2025/06/14

🟩ALS嘱託殺人、医師の上告を最高裁が棄却 懲役18年の実刑確定へ

 6年前の2019年、難病の筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)を患う京都市の女性を本人からの依頼で殺害した罪などに問われ、無罪を主張した医師について、最高裁判所は12日までに上告を退ける決定をし、懲役18年の判決が確定することになりました。

 医師の大久保愉一(よしかず)被告(47)は元医師の山本直樹被告(47)(上告中)とともに6年前、全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病のALSを患っていた京都市の当時51歳の女性から依頼を受け、薬物を投与して殺害した嘱託殺人や、14年前の2011年、精神疾患のある山本被告の父親を殺害した罪などに問われました。

 医師側は裁判で「女性が尊厳ある死を選択し、医師が応じたものだ。医師を処罰するのは個人の尊厳などを保障する憲法に違反する」などとして、無罪を主張していました。

 2審の大阪高等裁判所は「尊厳ある人生の終わりを決める権利は尊重されるべきだが、嘱託殺人が直ちに許されるわけではない。医師は、女性の気持ちが変わらないか慎重に見極めることが必要だったのに、わずか15分程度の面会で犯行に及び、130万円の謝礼も受け取っている。女性を思っての犯行とは考えがたい」などとして、医師側の主張を退け、1審に続いて懲役18年を言い渡しました。

 医師側が上告していましたが、最高裁判所第2小法廷の高須順一 裁判長は12日までに退ける決定をし、懲役18年の判決が確定することになりました。

 亡くなった女性の父親(84)は、「判決が確定することになっても娘は帰ってきません。医師には薬物を投与して殺害する前、娘が思いとどまるような言葉をかけてほしかった。同じような事件が2度と起こらないことを願っています」と話していました。

 2025年6月14日(土)

2025/06/13

🟩長崎県で30歳代妊婦が鳥から感染する「オウム病」で死亡か 飼育歴なく感染経路不明

 長崎県内で昨年亡くなった30歳代の妊婦が、鳥のふんなどに含まれる細菌に感染して引き起こされる「オウム病」で亡くなった疑いがあると、長崎県が発表しました。県は鳥との過度な接触を避けるなど、感染予防を呼び掛けています。

 長崎県によりますと、昨年1月、県内の医療機関を受診した30歳代の妊婦が発熱や呼吸困難、意識障害などの症状が出た後、亡くなりました

 医療機関が調べたところ、今月5日、妊婦の検体から「オウム病クラミジア」という細菌の遺伝子が検出され、妊婦が「オウム病」で亡くなった疑いがあることがわかったということです

 長崎県内で「オウム病」の患者が確認されたのは、2017年以来です。

 厚生労働省や長崎県によりますと「オウム病」はオウム病クラミジアという細菌が引き起こし、発熱やせき、全身のけん怠感などインフルエンザのような症状が出る病気で、特に妊婦は重症化する傾向にあり、呼吸困難や意識障害となって死亡する場合もあります

 オウムやインコ、ハトなどのふんに含まれた細菌を吸い込んだり、餌を口移しで与えたりすることで人に感染しますが、人から人への感染は確認されていないということです

 長崎県によりますと、亡くなった妊婦は鳥を飼っておらず、感染経路はわかっていないということです

 県は、鳥との過度な接触を避け、飼育する場合はケージ内の羽やふんをこまめに掃除し、鳥の世話をした後は手洗いやうがいをするなど感染予防を呼び掛けています。

 人獣共通感染症に詳しい岐阜大学の福士秀人名誉教授は、「オウム病という名前がついているが、どの種類の鳥でも原因となる病原体を持っている。病原体が鳥のふんに含まれていて感染の原因になる。空気中に舞い上がった病原体を吸い込んで呼吸器に感染する」と話していました

 その上で「妊婦は重症になる可能性が高いと思われる。また、高齢者など免疫が弱っている人も重症化しやすい」としています

 また、「巣の近くにいる時などに知らない間に感染してしまうこともあり、野外で感染する可能性があることを覚えていてほしい。野外での感染を防ぐ方法はあまりない。重症化すると死亡する可能性もあるが、抗生物質を飲めば治療できるので、高熱が出た時などにはオウム病の可能性も疑って治療してもらってほしい」と話していました。

 2025年6月13日(金)

2025/06/12

🟩認知症の原因物質、中高年のうつ発症と関連か 高い割合で脳に蓄積

 中高年で発症するうつ病などの気分障害に、認知症の原因とされる物質がかかわっている可能性があることがわかったと、量子科学技術研究開発機構(QST)と慶応大などのチームが9日、発表しました。近年の研究で、中高年以降に発症する気分障害の一部が認知症の前兆として現れる可能性が指摘されていますが、詳しい発症メカニズムはわかっていませんでした。

 チームは、認知症の早期診断や治療につながると期待しています。

 40歳以上でうつ病や双極性障害(そううつ病)を発症した患者52人と、同年代の健常者47人を対象に、陽電子放射断層撮影(PET)を実施。アルツハイマー病などの原因とされるタウやアミロイドベータというタンパク質が脳内に蓄積しているかどうかを調べました。

 その結果、タウの蓄積が見られたのは健常者で約15%だったのに対し、気分障害の患者では50%に上りました。幻覚や妄想といった精神症状を伴う重症の患者では蓄積量が多い傾向がありました。アミロイドベータの蓄積も、患者のほうが多く見られました。

 2025年6月12日(木)

