2025/05/27

🟩日本の医療用医薬品市場、2024年度は11兆円 過去最高額に

 アメリカの調査会社のIQVIA日本法人は、2024年度の日本の医療用医薬品市場の売り上げが薬価ベースで前年比1%増の11兆4874億600万円になったと発表しました。4年連続の増加でした。統計の発表を始めた2005年度(7兆7471億円)の約1・5倍になり、最高額となりました。

 薬効別売り上げでは抗がん剤領域が1位で、2位が糖尿病剤、3位が免疫抑制剤でした。ワクチン類の成長率が最も大きく、前年比43%増の3418億円でした。ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンや小児用ワクチンが伸長しました。

 製品別売り上げではがん免疫薬「キイトルーダ」が1位で、前年比16%増の1917億円でした。2位以下に抗凝固薬「リクシアナ」、がん免疫薬「オプジーボ」、アトピー性皮膚炎などの治療薬「デュピクセント」が続きました。

 医薬情報担当者(MR)が販促活動をする製薬企業別の売上高ランキングは、1位が中外製薬(5343億円)、2位がイギリスのアストラゼネカ日本法人(5112億円)、3位が第一三共(4924億円)、4位がアメリカのメルク日本法人のMSD(4511億円)、5位が武田薬品工業(4278億円)でした。

 2025年5月25日(日)

2025/05/26

🟩岐阜市の禁煙外来病院で職員16人が隠れて喫煙 通報で判明、診療報酬計450万円を返還へ

 禁煙外来を設け、敷地内全面禁煙としている岐阜赤十字病院(岐阜市)で、職員16人が敷地内の病棟の陰などで喫煙していたことが26日、病院への取材でわかりました。敷地内全面禁煙は禁煙治療で保険が適用され、診療報酬を受け取る条件となっています。病院は東海北陸厚生局に報告し、禁煙外来を中止。診療報酬計約450万円を、健康保険組合や患者などに返還します。

 病院によると、昨年12月、職員が敷地内で喫煙しているという匿名の通報があり、今年1月から全職員に聞き取り調査をしました。この結果、看護師や元管理職を含む職員が喫煙していたことが判明しました。

 禁煙外来を設置した2006年6月から喫煙していた職員もおり、病院が昨年12月までに受け取った「ニコチン依存症管理料」約310万円と、2020年から昨年12月までに受け取った「連携強化診療情報提供料」約140万円を返還します。返還対象は延べ約2700件、患者は約750人。

 岐阜赤十字病院は「健康増進を率先して進めるべき病院においてこのような事態が発生したことを深くおわび申し上げます」とした上で、職員を厳正に処分するとともに、全職員への敷地内禁煙の周知徹底や公益通報窓口の設置などの再発防止策を実施するとしています。

 2025年5月26日(月)

2025/05/25

🟩新潟水俣病、新たに1人が患者認定 県と市の審査で4年ぶり、患者数は717人に

 新潟水俣病の被害を訴えている人を患者と認めるかどうかを判断する新潟県と新潟市の審査会の結果が公表され、新たに1人が水俣病と認定されました。認定は2021年以来、およそ4年ぶりです。

 県と市は、国の基準に沿って新潟水俣病の患者と認めるかどうかを判断する審査会を年に数回、開いています。

 今年3月の審査会の結果を受け、県と市は今月、県内外に住む50歳代から80歳代の男女24人のうち、1人を水俣病と認定しました。このほかの14人は棄却したほか、9人について判断を持ち越しました。

 新潟水俣病を巡っては4月末までに2767件の申請が出され、今回認定された1人を含め、これまでに717人が認定されています。棄却は計1649人、審査待ちは57人となりました。

 新潟県の花角英世知事は「一人ひとりの事情に配慮しながら丁寧な審査が行われたと受け止めている。引き続き丁寧な審査を期待している」とコメントしています。

 新潟市の中原八一市長は「一人一人の状況を丁寧に審査していただいたと考えている。引き続き、審査会には迅速かつ丁寧な審査をお願いしていく」とコメントしています。

 2025年5月25日(日)

2025/05/23

🟩リンゴ病報告数が基準値超える、京都市で初の警報 

 京都市は22日、伝染性紅斑(リンゴ病)の報告数が基準値を超えたとして、警報を出しました。警報は集計が始まった1999年以来初めて。また京都府も同日、初めて府内全域に警報を出し、感染防止を呼び掛けています。

 リンゴ病は、両頬に赤い発疹ができ、微熱やせきなどの症状が出ます。主に10歳未満を中心とした感染症ですが、成人もかかります。せきやくしゃみ、接触で感染し、発疹の7~10日前に微熱などの風邪症状が現れ、最も感染力が高くなります。予防するワクチンや薬はなく、妊婦の場合は胎児にも感染し、流産の恐れなどがあります。

 京都市によると、市内の医療機関の報告数が、5月12〜18日の1週間で基準値の2を超えて2・55となり、51人が発症しました。直近の5年間で感染者はほとんどいなかったといいます。市は「風邪症状がある場合は手洗いやマスクを心掛け、体調管理をしてほしい」としています。

 府によると、乙訓、南丹保健所管内でも基準に達しました。

 2025年5月23日(金)

2025/05/22

🟩国内最高齢114歳の女性2人、相次いで死去 新たな最高齢は大分県中津市の114歳女性に

 厚生労働省は21日、国内最高齢だった114歳の女性2人が20〜21日に相次いで亡くなったと発表しました。

 発表によると、愛知県幸田町の近藤ミネさん(1910年9月1日生まれ)が20日に死亡し、それに伴い最高齢となった静岡県小山町の臼井ますさん(同年12月18日生まれ)が21日に亡くなりました。臼井さんの死去により、同じ114歳の大分県中津市の広安美代子さん(1911年1月23日生まれ)が最高齢になりました。

