2024/10/20

🟪今年のエムポックス死者、アフリカ全土で1100人

 アフリカ連合(AU)の保健機関、アフリカ疾病対策センターは17日、アフリカ大陸全体では今年これまでに、約1100人がウイルス感染症「エムポックス(サル痘)」で死亡したと発表しました。

 1月以降、アフリカでは計4万2000件の症例が報告されています。初の症例が報告されたザンビアとジンバブエを含め、18カ国で感染が確認されています。

 アフリカ疾病対策センターのジャン・カセヤ事務局長は、「対策を講じなければ、エムポックスは制御不能になる」と警告しました。

 死者の大多数は、流行の震源地となったコンゴ民主共和国(旧ザイール)に集中しています。同国では今月、ようやくワクチンの集団接種が開始されました。

 カセヤ事務局長は、大陸全体で「週ごとに新たな症例が増えている」とし、国際的なパートナーに対し支援の強化と、エムポックス対策のために約束された資金を直ちに拠出するよう求めました。

 2024年10月20日(日)

2024/10/18

🟪モデルナ、日本でコロナ・インフル混合ワクチン生産へ

 アメリカの製薬会社モデルナは17日、神奈川県藤沢市の湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)で記者会見を開き、同施設内でメッセンジャーRNA(mRNA)製品を製造することを明らかにしました。ステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は「複数のmRNA製品を日本で販売したい」と話しました。

 モデルナは2023年9月に、日本政府が主導するワクチンの国内生産体制整備事業の事業者に採択されました。経済産業省から補助金を受け、湘南アイパーク内にmRNAワクチンの製造施設を新設します。今回、改めて日本でのワクチン生産計画の詳細を明らかにしました。バンセルCEOは「今後、数年以内に生産を開始したい」と稼働時期についても示しました。

 同施設ではすでに国内で普及するmRNAのコロナワクチンに加え、RSウイルスワクチン、インフルエンザウイルスとコロナの混合ワクチンなどの新製品も製造する計画だといいます。

 モデルナは日本で呼吸器感染症やサイトメガロウイルス、希少疾患やがん治療など6つのワクチンの臨床試験(治験)を進めています。こうしたワクチン候補の開発が成功し製造販売承認を取得した場合、日本で製造する体制を整備することで日本のヘルスケアに貢献します。

 モデルナは売上高の多くをコロナワクチンが占めており、日本は同社にとってワクチン販売の重要な市場とみています。またワクチン販売以外にも東京大学といった研究機関と連携し、mRNA技術の応用を支援するといいます。

 2024年10月18日(金)

2024/10/17

🟪低炭素のクリーンエネルギー、2030年代の主役に 国際エネルギー機関予測、石油は減少

 国際エネルギー機関(IEA)は16日、2024年版の「世界エネルギー展望」を公表しました。太陽光など再生可能エネルギーの普及により、2030年代半ばに原子力を含む低炭素のクリーンエネルギーが「最大のエネルギー供給源になる」との予測を示しました。一方、世界の石油需要は2030年までにピークを迎え、減少に転じると見通しました。

 日米欧を中心とした主な石油消費国でつくるIEAは近年、気候変動対策の旗振り役として存在感を高めています。主要産油国でつくる石油輸出国機構(OPEC)は9月、2050年の石油需要が2023年比で18%増えるとの予測を公表しており、両者で異なるシナリオを発信しています。

 IEAは、各国が脱炭素化に向けた表明済みの政策を実行するシナリオでは、クリーンエネルギーが2030年代半ばに石油を上回って最大のエネルギー供給源となり、2050年時点で全体の約4割に達すると予想しました。

 クリーンエネルギーへの投資額は2024年に約2兆ドル(約300兆円)となり、化石燃料の2倍となる見通しです。

 2024年10月17日(木)

2024/10/16

🟪2024年4月の医学部医学科入学者、女性は4割下回る 合格率は10・6%、男性は12・3%

 2024年4月に大学の医学部医学科に入学した女性の割合が2年ぶりに4割を下回ったことが、文部科学省の調査結果でわかりました。

 文科省が公表したのは、2024年度の医学部医学科入試の公正確保などに関する調査。医学部入試で女性を一律減点するなど差別的な対応が行われていたことが2018年に発覚したのを受け、文科省は2019年度と2020年度の入試について医学科がある81大学の男女別合格率を公表する緊急調査を実施。2021年度以降は毎年調査を行っています。

 文科省が15日に公表した調査結果によると、2024年4月に入学した女性の割合は39・8%で、前年度を0・4ポイント下回りました。男性は60・2%(前年度比0・4ポイント増)。文科省の担当者は、「長期的に見た場合は、医学部医学科に入学する男女の割合は縮まってきている」と話しています。

 2024年度入試での81大学の平均合格率は男性12・3%(同0・5ポイント減)で、女性は10・6%(同1・6ポイント減)。女性の平均合格率が男性より高いのは、受験者が女性のみの東京女子医科大を含めて26大学でした。国立(42大学)では男性31・9%、女性28・3%。公立(8大学)は男性30・6%、女性28・8%で、私立(31大学)は男性8・4%、女性7・7%でした。

 医学部医学科の受験者の総数は男性6万7804人(同6・1%増)、女性5万2298人(同13・6%増)。女性の受験者数は、2019年度の調査開始以降で初めて5万人を超えました。

 2024年10月16日(水)

