2024/08/21

🟩7月の熱中症救急搬送、過去2番目の多さ 4万3195人搬送・62人死亡・1110人重症 

 先月熱中症で医療機関に救急搬送された人は全国で4万3195人と、7月としては2008年に統計を取り始めてから過去2番目の多さとなったことが、総務省消防庁のまとめでわかりました。

 この後も暑い日が続くとして、熱中症対策を徹底するよう呼び掛けています。

 先月は、最高気温40度以上を1日に6つの地点で観測するなど危険な暑さが続き、先月の全国の平均気温は、気象庁が統計を取り始めてから最も高くなりました。

 総務省消防庁のまとめによりますと、先月熱中症で医療機関に搬送された人は全国で4万3195人に上りました。

 7月としては統計を取り始めた2008年以降、2018年の5万4220人に次いで過去2番目の多さとなりました。

 このうち、死亡したのは62人で、3週間以上の入院が必要な「重症」が1110人、短期の入院が必要な「中等症」が1万4216人、「軽症」が2万7666人でした。

 年齢別では、65歳以上の高齢者が2万5469人と6割弱を占め、次いで18歳以上65歳未満が1万3932人、7歳以上18歳未満が3544人、7歳未満の乳幼児が250人となっています。

 また、場所別でみると、住宅が1万7638人と最も多く、次いで道路が8234人、屋外の競技場や駐車場が5111人などとなっています。

 都道府県別では、東京都が4227人と最も多く、次いで大阪府が3342人、愛知県が2950人、埼玉県が2607人などとなっています。

 気象庁の長期予報では来月・9月と10月の平均気温は全国的に平年より高いと予想され、残暑が厳しく、秋の訪れが遅くなる見込みです。

 総務省消防庁は「年間の搬送人数も最多を更新する恐れがある。暑さはこの先も続くと予想されているので引き続き、エアコンを使ったり、こまめに水分をとったりするなど熱中症への対策を続けてほしい」と呼び掛けています。

 2024年8月21日(水)

2024/08/20

🟩コンゴでエムポックス感染者・死亡者が急増 日米がワクチン送付へ

 アフリカ中部のコンゴ民主共和国(旧ザイール)のサミュエル・ロジャー・カンバ保健相は19日、ウイルス感染症のエムポックス(サル痘)の感染者と死亡者が増加していると語りました。一方、医療関係者によると、日米両国は同国にワクチンを送る方針です。

 カンバ保健相は記者会見で、今年に入っての累計感染者は数日間で1万6000人から1万6700人に、死亡者は548人から570人強に増加したと語りました。

 一方、ある医療関係者は、アメリカが5万回分のワクチンを送ると約束したと明かしました。日本も19日、子供用に350万回分を送付することに同意したといいます。

 カンバ保健相は、「来週にはワクチンの第一回接種分が到着することを望んでいる」と述べました。

 人口約1億人のコンゴでは、全26州で感染が確認されています。

 世界保健機関(WHO)はコンゴなどアフリカ各国での感染拡大を受けて14日、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言し、19日には「関係地域へのワクチン接種戦略・計画の迅速な適用」を含む新たな指針を発表しました。

 2022年の流行時、エムポックスワクチンは、ヨーロッパとアメリカでは入手できたもののアフリカ諸国では確保できないという深刻な不平等が生じていました。

 2024年8月20日(火)

2024/08/19

🟩フィリピンでエムポックス感染確認、昨年12月以来 33歳男性、海外渡航歴なし

 フィリピン保健省は19日、エムポックス(サル痘)の感染を確認したと発表しました。検査でウイルス感染を確認しましたが、より重症化しやすいタイプの「クレード1」かどうかは現時点で不明で、別の検査結果を待っているといいます。

 感染者は33歳の男性で、海外渡航歴はありません。1週間余り前に発熱し、その後、体のさまざまな部位に発疹が出たといいます。

 フィリピンでは2022年7月に最初の感染を確認。直近の確認は昨年12月でした。保健省が熱帯医学研究所で確認した感染例としては、今回が10例目といいます。

 2024年8月19日(月)

2024/08/18

🟩エムポックス、パキスタンでも感染を確認

 アフリカで感染が拡大しているエムポックス(サル痘)について、パキスタンの保健当局は国内で1人の感染が確認されたと発表しました。エムポックスの感染はアフリカ以外ではスウェーデンでも確認されていて、感染のさらなる広がりが懸念されています。

 エムポックスは、発熱や発疹などの症状が現れるウイルス性の感染症で、2022年に欧米を中心に感染者の報告が相次ぎましたが、世界保健機関(WHO)によりますと、アフリカ中部のコンゴ民主共和国(旧ザイール)を中心に再び感染が拡大しているということです。

 エムポックスについて、パキスタンの保健当局は16日、国内で1人の感染が確認されたと発表しました。感染者は、中東への渡航歴があったということで、感染者と接触した可能性のある人たちの追跡調査を行っているとしています。

 エムポックスを巡っては15日、重症化しやすいタイプの「クレード1(コンゴ盆地系統群)」ウイルスの感染がアフリカ以外では初めて、スウェーデンで確認されています。

 パキスタンの保健当局の発表では、ウイルスのタイプは明らかにされていません。

 WHOは14日にエムポックスの感染がアフリカ以外にも広がる恐れがあるとして、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言したばかりで、感染のさらなる広がりが懸念されています。

 2024年8月18日(日)

2024/08/16

🟩アフリカ以外でエムポックス重症型、スウェーデンで確認

 アフリカで感染が拡大しているエムポックス(サル痘)について、スウェーデンの保健当局は15日、重症化しやすいタイプのウイルスの感染がアフリカ以外で初めて、国内で確認されたと発表しました。