 中津市の奥塚正典市長は、「毎年の敬老訪問でお会いした際には笑顔で話をして元気をいただいています。ますますお元気でお過ごしいただきたい」とコメントしています。

 2025年5月22日(木)

2025/05/21

🟩アメリカFDA、新型コロナワクチン接種を65歳以上・高リスク者に限定へ

 アメリカ食品医薬品局(FDA)は20日、新型コロナウイルスワクチンの追加接種を65歳以上、または深刻な基礎疾患がある人に制限する方針を示しました。65歳未満で基礎疾患のない個人に関しては、ワクチンを製造する製薬会社に新たな臨床試験の実施を義務付けるとしています。

 FDAのマーティン・マカリー局長とビナヤク・プラサド氏は、「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」誌への寄稿で、この政策転換は「エビデンスに基づいた」ものと位置付け、アメリカをヨーロッパの指針に近付けると主張しています。

 アメリカではワクチン懐疑論者のロバート・F・ケネディ・ジュニア保健福祉長官が、連邦公衆衛生政策の改革を推進しています。

 ケネディ氏は以前、予防接種プログラムを批判する非営利団体を率い、新型コロナの感染拡大時期には、頻度としてはまれなものの、ワクチン接種後に心筋炎や心膜炎などを発症することを理由に、新型コロナワクチンの承認を取り消すようFDAに要請していました。

 マカリー氏とプラサド氏は、初期の新型コロナワクチン接種は「科学・医学・規制上の成果」だと称賛する一方、低リスクの個人へのワクチン追加接種の利点は不確実だと主張。年齢や健康状態に関係なく、すべての成人に追加接種を推奨したアメリカの手法は、国民の信頼を築くどころか裏目に出て、麻疹(はしか)など、子供向けの予防接種に対するワクチン懐疑論を助長したとしています。

 FDAは、65歳以上、または生後6カ月以上で基礎疾患が少なくとも一つある場合の追加接種については、臨床試験を基に承認。生後6カ月から64歳までの健康な個人への接種に関しては、無作為化臨床試験のデータを要求するとしています。

 FDAは一方で、新たな枠組みの下で追加接種を受けられなくなるかもしれないとの懸念を払拭(ふっしょく)するため、疾病対策センター(CDC)のリスク要因の定義は「広範囲で、肥満や、うつ病などの精神疾患も含まれる」として、1億人から2億人のアメリカ国民が依然として追加接種の資格を得られる可能性があると指摘しています。

 2025年5月21日(水)

2025/05/20

🟩WHO年次総会開幕、「パンデミック条約」採択へ アメリカ脱退を受けた対応も協議

 世界保健機関(WHO)の年次総会が、19日からスイスで始まりました。会期中には、感染症対策の強化のための新たな国際条約「パンデミック条約」が採択される見通しであるほか、最大の資金拠出国 アメリカの脱退表明を受けた対応についても協議される予定です。

 WHOの年次総会は19日午前、日本時間の夕方、本部のあるスイス・ジュネーブの国連ヨーロッパ本部で始まりました。

 今回の総会では、総会2日目となる20日に、新型コロナウイルスの感染拡大の教訓を踏まえ、WHOの加盟国が交渉を行ってきた新たな国際条約「パンデミック条約」が正式に採択される見通しです。

 また総会では、アメリカの脱退表明を受けて、当初の予算案から11億ドル、日本円で約1600億円削減しました、2026年からのWHOの2年間の予算案についても審議されます。

 このほか、各国がWHOに拠出している分担金の額を引き上げるかどうかも協議される予定です。

 初日は各国の閣僚などが演説を行い、このうち開催国スイスの代表は「世界が危機に直面する中、国際社会の連帯はこれまで以上に重要だ。WHOへの全面的な支援を確認する必要がある」と述べ、WHOへの支持を訴えました。

 総会は27日まで開かれ、最大の資金拠出国であるアメリカが脱退を表明する中、世界の感染症対策などの強化に向け各国が一致できるかが焦点です。

 WHOのテドロス・アダノム事務局長は、年次総会で演説し、最大の資金拠出国・アメリカの脱退表明を受けた財政難に対応するため、全体の活動予算を削減すると同時に各国に加えて民間からも新たな支援を募り、財源を増やす考えを示しました。

 その上で「大規模な構造改革によって現在の危機から抜け出すことができれば、WHOはより強固で、より独立した組織になることができる。私たちは世界の80億人に奉仕するためにいるのだ」と述べ、各国に対して支援を呼び掛けました。

 年次総会では、WHOに加盟していない台湾のオブザーバーとしての参加が審議されましたが、中国などの反対で認められませんでした。台湾の参加が認められなかったのは9年連続です。

 これについて中国外務省は19日、報道官の談話を発表し「台湾は自国の一部だ」とする主張を繰り返した上で「台湾の民進党当局がかたくなに『台湾独立』の立場を堅持していることが招いた結果だ」などとしています。

 一方、台湾外交部は、外交関係を持つ国々が台湾のオブザーバー参加を提案するとともに、日本やオーストラリア、それにヨーロッパ諸国などが事前に支持を表明したとして謝意を示し「中国による不当な妨害が国際社会に広く理解されず支持されていないことを十分に証明している」と強調しました。

 2025年5月20日(火)

🟩中国から輸入のスナック菓子から国内使用禁止の酸化防止剤、輸入業者に回収と廃棄命令

 千葉市は23日、同市美浜区の食品輸入業者「清水物産ホールディングス」が中国から輸入したスナック菓子から、国内で使用が禁止されている食品添加物が検出されたと発表しました。千葉市保健所は同日、同社に回収と廃棄を命じました。  違反のあった菓子は「フライドポテト うすしお味」(1袋...