2023/12/12

🟧国内最高齢の巽フサさん死去、116歳 大阪府柏原市

 国内最高齢だった大阪府柏原市の巽(たつみ)フサさんが、2023年12月12日朝に116歳で亡くなりました。死因は老衰です。巽さんは2022年4月に福岡県福岡市の119歳の田中カ子(かね)さんが亡くなった後、国内最高齢になっていました。

 巽さんは1907年(明治40年)4月25日生まれで、大阪府柏原市の特別養護老人ホーム「はくとう」に入所していましたが、午前9時半ごろ、府内の病院で死亡が確認されました。

 巽さんは八尾町(現在の大阪府八尾市)で、6人きょうだいの次女として誕生。32歳で桃やブドウを育てる農家の男性と結婚し、3人の子供を育て、ひ孫8人、玄孫3人にも恵まれました。

 巽さんは食事と運動が好きで、「ご飯まだでっか」が口癖でしたが、今年に入り、ほぼ寝たきりの状態が続いていたということです。1日のほとんどをベッドで過ごしていたという巽さんですが、関係者によりますと、12月に入ってから呼吸が早くなり、しんどそうな様子だったということです。

 巽さんは明治、大正、昭和、平成、令和の5つの時代を生きて、その生涯を終えました。

 息子の巽完次さん(76)は取材に対し、「今まで生活習慣を正して頑張っていて、誰にでもできることではないので尊敬しかない。施設の方々の手厚い介護などもあり生きてきたので、皆様に感謝しています。100歳を超えた人もたくさんいらっしゃいますが、(大阪府の)知事が116歳まで生きた母を希望の星といってくださったように、皆さんの1つの目標のようにしてもらえたらと思います。日本最高齢という、本当に誰にでもできることではないことをやり遂げた立派な母親です」と話しました。

 2023年12月12日(火)

2023/12/11

🟧2歳未満の育児時短勤務に給付金、賃金の1割相当支給へ 厚労省

 厚生労働省は、2歳未満の子供を育てながら時短勤務をしている人に対し、賃金に上乗せして賃金の1割に相当する額の給付金を支給する方針を示しました。時短勤務によって収入が減る状況を改善することで、子育てしやすい環境づくりにつなげたい考えです。

 育児・介護休業法では、3歳未満の子供がいる男女が希望すれば、企業側は所定の労働時間を原則1日6時間まで短縮する、いわゆる時短勤務の制度を設ける必要があります。

 11日に開かれた厚労省の審議会で、時短勤務によって賃金が減るぶんを補てんしようと、2歳未満の子供を育てながら働く人に対し、賃金に上乗せして時短勤務中の賃金の1割に相当する額の給付金を支給する案が示されました。

 厚労省は、男女ともに時短勤務を利用しやすくすることで子育て環境を整え、少子化対策につなげるとともに、出産後も仕事を継続する人を増やしたい考えです。

 厚労省の調査によると、育児のために時短勤務制度を利用しているか、利用経験のある人は、女性の正社員の半数を占めます。時短勤務時には賃金がフルタイム時代に比べて低下する傾向にあり、給付金制度を設けることで生計を支援する側面があります。

 これまでの審議会で、委員からは給付金によって離職せずに働き続けられる人が増えると評価する意見が出た一方で、時短勤務がキャリア形成にマイナスに働かないようにしなければならないといった意見も出されていました。

 この給付金制度は再来年度、2025年度から実施する予定で、厚労省は年明けまでに具体的な制度設計を進め、来年の通常国会で関連法案を提出する方針です。

 2023年12月11日(月)

