日本人対象の大規模調査で明らかになったのは、初めてということです。

 調査を行ったのは国立成育医療研究センター社会医学研究部の森崎菜穂部長らの研究チームです。

 研究チームでは、秋田県、岩手県、茨城県、長野県、高知県、愛媛県、長崎県に住む40歳から74歳までのおよそ11万人を対象に、出生時の体重と生活習慣病の状況についてアンケート調査を行いました。

 研究チームが統計学的な手法で分析したところ、心筋梗塞などの「心血管疾患」のリスクは出生時の体重が3キロ台だった人と比べると、2・5キロ以上3キロ未満では1・07倍、1・5キロ以上2・5キロ未満では1・25倍、1・5キロ未満では1・76倍と、出生時の体重が軽いほどリスクが高くなっていたということです。

 「高血圧」では、出生時3キロ台の人に比べて、出生体重2・5キロ以上3キロ未満で1・06倍、出生体重1・5キロ以上2・5キロ未満で1・08倍、出生体重1・5キロ未満で1・29倍と、リスクが高くなりました。

 「糖尿病」では、出生時3キロ台の人に比べて、2・5キロ以上3キロ未満で1・08倍、出生体重1・5キロ以上2・5キロ未満で1・26倍、出生体重1・5キロ未満で1・53倍と、リスクが高くなりました、

 研究チームによりますと、出生時に低体重でも食生活や運動習慣などに気を付けることでリスクを減らすことができるということで、調査を行った森崎部長は「小さく産まれた場合は大人になってからも野菜や魚中心の食事にしたり、運動の時間や睡眠を適切にとったりして生活習慣に気を配ってほしい」と話しています。

 2023年11月26日(日)

🟩看護師が人工呼吸器具を誤操作し、30歳代患者が死亡 高松赤十字病院

 高松赤十字病院(高松市)は、2021年に入院中だった当時30歳代の患者について、看護師が人工呼吸の器具の操作方法などを誤ったため死亡していたと発表しました。

 発表によりますと、2021年11月、入院していた急性リンパ性白血病の30歳代の患者を別の部屋に移動させようとした際、看護師が酸素吸入に必要な人工呼吸の器具を誤って操作したため、患者は容体が急変しその日のうちに死亡したということです。

 この器具は「ジャクソンリース」というもので、使用する際には患者の肺に過剰な圧力がかからないよう排気するためのバルブを開き圧力を調整する必要がありますが、看護師が手順を誤解しバルブを閉じた状態で使用していたということです。

 今回、この器具は患者を集中治療室(ICU)から高度治療室(HCU)に移動させるため用意されていて、当初は移動が予定されていたものの、その後は移動が中止となったため使用する必要はありませんでしたが、そのことが看護師には伝わっていなかったということです。

 高松赤十字病院によりますと、患者の遺族との和解はすでに成立しているということです。

 高松赤十字病院の西村和修院長は、「患者のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の皆様に多大なる苦痛を与え、事実報告までに時間を要したことを、改めて深くお詫び申し上げます」とするコメントを発表しました。

 その上で、医師や看護師の間での情報伝達を徹底するほか、ジャクソンリースの使用方法についての再教育を行うなど再発防止に努めるとしています。

 2023年11月26日(日)

🟩一般病院・診療所、コロナ補助金で黒字 2022年度厚労省調査

 厚生労働省は24日、医療機関の経営状況を調べた「医療経済実態調査」を公表しました。病床数が20床以上の「一般病院」は収入から支出を引いて算出する損益率が2022年度に1・4%の黒字でした。水道光熱費などを含む経費が前年度比で11・9%増えたものの、新型コロナウイルス対策の病床確保料などの補助金の効果が大きくなりました。

 補助金を除くと6・7%の赤字でした。新型コロナウイルスによる受診控えの影響があった2020年度は6・9%の赤字で、2022年度も同水準でした。

 コロナ対策の支援は2023年度から縮小しています。厚労省は2023年度には物価高騰などの影響で損益率がマイナス10・3%になると予測しました。

 病床数が19床以下の「診療所」の2022年度の損益率は新型コロナの補助金を含めると13・4%の黒字でした。新型コロナの報酬特例やワクチン接種などが収益を押し上げました。

 2024年度の診療報酬改定を巡っては、医療界が物価高騰や賃上げを背景に大幅なプラス改定を求めています。財務省は独自調査の結果、2022年度の診療所の経常利益率は平均で8・8%としています。中小企業平均の3%超より高いとして、マイナス改定を訴えています。

 武見敬三厚生労働相は24日の閣議後の記者会見で、診療所の利益率について「新型コロナの特例(的な財政支援)の影響を除いた2022年度までの3年間の平均は、コロナ前3年間の平均を下回っている」と述べました。

 コロナ禍で医療機関の収益が増えたとの指摘を巡り、「医療関係者の献身的なコロナ対応を国としても財政支援してきた経緯を踏まえる必要がある」との認識を示しました。

 2023年11月26日(日)

2023/11/25

🟩「死にたい」と感じている子供、コロナ禍前の1・6倍に

 コロナ禍が子供の心に与えた影響について国立成育医療研究センターなどの研究チームが調査したところ、全国の医療機関を受診した10歳代までの患者のうち、「死にたい」と感じている患者の数がコロナ禍前から1・6倍に増えていることがわかりました。

 この調査は国立成育医療研究センターなど子供の心の診療に当たっている全国31の医療機関を対象に行われたもので、新型コロナウイルスの流行前と後で変化があるかを調べました。

 その結果、昨年度に初診できた10歳代までの患者のうち、本人が「死にたい」と感じている状態だと医師が診断した患者は214人で、新型コロナウイルスが流行する前の2019年度の135人から約1・6倍に増えていたということです。

 男女別では、女性が166人、男性が48人で、7割以上が女性でした。

 また、自殺を図って受診した患者も2019年度が63人だったのに対し、2022年度は110人で約1・7倍に増えていたということです。

 調査に当たった小枝達也副院長は、「新型コロナによる行動制限で子供同士のコミュニケーションにも制限が加わったことが影響しているのではないか。自殺願望がある子供が広がっている恐れがあり、子供たちにとって居心地のいい環境作りを社会全体で進める必要がある」と話していました。

 2023年11月25日(土)

🟪今年の日本の平均気温、近海の平均海面水温、統計史上最高の見通し  気象庁が発表

 気象庁は25日、2024年の日本の平均気温が統計のある1898年以降で最も高くなる見込みだと発表しました。11月末時点で平年(1991〜2020年の平均)を1・64度上回り、これまで最高だった昨年のプラス1・29度を上回ることが確実となりました。  日本近海の平均海面水温も1...