2024/11/03

🟩HPVワクチン出荷制限 、キャッチアップ接種で需要増

 子宮けいがんなどを防ぐHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの接種機会を逃した人に対する「キャッチアップ接種」で、ワクチンの需要が増え、製薬メーカーが出荷を制限していることがわかりました。初回の接種は11月末までに打つ必要があり、厚生労働省は希望者が期限内に接種できるよう対策を検討しています。

 子宮けいがんなどを防ぐための「HPVワクチン」をめぐっては、接種後に体の痛みを訴えた人が相次ぎ、厚労省が2022年3月までの9年間、積極的な接種の呼び掛けを中止していました。

 この間に接種の機会を逃した女性に対し、厚労省は無料で受けられる「キャッチアップ接種」を来年の3月末まで実施しています。

 ワクチンは3回接種し、初回は11月末までに打つ必要があるとされていて、それに間に合わせようと接種を希望する人が増えています。

 そうした中、ワクチンを製造する製薬メーカーでは、在庫が少なくなり、10月3日から出荷を制限していることがわかりました。

 医療機関側からの注文に対し、すべてを供給することができない状態になっていて、一部の医療機関では接種の予約を中止する動きも出てきています。

 厚労省によりますと、地域の医師会から「ワクチンが足りない」という相談や「接種期限を延長してほしい」といった要請が寄せられているということです。

 製薬メーカーによりますと、現在、増産を急ぎ、11月は制限前の9月と比べて6万回分多い約68万回分のワクチンを供給する見通しだということで、厚労省はすべての希望者が接種できるよう対策を検討しています。

 厚労省は、「接種の予約が取りにくい地域も出ているが、希望する人は複数の医療機関に問い合わせてほしい」と呼び掛けています。

 2024年11月3日(日)

2024/11/02

🟩PFASを含む消火剤、駐車場や空港で209万リットル確認 環境省が調査

 環境省は1日、発がん性が指摘される有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」を含む泡消火剤について、全国の石油コンビナートや駐車場、空港、消防機関、自衛隊関連施設を対象に在庫を調べた結果、計209万リットルを確認したと発表しました。

 内訳はPFASの代表物質「PFOS(ピーフォス)」を含む泡消火剤が計185万リットル、「PFOA(ピーフォア)」を含む泡消火剤が計24万リットル。PFOSは前回2020年度調査から45%減っており、環境省は「代替品への交換や処分が進んでいる」としています。自衛隊関連施設ではゼロでした。

 多かったのは駐車場96万リットル、石油コンビナートなどで78万リットル。屋内駐車場に設置された消火設備などで泡消火剤が使われていました。

 2024年11月2日(土)

2024/11/01

🟩エムポックスは依然として制御されていない、アフリカ疾病対策センターが警告

 アフリカ連合(AU)の保健機関は10月31日、エムポックス(サル痘)の発生が依然として制御されていないと警告し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)よりも「さらに深刻な」パンデミック(世界的大流行)を避けるための支援の必要性を訴えました。

 アフリカ疾病対策センター(アフリカCDC)によると、アフリカでは1100人以上がエムポックスで死亡しており、1月以降、約4万8000件の症例が報告されています。

 いくつかの国では依然として感染者が増加しており、アフリカは大規模な感染拡大を抑えるのに苦慮しています。

 「状況はまだ制御されていない。全体的にみて、まだ増加傾向にある」と、同センターの幹部ンガシ・ンゴンゴ氏はオンラインで説明しました。

 これまでに、アフリカの19カ国でエムポックスの感染が報告されており、特にウガンダでは今週、同国初の死亡例が報告され、状況が特に懸念されています。

 一方で、アフリカ疾病対策センターは感染拡大を抑えるための資金が不足していると訴えています。

 「必要なのは継続的な政治的および財政的な支援だ」とンゴンゴ氏は述べ、エムポックスが新型コロナウイルス感染症よりもはるかに深刻なパンデミックになるのを防ぐために必要な措置だと説明しました。

 エムポックスは、感染した動物から人間にウイルスが伝染することによって引き起こされますが、密接な体の接触を通じて人から人へも伝染します。

 2024年11月1日(金)

2024/10/31

🟪島根県大田市内の養鶏場で鳥インフルエンザ確認 ニワトリ40万羽殺処分始まる 

 島根県は31日未明、会見を開き、大田市にある県内最大の養鶏場で、死んでいたニワトリから高病原性の鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表しました。午前9時すぎから、この養鶏場で飼育されている採卵用のニワトリ40万羽の殺処分を始めました。

