2024/03/15

🟧新型コロナワクチン費用助成で自己負担7000円に 4月以降、高齢者らの定期接種

 65歳以上の高齢者らを対象に2024年度から始まる新型コロナウイルスワクチンの定期接種を巡り、厚生労働省は15日、自己負担額が7000円程度になるよう費用を助成すると発表しました。厚労省は、「負担が急激に増えないように検討した」と理由を説明。定期接種の対象者は3600万人程度と想定し、対象外の人は原則自費で打つ任意接種となり、国の助成は適用されず、費用は医療機関などによって異なる見通し。

 厚労省によると、各メーカーから非公開で聴取した希望価格を基に、ワクチン代を「1万1600円程度」と算出。医療者の手技料を含む接種費用は「1万5300円程度」とし、超過分の8300円を市町村に支給します。2025年度以降も支給を続けるかは未定といいます。

 新型コロナワクチンは3月末まで「特例臨時接種」として無料で打てるものの、4月以降は65歳以上の高齢者と60~64歳で基礎疾患がある人を対象に年1回秋冬に打つ定期接種となり、自己負担が生じることになっていました。

 生活保護の受給者など低所得者は、無料で接種を受けられるよう、国が市町村に交付金を出します。

 日本では2021年2月に、新型コロナワクチンの接種が始まりました。首相官邸によると、3月12日公表時点の累計接種回数は約4億3500万回。2023年秋以降の接種率は22・3%となっています。

 2024年3月15日(金)

2024/03/14

🟧同性婚認めないのは憲法違反、札幌高裁 2審での違憲判断は初

 同性同士の結婚が認められていないのは憲法に違反するとして、北海道に住む同性のカップルが国を訴えた裁判で、2審の札幌高等裁判所は憲法に違反するという判断を示しました。

 札幌市など北海道に住む3組の同性のカップルは、同性同士の結婚を認めていない民法などの規定は、婚姻の自由や法の下の平等を定めた憲法に違反すると主張し、国に賠償を求める訴えを起こしていました。

 3年前、1審の札幌地方裁判所は、「差別的な扱いだ」として法の下の平等を定めた憲法に違反するという初めての判断を示した一方で、国に賠償を求める訴えは退け、原告側が控訴していました。

 2審で原告側は、「民法などの規定の合理性が疑わしい状況であることは明白だ」などと訴えていました。これに対し国は、「憲法は異性間の結婚を前提としている」などとして争っていました。

 14日の判決で、札幌高等裁判所の齋藤清文裁判長は憲法に違反すると判断しましたが、国に賠償を求める訴えは退けました。

 同様の集団訴訟は全国5カ所で起こされていて、1審では憲法違反と判断されたケースがありましたが、2審では初めてです。

 同性のカップルなどが結婚が認められないのは憲法に違反するとして国に賠償を求める集団訴訟は、全国5カ所で6件、起こされています。

 これまで賠償を認めた判決はありませんが、憲法判断は分かれていて、今日の札幌高等裁判所と東京地方裁判所を含めて「違憲」が3件、「違憲状態」が3件、憲法に違反しない「合憲」が1件となっています。

 2024年3月14日(木)

2024/03/13

🟧5歳未満の男児がはしか感染、東京都内で今年3人目 南アジアから帰国後発症

 東京都は12日、都内に住む5歳未満の男児がはしかに感染したことが確認されたと発表しました。

 都によると、男児は2月下旬に家族と南アジアから帰国し、3月3日午後、足立区の「びっくりドンキー足立東和店」を利用し、3月4日に発熱しました。最初に受診した医療機関では、はしかと診断されなかったものの、その後、発疹の症状が出たため、9日に別の医療機関を受診したところ、はしかと診断されました。入院中ですが、快方に向かっているといいます。

 都内でのはしかの確認は今年3人目。

 はしかは、発熱や発疹が出るウイルス性の感染症で、感染力が極めて強く、肺炎や脳炎など重い合併症を引き起こすなど重症化する場合もあります。

 都は、はしかは予防接種で防げる病気で、1歳の時と、小学校に入学前の1年間の合わせて2回ワクチンを接種することが必要だとしていますが、昨年度の都内の2回目の接種率は92・0%と、前年より1・2ポイント下がって集団免疫を得る目安となる95%を下回っています。

 都は、昨年の夏、ヘルパンギーナや咽頭結膜熱など主に子供がかかる感染症が流行したことから、保護者が医療機関での接種を控えるケースが増えたことが要因とみています。

 都の担当者は、「2回目の接種は、小学校就学前の3月まで公費負担で受けられるので、対象の人は早期の接種を検討してほしい」と呼び掛けています。

 2024年3月13日(水)

🟧奈良県の30歳代男性が「はしか」感染、外国人観光客の接触者

 奈良県は8日、県内で新たに30歳代の男性1人がはしか(麻疹)に感染したことを発表しました。男性は、2月下旬にはしかへの感染が確認された外国人観光客の男性の接触者で、健康観察中だったということです。

 奈良県によりますと、郡山保健所管内在住の30歳代の男性は、5日に発熱し、医療機関を受診したところ、翌日はしかに感染していたことが発覚しました。現在は自宅で療養しており、症状は落ち着いているということです。男性は、過去に2回はしかの予防接種を受けたことがありましたが、2月に奈良市で、はしかに感染していた外国人観光客の男性と接触があったということです。

 男性は、発熱する前日の4日午前6時ごろに奈良市内でコンビニに立ち寄り、午後11時ごろには牛丼チェーン店で食事をとった後、午後11時20分ごろに朝とは別のコンビニを利用していました。マイカーで移動しており、公共交通機関の利用はありませんでした。

