婚姻関係がありながら、性交渉が1カ月以上ないと回答した人の割合が6割を超えることが、日本人の性に関する実態調査「ジャパン・セックスサーベイ2024」で明らかになりました。若年男性が他の世代より性への関心が際立って薄いことも、判明しました。
調査を行った専門家は、「日本人のセックスレスが加速しており、特に若年男性は草食化を通り越し〝絶食化〟が進んでいる印象がある」と懸念を示しました。
調査は総合医療品メーカー「ジェクス」の依頼を受けた「日本家族計画協会」が実施しました。実態調査は2012年から始まり、今回で5回目。昨年11月にインターネットを使って行われ、全国18~69歳の男女5029人を対象に、性への関心や悩み、性生活の実態などを聞き取りました。
調査で明らかになったのは、日本人のセックスレスの実態で、調査対象者のうち、有配偶者の回答を分析したところ、1カ月以上、夫婦間で性交渉がないと答えた割合は64・2%となり、2020年の前回調査の51・9%を大きく上回りました。
調査を担った日本家族計画協会会長で産婦人科医の北村邦夫氏は、同協会が長年取り組んでいる別の性に関する調査結果も紹介しながら、「婚姻関係にある人たちのセックスレスに歯止めがかからない状況だ」と説明しました。
セックスレスについては、最終学歴ごとに比較する興味深い調査項目もありました。海外大学卒の人(5029人のうち0・4%)のセックスレスの割合は12・9%にとどまり、5~6割を占める他の学歴層の人との違いが際立ちました。
性交渉の経験の有無を聞く項目について、「ない」と答えた割合は、男性が19・2%(前回13・3%)、女性16・5%(同9・4%)。男女とも各世代で前回調査を上回りました。
さらに今回の調査では、若い男性の性への関心の低さも浮き彫りとなりました。「セックスをしたいと思いますか」という問いに、10~20歳代の男性で「思う」とした割合は63・4%。30~60歳代の各世代の男性が8割を超えるのに対して、著しく低い結果でした。
セックスをしたいと「思わない」とした割合も10~20歳代は36・6%で、1割程度しかいない他の世代の男性と大きく異なりました。
北村氏は、「若い男性については、性に関心がある層とない層の2極化が進んでいるのが実態だと考えられる。現代は、動画などで性的なコンテンツに容易に触れられる時代。それで十分満足し、人と人の触れ合いを面倒くさいと思う若者もいるのかもしれない」と話しています。
2024年2月6日(火)