2025/08/10

🟥「日本ストライカー」製造のAED9153台自主回収 品質検査で不具合確認

 心臓発作を起こした人に救命措置を行うAED(自動体外式除細動器)について、製造・販売している都内の会社が品質検査で電気ショックができない可能性がある不具合が確認されたとして、9000台余りを自主回収すると発表した。

 自主回収の対象となるのは「日本ストライカー」が製造し、一昨年3月から今年2月にかけて販売した「サマリタン」シリーズ、合わせて9153台。

 会社によると、これらの製品はヨーロッパの基準に合わせて製造プロセスを変更したということで、今年3月の品質検査で回路の基板部分に故障があり、電気ショックができなくなる可能性があることがわかったということである。

 これまでのところ国内でトラブルは報告されていないということであるが、会社は救命措置を行う場合に機械が作動しない可能性があるとして、自主回収すると発表した。

 この製品は全国の4348施設に納入されていて、会社は情報提供を行った上で、準備ができしだい、代わりの製品を発送し、対象の製品を回収するという。

 日本ストライカーは、「ご迷惑をおかけすることを心よりおわび申し上げます。緊急時に、ほかに使用できるAEDがある場合はそちらを使用してほしい」とコメントしています。

 2025年8月10日(日)

2025/08/09

🟥建設アスベスト訴訟、大阪高裁でも和解 12社が115人に計12億円支払い

 建設現場でアスベスト(石綿)を吸って肺がんや中皮腫になった元作業員と遺族ら約130人が、アスベストを含む建材を扱った複数のメーカーに損害賠償を求めた訴訟が8日、大阪

高裁(徳岡由美子裁判長)で和解が成立した。原告弁護団は「多くの被災者が亡くなる中で、早期救済の一点で集団和解に至った意義は大きい」と評価する。

 和解条項によると、建材メーカー12社が原告115人に対して、計約12億5000万円を解決金として支払う。そのうち、日東紡績や大健工業など10社は被害を生じさせたことについて謝罪。責任が認められないとされたメーカー9社も原告らに「哀悼とお見舞いの意」を表する。

 東京高裁でも7日に和解が成立しており、原告弁護団の村松昭夫弁護士は会見で「画期的な前進だ。全国で続く関連訴訟で和解が進むこと、裁判がなくても救済される仕組みができることを強く望む」と話した。

 一方、屋外の解体作業などをしていた原告らについては、メーカー側の責任が否定された。村松弁護士は「建設現場でアスベストを吸って病気になった事実は同じで、被災者の線引きは許されない。政治こそが動くべき問題だ」と訴えた。

 建設アスベストを巡っては、最高裁が2021年に国と一部メーカーの賠償責任を認め、国が給付金を支払う制度をつくった。一方で、建材メーカー側は賠償額などを争い、訴訟が続いている。

 弁護団は9~10日の午前10時~午後6時、被害者向けに電話での無料相談を実施する。問い合わせは0120・966・329へ。弁護団は「できるだけ多くの被災者を掘り起こしたい」と話している。

 2025年8月9日(土)

2025/08/08

🟥認知症薬、年45万円値下げ 「レカネマブ」、11月から

 厚生労働相の諮問機関の中央社会保険医療協議会(中医協)は6日、認知症のアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の薬価を11月1日から15%引き下げることを了承した。費用対効果が低いとの分析結果が示されていた。患者1人(体重50キロの場合)当たり年約298万円から約45万円安い年約253万円とする。

 「レカネマブ」(商品名レケンビ)は軽い認知症と、その前段階の軽度認知障害の人が対象の薬。エーザイなどが開発し、認知機能の低下を遅らせる効果が期待されている。体重1キロ当たり10ミリグラムを点滴で2週間に1回投与する。期間は原則1年半まで。

 中医協は2023年12月、公的医療保険の適用対象とすることを了承した。その際、薬価を引き下げる場合でも下げ幅を最大15%にとどめると定めていた。薬価は現在、1瓶(500ミリグラム)11万4443円で、11月から9万7277円に引き下げる。

 患者の自己負担は年齢や所得に応じて薬価1~3割。自己負担に上限を設ける高額療養費制度もある。

 2025年8月8日(金)

2025/08/07

🟥30年凍結保存の受精卵から男児誕生 世界最長、アメリカのカップル

 アメリカ中西部のオハイオ州の女性がこのほど、30年以上前に凍結された受精卵(胚)を使って妊娠し、赤ちゃんを出産した。出生に至った凍結胚としては、世界で最も長期にわたって保存されたものと報じられている。

 オハイオ州在住のリンジー・ピアースさん(35)と夫ティム・ピアースさん(34)のもとに7月30日、息子タディアス・ダニエル・ピアースくんが誕生した。リンジーさんは、「まるでSF映画のようだ」と家族で話していると、学術誌「MITテクノロジーレビュー」に語った。

 今回用いられた凍結胚は、出生に至ったものとしては世界で最も長い間、保存されていたとされる。これまでの最長記録は、2022年にアメリカのオレゴン州で誕生した双子のケースで、30年前の1992年に凍結された胚が用いられた。

 ピアース夫妻は7年間にわたり子供を授かろうと努力を重ねた末、凍結された受精卵を用いることを決めた。そして、リンダ・アーチャードさん(62)が1994年に、当時の夫と体外受精(IVF)治療でつくった受精卵が用いられた。

