2025/09/09

🟥ブタ腎臓移植で生存7カ月超える アメリカの67歳男性、世界最長更新

 アメリカのバイオ企業イージェネシスは8日、遺伝子操作したブタ腎臓の移植を1月に受けたアメリカの男性(67)が7カ月以上生存し、世界最長を更新したと発表した。現在は透析なしで生活しているという。移植から半年は拒絶反応が起こりやすくリスクが高い期間で、イギリスの科学誌「ネイチャー」は「画期的な事例だ」と指摘した。

 アメリカで80万人以上、世界中で数百万人が末期腎不全に苦しんでいるが、臓器提供者の数は圧倒的に不足している。ブタの臓器はサイズや生理学的特徴が人と比較的似ており、遺伝子操作して拒絶反応を起こりにくくし、人に移植する取り組みが進められている。

 移植を受けたのはティム・アンドリュースさん。東部ボストンのマサチューセッツ総合病院で1月25日、移植手術を受けた。2年以上透析治療を受けていた。

 これまでの最長はブタ腎臓の移植を受けたアメリカ女性で130日。拒絶反応が見られるようになり、医師らは透析治療に戻るのが最善と判断、手術で腎臓を摘出した。

 2025年9月9日(火)

2025/09/08

🟥タカラトミー、玩具4万個を自主回収 子供が指挟むケース相次ぐ

 大手おもちゃメーカー「タカラトミー」は8日、ミニカーを走らせるおもちゃで、遊んでいた子供が指を挟むケースが相次いだため、約4万個を自主的に回収すると発表した。

 発表によると、自主回収するのは今年7月に国内のほか台湾や香港、フィリピンなどで発売した「グランドモールトミカビル(トミカ55周年記念特別仕様)」約4万個。

 会社によると、この商品はミニカーを走らせて遊ぶもので、8月に東京都内で開催したイベントで、この商品で遊んでいた3歳の子供2人が、らせんエレベーターと呼ばれる部分で、ミニカーを取ろうとして指を挟んでけがをしたということである。

 このほかにも会社のアンケートで、この商品で指を挟んだという記載が9月5日の時点で12件あったということである。

 タカラトミーは「けがをされたお子様とご家族に心より深くおわび申し上げます。品質管理のさらなる強化徹底を図り、再発防止に万全を期す所存です」としている。

 商品を着払いで郵送するよう呼び掛けていて、宛先は千葉県流山市野々下1-355タカラトミー「グランドモールトミカビル」係で、電話での問い合わせはフリーダイヤル0120ー35-1031となっている。購入者には返金する。

 2025年9月8日(月)

2025/09/07

🟥受精卵の染色体を調べる着床前検査、35歳以上の不妊症夫婦も対象へ 

  日本産科婦人科学会(日産婦)は6日、体外受精させた受精卵の細胞の染色体数に異常がないかを調べる「着床前胚染色体異数性検査(PGTーA)」の対象を広げると発表した。従来は不妊治療を繰り返しても妊娠しない場合や流産の経験を持つ場合に限っていたが、女性が35歳以上の不妊症の夫婦にも広げる。妊娠率の向上や流産の予防につなげる。

 6日、東京都内で開いた定例記者会見でPGTーAの細則を変更する方針を発表した。8日にホームページに掲載する。

 従来の細則では不妊治療をしても妊娠しない夫婦や、流産を繰り返す夫婦などを検査対象としていたが、文言を追加する。女性の年齢については自然妊娠率が低下する35歳以上を「目安」とする。

 日産婦の臨床倫理監理委員会委員長を務める三浦清徳・長崎大学教授は、「高年齢の不妊症の夫婦に検査を導入することで、妊娠率の向上や流産の予防につながる」と説明した。海外の研究などで科学的根拠が示されているほか、国内の医療関係者らからも対象の追加を求める声が上がっていたという。

 PGTーAは体外受精させた受精卵の染色体数に異常がないかを調べる検査だ。染色体に異常がないものを子宮に戻す。流産リスクの低減や妊娠率の向上が期待される一方で、「命の選別」につながるという批判もある。

 2025年9月7日(日)

2025/09/06

🟥宮崎大学と花王、猫のウイルス感染を簡易検査 あぶらとりフィルムで

 宮崎大学(宮崎市)は3日、花王や宮崎市との共同研究でネコのウイルス感染を簡易検査できる手法を確認したと発表した。市販のあぶらとりフィルムで採取した皮脂に含まれるRNA(リボ核酸)を分析して、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)と猫免疫不全ウイルス感染症(FIV、ネコエイズ)の検出に成功したという。

 SFTSはマダニを媒介とし、人にも動物にも感染する。感染した人や動物の血液などを介してもうつる。発症すると、発熱や嘔吐(おうと)、下痢、意識障害などの症状が出る。宮崎大によると、致死率は人が10〜30%、ネコは60%と高い。有効な治療法は確立されていない。

 花王が開発した人の肌や体の状態を把握する「皮脂RNAモニタリング」という技術をネコに応用した。従来の血液検査に比べネコへの負担を軽減できるほか、獣医師のSFTS感染リスクを減らせる。

