2024/12/22

🟪小中学生の体力調査、中学生男子はコロナ感染拡大前を上回る

 全国の小学5年生と中学2年生を対象に、50メートル走など8つの項目で体力や運動能力を調べる今年度の国の調査で、中学生の男子の合計点は新型コロナウイルスの感染拡大前を上回りました。一方で、小学生の男女は低下傾向にあり、スポーツ庁は運動の機会を増やす取り組みに力を入れていく方針です。

 国は2008年度から、全国の小学5年生と中学2年生を対象に50メートル走やボール投げ、反復横とびなど8つの項目で体力や運動能力を調べていて、今年度は約185万人が対象となりました。

 この中で、8項目の成績を80点満点で数値化した「体力合計点」の全国平均は、中学生の男子では昨年度より0・5ポイント上がって41・7で新型コロナの感染拡大前の2019年度の成績を上回りました。

 特に「長座体前屈」や「立ち幅跳び」では調査開始以来、最もよい成績となったほか、「50メートル走」は7秒99で6年ぶりに8秒を切りました。

 また、中学生の女子は昨年度より0・1ポイント上がり47・2とほぼ横ばいとなっています。

 一方で、小学生の合計点は、男子が0・1ポイント下がって52・5、女子が0・4ポイント下がって53・9で、依然として新型コロナの感染拡大前よりも低い水準で推移しています。

 特に女子は、「上体起こし」以外のすべての項目で下がっているか横ばいとなっていて、合計点は過去最低となりました。

 また、生活習慣についてのアンケートでは、学習以外でスマートフォンやテレビなどを1日3時間以上見る割合が小中学生ともに昨年度より増え、小学生では男子が44・1%、女子が38・7%と、いずれも約2ポイント増加しています。

 これについてスポーツ庁は、スマートフォンなどを見る時間はコロナ禍で増加に拍車がかかり、今後もこの傾向は続いていくと分析していて、日常生活で運動の機会を増やす取り組みに力を入れたいとしています。

 調査結果の分析にかかわった子供のスポーツ学が専門の中京大学の中野貴博教授は中学生の男子が新型コロナの感染拡大前の成績に戻った一方で、小学生では依然、低い水準となっていることについて、「コロナ禍で、体を動かす遊びは制限されてしまっていたが、今の中学生はコロナ禍より前にいろいろな遊びを経験している。一方で今の小学生は、生活習慣を確立する小学校中期までの時期に新型コロナの感染拡大が直撃したので、その影響が残っている可能性がある」と分析しています。

 また、子供たちの運動の課題として全力を出し切ることができない児童や生徒が見られることを挙げ、「学校現場を回っていると、全力を出し切る前にやめてしまったり、全力を出す機会そのものが減っていたりする。それは一瞬の力を使う握力や、持久力のテスト結果にも影響していると推測される。教員の雰囲気や声掛けでも変わると思うし、思い切ってやってみた時の爽快感が子供に伝われば、変化が出てくると思う」と指摘しました。

 2024年12月22日(日)

2024/12/21

🟪インフルエンザの患者数が注意報の基準を超える 新型コロナと同時に流行ピークの恐れも

 インフルエンザの感染状況について、厚生労働省は20日、全国約5000の定点医療機関から9〜15日の1週間に報告された感染者数が1医療機関当たり19・06人だったと発表しました。前週(9・03人)と比べ2・11倍に急増し、「注意報」の基準の10人を超まし

た。

 都道府県別では、大分県が37・22人で最も多く、次いで福岡県の35・40人、鹿児島県の29・00人でした。東京都は17・36人、大阪府は21・79人などと、42都道府県で注意報の基準を上回りました。

 新型コロナウイルスは1医療機関あたり3・89人で、前週(3・07人)の1・27倍となり、3週連続で増加しました。

 日本感染症学会の石田直・インフルエンザ委員長は。「年明け以降、インフルエンザとコロナが同時期に流行のピークを迎える恐れがある。ワクチン未接種の人は年内に打つことを検討してほしい」と話しています。

 2024年12月21日(土)

2024/12/20

🟪PFAS、来年春に検査義務化を 自民党が緊急提言案

 発がん性が指摘される有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」を巡り、自民党環境部会などが来年春をめどに代表物質の2種類を現在の暫定目標値から水道法の「水質基準」に格上げし、水質検査や濃度が一定の数値を超えた場合の対応を水道事業者に義務付けるよう政府に求める緊急提言案をまとめたことが20日、明らかになりました。