🟧刑法犯の認知件数が20年ぶりに増加、行動制限緩和が影響か 法務省が「犯罪白書」公表

 法務省が今年の「犯罪白書」を公表し、昨年1年間に認知された刑法犯の件数が、20年ぶりに増加したことがわかりました。

 新型コロナ対策に伴う行動制限が緩和されたことが影響したとみられます。

 犯罪白書によりますと、昨年1年間の刑法犯の認知件数は、前の年と比べて5・8%多い60万1331件で、20年ぶりに増加しました。

 類型別で、全体の約7割を占める窃盗は、前年比6・8%増の40万7911件。自転車盗の増加が目立つといいます。近年減少が続いていた暴行は同5・3%増の2万7849件で、人の活動が活発化したことでトラブルが増えた可能性があります。

 インターネット上の「闇バイト」が社会問題化している特殊詐欺は、昨年の認知件数が前年比21・2%増の1万7570件、被害総額は同31・5%増の約371億円に上りました。

 強制性交等の認知件数も前年比19・2%増加していて、「犯罪情勢が決して安心できる状況にはない」と指摘しています。

 また、少年による刑法犯の検挙件数は、2004年から減少していましたが、昨年は2万912人と19年ぶりの増加になりました。

 小泉龍司法務相は閣議の後の記者会見で、「新型コロナで減った犯罪の数が戻っているが、数字に一喜一憂せず、しっかり腰を据えて、犯罪白書で検討し分析した内容が現実に生かされるよう全力で取り組みたい」と述べました。

 2023年12月11日(月)

🟧1~7月のカテーテル治療・検査150件で患者11人が死亡 神戸徳洲会病院

 神戸徳洲会病院(神戸市垂水区)で、1月に赴任した循環器内科の男性医師が行ったカテーテル処置の後に複数の患者が死亡した問題で、医師による検査や治療は今年1~7月に150件行われ、11人が死亡していたことがわかりました。

 このうち2人について、病院はすでに国の医療事故調査制度に基づいて検証を進めています。今回新たに判明した死亡患者9人と生存している1人の計10人について、外部専門家による自主調査の対象にしていることを明らかにしました。

 死亡患者9人について、病院関係者は「死亡と治療の因果関係は不明だが、亡くなった事実を重く見て調査が必要と判断した」と説明しています。

 当初の2例と新たな10例の調査の結論は、併せて来年3月末をめどに出すとしています。

 2023年12月11日(月)

🟧障害のある子供の車いすなど費用補助、所得制限撤廃へ 2024年度から

 少子化対策の一環で、すべての子供が安心して過ごせる地域作りを進めるため、政府は、障害のある子供が使用する車いすや補聴器などの費用の補助制度について、所得制限を撤廃する方向で検討を進めていることがわかりました。

 少子化対策を加速化させるため、政府は、障害のある子供への支援や子供の貧困対策を強化し、すべての子供が安心して過ごせる地域作りを進める方針を示しており、具体化に向けた議論を行っています。

 この中で、車いすや補聴器、義肢などの「補装具」を購入する際の費用の補助制度について、現在の所得制限を撤廃する方向で検討を進めていることがわかりました。

 現在の制度では原則1割負担、月額の負担額は上限で3万7200円ですが、年収がおよそ1200万円を超えると、支給の対象外となり全額を負担する必要があります。

 補装具の中には高額なものもあるほか、子供の成長に応じて交換する必要があるため、支給が受けられない世帯の経済負担が課題となっていました。

 また、政府はこのほか、児童発達支援センターの機能の強化や、「医療的ケア児」を一時的に預かる環境を整備するなど、障害がある子供への支援を強化することにしています。

 2023年12月11日(月)

2023/12/10

🟧製薬会社の「要注意工場」、国と自治体が抜き打ち検査へ 監視体制を強化

 後発薬メーカーなどによる相次ぐ品質不正問題を受け、厚生労働省は、製薬会社の製造拠点のうち、品質管理に問題を抱えている可能性が高い「要注意工場」を選び出し、重点的な検査に乗り出します。2023年度中に導入する方針で、国と都道府県が連携して抜き打ちで実施します。従来の検査では長年にわたり品質不正を見逃していたケースがあったため、監視体制を強化します。