 世界保健機関(WHO)は14日に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言したばかりで、感染のさらなる広がりが懸念されています。

 エムポックスは、発熱や発疹などの症状が現れるウイルス性の感染症で、2022年に欧米を中心に感染者の報告が相次ぎましたが、WHOによりますと、アフリカ中部のコンゴ民主共和国(旧ザイール)を中心に再び感染が拡大しているということです。

 今回、感染が広がっているのは2022年と比べて重症化しやすいタイプの「クレード1(コンゴ盆地系統群)」ウイルスで、スウェーデンの保健当局は15日、このタイプのウイルスによる感染が国内で確認され、アフリカ大陸以外では初めての感染例だと発表しました。

 患者はアフリカで感染が拡大している地域への渡航歴があったということで、現在はストックホルム地域で隔離された状態で治療を受けているとしています。

 また、アメリカ国立衛生研究所(NIH)は15日、治療への利用が期待されていた経口薬「テコビリマット」の臨床試験で、クレード1ウイルス感染による症状の持続期間を短縮する効果が示せなかったと発表しました。

 2024年8月16日(金)

2024/08/15

🟩WHO、エムポックスで緊急事態宣言 2022年7月以来2度目

 世界保健機関(WHO)は、エムポックス(サル痘)の感染がアフリカ中部のコンゴ民主共和国(旧ザイール)で拡大し、アフリカ以外にも広がる恐れがあるとして、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。

 これは、WHOのアダノム・テドロス事務局長が14日、記者会見を開いて発表したものです。

 エムポックスは、発熱や発疹などの症状が現れるウイルス性の感染症で、2022年7月にも1度欧米を中心に感染者の報告が相次ぎ、緊急事態が宣言されました。

 その後、感染者数が減少し、緊急事態宣言は1年足らずで終了が発表されましたが、WHOによりますと、アフリカ中部のコンゴ民主共和国を中心に、ブルンジ、ケニア、ルワンダ、ウガンダなど近隣諸国で、再び感染が拡大しているということです。

 2022年と比べて重症化しやすい新たなタイプのウイルスも広がっているとみられ、コンゴ民主共和国では今年だけで1万4000人以上の感染が確認され、524人が死亡したということです。

 感染は周辺の国でも確認されていることから、WHOは14日、専門家による委員会を開いて検討した結果、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。

 感染経路としては、性的接触による感染のほか、動物からの感染や、家庭内で子供が感染するケースもみられるということです。

 テドロス事務局長は、「アフリカの中、そしてアフリカ以外でさらに広がる恐れがあり、憂慮すべきだ」として、感染拡大を抑えるため、各国が協調して対応する必要があると訴えました。

 エムポックスに詳しい岡山理科大学の元教授、森川茂さんは、「主に接触感染で広がるウイルスだが、今回の流行では家庭内感染などで子供が発症するケースが多いなど、性的な接触ではない通常の接触での感染リスクが高まっている。また、今回流行しているウイルスは以前流行したものと比べ病原性が強く、特に15歳未満の子供での感染者が多く、重症化して亡くなる方も多いと報告されている。このウイルスがさらに広がると全く違う形の流行になるということでリスクが高いと判断したとみられる」と話しています。

 さらに、「エムポックスには天然痘に対して作られたワクチンが効果があると考えられていて、接種も行われているが、アフリカにはまだ十分な量のワクチンが供給されていない。今後、アフリカでのワクチン接種が遅れてしまうと世界中に感染が拡大するリスクがある」とした上で、「日本でも、アフリカの流行地域にいた人が知らないうちに感染して帰国して発症するリスクが考えられる。発症初期には発熱などの症状があるので、流行地域に滞在した人は発熱があればエムポックスを疑って医療機関で検査を受けてほしい」と呼び掛けています。

 2024年8月15日(木)

2024/08/14

🟩四大公害病のイタイイ病に認定の富山県の93歳女性死亡 存命の認定患者ゼロに

 四大公害病の1つ、イタイイタイ病の患者と認定されていた富山市の90歳代の女性が今月亡くなり、生存している患者は初めてゼロとなりました。

 イタイイタイ病は、鉱山から排出されたカドミウムが原因で、富山県を流れる神通川流域の住民や農地に甚大な被害を及ぼしました。

 被害者団体などによりますと、亡くなったのは患者と認定されていた富山市の93歳の女性です。

 2022年8月に検査で患者として認定され、8月11日に腎臓の機能が低下して亡くなったということです。女性は神通川流域で育ち、幼いころから川の水を飲み、近くで収穫されたコメを食べていました。40歳ころから足や膝に痛みを覚え、70歳をすぎると就寝中に全身の痛みで目覚めるようになりました。足の骨や骨盤も折れ、7年前から歩行につえが必要になったといいます。

 富山県などによりますと、イタイイタイ病ではこれまでに201人が患者として認定されましたが、女性が亡くなったことで、1967年に患者の認定が始まって以降、生存している患者は初めてゼロとなりました。

 一方、将来、イタイイタイ病になる可能性を否定できない「要観察者」に345人が判定され、うち90歳代の女性1人が生存しています。

 神通川流域カドミウム被害団体連絡協議会(被団協)の江添良作代表は、「これで患者がいなくなったわけではない。潜在的な患者がいる可能性があり、要観察者はいつ病気になるかわからない」と対策の継続を訴えました。

 2024年8月14日(水)

🟪糖尿病患者は熱中症高リスク 名工大解析「早めの対策を」

 名古屋工業大の研究チームは8日、糖尿病患者は糖尿病でない人に比べて熱中症になるリスクが約1・4倍とする全国の保険診療の明細(レセプト)による解析結果を発表しました。熱中症の搬送件数が増加傾向にある中、効果的な対策立案に役立つとしています。  糖尿病患者は発汗しづらく、体温調節...