風邪のような症状が出た後にほおなどに赤い発疹が出る「伝染性紅斑」、いわゆる「リンゴ病」の患者が関東を中心に増えていることを受けて、日本産婦人科感染症学会は妊婦が感染すると流産や、胎児に異常が起きる恐れがあるとして、感染対策を呼び掛けています。
「伝染性紅斑」、いわゆる「リンゴ病」はウイルス性の感染症で、風邪のような症状が出た後、ほおなどに赤い発疹が出るのが特徴です。
主に子供を中心に流行しますが、過去に感染したことがない妊婦が感染すると流産や死産につながったり、胎児に異常が起きたりする恐れがあります。
リンゴ病の患者がこの秋から関東を中心に増加していることから、日本産婦人科感染症学会は、妊婦に感染対策を呼び掛ける注意文を公表しました。
注意文によりますと、妊婦が初めてリンゴ病に感染した場合、6%で流産や死産などにつながるほか、4%で胎児貧血や胎児水腫といった異常が起きるとしています。
また、感染した人がウイルスを広げるのはほおなどに赤い発疹が出る前の風邪のような症状の時期で、知らない間に感染した家族から感染することがあるとしています。
その上で、せきやくしゃみによる飛まつや、感染した人と同じ食器を使うなどの接触で感染するため、手洗いやマスクの着用といった対策を心掛けるとともに、感染した人や風邪のような症状がある人との接触を避けるよう呼び掛けています。
日本産婦人科感染症学会の理事でリンゴ病に詳しい手稲渓仁会病院の山田秀人医師は、来年にかけてさらに流行が拡大する可能性があるとした上で、「過去に感染したことがあるかどうかは検査を受けないとわからないので、まずは基本的な感染対策を徹底して予防してほしい」と話しています。
2024年12月9日(月)