2025/10/08

🟥エーザイ、自宅投与の認知症薬をアメリカで発売 患者支援アプリも

 エーザイとアメリカのバイオジェンは7日、アルツハイマー病治療薬「レカネマブ(製品名:レケンビ)」について、自宅で投与できる皮下注射タイプをアメリカで発売したと発表した。治療開始から1年半が経過した患者を対象とし、通院や看護の負担を減らせる。

 レカネマブの価格は1本375ドル(約5万6000円)に設定し、年間では1万9500ドルとなる。週1回、専用のペン型注入器で投与する。腹や太ももなど皮下脂肪のある場所に針を押し当て、15秒程度で投与が完了する。患者本人や周囲の介助者が投与できる。

 エーザイは同日、患者の自宅での治療をサポートするプログラムをアメリカで始めた。看護師がオンラインなどで注射投与を支援するサービスや、患者や家族が自宅での注射投与について学習できる教育資材を提供する。さらに投与方法に関する教材や、投与歴を記録するツールなどを集約したアプリを提供する。

 レカネマブはアメリカや日本、中国、韓国やヨーロッパ(EU)など50カ国・地域で承認を取得している。10カ国・地域で承認申請をしている。

 2025年10月8日(水)

2025/10/07

🟥電子たばこ、世界で1億人が使用 WHO初推計、青少年に悪影響も

 世界保健機関(WHO)は、電子たばこの使用状況に関する初めての推計をまとめ、世界で電子たばこを使用する人は推計で1億人を超えたと発表した。

 WHOは6日、世界での電子たばこの使用状況に関する初めての推計を報告書として発表した。

 それによると、化学物質が入った液体を蒸気化させる電子たばこを使用する人は世界で1億人を超え、特に南北アメリカやヨーロッパの高所得国で使用者が多い傾向があるとしている。

 電子たばこの使用者のうち、13歳から15歳だけで少なくとも1470万人に上り、実際の人数はこれより多いとみられるとしている。

 さらにWHOは、13歳から15歳が電子たばこを使用する割合は、それより上の年代と比べて9倍高いとしている。

 WHOは、紙巻きたばこなどだけでなく電子たばこも健康に有害だとしていて、テドロス・アダノム事務局長は6日の声明で「たばこ業界は、新たな製品で若者を積極的にターゲットにしている」と懸念を示した。

 2025年10月7日(火)

2025/10/06

🟥神奈川県立がんセンター、医療事故で60歳代男性死亡 栄養剤投与のチューブが飛び出る 

 神奈川県立がんセンター(横浜市旭区)は1日、食道がんの手術を受けた60歳代の男性患者が、栄養を送るために体内に入れたチューブが十二指腸から20センチ飛び出したことによる医療事故で死亡したと明らかにした。外部の専門家を加えた院内医療事故調査委員会を設置し、原因を調査するとしている。

 センターによると、男性は9月4日、食道の大部分を摘出する手術を受け、栄養を直接腸に送るためのチューブを入れた。6日に血液の数値が悪かったため、検査したところ、チューブが十二指腸から飛び出していることが判明。緊急手術をしたが、容体が改善せず8日に敗血症性ショックと急性呼吸不全で死亡した。

 県庁で記者会見した酒井リカ病院長は、「男性とご家族に、このような結果になったことを心よりおわびする。原因の究明と再発防止策に取り組み、医療安全の確立に全力を尽くしたい」などと述べた。

 2025年10月6日(月)

2025/10/05

🟥医師のうつ病診断を助けるAIが承認取得 脳活動のパターンを解析

 国際電気通信基礎技術研究所(本社・京都府)などが開発した、脳の活動を解析して医師のうつ病診断を助ける人工知能(AI)が厚生労働省から薬事承認を受けた。血流の変化を捉える機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)の撮影画像を用いて脳活動のパターンを数値化し、臨床現場で客観的な診断を助ける。

 うつ病は抑うつ気分のほか不眠、気力の減退などの多様な症状が出る症候群。血液中の物質など診断基準となる指標が見付かっていないため、ほかの疾患との判別が難しく、診断がばらつくことが課題だった。

