2024/05/06

🟧母乳に含まれる抗体、子供の脳の発達や行動に影響 群馬大がマウス実験で発見

 群馬大は、マウスを使った実験で、母乳に含まれている抗体が子供の脳の発達や行動に影響を与えていることを発見したと発表しました。今後、人間の脳への影響を調べることで、疾患防止などにつながる可能性があるとしています。

 母乳を巡っては、別の研究で、乳児に与える期間と知能指数に関連があるとの報告はあったものの、影響する成分や作用は判明していませんでした。今回、同大などの研究チームが初めて発見し、論文は2日、脳と免疫に関する国際科学誌にオンライン掲載されました。

 同大医学部3年定方瑞樹さん(20)や父で同大の定方哲史准教授(神経科学)らは、母乳には人工ミルクと違い、母親が持つウイルスへの抗体も含まれている点に着目。研究では、抗体を受け取るマウスと、受け取れないよう遺伝子を変えたマウスを使用しました。

 その結果、抗体を受け取ったマウスの脳内では、抗体と、脳の異物除去などを担う免疫細胞「ミクログリア」が結合していました。結合したミクログリアは、記憶や学習で重要な役割を果たすニューロン(神経細胞)の生存に関与する「1型インターフェロン」も分泌していました。

 一方、遺伝子を変えたマウスは、社会性行動に影響を与える特定のニューロンが減少し、受け取ったマウスと異なる行動をとったことから、研究チームは抗体が脳の発達に影響すると結論付けました。

 今回の研究では、人間の脳への影響は判明していません。定方准教授は、「抗体が脳や行動に違いを生じさせることはわかったが、その影響が良いのか悪いのかまでは断定できない」としました。

 今後は、人間の母乳の抗体濃度と母乳で育った子供で相関性を調べる予定です。瑞樹さんは「良い影響の場合は、抗体が入った人工ミルクを製造し、悪影響であれば母親の抗体が増えた場合に母乳を与えないように呼び掛けることもできる」と話しています。

 2024年5月6日(月)

2024/05/05

🟧15歳未満の子供の推計人口は過去最少1401万人 43年連続減少

 総務省によりますと、15歳未満の子供の数は4月1日現在で1401万人と、43年連続の減少となりました。

 総務省の推計によりますと4月1日現在で、国内で暮らす15歳未満の子供は、男子が718万人、女子が683万人の合わせて1401万人となっています。

 昨年と比べると33万人減っていて、1982年から43年連続の減少で過去最少を更新しました。

 年齢別でみると、0~2歳が235万人と最も少なく、3~5歳が257万人、6~8歳が288万人と続きました。最多だった12~14歳は317万人で、少子化に歯止めがかからない現状が改めて浮き彫りになった。

 また、総人口に占める子供の割合も昨年より0・2ポイント低い11・3%と過去最低となり、1975年から50年連続の低下となりました。

 子供の数を都道府県別でみますと、昨年10月1日現在で最も多かったのは東京都の151万3000人で、神奈川県の103万1000人が続きました。100万人を超えたのは2都県のみで、大阪府は98万4000人と比較可能な1950年以降で初めて100万人を割りました。最も少なかったのは鳥取県の6万5000人でした。子供の数は47都道府県のすべてで減少しました。

 一方、子供の割合を都道府県別でみますと、昨年10月1日現在で最も高いのは沖縄県で16・1%、次いで滋賀県が13%、佐賀県が12・9%などとなっています。逆に最も低いのは秋田県で9・1%、次いで青森県の10%、北海道の10・1%などとなっています。

 人口4000万人以上の主要国で子供が総人口に占める割合(日本以外は2023年推計値)を比較すると、日本は韓国の11・2%に次いで低くなりました。アメリカ(17・7%)、イギリス(17・2%)などと比べても、日本の少子高齢化の状況が際立っています。

 2024年5月5日(日)

2024/05/04

🟧鳥インフルエンザ、哺乳動物から人へ初感染か アメリカ・テキサス州の酪農場

 アメリカ南部テキサス州で確認された高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)感染者について、アメリカ疾病対策センター(CDC)のチームは3日、酪農場の労働者で、感染した乳牛との接触でうつったと考えられると発表しました。人以外の哺乳類から人に感染した世界初の報告例になるとみています。

 ゲノム解析では哺乳類の細胞で増えやすくなる変異もみられたものの、基本的には鳥の間で広がるウイルスの特徴を維持しており、人への感染リスクは低くなっています。ただ、かかった場合は重症化することがあるため、感染した動物や殺菌前の生乳などに触れる機会を減らす対策が必要だと指摘しました。

 CDCは同日、アメリカの医学誌に論文を発表しました。

 2024年5月4日(土)