 代表物質のPFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)は暫定目標値のため、基準を超えても対応は努力義務にとどまります。そのため水質検査を実施していない水道事業者もあり、基準化により「100%の検査と基準順守を図る」ことを訴えます。政府も水質基準に格上げする方向で、有識者会合で議論しています。

 政府はPFAS汚染の実態を把握するため、大規模な水道事業のほか小規模な簡易、専用水道を対象とした初の全国調査を実施。専用水道の結果は未公表ですが、環境省によると、2024年度は富山県を除く46都道府県の332水道事業で検出されました。基準値超えは確認されませんでした。

 2024年12月20日(金)

2024/12/19

🟪アメリカ初の鳥インフルエンザ重症患者、南部ルイジアナ州で報告

 アメリカ疾病対策センター(CDC)などは18日、南部ルイジアナ州在住の高齢者1人が高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)に感染し、重症だと発表しました。鳥インフルエンザのパンデミック(世界的な大流行)への懸念が高まる中、アメリカ国内で人の重症例が報告されたのは初めて。

 アメリカで今年4月以降に報告された鳥インフルエンザの感染者数は、これで61人となりました。これまでの感染者はいずれも軽症で、自宅療養していました。

 CDCによると、ルイジアナ州の患者は裏庭で病気になったり死んだりした飼育中の鳥と接触していました。

 ルイジアナ州保健局は、「患者はH5N1感染に関連する重度の呼吸器疾患を患っており、現在入院している。重篤な状態だ」と明らかにしました。患者は基礎疾患を有し、65歳以上だといいます。

 カナダ西部ブリティッシュコロンビア州でも11月に、10歳代の重症患者が入院。この患者とルイジアナ州の患者のウイルスは、いずれも遺伝子型が「D1・1」で共通しています。

 こうした中、アメリカで最も人口が多く、感染者61人のうち34人が報告された西部カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は18日、非常事態を宣言し、州の監視態勢を強化し、農業部門を支援すると表明しました。

 2024年12月19日(木)

2024/12/18

🟪アメリカ・ニューヨーク大、ブタの腎臓を人に移植 3例目、患者は退院し透析離脱

 アメリカのニューヨーク大学ランゴーン医療センターは17日、遺伝子を改変したブタの腎臓を53歳の女性患者に移植することに成功したと発表しました。患者の治療を目指した腎臓の異種移植は3例目で、前の2人は移植から2カ月前後で死亡しており、現在、世界で唯一の異種移植を受けた生存者だとしています。

 アラバマ州出身のトワナ・ルーニーさんは、1999年に母親に腎臓一つを提供しましたが、数年後、妊娠合併症のため、残りの腎臓が機能しなくなりました。

 動物の臓器を人に移植する異種移植は長年、実現が困難とされてきたものの、遺伝子改変と免疫管理の進歩により、夢の医療ではなくなってきており、中でも近年、ブタは理想的なドナー候補と見なされています。

 妊娠高血圧腎症により慢性腎臓病を患っていたルーニーさんは、2016年12月から8年間、人工透析を受けてきました。

 腎臓移植待機リストに入れられていましたが、適合する腎臓がなかなか見付からずにいました。有害な抗体レベルが異常に高いため、拒絶反応が起きるのはほぼ間違いなく、一方で、透析の継続に必要な血管の条件が悪くなってきたため、健康状態が悪化していました。

 選択肢が尽きたルーニーさんは、ブタの腎臓移植の臨床試験に参加することを申請。11月25日に7時間におよぶ手術を受けました。

 ルーニーさんは12月6日に退院。体調はよく、人工透析をやめられたといいます。記者会見に臨んで、「この贈り物、第2の人生のチャンスを受け取ることができて、とてもうれしい」と語り、「元気いっぱいです。食欲もあるし…もちろん、トイレにも行ける。8年間行けなかったのに!」と笑い、「ディズニー・ワールド」でお祝いする予定だと付け加えました。

 遺伝子改変されたブタの腎臓が脳死状態ではない人に移植されたのは、ルーニーさんで3人目。

 1人目の患者は、手術から2カ月後に亡くなり、2人目は回復の兆しを見せていたものの、47日後に移植した腎臓を取り出す必要に迫られ、その後、亡くなりました。

 しかし、ルーニーさんの場合は移植を受ける前に末期状態ではなかったと、手術を主導したロバート・モンゴメリー医師は指摘し、過去のそれぞれの事例が重要な教訓となり、技術が洗練したと強調しました。

 ルーニーさんに提供されたブタの腎臓には、人体との適合性を高めるため10個の遺伝子改変が施されており、その中には、宿主の拒絶反応を防ぐのに役立つ胸腺も含まれています。