 県は、「感染したニワトリの卵や肉は出荷されていない」と、県民に冷静な対応を呼び掛けています。

 感染確認を受け、島根県は丸山達也知事を本部長とした危機管理対策本部会議を開き、情報共有と対応の確認を行いました。

 島根県によりますと、大田市にある養鶏場で30日、ニワトリ7羽がケージの中で固まって死んでいるのが見付かり、そのうち5羽のPCR検査でH5亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルス陽性が確認されたということです。

 国内では10月17日に北海道の養鶏場で今シーズン初めて確認されて以来、これが4例目で、島根県内では2010年に安来市で発生して以来です。

 県は、この養鶏場で飼育されている採卵用のニワトリ40万羽の殺処分を陸上自衛隊出雲駐屯地の協力も得て、31日午前9時すぎから始めるとともに、養鶏場から半径3キロ以内をニワトリや卵などの移動を禁止する「移動制限区域」に指定し、半径10キロ以内をニワトリなどの区域外搬出を禁止する「搬出制限区域」に指定しました。

 養鶏場の消毒を含めたすべての作業が終わるのは11月7日としています。

 また感染経路はわかっていませんが、北海道の発生を受けて行った県の立入点検では養鶏場の施設に問題はなく、ウイルスを含んだ野鳥の糞などが小動物によって運ばれたなどの可能性が考えられるとしています。

 県は、「ニワトリの肉や卵を食べて人間が鳥インフルエンザに感染することはなく、養鶏場では徹底した防疫措置が取られ、感染した鶏肉や卵が市場に出回ることはない」と、県民に冷静な対応を呼び掛けています。

 2024年10月31日(木)

2024/10/30

🟪マイコプラズマ肺炎流行拡大、患者数が4週連続過去最多更新

 発熱や長引くせきといった症状が特徴で、子供が感染することの多いマイコプラズマ肺炎の流行がさらに拡大しています。

 10月20日までの1週間に全国の医療機関から報告された患者数は1医療機関当たり2・01人と、4週連続で過去最多を更新しました。

 マイコプラズマ肺炎は子供に多い細菌性の感染症で、飛まつや接触で広がり、感染すると発熱や全身のけん怠感、頭痛、せきといった症状がみられます。

 中でもせきは1週間以上続くことがあるほか、一部の人は肺炎が重症化したり衰弱したりして入院するケースもあります。

 国立感染症研究所のまとめによりますと、10月20日までの1週間に全国約500カ

所の医療機関から報告された患者の数は8週連続で増加し、1医療機関当たり2・.01

人と、1999年に現在の方法で統計を取り始めてから最も多くなりました。過去最多を更新するのは4週連続です。

 都道府県別でみますと、最も多いのが青森県で4・83人、次いで佐賀県で4・67人、愛知県で4・47人、京都府で4人となっているほか、東京都で3・84人、大阪府で3・28人などとなっています。

 マイコプラズマ肺炎に詳しい川崎医科大学の大石智洋教授は、「もともと秋から冬にかけて流行する感染症なので、まだ流行は続くと考えられる。発症するまでの潜伏期間が2週間と長いので感染に気付いていない人も多いとみられる」と話し、「マイコプラズマ肺炎は効果のある抗菌薬で治療すれば早期に治すことができる。早く治療すれば周囲への感染の波及も防げるので、早めに受診することが大切だ。また、発症した人からの飛まつが主な感染経路なのでマスクの着用や手洗いなどの基本的な感染対策が効果的だ」と呼び掛けています。

 2024年10月30日(水)

2024/10/29

🟪温室効果ガス濃度、2023年は過去最高 世界気象機関報告書

 国連の世界気象機関(WMO)は28日、「温室効果ガス年報」を発表し、昨年(2023年)の大気中における温室効果ガス濃度が過去最高水準に達したと報告しました。

 WMOは11月にアゼルバイジャンの首都バクーで開催される国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP29)を前に、今後数年間の気温上昇は確実だと警告しました。

 WMOによると、3大温室効果ガスとされる二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(亜酸化窒素、N20)の濃度は昨年も引き続き増加しました。特にCO2はこれまで以上のペースで大気中に蓄積しており、過去20年間で10%以上増加しています。

 それぞれの昨年の世界平均濃度は、CO2が420ppm、CH4が1934ppb、N20が336ppbでした。産業革命前の1750年比では、それぞれ151%、265%、125%増となっています。

 WMOのセレステ・サウロ事務局長は、「我々はパリ協定の目標を達成するには程遠い」と述べた。

 2024年10月29日(火)

