2024/01/15

🟧中国の衛生当局、新型コロナの感染再拡大を予想 新変異型「JN・1」が主流

 中国の衛生当局は、新型コロナウイルスの感染が今月、国内で再び拡大する可能性があるとの見方を示しました。世界で感染が広がっている新たな変異ウイルス「JN・1」が勢いを増し、中国でもコロナ感染の主流になるとみています。

 中国疾病予防管理センターは14日の記者会見で、年明け以降の新型コロナの感染状況について、病院での陽性率が1%以下で「低いレベルにとどまっている」との分析を示しました。

 一方、世界で感染が広がっている新たな変異ウイルス「JN・1」については、「増加傾向を示している」と指摘しています。

 その上で、「JN・1」が継続的に中国に流入するほか、集団免疫力の低下など複数の要因によって、「新型コロナの感染が今月、再び拡大する可能性があり、JN・1が中国における主流な変異ウイルスになる」との見通しを示しました。

 中国では来月10日から旧正月「春節」の大型連休を控えており、中国疾病予防管理センターは「大規模な人の移動や集まりによって、呼吸器疾患のまん延が加速する可能性がある」と指摘しています。

 中国は昨年1月に厳格な「ゼロコロナ」政策を終了後、日ごとの感染状況の発表を取りやめ、最近は月に1度だけ発表しています。足元の詳しい流行状況は不明です。

 同センターは今月10日に昨年12月のコロナ感染状況を発表し、全土で重症が88人、死亡が11人だったとしました。1日当たり23万~36万人が発熱外来を受診したといいます。

 2024年1月15日(月)

2024/01/14

🟧iPS細胞を活用し糖尿病治療法を共同開発 京大発リジェネフロとアラブ首長国連邦の研究所

 京都大学発スタートアップのリジェネフロ(京都市)は11日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を活用して糖尿病の治療法を開発する共同研究契約をアラブ首長国連邦(UAE)の研究機関などと結んだと発表しました。中東地域で多いとされる糖尿病に対し、患者負担が小さく低コストな治療法の普及を目指します。

 契約を結んだのは、リジェネフロとUAEの細胞医療の研究機関であるアブダビ幹細胞センター(アブダビ・ステム・セルズ・センター)、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の3者。発症のメカニズムが異なる1型、2型糖尿病について、個別に治療法を開発します。

 2型糖尿病は肥満の人に多くみられ、血糖値を下げるインスリンが膵臓(すいぞう)の細胞から出づらくなるなどして発症します。こうした細胞の機能低下を抑える低分子医薬品を開発します。iPS細胞から膵臓細胞をつくって多数の薬剤を試し、効果が高いものを探します。

 膵臓の細胞が壊れてしまう1型糖尿病に対しては、iPS細胞から細胞を作って補充する治療法を開発します。iPS細胞を遺伝子改変し、免疫抑制剤を使わずに補充できるようにします。免疫抑制の副作用や生活の質低下を避けられる可能性があります。

 1型糖尿病の根治療法は膵臓移植ですが、臓器の提供者(ドナー)が不足しています。ほぼ無限に増やせるiPS細胞から機能の高い膵臓細胞を作製できれば、多くの患者を根治できる可能性があります。

 中東地域では、肥満や糖尿病の患者が多いとされます。世界保健機関(WHO)の2016年の報告によれば、UAEでは過体重の人が人口の7割を占め、糖尿病患者は8%います。サウジアラビアでは、糖尿病患者は14%に達します。

 2024年1月14日(日)

🟧正月用の冷凍おせちで81人が食中毒 関東5都県の高齢者施設12カ所で

 4日午後、徳島保健所に、徳島市北沖洲2丁目の総菜製造業「エイブルフーズ」から「冷凍おせちを販売したグループホームなどの施設で体調不良者がいる」と連絡がありました。

 その後の調査で、同じ業者が製造した「冷凍おせち」を食べて、下痢や嘔吐などの症状が出た高齢者関連施設が、5都県に12施設あることがわかりました。

 12日午前現在、対象の施設は、栃木県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県にある計12施設で、症状が認められた入所者と職員は42歳~100歳の計81人に上ることがわかりました。

 このうち、23人の便からノロウイルスが検出されているということです。入院した人はなく、いずれも快方に向かっているといいます。

 徳島保健所は、12月11日と12日に製造された冷凍おせちが原因と断定しました。

 同日に製造されたおせちは、5都県と群馬県の関東6都県で計480個販売されたということです。

 おせちは、有頭海老や豚角煮、合鴨ロース、昆布巻、黒豆、きんとん、伊達巻、なますなどのメニューでしたが、保健所は「製造から通報までおよそ1カ月経過しており原因は

わからない」としています。

 県は、エイブルフーズを1月12日から18日まで7日間の営業停止の処分としました。

 2024年1月14日(日)

2024/01/13

🟧筋ジストロフィーの一種で症状改善の可能性 山口大学が既存薬を転用

 全身の筋肉が委縮する難病、筋ジストロフィーの患者に感染症などの治療に使われる薬を投与する臨床試験を行ったところ、患者の症状を改善できる可能性が示されたと山口大学などの研究チームが発表しました。

 筋ジストロフィーの一種で、国内に1万人を超える患者がいるとされる筋強直性ジストロフィーは、細胞でタンパク質がうまく作られず、全身の筋力の低下などを起こす進行性の難病で、根本的な治療法はありません。

 山口大学などは、ほかの病気に使われている治療薬からこの病気に有効なものを探そうと感染症などの治療に使われる抗生物質「エリスロマイシン」に注目し、有効性や安全性を確認するための臨床試験を行いました。

