2024/02/11

🟧新型コロナに感染した子供の急性脳症、重症になりやすいタイプが1割以上

 新型コロナウイルスに感染した子供がまれに発症する急性脳症について、国の研究班が調査したところ、インフルエンザなど従来のウイルスではほとんどみられなかった重症になりやすいタイプの患者が10%以上いたことがわかりました。

 この調査は、東京女子医科大学の高梨潤一教授を中心とする厚生労働省の研究班が行いました。

 研究班は、2022年11月までに、新型コロナウイルスに感染し、脳が急激にむくむ急性脳症と診断された18歳未満の子供103人を調査し、急性脳症をタイプ別に分析しました。

 その結果、インフルエンザなど従来のウイルスでもよくみられるタイプが全体の26%に当たる27人で最も多かった一方で、新型コロナの流行前にはほとんどみられなかった重症になりやすいタイプが全体の13%に当たる14人いたことがわかりました。

 重症になりやすいタイプの患者14人のうち11人は、死亡していたということです。

 研究班によりますと、新型コロナによる急性脳症を発症する子供はまれだということですが、重症になりやすいタイプは治療法が十分に確立されていないことから注意が必要だということです。

 高梨教授は、「なぜ重い急性脳症の頻度が高いのかは詳しくはわかっていないが、長くけいれんが続いたり、呼び掛けに反応しなかったりなどの症状がある時はすぐに医療機関を受診してほしい」と話していました。

 2024年2月11日(日)

🟧東北大、分娩回数が多い女性ほど閉経後に高血圧のリスクが高いことを解明

 東北大大学院の研究チームは7日までに、閉経後では分娩回数が多い女性ほど高血圧のリスクが高く、高血圧の危険因子である肥満の割合も高い傾向があると発表しました。予防には適切な体重維持と注意深い観察が必要としています。

 世界的には25歳以上の成人の約30%が高血圧とされ、日本人女性でみると60歳以上の約60%が高血圧とされます。特に分娩と妊娠高血圧症候群は、女性特有の高血圧リスク因子として知られます。

 東北大大学院医学系研究科女性ヘルスケア医科学共同研究講座の岩間憲之講師と、同周産期医学分野の斎藤昌利教授らのグループは、20~75歳の女性3万530人を対象に、分娩回数と高血圧との関連性を調査しました。

 その結果、閉経前は分娩回数が増えても高血圧との関連性はみられなかったものの、閉経後は分娩回数1回の女性と比較して2回(1・058倍)、3回(1・091倍)、4回(1・125倍)と、分娩回数が多い女性ほど高血圧のリスクが高いことがわかりました。

 また、閉経後では分娩回数が多いほど肥満の割合が高い傾向にあることもわかり、現在の体格指数(BMI)で調整すると、閉経後の分娩回数と高血圧の関連性は薄れたといいます。

 今回の研究は、妊娠高血圧症候群の既往も考慮した上で、分娩回数と高血圧有病率との関連を調査した日本初の報告だといいます。

 研究成果は1月8日、高血圧に関する専門誌「Journal of Clinical」に掲載されました。

 2024年2月11日(日)

🟧妊娠中に体重が過剰に増えた女性、慢性疾患になる割合が高い 成育医療研究センター

 妊娠中に体重が過剰に増えた女性は、将来的に高血圧や糖尿病などの慢性疾患になる人の割合が高かったとする研究結果を、国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)の研究チームがまとめました。高血圧を発症した人の割合は、体重増加が適切だった女性と比べて、約1・5倍高くなりました。

 こども家庭庁の指針では、妊娠中の適切な体重増加量は、妊娠前の体格の指標となるBMIが「やせ」(18・5未満)の人は12~15キロ、「普通」(同18・5~25未満)の人は10~13キロが目安となっている。

 研究では同センターに通院した妊婦の母親に協力を求め、1976~1997年に出産した、妊娠前のBMIが「やせ」か「普通」だった女性318人(平均64・3歳)を対象にしました。妊娠~出産時(同28・5歳)の体重変化について母子手帳のデータを収集し、現在糖尿病や高血圧などの持病があるかアンケートで尋ねました。