 アーチャードさんは当時、4つの胚をつくった。1つは現在30歳の娘の誕生につながった。残りの3つは冷凍保存されたままだった。

 アーチャードさんは、その後、夫と離婚し、冷凍保存費用がかさみ、使わなかった胚を別のカップルや個人に提供する「胚の養子縁組」に出すことにした。

 2025年8月7日(木)

2025/08/06

🟥中国・広東省で「チクングニア熱」感染7000人超 蚊が媒介、高熱や発疹などの症状

 中国で、蚊が媒介するウイルスが引き起こすチクングニア熱が拡大しており、これまでに少なくとも13都市で7000人以上の感染者が確認された。人から人への感染はないものの、当局は新型コロナウイルス流行時と同様の防疫措置を講じている。

 チクングニアウイルスは、感染した蚊に刺されることで広まるウイルスであり、通常は死に至ることはない。イギリスのBBCによれば、香港の北に位置する広東省で急速に拡大しており、同省の13都市で感染が確認された。ここ1週間で確認された感染者数は約3000人に上る。

 アメリカ紙ニューヨーク・タイムズによると、チクングニアは中国ではまれなウイルスだが、7月8日に仏山市で海外から持ち込まれた感染例が確認された後、急速に拡散。仏山市は現在、最も感染者が多い地域となっている。8月4日には、香港での初の症例として、12歳の少年の感染が確認された。

 南方日報によると、広東省では新型コロナウイルス流行時を想起させるような措置が取られており、感染者は検査で陰性結果が出るまで病院内で蚊帳に入れられ隔離されている。

 ニューヨーク・タイムズが報じた中国政府からの通知内容によると、当局は各家庭を訪問し、蚊の発生源となる水溜まりの除去が徹底されているかを確認している。協力しない住民は「感染症予防妨害」の罪で罰金が科されたり、刑事責任が問われたりする可能性がある。仏山市南海区では、家庭訪問調査に非協力的だった少なくとも5世帯に対し、電力の供給が停止されたという。

 その他の対策として、蚊の幼虫であるボウフラを捕食する「オオカ」を自然界に放ち、蚊を駆除する試みが進められている。また、池に魚を放流してボウフラを食べさせたり、殺虫剤を散布したり、ドローンを使い蚊の発生場所を特定したりする措置もとられている。

 チクングニア熱は、主に蚊を媒介として感染するウイルス性疾患で、主な症状は頭痛、筋肉痛、吐き気、倦怠(けんたい)感、発疹、関節の腫れなど。世界保健機関(WHO)によれば、これらの症状は通常2週間以内になくなるが、激しい関節痛が数カ月から数年にわたって続く場合がある。関節痛はチクングニア熱の大きな特徴であり、この症状がなければデング熱やジカ熱と誤診される可能性が高く、正確な感染者数の把握が難しい。

 2025年8月6日(水)

2025/08/05

🟥東京23区、56人が熱中症疑いで死亡 エアコン使用せずが3分の2以上

 東京23区で、今年6月から7月末までに56人が熱中症の疑いで亡くなったことが、東京都監察医務院の調べでわかりました。

 エアコンがあったものの使っていなかったケースが全体の3分の2以上に上り、専門家は気温が高い今の時期は命を守る道具として昼夜を問わずエアコンを使用するよう呼び掛けています。

 東京都監察医務院が今年6月16日から7月末にかけて東京23区で亡くなった原因を調べた人のうち、熱中症の疑いがあるのは、速報値で56人でした。

 年代別では、70歳代が26人と最も多く、次いで80歳代が16人、60歳代が10人、50歳代が2人、90歳代以上と30歳代がそれぞれ1人となっています。

 場所別では、全体の約96%に当たる54人が屋内で亡くなっていて、このうちエアコンがあったものの使っていなかったケースが38人で、全体の3分の2以上に上りました。

 また、エアコンを使っていて亡くなったのが11人、エアコンを設置していなかったケースが5人でした。

 熱中症に詳しい埼玉慈恵病院の藤永剛副院長によりますと、自宅でエアコンをつけずに熱中症になるケースは多く、特に高齢者は、昔は使っていなかったから大丈夫とか、エアコンが体に悪いと思い込んでいる人が多いということです。

 藤永副院長は、「夜でも室温が30度を超える今の時期は、命を守る道具としてエアコンをずっとつけておくべきだ。苦手な人は風が直接当たらないようにしたり、薄手の服を1枚羽織ったりしてエアコンを日常的に使ってほしい」と呼び掛けています。

 2025年8月5日(火)

2025/08/04

🟥熱中症疑い、東京都内で67人救急搬送

 東京消防庁によりますと、東京都内では4日午後3時までに9歳から96歳までの男女

合わせて67人が、熱中症の疑いで医療機関に救急搬送されました

 このうち、19人が中等症、48人が軽症だということです。重症の人はいませんでした。

 東京消防庁は、室内でも暑いと感じたら我慢せずに冷房や扇風機を利用し、のどが渇く前に水分をこまめにとるなど熱中症予防を呼び掛けています。

 2025年8月4日(月)

🟥ミニストップ、店内加工品で消費期限を偽装 全店舗で販売見合せ

 コンビニチェーンのミニストップは18日、関東や関西の一部店舗で店内加工したパック総菜について、消費期限の偽装があったと発表した。これまでにおにぎりや弁当でも同様の事案が発覚し、社内で調査していた。偽装にかかわったのは現時点で23店舗で、他の店舗も調査するほか、全店舗での一部店...