 患者30人を、薬を投与するグループと投与しないグループに分け、4年前から2年半にわたってタンパク質を作る機能を調べた結果、投与したグループでは検査の数値が改善したということです。

 このことから、研究チームは、患者の症状も改善できる可能性が示されたとしています。

 薬の投与による重篤な副作用もなかったということで、今後、患者数を増やして最終段階の治験を行い、実際に症状の改善がみられるか確認し、根本的な治療薬の開発につなげたいとしています。

 山口大学の中森雅之教授(臨床神経学)は、「世界初の治療薬として患者からの期待は高く、安全性と有効性が確認できてほっとしている。治療薬につながるよう今後も開発を続けたい」と話しています。

 治験の結果をまとめた論文は昨年12月、イギリスの医学系学術誌に掲載されました。

 2024年1月13日(土)

🟧大腸がん手術の技術向上へ、シミュレーターを共同開発 イービーエムと国立がん研究センター

 医療従事者の技能を磨く訓練機器の開発・製造を手掛けるイービーエム(東京都大田区、研究拠点・福島市)は12日、国立がん研究センターと共同開発した大腸の内視鏡外科手術シミュレーター「COLOMASTER(コロマスター)」を発表しました。

 コロマスターは大腸がんの手術などで行われる「腹腔(ふくくう)鏡下結腸右半切除術」の訓練に用います。腸間膜や腹膜などの膜組織、胃や膵臓、腎臓などの周辺臓器、動脈、静脈の配置を1ミリ単位で再現しました。腹腔の構造は複雑で同様の訓練モデルはこれまでありませんでした。

 ポリエステルなどの化学繊維を用い、ゾル化素材を染み込ませることで内臓の質感を再現しました。人体構造の把握や内視鏡カメラを使用した場合の視野の展開、膜状組織を剥離する手技など、大腸がん手術の全工程を実際の医療機器を使って体験できます。

 大腸がんの外科手術の訓練は動物で行われ、1回の訓練費用が100万円を超えるなどの課題がありました。コロマスターは1体約20万円で販売します。安価かつ軽量で、どこでも訓練ができます。製品の活用により、外科医の専門的技能向上への貢献が期待されます。

 大腸がんの患者数は近年、増加しています。国立がん研究センターによると、2019年の大腸がんの罹患(りかん)者は15万5625人で、がんの部位別で最多。コロマスターは手術用のロボットを開発する上で、機能を評価する製品としての活用も期待されています。すでに大手医療機器メーカーからの引き合いもあり、今年は約2000個の生産を見込んでいます。

 2024年1月13日(土)

🟧北海道の赤ちゃんポストで新生女児を一時受け入れ 児相が保護し医療機関に搬送

 北海道当別町で自称「赤ちゃんポスト」を運営する施設で今月、出産直後の母親から新生児の預け入れ要請があり、女児を一時受け入れたことが13日、わかりました。施設によると、女児は児童相談所が保護し、その日のうちに医療機関に搬送されました。現時点で健康上の問題はないとしています。

 運営者の坂本志麻さん(49)によると、今月上旬、母親からLINE(ライン)で連絡があり対面。母親が独りで出産後「1日未満」で、母子を救急搬送しようとしたものの母親は断りました。複雑な事情を抱え、自分で育てられないと考えていたといい、施設側で児相などと連絡を取り、預かった女児を搬送しました。

 施設は2022年5月に開設。2023年2~3月、女児2人を受け入れたものの、先天性の病気を患う1人が必要な医療ケアを受けられず入院し、回復後、坂本さんに親権がないため引き取れない問題が一時生じました。

 2024年1月13日(土)

🟧観測史上最も暑い年となった昨年より、今年はさらに暑くなる可能性 エルニーニョ現象の影響で

 世界気象機関(WMO)は12日、今年はエルニーニョ現象の影響で、過去最高を大幅に上回り、観測史上最も暑い年となった2023年より、さらに暑くなる可能性があると警鐘を鳴らしました。

 WMOによると、2023年の世界の平均気温は産業革命前(1850~1900年)の水準よりも約1・45度高くなりました。特に7月と8月は観測史上最も暑い2カ月間でした。

 WMOのセレステ・サウロ事務局長は、「2023年半ばまでに、寒冷化をもたらすラニーニャ現象から温暖化をもたらすエルニーニョ現象に切り替わったことが、気温上昇に明らかに現れている」とし、「エルニーニョ現象が通常、ピークを迎えた後に世界の気温に最も大きな影響を与えるのを考えると、2024年はさらに暑くなる可能性がある」と述べました。

 アメリカ海洋大気局は、今年の気温が昨年より上昇する確率は3分の1で、暑い年の上位5番目までに入る確率は99%だと予測しています。

 アメリカ航空宇宙局ゴダード宇宙科学研究所所長で気候学者のギャビン・シュミット氏は、「(昨年より)暑くなるか若干涼しくなるかは五分五分だ」とさらに高い確率を示した上で、地球の気候システムに「不可解な」変化の兆しがあるが、断定するにはデータ不足だと述べました。

 2024年1月13日(土)

🟥ゴールドウイン、PFAS不使用に 年内に衣料品の素材切り替え、海外拡大で

 アパレル大手で衣料品の素材として有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」を使うことを取りやめる動きが広がっている。「ザ・ノース・フェイス」などを展開するゴールドウインは2025年内で代替素材に切り替える。PFASは熱に強く、アウトドア向け衣料で活用されている。健康への有害性...