 奈良県は、発熱や発疹などの症状があり、はしかの発症に心当たりがある場合は、近くの保健所か医療機関に相談するよう呼び掛けています。

 奈良県内でのはしかの感染者は、今年2人目です。

 2024年3月13日(水)

2024/03/12

🟧はしか、国内でも流行拡大の懸念 東京都内でも20歳代女性の感染確認

 世界的に流行している、はしか(麻疹)について、国内でも感染が広がる懸念が強まってきました。11日には東京都内で20歳代女性の感染が確認され、東京都や厚生労働省はワクチン接種による予防を呼び掛けています。

 世界保健機関(WHO)は2月20日、世界の半数以上の国々が今年の流行リスクに直面しており、緊急に予防対策を講じるよう警告していました。

 東京都保健医療局によると、この女性は、すでに8人の感染が確認されている、2月24日にアラブ首長国連邦(UAE)から関西空港に到着した航空機に搭乗していました。

 女性は大阪市在住で、3月7日、新大阪駅を午後1時45分に出発した東海道新幹線「のぞみ」24号の6号車に乗って品川駅に到着。その後、午後9時から東京・銀座の飲食店で約2時間過ごし、ホテルに宿泊。翌日に発疹と38度の発熱があり、都内の医療機関を受診したところ、陽性が確認されたといいます。現在は入院していますが、回復に向かっているということです。

 はしかは空気感染で広がり、感染力が極めて強いため、都は、女性が利用した新幹線や飲食店の具体的な情報をホームページで公開しています。

 また、症状が疑われる場合は事前に医療機関に連絡した上で受診し、移動の際は、公共交通機関の利用を控えるよう呼び掛けています。

 武見敬三厚労相は8日の記者会見で、国内でのはしかの感染が確認されたことを受け、「はしかは感染力が非常に強く、先進国でも1000人に1人は死亡するといわれ、注意が必

要だ」と強調。「今後さらに感染が広がる可能性がある」と懸念を示しました。

 WHOによると、ロシアや中央アジアを含むヨーロッパ地域での感染報告数は2022年の937人に対し、2023年は5万8000人を超えました。感染者急増の理由について、新型コロナウイルス流行時に、はしかのワクチン接種率が下がったことが原因と分析しています。

 厚労省などによると、はしかは麻疹ウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症で、空気や飛沫、接触により感染。免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続するといわれています。感染すると、約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れ、2、3日熱が続いた後、39度以上の高熱と発疹が現れます。感染による合併症として肺炎や脳炎が引き起こされて重症化し、死亡するケースもあります。

 2024年3月12日(火)

2024/03/11

🟧食中毒発生1021件で2年連続増 2023年、コロナ禍前の水準に

 2023年の食中毒発生件数は前年比59件増の1021件となり、2年連続で増えたことがわかりました。厚生労働省が11日までに明らかにしました。飲食店での増加が目立ち、新型コロナウイルス感染対策が緩和されたことなどが要因と見なされます。患者数は4947人増の1万1803人で、死者は4人でした。

 厚労省担当者は、「コロナ禍前の水準に戻りつつある。小まめな手洗いなどを徹底してほしい」と呼び掛けています。

 原因食品は、魚介類・加工品が320件で最多。野菜類・加工品が44件、肉類・加工品が34件、コロッケやギョーザなど複数原料で作った複合調理食品が27件と続きました。

 原因物質では、寄生虫のアニサキスが約4割の432件。春と秋には山菜やキノコなどによる植物性自然毒が増加し、高齢者の患者が多くなりました。

 厚労省は、食用と判断できない植物は口にせず、安全なキノコに似た毒キノコには気を付けるよう求めています。

 2024年3月11日(月)

2024/03/10

🟧心疾患で世界初の手術成功、別の難病も同時改善 島根大病院

 島根大病院は7日、心臓の血管に障害が生じる重い先天性疾患の30歳代女性に対して手術を実施し、成功したと明らかにしました。心疾患に加え別の血管に関する心臓の難病も発症した非常に珍しい例で、手術でいずれの症状も改善するのは世界で初めてとしています。女性はすでに退院したといいます。

 女性は島根県出雲市に在住。階段の上り下りで息が切れるなどしたため2022年に同病院を受診し、「右肺動脈大動脈起始症」と診断されました。心臓から血液を肺に届けるはずの肺動脈が、全身に血を送る大動脈と誤ってつながってしまった疾患で、心不全の原因となります。

 さらに肺動脈と肺静脈がつながり、血液が正常に循環せずに呼吸困難に陥る「肺動静脈瘻」の発症も判明しました。

 治療は小児循環器科などの医師が加わり検討。肺への血液量を減らす低リスクの手術も考えたものの完治とはならないため、大動脈とつながっている肺動脈を人工の血管で正常な形に再建する高リスクの手術に決めました。

 手術は昨年7月に約10時間にわたって実施。治療によって心臓の血の巡りが正常化しました。

 2024年3月10日(日)

🟧神戸徳洲会病院、カテーテル治療後に死亡の10件は「医療事故に該当せず」 患者死亡問題で見解公表

 神戸徳洲会病院(神戸市垂水区)で入院患者が相次いで死亡した問題で、同病院は15日までに、カテーテル治療後に死亡した事例など10件について、外部の専門家を交えた院内検証の結果、医療事故には該当しなかったとの見解をホームページで公表しました。  同病院では、患者死亡事例など15件...