2024/10/28

🟪中国などアジア6カ国からの訪日外国人、滞在予定3カ月超は入国前の結核検査を義務付けへ

 政府は2024年度から、日本に中長期の滞在を予定し、アジア6カ国から訪れる外国人を対象に、結核を発病していないかを入国前に調べる検査を義務付ける方針を明らかにしました。海外から結核患者の流入を防ぐ狙いで、発病していないことを証明する書類がなければ入国を認めません。当初は東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせ、2020年7月に導入予定でしたが、コロナ禍で延期されていました。

 対象国はフィリピン、ベトナム、インドネシア、ネパール、中国、ミャンマーの6カ国で、日本滞在中に診断された外国人の結核患者の約8割を占めます。感染拡大のリスクが高い3カ月超の滞在予定者に限定し、日本政府が指定する現地の医療機関で胸部エックス線などの検査を受け、発病していないことを示す証明書の交付を受けてもらいます。提出しないと、ビザ(査証)は発給しません。

 日本は2022年の新規患者数が1万235人で、人口10万人当たり8・2人まで減少し、世界保健機関(WHO)が「低蔓延(まんえん) 国」の基準とする10人を2年連続で下回りました。長年、蔓延国と位置付けられてきたものの、近年は保健師らによる服薬指導などの対策強化やコロナ禍の影響で患者が減少し、ようやく欧米並みとなりました。一方で、新規患者の約1割を外国人が占めていることから水際対策を強化します。

 人口10万人当たりの患者数は、フィリピンが638人、ミャンマー475人、インドネシア385人など、対象国は現在も結核患者が多くみられます。留学生や技能実習生など中長期の滞在予定者は、コロナ禍で新規入国が激減しましたが、2022年3月から入国が可能になり、今後も増加が見込まれています。

 日本滞在中に診断される外国人の結核患者は若者が多く、厚生労働省の担当者は「多数に感染させる可能性が高く、日本で発病して感染を広げないようにする必要がある」としています。アメリカやイギリス、カナダ、オーストラリア、韓国などでは同様の入国前の検査を実施しています。

 政府は具体的な導入時期について関係各国と調整を進めており、「2024年度中のできるだけ早期に導入し、感染を抑え込むため警戒を強めたい」としています。

 政府が結核の水際対策を強化する背景には、患者増への警戒感があります。

 厚労省などによると、結核は1950年には日本人の死因のトップだったものの、抗結核薬の開発などが進展。国内の新規患者数は2000年に4万人を下回り、減少傾向をたどってきました。

 一方、近年でも新規患者は年間1万人を超え、死者も年間1500人以上に上る状況です。今年の新規患者は11月13日時点で1万2053人と、2023年(1万96人)、2022年(1万235人)、2021年(1万1519人)を上回る勢いで推移しています。都道府県別では、東京都1671人、大阪府1099人、神奈川783人と続きます。

 結核は空気感染するため、患者から容易に広がる恐れがあり、各地で集団感染の報告も相次いでいます。

 東京都足立区は今年9月、区立中学校などで関係者ら11人が集団感染したと発表。青森県八戸市は結核と診断された20歳代男性と接触歴のあった20〜40歳代の22人の感染を公表しました。10月には、福島県郡山市の高齢者施設の関係者ら34人の感染が明らかとなっています。

 結核予防会結核研究所の加藤誠也所長によると、結核は感染しても健康であれば免疫の働きで結核菌を押さえ込めるため、発病するのは感染者の約1〜2割とされます。だが別の病気や加齢などで免疫力が低下すると、発病しやすくなります。

 初期症状は風邪と似ており、せき、たん、微熱、だるさが2週間以上続く場合、早期受診が求められます。体重減や食欲減などが発病のサインとなっていることもあります。国内では過去に感染していたり、新たに感染したりした高齢者が発病に至るケースが多いといいます。

 近年は国内の新規患者のうち外国出身者が占める割合が増加傾向にあり、昨年は16・0%(前年は11・9%)に上りました。活動範囲が広く、感染を広げる可能性が高まる10~30歳代の若年患者が目立つのが特徴です。

 加藤氏は、「結核は過去の病気ではない。感染の拡大を防ぐには、発病者の早期発見、治療が重要になる」と説明。「健康的な生活、定期健診などを通じて体調変化に気を配り、気になる症状がみられれば速やかに医療機関を受診してほしい」と呼び掛けています。

 2024年10月28日(火)

🟪新型コロナ、沖縄県が独自で注意喚起へ 流行時に「拡大準備情報」を発出 

 沖縄県は19日、新型コロナウイルス感染症の流行が疑われる場合、県独自で「新型コロナ感染拡大準備情報」を発出すると発表しました。新型コロナについては、過去の感染データの蓄積が乏しいことなどから、国がインフルエンザのような注意報や警報の発令基準を設けていない一方、重症化する高齢者...