2024/10/15

🟪卵巣予備能検査が一般の不妊治療でも保険適用に 専門家「妊活の目安に」

 結婚の高年齢化に伴い妊娠しにくくなり、不妊治療を受ける人が増えています。卵巣にどれくらい卵子が残っているかを示す卵巣予備能を測る「抗ミュラー管ホルモン(AMH)検査」が今年6月から一般の不妊治療でも保険適用になり、産婦人科医は「不妊治療をどこまで続けるか、方針決定がしやすくなる」と期待を寄せています。 

 女性の卵子は胎児の間に原始卵胞という形で数百万個がつくられ、出生後は減る一方となっています。卵巣の中で待機していた原始卵胞は、思春期以降、定期的に発育して卵子となって排卵されますが、卵巣の中にある特定の時期に分泌されるAMHの濃度を測定することで、卵子がどのくらい残っているかの目安となります。生理の周期などによって増減する卵胞刺激ホルモンとは異なり、卵巣機能を安定的に評価することができるとされます。

 AMH検査は血液を採取し測定しますが、従来は体外受精をする前提としてのみ、保険適用でした。産婦人科クリニックなどからの要望があり、一般的な不妊症の患者に対する卵巣機能の評価や治療方針の決定などに対し、6カ月間で1回に限り保険適用が決まりました。保険適用後のAMH検査の費用は、3割負担で1800円程度です。

 AMHの数値は20歳代で平均4台、30歳代で3〜1台、40歳代では1以下になるものの、個人差が大きいため、厳密なものではありません。だが、産婦人科医によると、AMH値が高いほど採卵できる数が多いといいます。

 保険適用に尽力した絹谷産婦人科(広島市)の絹谷正之院長は、「妊娠を希望する人にとって自分の妊娠可能な残り時間を早めに知ることがとても重要で、少子化対策にもつながると考える」と話しています。

 2024年10月15日(火)

2024/10/14

🟪マイコプラズマ肺炎が群馬県で増加 患者数が前週の1・89倍

 子供に多い呼吸器感染症の「マイコプラズマ肺炎」が群馬県内で増加しています。9月30日〜10月6日に県内9カ所の基幹定点医療機関から報告された1機関当たりの患者数は前週比89%増の1・89人。1週間当たりの患者数では2017年以降で最も多くなりました。

 県衛生環境研究所によると、県内では7月後半から患者が増え始め、9月16~22日は11・33人で、今年初めて1機関当たり1人を超えました。23〜29日は1・00人に減少したものの、再び増加に転じました。

 1人を超えるのは2019年以来。インフルエンザでは1人が流行開始の目安とされています。

 定点医療機関から報告されたマイコプラズマ肺炎の患者数の推移を見ると、2016年は年間の累計患者数が649人で、週ごとで1機関当たり5人を超えた時期もありました。コロナ下の2021〜23年は年間の累計患者数が8人、1人、11人と例年に比べ少なかったものの、今年は6日までに89人となっています。

 マイコプラズマ肺炎は細菌感染により発症します。潜伏期は2〜3週間で、発熱や頭痛、長引くせきなどが主な症状。飛沫(ひまつ)や接触により広がり、大人もかかることがあります。

 県感染症・疾病対策課は、「風邪と区別しづらいので、せきなどの症状が長引く時は医療機関を受診して」と呼び掛けています。

 国立感染症研究所によると、9月23〜29日に全国の定点医療機関から788人の患者が報告され、現在の集計方法になった1999年以降の最多を更新しました。1機関当たりは1・64人で前年同期比41倍でした。

 2024年10月14日(月)

2024/10/13

🟪HPVワクチンのキャッチアップ接種、初回接種を11月末までに

 子宮けいがんなどを防ぐHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの接種の機会を逃した人に対する「キャッチアップ接種」について、厚生労働省は初回の接種を11月末までに受ければ、期限内に間に合うという見解を自治体に示しました。

 子宮けいがんなどを防ぐための「HPVワクチン」を巡っては、接種後に体の痛みを訴えた人が相次いだことなどから、厚労省が2013年に積極的な接種の呼び掛けを中止しましたが、2022年4月に有効性や安全性が確認できたとして、積極的な呼び掛けを再開しました。

 厚労省は呼び掛けを中止していた期間に接種の機会を逃した女性に対し、無料で受けられる「キャッチアップ接種」を2025年の3月末を期限に実施しています。

 接種は3回行う必要があり、これまで示されてきた標準的なスケジュールでは、すべてを終えるのに6カ月かかり初回の接種を9月末までに受ける必要があるとされてきました。

 これに対し厚労省は4価と9価のワクチンの場合、接種スケジュールを最短4カ月に縮めることが可能で、初回の接種を11月末までに済ませれば、期限内に3回の接種をすべて終えられるという見解を9月下旬に市区町村などに示しました。

 厚労省は、「接種の間隔が短くなっても健康上の問題はないので、まだ接種していない人はぜひ検討してほしい」と話しています。

 2024年10月13日(日)

🟪小中学生の体力調査、中学生男子はコロナ感染拡大前を上回る

 全国の小学5年生と中学2年生を対象に、50メートル走など8つの項目で体力や運動能力を調べる今年度の国の調査で、中学生の男子の合計点は新型コロナウイルスの感染拡大前を上回りました。一方で、小学生の男女は低下傾向にあり、スポーツ庁は運動の機会を増やす取り組みに力を入れていく方針で...