2025/06/04

🟩昨年の出生数68万6061人、初めて70万人下回る 厚労省調査

 昨年1年間に生まれた日本人の子供の数は68万6000人余りと、前年より4万1000人余り減少し、統計を取り始めて以降、初めて70万人を下回ったことが、厚生労働省の調査でわかりました。また、1人の女性が産む子供の数の指標となる合計特殊出生率は昨年1・15となり、これまでで最も低くなっています。

 厚労省によりますと、昨年1年間に国内で生まれた日本人の子供の数は68万6061人となり、前年より4万1227人減少しました。

 出生数が減少するのは9年連続で、1899年に統計を取り始めて以降、初めて70万人を下回りました。出生数はすべての都道府県で減少しています。

 国立社会保障・人口問題研究所が2023年に公表した将来予測では、日本人の出生数が68万人台になるのは2039年と推計していて、想定より15年ほど早く少子化が進行しています。

 日本人の出生数は、最も多かった第1次ベビーブーム期の1949年には269万人余りいましたが、その時と比べると4分の1近くまで減少しています。

 また、1人の女性が一生のうちに産む子供の数の指標となる合計特殊出生率は昨年1・15となり、前年から0・05ポイント低下し、統計を取り始めた1947年以降で最も低くなりました。

 最も低かったのは東京都の0・96で、宮城県が1・00、北海道が1・01などとなっています。最も高かったのは沖縄県で1・54、次いで福井県が1・46、鳥取県と島根県、宮崎県が1・43などとなっています。

 一方、昨年1年間に死亡した人は160万5298人と、前年より2万9282人増えて過去最多となりました。

 この結果、亡くなった人の数が生まれた子供の数を上回る「自然減」は91万9237人(前年比+7万509人)と過去最大となりました。

 このほか、結婚の件数は昨年48万5063組と前の年より1万322組増加したものの、10年間で15万組余り減少しています。

 日本人の出生数が初めて70万人を下回ったことについて、厚労省は「若い世代の減少や、晩婚化・晩産化が要因にあると考えている。急激な少子化に歯止めが掛からない危機的な状況にあり、今後も少子化対策に取り組んでいきたい」としています。

 2025年6月4日(水)


2025/06/03

🟩赤穂市民病院の医療過誤訴訟、市と執刀医への8900万円賠償命令が確定 

 赤穂市民病院(兵庫県赤穂市中広)で受けた手術中のミスで両足に重度のまひが残ったとして、患者の女性(80)と家族が当時の執刀医と赤穂市に損害賠償を求めた訴訟で、被告側に計約8900万円の支払いを命じた神戸地裁姫路支部判決が確定しました。確定は5月31日付で、原告、被告側のいずれも期限までに控訴しませんでした。元執刀医と市が双方の支払い額について協議することになります。

 5月14日に言い渡された判決では、当該手術について「被告医師の注意義務違反は著しい」と指摘。入職後9カ月間で関与した手術11件が院内事故調査委員会の検証対象とされた経緯を巡っても、「直ちに被告医師に本件手術の執刀をしてはならなかったほどの技量不足があったと認めることはできないが、被告医師の技量が稚拙であったことをうかがわせる事情とはいえ、注意義務違反の程度が著しいものであったことを裏付ける事情というべきだ」としました。

 術後に被告医師が神経を損傷したことを明確に説明しなかったことや、病院側が過誤を認め謝罪するまでに時間を要した一連の経緯も「慰謝料を検討する上で相応に考慮すべき」と認めました。

 術前に、透析となる可能性があるとして「早く手術したほうがいい」などと説明したことについては、虚偽とは認定しませんでした。

 被告医師はウェブ漫画によって社会的制裁を受けたとして慰謝料の減額を求めていたものの、認められませんでした。

 判決後、元執刀医側と赤穂市側はともに「判決を真摯に受け止める」としていました。原告代理人も判決の内容を肯定的に評価していました。

 2025年6月3日(火)

2025/06/02

🟩精神疾患男性の不妊手術、国の統計に未計上 岩手医大病院、届け出怠った疑い

 岩手医大病院で2003年11月に実施された精神疾患がある男性の不妊手術が、全国の実施件数などをまとめた国の統計に計上されていないことが1日、わかりました。病院側が、母体保護法で義務付けられた行政への届け出を怠っていた疑いがあります。

 男性を巡っては、同法の要件で精神疾患を理由とする不妊手術が認められていないにもかかわらず、病院側が事前に要件を十分確認していなかった疑いが判明しています。

 岩手医大病院は「記録が残っていないため回答できない」、岩手県は「当時、県への届け出がなかったためと認識している」としました。母体保護法を所管する、こども家庭庁は「手術が行われた場合は、法に基づく届け出が適切に行われるべきだ」としています。

 母体保護法は、不妊手術を実施した場合は翌月10日までに都道府県知事に届け出るよう医師に義務付けています。件数は国の統計「衛生行政報告例」に計上されます。

 それによると、2003年度は全国で男女計2873件実施され、岩手県分は女性が71件、男性が0件となっていました。

 2025年6月2日(月)