2025/06/11

🟩ワクチン接種拒否した女性職員を「接種拒否者」として文書回覧 パワハラ認定し150万円賠償

 滋賀県の甲賀広域行政組合消防本部(甲賀市)で新型コロナワクチンを接種しなかった女性職員(退職)を、ほかの職員と離れた場所で勤務させていた問題で、同組合は10日、臨時議会を開き、精神的苦痛に対する損害賠償金として150万円を支払うことを決めました。

 女性は警防課に勤務していた2021年4月、全職員を対象としたワクチン接種で、過去に別のワクチンで副反応が出たことを理由に接種を受けませんでした。「接種拒否者」として全職員に文書回覧されたほか、仕事場所も課外の共用スペースに移され、約4カ月後に自己都合で退職しました。 

 この問題を受けて設置された第三者委員会は、女性へのパワーハラスメントを認定。昨年12月には、女性の代理人弁護士から同組合に損害賠償などを求める通知があり、双方の弁護士が協議していました。

 消防本部の藤川博樹消防長はこの日開かれた臨時議会後に、「大変申し訳なく思っており、深くおわび申し上げる。再発防止策に真摯(しんし)に取り組んでいく」と話しました。

 2025年6月11日(水)

2025/06/10

🟩レジオネラ菌が基準の24倍、公表せず「大浴場のリフレッシュ」と一時利用中止 鳥取県日野町の宿泊施設

 鳥取県日野町にある宿泊などができる施設で昨年、国の基準値を超えるレジオネラ菌が検出され、入浴営業を停止した際に、施設を所有する町は入浴営業停止の理由を「大浴場のリフレッシュ作業のため」などとし、レジオネラ菌の検出を公表していなかったことがわかりました。

 昨年7月、国の基準を超えるレジオネラ菌が検出されたのは、日野町が所有し民間企業に運営を委託している宿泊交流施設の「リバーサイドひの」です。

 日野町によりますと、昨年6月に定期的な水質検査を行った際、大浴場の男性浴場から基準値の10倍、女性浴場から24倍のレジオネラ菌が検出されたということです。

 翌月の7月1日に検査機関から施設に連絡、翌日2日に町に報告が入り、町は施設の入浴営業を停止し、県に報告をしました。

 町は「大浴場のリフレッシュ休業のため」と施設での張り紙や防災無線、ケーブルテレビで周知をしたということですが、レジオネラ菌が検出されたことは明示していなかったということです。

 7月11日に行われた町議会での報告の際に、議員から「公表したほうがよいのでは?」という指摘はあったとしながらも、県と相談し、健康被害が出ていないことや、基準値は超えたもののわずかであり、感染力は少ないという点から公表しなかったということです。

 町は「当時の対応としては県の改善指導を適切に行い、相談もしたので間違いはなかった。しかし昨今、近辺施設でのレジオネラ菌への対応などを鑑み、今後の対応については改めて協議が必要と考えている」とコメントしています。

 2025年6月10日(火)

2025/06/09

🟩人口減で全国11万床が不要に、自公と維新が病床削減で合意 医療法改正案の年内成立目指す 

 社会保障改革を巡り、自民・公明両党と日本維新の会の実務者は、病床の削減などによって保険料を含む国民負担の軽減を図っていくことで合意しました。

 自民・公明両党と日本維新の会の3党の実務者は、6日の会合で、今後の社会保障改革の方向性について合意し、文書を交わしました。

 合意では、人口減少などによって不要になると推定される、全国で約11万床の病床を対象に調査した上で削減を図っていくとしています。

 そして、すべて削減した場合は、医療費を1兆円程度減らす効果が見込めると試算しています。

 また、医療の効率化に向け、5年以内に電子カルテを100%普及させることを目指すことや、介護・福祉に従事する人の処遇を改善するため、予算措置などを組み合わせて必要な対応をとるとしています。

 そして、3党は、政府が今の国会に提出している、医師の偏在対策などを盛り込んだ医療法の改正案について年内に成立を図るとしています。

 一方、維新の会が強く求めている、医薬品への保険給付を見直し、同様の効能がある市販薬に切り替えることについて今回の合意には含まれていないものの、検討を進めることなどを大筋で確認しました。

 3党は、教育政策、社会保障改革、税制の3つのテーマで実務者協議を行っていて、4日に取りまとめた教育政策に次いで、社会保障改革でも合意しました。

 2025年6月9日(月)

2025/06/08

🟩沖縄県に熱中症警戒アラート 沖縄本島地方・宮古島地方では今年初の発表

 環境省と気象庁は8日、沖縄本島地方と宮古島地方、八重山地方の3つの地方で「暑さ指数」が33以上となり、熱中症の危険性が極めて高くなる危険な暑さが予想されるとして、午前5時ごろ、「熱中症警戒アラート」を発表しました。

 沖縄本島地方と宮古島地方の発表は、今年初めてです。八重山地方の発表は、今年3度目です。

 熱中症警戒アラートは、気温と湿度などから算出する指標「暑さ指数」が33以上と予想された場合に気象庁と環境省が発表します。

 8日の予想最高気温は那覇で32度、名護32度、久米島32度、宮古島31度。

 2025年6月8日(日)

🟩中国から輸入のスナック菓子から国内使用禁止の酸化防止剤、輸入業者に回収と廃棄命令

 千葉市は23日、同市美浜区の食品輸入業者「清水物産ホールディングス」が中国から輸入したスナック菓子から、国内で使用が禁止されている食品添加物が検出されたと発表しました。千葉市保健所は同日、同社に回収と廃棄を命じました。  違反のあった菓子は「フライドポテト うすしお味」(1袋...