2025/06/12

🟩認知症の原因物質、中高年のうつ発症と関連か 高い割合で脳に蓄積

 中高年で発症するうつ病などの気分障害に、認知症の原因とされる物質がかかわっている可能性があることがわかったと、量子科学技術研究開発機構(QST)と慶応大などのチームが9日、発表しました。近年の研究で、中高年以降に発症する気分障害の一部が認知症の前兆として現れる可能性が指摘されていますが、詳しい発症メカニズムはわかっていませんでした。

 チームは、認知症の早期診断や治療につながると期待しています。

 40歳以上でうつ病や双極性障害(そううつ病)を発症した患者52人と、同年代の健常者47人を対象に、陽電子放射断層撮影(PET)を実施。アルツハイマー病などの原因とされるタウやアミロイドベータというタンパク質が脳内に蓄積しているかどうかを調べました。

 その結果、タウの蓄積が見られたのは健常者で約15%だったのに対し、気分障害の患者では50%に上りました。幻覚や妄想といった精神症状を伴う重症の患者では蓄積量が多い傾向がありました。アミロイドベータの蓄積も、患者のほうが多く見られました。

 2025年6月12日(木)

2025/06/11

🟩ワクチン接種拒否した女性職員を「接種拒否者」として文書回覧 パワハラ認定し150万円賠償

 滋賀県の甲賀広域行政組合消防本部(甲賀市)で新型コロナワクチンを接種しなかった女性職員(退職)を、ほかの職員と離れた場所で勤務させていた問題で、同組合は10日、臨時議会を開き、精神的苦痛に対する損害賠償金として150万円を支払うことを決めました。

 女性は警防課に勤務していた2021年4月、全職員を対象としたワクチン接種で、過去に別のワクチンで副反応が出たことを理由に接種を受けませんでした。「接種拒否者」として全職員に文書回覧されたほか、仕事場所も課外の共用スペースに移され、約4カ月後に自己都合で退職しました。 

 この問題を受けて設置された第三者委員会は、女性へのパワーハラスメントを認定。昨年12月には、女性の代理人弁護士から同組合に損害賠償などを求める通知があり、双方の弁護士が協議していました。

 消防本部の藤川博樹消防長はこの日開かれた臨時議会後に、「大変申し訳なく思っており、深くおわび申し上げる。再発防止策に真摯(しんし)に取り組んでいく」と話しました。

 2025年6月11日(水)

2025/06/10

🟩レジオネラ菌が基準の24倍、公表せず「大浴場のリフレッシュ」と一時利用中止 鳥取県日野町の宿泊施設

 鳥取県日野町にある宿泊などができる施設で昨年、国の基準値を超えるレジオネラ菌が検出され、入浴営業を停止した際に、施設を所有する町は入浴営業停止の理由を「大浴場のリフレッシュ作業のため」などとし、レジオネラ菌の検出を公表していなかったことがわかりました。

 昨年7月、国の基準を超えるレジオネラ菌が検出されたのは、日野町が所有し民間企業に運営を委託している宿泊交流施設の「リバーサイドひの」です。

 日野町によりますと、昨年6月に定期的な水質検査を行った際、大浴場の男性浴場から基準値の10倍、女性浴場から24倍のレジオネラ菌が検出されたということです。

 翌月の7月1日に検査機関から施設に連絡、翌日2日に町に報告が入り、町は施設の入浴営業を停止し、県に報告をしました。

 町は「大浴場のリフレッシュ休業のため」と施設での張り紙や防災無線、ケーブルテレビで周知をしたということですが、レジオネラ菌が検出されたことは明示していなかったということです。

 7月11日に行われた町議会での報告の際に、議員から「公表したほうがよいのでは?」という指摘はあったとしながらも、県と相談し、健康被害が出ていないことや、基準値は超えたもののわずかであり、感染力は少ないという点から公表しなかったということです。

 町は「当時の対応としては県の改善指導を適切に行い、相談もしたので間違いはなかった。しかし昨今、近辺施設でのレジオネラ菌への対応などを鑑み、今後の対応については改めて協議が必要と考えている」とコメントしています。

 2025年6月10日(火)