2025/06/01

🟩温暖化が妊婦の健康に影響 日本はリスク高まる「暑い日」が15日増、アメリカ機関分析

 アメリカの気候研究機関クライメート・セントラルは、地球温暖化の影響で、早産など妊娠にかかわる健康リスクが高まる暑い日が世界的に増えており、日本では年平均で15日増加したとする分析結果をまとめました。都道府県別では、最多は沖縄県の36日増で、続く東京都が28日増、鹿児島県が22日増でした。「暑い日が1日でもあれば、リスクは上がる」と注意を呼び掛けています。

 妊娠中の女性が暑さにさらされると、高血圧や妊娠糖尿病、早産などの影響が出るとされます。研究チームは日本を含む247の国と地域でリスクが高まる気温を割り出し、2020〜2024年の5年間でそれを上回った日数を推計しました。その上で、温暖化が起きなかったと仮定した場合と比較し、増えた日数を数えました。

 約9割の国と地域で、健康に影響が出る恐れがある暑い日が倍増していました。日本全体の年平均は15日増の33日でした。リスクが高まるとされる気温は沖縄が29・1度で、年平均で36日増えて42日に。東京都は28・6度で、28日増の43日、鹿児島県は29・5度で、22日増の33日でした。

 2025年6月1日(日)


2025/05/31

🟩新型コロナ感染者、1医療機関当たり0・84人 前週比0・88倍で3週連続1人下回る

 厚生労働省は30日、全国約3000の定点医療機関から19〜25日の1週間に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が3229人で、1医療機関当たり0・84人だったと発表しました。前週比0・88倍と減少しました。1人を下回るのは3週連続。

 1医療機関当たりの感染者数が多かったのは、沖縄県1・93人、京都府1・57人、長野県1・37人。少なかったのは、宮崎県0・25人、大分県0・31人、香川県0・40人などでした。

 2025年5月31日(土)

 

2025/05/30

🟩大阪府泉佐野市に全国3例目の「赤ちゃんポスト」設置へ 来年度にも

 親が自身で養育できない子を匿名でも預かるいわゆる「赤ちゃんポスト」について、大阪府泉佐野市は、市内の医療機関に設置するため具体的な調査を進めることになりました。来年度のスタートを目指していて、実現すれば自治体主導での設置は全国で初めてとなります。

 泉佐野市は29日、親が育てられない子供を匿名でも預かる「赤ちゃんポスト」を、市内の産科のある医療機関に委託する形で設置する方針を明らかにしました。

 妊婦が医療機関の担当者以外に身元を明かさない「内密出産」も受け入れたいとしています。

 今後、詳細な検討を進めるため、すでに開設している熊本市の慈恵病院と東京都墨田区の賛育会病院を視察することにしていて、こうした費用約800万円を盛り込んだ補正予算案を、6月の定例議会に提出することにしています。

 来年度のスタートを目指していて、実現すれば国内3例目となり、自治体主導での設置は全国で初めてとなります。

 泉佐野市の千代松大耕市長は、「せっかく生まれてきた大切な命が失われることがないよう、子供を守る最後のとりでをつくっていきたい。こういった取り組みは、行政主導でやっていくべきだ」としています。

 2025年5月30日(金)

2025/05/29

🟩終末期患者への「死の援助」法案を可決 フランス下院、9月以降に上院審議へ

 フランス国民議会(下院、577議席)は27日、終末期患者に厳格な条件の下で致死量の薬の投与を認める「死への積極的援助」を導入する法案を賛成多数で可決しました。自殺ほう助や安楽死を禁じていた従来の政策の転換に向けた一歩。9月以降に上院で審議される予定で、法制定までなお時間がかかる見通し。フランスメディアが報じました。

 賛成は305、反対は199。自身で死を決断できる能力があり、重篤で不治の病気に冒された終末期の患者で、苦痛を和らげることができないフランス国籍またはフランス在住外国人の成人のみが「死への援助」を受けることができるとしています。

 患者は自ら薬を投与する必要があり、身体的に不可能な場合にのみ例外的に医師または看護師が投与できます。

 エマニュエル・マクロン大統領は2022年、人生の終え方について幅広く議論する市民会議の設置を決定。市民の過半数が死への積極的援助に賛同したことを受け、法案を作成するよう政府に求めていました。ただ多くがカトリック教徒のフランスでは、宗教関係者や医療従事者らからの反対の声も根強くあります。

 2025年5月29日(木)

🟥マイコプラズマ肺炎の患者増加、大きな流行の可能性も

 発熱や長引くせきといった症状が特徴で、子供が感染することの多いマイコプラズマ肺炎の患者数が増加している。専門家は今後、大きな流行になる可能性もあるとして「手洗いやマスクなど基本的な感染対策をしてほしい」と呼び掛けている。  マイコプラズマ肺炎は子供に多い細菌性の感染症で、飛ま...