 その結果、体重増加が目安を上回っていたグループは、目安内で適切だったグループと比べて、高血圧を発症した割合が約1・5倍高くなりました。糖尿病では約1・4倍、肥満(BMI25以上)になった割合も約1・8倍高くなりました。

 同センター産科の小川浩平診療部長は、「適切に体重を増やすことは、赤ちゃんだけでなく、妊婦自身の健康を守るためにも重要だと確認できた。妊婦がやせていると、低体重の赤ちゃんが生まれるリスクもあるので、主治医の指示をよく聞いてほしい」と話しています。

 2024年2月11日(日)

🟧鹿児島県南さつま市の養鶏場で1万3000羽の殺処分開始 高病原性鳥インフルエンザ疑い

 鹿児島県南さつま市の養鶏場で、10日、複数のニワトリが死んでいるのが見付かり、遺伝子検査の結果、高病原性とみられる鳥インフルエンザウイルスが検出されました。今シーズン、養鶏場での発生は全国で9例目、鹿児島県内では2例目で、鹿児島県は養鶏場で飼育しているニワトリおよそ1万3000羽の処分を始めました。

 鹿児島県によりますと、10日、南さつま市大浦町の肉用の養鶏場で、死んでいるニワトリが増えたという通報があり、遺伝子検査の結果、高病原性とみられる「H5型」の鳥インフルエンザウイルスが検出されました。

 このため、県は11日午前7時からこの養鶏場や同じ管理者が行き来する関連の養鶏場で飼育されているニワトリ、およそ1万3000羽の処分を始めました。

 また、この養鶏場の半径3キロ以内をニワトリや卵の移動を禁止する「移動制限区域」に、半径10キロ以内をその地域からの出荷を禁止する「搬出制限区域」に指定したほか、周辺の4カ所に消毒ポイントを設け関係車両の消毒を始めました。

 県によりますと、制限の対象となる半径10キロ以内には合わせて15の養鶏場などがあり36万羽あまりのニワトリなどが飼育されているということです。

 2024年2月11日(日)

2024/02/10

🟧手術なしの性別変更、岡山家裁津山支部が認める 手術要件「違憲」の最高裁判断後で初めて

 性同一性障害と診断され、生殖能力をなくす手術を望まない岡山県在住の申立人が戸籍上の性別変更を求めた家事審判で、岡山家裁津山支部は7日、女性から男性への性別変更を認める決定を出しました。性別変更を巡り、手術を事実上の要件とした性同一性障害特例法の規定について、最高裁が昨年10月に「違憲・無効」と判断して以降、手術をせずに性別変更が認められたケースが明らかになるのは初めて。

 申立人は、同県新庄村の農業、臼井崇来人(たかきーと)さん(50)。臼井さんは女性として生まれ、2013年に心は男性と医師に診断されました。交際する女性との結婚を望む一方、体への影響などを懸念して手術は避けてきました。

 臼井さんは2016年12月、手術をしなくても戸籍上の性別を変更できるよう岡山家裁津山支部に申し立てたものの、同支部と広島高裁岡山支部は請求を退けました。最高裁も2019年1月、当時の第2小法廷が「現時点では合憲」として特別抗告を棄却しました。

 しかし、昨年10月の最高裁大法廷は別の申立人に対する決定で、手術を必要とする規定について「手術を受けるか、性別変更を断念するかという過酷な二者択一を迫るものだ」と指摘。憲法13条が保障する「意思に反して身体の侵襲を受けない自由」を制約しており、「違憲・無効」だと結論付けました。

 これを受け、臼井さんは昨年12月に改めて、津山支部に性別変更の審判を申し立てていました。

 2024年2月10日(土)

🟧ブラジル・リオのカーニバル開幕 700万人参加見込みも、「デング熱」流行で緊急事態宣言

 ブラジルのリオデジャネイロ市で9日、南米最大の祭典「リオのカーニバル」が開幕しました。街中がサンバのリズムと熱気に包まれます。

 リオデジャネイロ市の市長公邸では9日昼、式典が開かれ、「カーニバルの王様」役の男性がエドゥアルド・パエス市長から市の統治権を象徴する鍵を受け取り、開幕を宣言しました。