2024/05/03

🟧世界初の「歯生え薬」9月に治験開始へ 子供向け、2030年実用化目指す 

 生まれ付き永久歯が少ない「先天性無歯症」の患者の歯を生やす「歯生え薬」について、人への安全性を確かめる臨床試験(治験)を9月に始めると、北野病院(大阪市)や京大発の創薬ベンチャー「トレジェムバイオファーマ」(京都市)などが2日、発表しました。治験は京大医学部付属病院で実施し、2030年の実用化を目指します。世界初の試みといいます。

 薬は先天性無歯症の子供を対象に開発。生まれ付きの歯の数が通常より6本以上少ない場合は遺伝性とみられ、全人口の約0・1%が発症するといいます。これまでは成長してから人工の歯を埋め込むインプラント手術などを行うしかありませんでした。

 研究チームによると、薬は歯の成長を抑制するタンパク質「USAG―1」の働きをなくす抗体薬。機能を抑えることで、永久歯のもととなる「歯の芽」の成長を促します。

 治験は9月から来年8月ごろまで実施。今回は安全性の確認のため、30歳以上65歳未満で奥歯のない健康な男性を対象とします。25人に薬剤を腕などに点滴で投与、5人には偽薬(プラセボ)を使い、副作用の有無などを調べます。

 将来は虫歯などで歯を失った人にも応用したい考えです。

 2024年5月3日(金)

🟧マダニ感染症に注意、屋外活動増加で長崎県が呼び掛け

 ゴールデンウイーク期間中や夏場にかけて屋外活動の機会が増えることから、長崎県はマダニなどによる感染症への注意を呼び掛けています。重症化すると死亡するケースもあり、農作業やレジャーの際は肌の露出を減らし、かまれたら無理に引き抜かずに医療機関で処置するよう促しています。

 長崎県内では今年1月から4月26日までに、マダニやツツガムシが媒介する感染症に8人がかかりました。

 マダニによる感染症は、発熱や嘔吐(おうと)などの症状がある重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の4人と、高熱や発疹を伴う日本紅斑熱の3人。発熱や発疹、倦怠感などの症状が現れる、ツツガムシによる「つつが虫病」に1人が感染しました。

 マダニ類は草むらなどに生息するため、県地域保健推進課は、屋外で活動する際は長袖を着用し、サンダルなどを避け、活動後はかまれていないか確認するよう呼び掛けています。

 2024年5月3日(金)

2024/05/02

🟧4月の日本全体の平均気温が過去最高を更新 各地で高温の記録更新

 今年の4月の日本全体の平均気温が、過去最高を更新しました。気象庁は4月の天候まとめを発表し、4月の日本全体の平均気温は、統計開始以降最も高かった1998年をおよそ0・8度上回り、過去最高を更新しました。

 日本付近は暖かい空気に覆われやすく、低気圧や前線に向かって暖かい空気が流れ込む日もあったため、4月の平均気温は全国的にかなり高くなりました。

 また、4月下旬には広い範囲で30度以上の真夏日を観測するなど、各地で高温の記録を更新しています。

 地域別でみると、平年に比べて北日本でプラス3・2度、東日本でプラス2・7度、沖縄・奄美でプラス2・6度と、各地域で1946年の観測開始以降、4月として1位の高温となりました。

 西日本は平年に比べてプラス2・4度で観測史上3番目に高い記録で、中国地方でみると平年に比べてプラス2・4度となり、観測史上2番目に高い記録となりました。

 各観測地点別でみると、全国153地点のうち半数以上の87地点で過去最高を記録しています。

 2024年5月2日(木)

2024/05/01

🟧アメリカ、大麻の危険性を「低レベル」に分類へ 進む規制緩和

 アメリカの司法省は4月30日、連邦レベルで大麻の規制を緩和するようジョー・バイデン政権に提言しました。司法省傘下の麻薬取締局(DEA)は、乱用リスクがより低い薬物に大麻を分類する方針。バイデン大統領も規制緩和に前向きで、アメリカのメディアは「歴史的な転換になる」と指摘しました。

 11月の大統領選に向け、バイデン大統領は大麻合法化を求める声が強い若年層の支持拡大につなげることを狙います。2020年の前回大統領選では、大麻の使用を犯罪と見なさないと訴えていました。

 連邦法は大麻をヘロインや合成麻薬LSDと同じ「1類」としています。食品医薬品局は昨年8月、DEAに対し、大麻を解熱鎮痛剤などと同じ「3類」にするよう提言していました。

 分類変更が認められても、直ちに全面的な合法化につながるわけではないものの、「生産や研究に対する規制が緩和され、医師による処方が可能になる」とアメリカ紙ニューヨーク・タイムズは報じています。

 2024年5月1日(水)

🟪小中学生の体力調査、中学生男子はコロナ感染拡大前を上回る

 全国の小学5年生と中学2年生を対象に、50メートル走など8つの項目で体力や運動能力を調べる今年度の国の調査で、中学生の男子の合計点は新型コロナウイルスの感染拡大前を上回りました。一方で、小学生の男女は低下傾向にあり、スポーツ庁は運動の機会を増やす取り組みに力を入れていく方針で...