 厚労省によると、要注意工場は、製造する医薬品の品目数の多さ、製造工程の複雑さ、過去の調査で問題が見付かったことがあるか、品質管理に懸念を生じさせる情報の有無、などから抽出します。特殊な製造技術の使用、生産能力と比べ従業員数が少ない、不正が発覚した場合の影響の大きさなども考慮します。

 あらかじめ重点的に調べる項目を整理し、検査の実効性を高めます。要注意工場としてどこに検査に入ったかは公表しません。

 製薬会社の工場は今年7月時点で、国内に133カ所あり、都道府県や国は医薬品医療機器法(薬機法)に基づき、1~3年ごとに、定期的な立ち入り検査を実施しています。製薬会社へ事前に通告しない抜き打ち検査も行っています。

 しかし、後発薬メーカーなどでは2020年以降、不祥事が相次ぎ、業務停止などで薬の供給不足を招くとともに、製造現場のずさんな実態が明らかになっています。

 長年にわたり発覚を免れる悪質なケースも起きています。爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤が混入していた小林化工(福井県あわら市)では、虚偽の製造記録を記した帳簿(二重帳簿)を作成していたため、福井県は不正を見抜けませんでした。

 今年10月には、沢井製薬(大阪市淀川区)の九州工場(福岡県飯塚市)で8年前から、品質試験を不正な手順で行い、国の基準をクリアしたように見せ掛けていたことが発覚しました。製薬会社の品質管理に対する意識の低さが問題視されています。

 厚労省の担当者は、「現在の検査体制では十分に対応できていない。巧妙な違反行為にも対応できるようにしたい」としています。

 2023年12月10日(日)

🟧再生医療の副作用など有害事象、医療機関が未報告の可能性も がん研究センターが調査

 細胞を加工して患者に投与する再生医療について、公的医療保険の対象外となる自由診療では、意図せぬ副作用などの有害事象報告数が投与10万回中10例以下と非常に少なかったと、国立がん研究センターなどの研究チームが明らかにしました。チームは「有害事象が発生しても、一部の医療機関からは報告されていない可能性がある」と指摘しています。

 自由診療による再生医療は、がん患者に対する免疫療法や、ひざ関節の修復、美容目的のしわ取りなどで行われています。実施には、再生医療安全性確保法に基づく国への届け出が必要で、感染症や後遺症などの有害事象が発生した場合は、外部の有識者を含む認定委員会に報告する義務があります。

 研究チームによると、2020年度に自由診療による細胞投与は約10万件あったものの、認定委員会への有害事象報告数は10件にとどまりました。医師が研究目的で患者に投与する臨床研究でも、投与約4000件に対し有害事象は25件でした。

 一方、医薬品医療機器法に基づき国に承認された再生医療等製品3品目では、2020年度の投与339回に対して有害事象の報告数は129件と、3件中1件の割合に上りました。

 この調査結果は、国際的な科学雑誌の「ステム・セル・リポーツ」で発表しました。

 チームの一家綱邦・同センター生命倫理部長は、「正しく報告されないと患者が治療について判断できなくなってしまう。医師の性善説を信じてきたが、患者が有害事象を国などに直接訴える新たな仕組みも検討すべきだ」と指摘しています。

 八代嘉美・藤田医科大特任教授(幹細胞生物学)は、「懸念されてきた問題点が明らかになった。再生医療全体の信用が低下しないよう、現場の医師の意識を向上させる取り組みが求められる」とコメントしています。

 2023年12月10日(日)

🟥血液製剤使えなくなるなど不適切な取り扱い5件相次ぐ 日本赤十字社公表

  日本赤十字社は、冷凍庫の電源が落ちて血液製剤1万本あまりが輸血用として使えなくなるなど、血液事業での不適切な取り扱いが5件相次いだことを明らかにした。日本赤十字社は、今後、全国で一斉点検を実施するなど、再発防止に努めるとしている。  これは、日本赤十字社が19日、東京都内で会...