 市は期間中、約700万人の参加を見込んでいるものの、ブラジルでは蚊が媒介する感染症「デング熱」が各地で流行しています。リオデジャネイロ市内には5日から公衆衛生の緊急事態宣言が出されており、虫よけスプレーを来場者に噴射する対策を取っています。

 リオデジャネイロ市に続き、サンパウロ市は6日に緊急時対応センターを開設し、首都ブラジリアでは「野戦病院」が設置されました。

 ブラジル国内のデング熱の感染が疑われる患者の数は、年初から5週間で34万5235人と前年同期の4倍近くに上っています。保健省によると、31人の死亡が確認されたほか、234人の死因について分析が進められています。

 ブラジルメディアによると、リオデジャネイロ市内では昨年約2万3000件のデング感染が確認され、今年はすでに1万件を超えました。1月の入院患者数は350人を上回り、2008年以来の高い水準といいます。市内の約10カ所に治療センターを設ける予定。

 ブラジル政府は2月からのワクチン接種を予定しているものの、武田薬品工業が開発したワクチンが不足しているため、接種の対象は10~14歳のみとしています。

 一方、アルゼンチンでも年初から3週間で1万人のデング熱感染者が確認されています。また、パラグアイは昨年12月以降、デング熱により36人が死亡し、公衆衛生上の緊急事態を宣言しました。

 デング熱は発熱や関節痛、発疹といった症状が出て、まれに死亡する例もあります。

 2024年2月10日(土)

🟧救急搬送に「マイナ保険証」活用、通院歴や処方薬の把握を容易に 搬送先選定の迅速化にも期待

 総務省消防庁は、マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」を活用した患者搬送を5月中旬にも開始します。これまで搬送の参考とする患者の医療情報は、口頭で聞き取ることが多かったものの、マイナ保険証を利用することで、通院歴や処方薬などの情報を把握することが容易になり、救急活動の迅速化や円滑化につながると期待しています。

 救急現場では、隊員が患者から通院先の医療機関や処方薬などの情報を聞き取って搬送先を決める際の参考にしています。しかし、詳細な情報を覚えていない人も多く、症状によっては会話が困難なケースもあります。こうした状況を踏まえ、消防庁は患者がマイナ保険証を所持している場合、その場で医療情報を閲覧できるシステムを導入します。

 具体的には、患者に同意を得た上で、隊員が専用のカードリーダーでカードを読み取り、レセプト(診療報酬明細書)処理を担う厚生労働省所管の「社会保険診療報酬支払基金」に情報照会するシステムを構築します。このシステムにより、救急車内に設置したタブレット端末で患者の氏名や住所のほか、医療機関の通院歴、処方薬、手術などの情報を閲覧できるようになります。

 このシステムの導入によって、患者から救急隊員への詳しい説明が不要になる上、隊員にとっても、正確な情報に基づき、迅速に搬送先の医療機関を選定することが可能となります。受け入れる医療機関側も、事前に既往歴や処方実績などを把握することで、円滑な救命処置ができます。

 消防庁は、全国の47消防本部の500隊程度で、実証事業としてこの取り組みを始める

考えで、2月上旬まで参加を公募しています。実際に現場でマイナ保険証を活用した救急搬送を実施する時期は、大型連休明けの5月中旬を見込んでいます。将来的には意識のない重体患者のような場合でも、医療情報を閲覧できるようにすることも検討しています。

 2024年2月10日(土)

🟥医療機関の受診、原則マイナ保険証の利用に 従来の保険証も3月までOK

 12月2日から、会社員やその家族が加入する健康保険組合の健康保険証に代わって、マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」の利用が原則となった。1日までですべての健康保険証の有効期限が切れたため。厚生労働省は患者が期限切れの保険証を提示しても、来年3月末まで...