2025/06/09

🟩人口減で全国11万床が不要に、自公と維新が病床削減で合意 医療法改正案の年内成立目指す 

 社会保障改革を巡り、自民・公明両党と日本維新の会の実務者は、病床の削減などによって保険料を含む国民負担の軽減を図っていくことで合意しました。

 自民・公明両党と日本維新の会の3党の実務者は、6日の会合で、今後の社会保障改革の方向性について合意し、文書を交わしました。

 合意では、人口減少などによって不要になると推定される、全国で約11万床の病床を対象に調査した上で削減を図っていくとしています。

 そして、すべて削減した場合は、医療費を1兆円程度減らす効果が見込めると試算しています。

 また、医療の効率化に向け、5年以内に電子カルテを100%普及させることを目指すことや、介護・福祉に従事する人の処遇を改善するため、予算措置などを組み合わせて必要な対応をとるとしています。

 そして、3党は、政府が今の国会に提出している、医師の偏在対策などを盛り込んだ医療法の改正案について年内に成立を図るとしています。

 一方、維新の会が強く求めている、医薬品への保険給付を見直し、同様の効能がある市販薬に切り替えることについて今回の合意には含まれていないものの、検討を進めることなどを大筋で確認しました。

 3党は、教育政策、社会保障改革、税制の3つのテーマで実務者協議を行っていて、4日に取りまとめた教育政策に次いで、社会保障改革でも合意しました。

 2025年6月9日(月)

2025/06/08

🟩沖縄県に熱中症警戒アラート 沖縄本島地方・宮古島地方では今年初の発表

 環境省と気象庁は8日、沖縄本島地方と宮古島地方、八重山地方の3つの地方で「暑さ指数」が33以上となり、熱中症の危険性が極めて高くなる危険な暑さが予想されるとして、午前5時ごろ、「熱中症警戒アラート」を発表しました。

 沖縄本島地方と宮古島地方の発表は、今年初めてです。八重山地方の発表は、今年3度目です。

 熱中症警戒アラートは、気温と湿度などから算出する指標「暑さ指数」が33以上と予想された場合に気象庁と環境省が発表します。

 8日の予想最高気温は那覇で32度、名護32度、久米島32度、宮古島31度。

 2025年6月8日(日)

2025/06/07

🟩血液のがん「成人T細胞白血病」に新治療法、高齢患者に効果高く 鹿児島大など

 鹿児島大医学部などのグループが6日、九州に多い血液のがん「成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)」の高齢者向け標準治療を確立したと発表しました。臨床試験で症状が悪化せずに1年後も生存している(1年無増悪生存)割合が3割を超え、既存の治療法を大きく上回りました。

 ATLは、「ヒトT細胞白血病ウイルス1型」(HTLV―1)感染者の3〜5%が発症するとされます。70歳以下の患者には造血幹細胞移植が有効ですが、体の負担が大きいため高齢者には向かないとされます。このため鹿児島大と名古屋市立大、九州がんセンターが共同で高齢者向け治療法の確立を目指していました。

 有効性が確認されたのは、「モガムリズマブ併用CHOP療法」と呼ぶ療法で、抗がん剤などを使う療法と、モガムリズマブという薬の投与を併せて行います。

 67~86歳の患者48人を対象にした試験で、1年無増悪生存割合は36・2%。生存期間の中央値は1・6年でした。

 研究代表者で鹿児島大学病院長の石塚賢治教授は、「ATLは鹿児島に多い病気であり、地域の問題解決のためにも取り組んだ」と話しました。

 研究の成果は、アメリカの血液学雑誌「Blood」から5月15日付でプレリリースされました。

 2025年6月7日(土)

2025/06/06

🟩新型コロナ新規感染者は定点当たり0・84人、4週連続で1人を下回る

 厚生労働省は6日、全国約3000の定点医療機関から5月26日〜6月1日の1週間に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が3227人だったと発表しました。1医療機関当たりは0・84人で、前週と変わらず横ばい。1人を下回るのは4週連続。

 1医療機関当たりの感染者数が多かったのは、沖縄県2・76人、京都府1・62人、鹿児島県と佐賀県1・25人。少なかったのは青森県0・33人、大分県0・40人、福井県0・41人などだった。

 2025年6月6日(金)

🟪救急現場に居合わせた市民による心肺蘇生、講習経験などで患者回復割合高く

 救急の現場に居合わせた人が心臓マッサージなどを行う際、過去に講習を受けた経験があったり、消防から電話で指導を受けたりした場合は、患者が回復する割合が高くなるという研究結果を東京慈恵会医科大学などのグループがまとめました。  東京慈恵会医科大学の田上隆教授らのグループは、一般市...