 宮崎大はネコの皮脂からのRNA検出感度が高く、人のDNAやRNAと見分けられる「プライマー」と呼ばれる遺伝子増幅に必要な因子を開発した。「偽陰性」が出ることを防ぐ。ネコの皮脂は耳から採取する方法が最適といい、かまれるリスクも低い。

 SFTSについては血液検査で感染が確認されたネコから採取した皮脂を動物病院から入手して、RNAの検査でも陽性を確認した。FIVについては皮脂による検査での陽性21体と血液検査の結果が一致した。

 宮崎大農学部の斉藤暁准教授は、「情報量の多さで血液検査に完全に置き換えられるものではないが、早く陽性の判断ができることで感染を広げるリスク低減に役立つ。動物に対する検査としては有効性が高いのではないか」と話している。

 将来は自宅の飼い猫の皮脂を採取して、動物病院などに郵送して検査できるようにすることを目指す。

 2025年9月6日(土)

2025/09/05

🟥小林製薬、男性向けシミ防止クリーム約57万個を自主回収 水分蒸発で成分濃縮の恐れ

 小林製薬は5日、男性用のスキンケア商品について、有効成分が時間の経過とともに濃縮されて法律で定める基準を上回る可能性があるとして、対象の商品約57万個を自主回収すると発表した。

 自主回収を行うのは、小林製薬が販売するシミ防止クリーム「メンズケシミンプレミアムオールインワンクリーム」で、2023年9月から今年8月までに製造された約57万個。

 会社によると、今年8月、2023年に製造された商品を自主的に検査したところ、シミやしわを改善する「ナイアシンアミド」と呼ばれる有効成分が濃縮され、法律で定める基準よりごくわずかに高くなっていたということである。

 時間の経過とともに水分が蒸発したためとみられ、会社では、使用期限の3年以内に承認された規格から外れる可能性があるとして、自主回収を決めた。

 これまでに、健康被害の情報は寄せられていないということである。

 ほかのケシミンブランドの製品については使用に問題はないとしている。

 小林製薬は「原因を一刻も早く究明するとともに、品質管理に万全を期し、再発防止に徹底して取り組んでいきます」とコメントしている。

 回収対象の製品は小林製薬の依頼を受けた配送会社が引き取った上で、購入金額と同額をQUOカードで払い戻す。問い合わせは、フリーダイヤル0120−24−5884で受け付けている。

 2025年9月5日(金)

2025/09/04

🟥新型コロナ感染、2年たっても後遺症続く 3・5~7・2%の人に疲労感や睡眠障害など

 新型コロナウイルスに感染してから2年たっても、疲労感・ 倦怠(けんたい)感、睡眠障害などの後遺症が続く人が、3・5~7・2%いることが、厚生労働省研究班の調査でわかった。後遺症がある人の割合は時間の経過とともに低下した。

 調査は大阪府八尾市と札幌市で継続的に行っている。2024年度は、計1万4872人の成人を対象に実施し、5972人から回答を得た。

 2024年11月~2025年1月時点で感染から2年以上が経過していた八尾市1922人、札幌市1620人のうち、感染2年後の時点で何らかの症状が続いていたと答えたのはそれぞれ3・5%、7・2%だった。感染3カ月後の時点と比べ、八尾市で4分の1、札幌市では2分の1以下に減った。

 症状別では、疲労感・倦怠感、睡眠障害、集中力低下、呼吸困難、嗅覚障害などが目立った。

 厚労省が3日に開いた専門家部会で、研究担当者は「2年たっても一定割合で症状が続いており、就業や就学に影響が出るなど社会経済的な課題を抱えている可能性がある。より詳しい状況を調べたい」と述べた。

 2025年9月4日(木)

2025/09/03

🟥熱中症で5486人搬送、6人死亡 8月31日までの1週間

 8月25日から31日までの1週間に熱中症で医療機関に運ばれた人は全国で合わせて5486人だったことが、総務省消防庁のまとめでわかった。

 内訳でみると、岐阜県、兵庫県、高知県など1府5県で「死亡」が計6人、入院が必要な「重症」と「中等症」が1979人、入院の必要がない「軽症」が3474人などだった。

 都道府県別の搬送者は、東京都が589人で最多。大阪府422人、埼玉県357人と続いた。

 年齢別では、65歳以上の高齢者が3143人と全体の半数以上を占めたほか、18歳以上65歳未満が1868人、7歳以上18歳未満が457人、7歳未満が18人だった。

 場所ごとに詳しくみると、住宅が1982人と最も多く、次いで道路が1149人、駅や競技場、野外のコンサート会場など不特定の人が出入りする屋外が771人などとなっている。

 これで、今年5月1日から8月31日までの累計は9万7人となり、昨年の同じ時期の8万6075人から3900人余り多くなった。

 2025年9月3日(水)

🟥マダニ媒介感染症「SFTS」、患者150人超に どの地域でも患者が出る可能性

 マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の患者の報告が続いていて、今年の全国の患者数は速報値で152人となった。昨年まで報告がなかった地域にも広がっていて、専門家は「どの地域でも患者が出る可能性があり、医療機関は警戒を高めてほしい」と呼び掛けている。  ...