 2021年に脳死患者に遺伝子改変されたブタの臓器移植を世界で初めて行った異種移植の先駆者、モンゴメリー医師は、いずれの技術についても「おそらく来年の今ごろか、もっと早く」正式の臨床試験が行われる可能性が高いとの見方を示しました。

 2024年12月18日(水)

2024/12/16

🟪2023年の青森県がん死亡率、20年連続全国最悪

 人口10万人当たり何人ががんで死亡したかを表す青森県の75歳未満年齢調整死亡率が、2023年は86・1(前年比2・1ポイント悪化)となり、20年連続で47都道府県中最も悪かったことが13日、国立がん研究センター(東京都中央区)のまとめでわかりました。

 男女ともに数値が悪化し、全国平均との差が拡大しました。主要部位のうち、大腸がんは2・7ポイント悪化の14・4で全国ワースト。肺がんと乳がんはほぼ横ばいだったものの、前年に続き最下位となりました。

 男女計の死亡率86・1は、全国平均の65・7と比べ20・4ポイント高く、2022年の16・6ポイント差からさらに大きく開きました。

 男女別では、男性が105・7(前年比4・4ポイント悪化)、女性が69・6(同0・2ポイント悪化)。男性は20年連続、女性は12年連続で都道府県別順位がワーストでした。

 部位別では、肺がんが0・1ポイント改善の16・1、乳がんが横ばいで13・6。肝がんは0・3ポイント増の4・3、前立腺がんは0・8ポイント増の3・2で悪化しました。一方、胃がんは1・0ポイント減の7・7、食道がんは0・2ポイント減の3・0、子宮がんは1・4ポイント減の6・9、卵巣がんは1・3ポイント減の3・5と改善しました。

 都道府県別順位は、子宮がんと食道がんが2022年に引き続きワースト(47位)。前立腺がんは前年の39位から47位、肝がんは31位から43位に順位を下げました。胃がんは変わらず45位でした。卵巣がんは38位から14位に順位が大きく改善しました。

 2006〜2021年まで16年連続全国ワーストだった大腸がんは、2022年は46位と改善したものの、2023年は再びワーストに。大腸がんのうち、結腸がんの死亡率が9・4(同2・7ポイント悪化)となり、全国順位も前年の37位から47位に下がりました。

 青森県健康医療福祉部の守川義信部長は、「数値がよくなっている部位もあるが、全体として数値が悪くなっていることや、特に下部消化管のがんが悪くなっていることは重く受け止めている。本年度から始めたがん精密検査の受診費用補助を活用してもらうとともに、さらに検査を受けやすい仕組みを考えていきたい」と話しました。

 2024年12月16日(月)

2024/12/14

🟪新型コロナ感染者2週連続で増加 前週比1・27倍 

 新型コロナウイルスの全国の感染状況は、12月8日までの1週間では1つの医療機関当たりの平均の患者数が3・07人と、2週連続で増加しました。厚生労働省は「例年、冬は感染が拡大する傾向にあり、引き続き基本的な感染対策を徹底してほしい」としています。

 厚労省によりますと、12月2〜8日までの1週間に全国約5000の定点医療機関から報告された新型コロナの患者数は前の週から3218人増えて、1万5163人となりました。

 また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は3・07人で、前の週の1・27倍となりました。

 都道府県別では、多い順に秋田県が9・31人、北海道が9・27人、岩手県が8・21人、青森県が6・03人、山梨県が6人などとなっていて、少なかったのは沖縄県0・80人、鹿児島県0・84人、和歌山県0・88人など。岩手県、秋田県、大阪府、和歌山県を除く43の都道府県で、前の週より増加しています。

 12月8日までの1週間に、全国約500の定点医療機関から報告された新規入院患者数は1658人で、前週の1・17倍、前々週の1・46倍と増加。11月初頭の1・93倍となっています。

 厚生労働省は全国の流行状況について、「例年、冬は感染が拡大する傾向にあり、引き続き、手洗いやうがい、せきエチケットなどの基本的な感染対策を徹底してほしい」と呼び掛けています。

 2024年12月14日(土)

🟩アメリカ、はしかで2人目の子供が死亡 感染者約650人に

 アメリカ南西部で発生した、はしか(麻疹)の流行により、2人目の子供が死亡したと、当局が6日に発表しました。感染者は約650人に上っています。  テキサス州の医療機関、UMCヘルスシステムの幹部は、最近はしかと診断された学齢期の子供が亡くなったことを明らかにしました。基礎疾患は...