 開発チームは、健康な人とうつ病のある人の平常時の脳活動を記録したfMRI画像約1200人分を収集。うつ病に特徴的な脳活動のパターンをAIに学習させた。画像からうつ病の程度を算出した結果、どの施設の画像でも、うつ病かどうかを約70%の精度で判別できたという。

 医療用のソフトウエア(プログラム医療機器)としての承認を今年3月に取得。現在進行中の臨床試験の結果を踏まえ、来春にはうつ病の確率を導き出す2段階目の承認に向けた申請を予定する。将来的に保険適用を目指すとしている。

 開発チームは統合失調症や双極性障害、自閉スペクトラム症の診断を補助する手法も開発中だ。特に双極性障害はうつ病との判別が難しく、AIが有用な可能性があるという。うつ病治療薬の効きやすさを調べるプログラムも実用化を目指す。

 国際電気通信基礎技術研究所脳情報通信総合研究所の川人光男所長(計算論的神経科学)は、「患者は検査をしてもらえなかったり、診断名が数年で変わったりすることにストレスを感じている。客観的な診断で診断名が揺るがなくなれば福音だ」と話した。

 2025年10月5日(日)

2025/10/04

🟥全国の新型コロナ感染者、2週連続減少 前週比0・85倍

 厚生労働省は3日、全国約3000の定点医療機関から9月22〜28日の1週間に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が2万2640人だったと発表した。1機関当たりの感染者数は5・87人で前週比0・85倍。2週連続で減少した。

 都道府県別で1機関当たりの感染者数が最も多かったのは愛媛県の10・11人で、大分県10・10人、宮崎県9・21人と続いた。少なかったのは青森県3・29人、北海道と東京都3・62人などだった。

 2025年10月4日(土)

🟥病院ごとの臓器移植実施数を公表 待機者数も、登録時参考に

 日本臓器移植ネットワークは1日、臓器移植手術を担う病院ごとの移植実施数、待機患者数などの情報をホームページで公開した。移植を希望する患者が、手術する病院を登録する際の参考にできるようにする。臓器によっては情報が公開されていない病院もあるが、今後、追加するという。

 公表された情報は他に、移植を担当する医師名や、認定医師数、患者への説明などを担う「コーディネーター」の人数など。待機患者数と待機期間に関係がないことも記した。実施数が0件の病院も含まれる。

 心臓では認定されている全12施設の情報を公表。2022~2024年の実施数が最も多かったのは、国立循環器病研究センター(大阪府)の77件で、2024年末時点の待機者は152人。東京大病院は同じ期間で71件、220人、大阪大病院は43件、137人だった。

 肺も全12施設を公表。一方、肝臓、膵臓、小腸、腎臓は半数程度にとどまっている。

 これまでは全国での臓器別の実施数、待機者数が公表され、腎臓は、都府県別の情報が示されていた。

 2025年10月4日(土)

2025/10/03

🟥東京都でインフルエンザ流行入り、昨年より1カ月以上早く

 東京都は、インフルエンザの流行期に入ったと発表した。定点医療機関から1週間に報告された感染者数が、9月22〜28日に1機関当たり1・96人となり、流行開始の目安(1・0人)を超えた。昨年(11月4~10日)より1カ月以上早い。

1 都内の小中学校や高校では9月1〜28日、インフルエンザが原因とみられる学級閉鎖や休校などが46件発生し、17件だった昨年の3倍近くに上った。

 都は、今後の本格的な流行が予想されるとして、こまめな手洗いや消毒、マスク着用などを呼び掛けている。

 2025年10月3日(金)

🟥マイコプラズマ肺炎の患者増加、大きな流行の可能性も

 発熱や長引くせきといった症状が特徴で、子供が感染することの多いマイコプラズマ肺炎の患者数が増加している。専門家は今後、大きな流行になる可能性もあるとして「手洗いやマスクなど基本的な感染対策をしてほしい」と呼び掛けている。  マイコプラズマ肺炎は子供に多い細菌性の感染症で、飛ま...