2026/01/13

🟥インフルエンザ、6週連続減少 警報レベル下回る

 厚生労働省は13日、全国約3000の定点医療機関から昨年12月29日~今年1月4日の1週間に報告されたインフルエンザの感染者数は計3万3217人で、1医療機関当たり10・35人だったと発表した。前週比0・45倍で、6週連続の減少。全国平均で警報レベルとされる1医療機関当たり30人を3週連続で下回り、減少傾向が続いている。

 都道府県別で1医療機関当たりの感染者数が最も多かったのは宮崎県の38・71人。鹿児島県23・19人、沖縄県23・18人が続いた。少なかったのは、奈良県3・41人、神奈川県4・79人、東京都4・89人など。秋田県、岐阜県、沖縄県の3県では前週より増えたものの、他は減少した。

 今季は、全国平均で警報レベルを超えるのが昨季より5週早く、昨年11月17~23日の週には全国で1医療機関当たり50人を超えた。

 2026年1月13日(火)

2026/01/12

🟥7割の患者で食道がん消失、抗がん剤・放射線に免疫薬併用 京大治験

 京都大学などは9日、食道がんの化学放射線治療とがん免疫薬を併用した医師主導の治験の結果を公表した。41人の患者のうち7割超に当たる30人でがんが完全に消えた。副作用の発生率も低く、安全性を示した。治験の結果をまとめた論文をイギリスの医学誌「イー・クリニカル・メディスン」(オンライン版)に掲載した。

 食道がんは主に酒やたばこが原因で発症する。食道の周りには心臓や肺があり、手術が難しい。京大の武藤学教授によると世界の食道がん患者のうち8割がアジア人だ。武藤教授は食道がんの治療は「アジア人にとって重要な課題」だと話す。

 食道がんは一般的に抗がん剤と手術を併用して治療する。手術ができない場合などは抗がん剤に加えて放射線で治療する。だが、この方法だとがんが再発するリスクが高く、治療効果も限られていた。研究チームは手術をせずにがんを確実に治す方法を目指し、抗がん剤と放射線の治療にがん免疫薬の「オプジーボ」を併用する治験を実施した。

 日本人の食道がんの9割以上を占める扁平(へんぺい)上皮がんを対象に、治療の安全性や有効性を調べた。

 すると結果が得られた41人のうち30人(73%)でがんが完全に消え、1年後の生存率も93%と高かった。放射線治療などに伴う重い副作用である肺臓炎の発生率は5%にとどまり、その他の副作用も医師らが対応できる範囲のものだった。がん細胞の遺伝子の働きを調べると、免疫の働きが活発なほど治療がよく効く傾向が出ていた。

 今後は治療から3年後の経過を解析するほか、遺伝子の働きを調べてより治療が効きやすい人の特徴を探す。武藤教授は「効果が期待できる人たちを見付けて再発を避け、よりよい治療を提供できる」と期待する。

 2026年1月12日(月)

2026/01/11

🟥マダニが媒介する感染症「SFTS」の患者数、昨年は過去最多の191人に

 マダニが媒介する感染症、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、昨年1年間に全国から報告された患者数は、速報値で191人と過去最多になった。新たに感染が確認された地域が東日本でも広がり、専門家は注意を呼び掛けている。

 SFTSは、主に原因となるウイルスを持つマダニに刺されることで感染する感染症で、重症化すると、血液中の血小板が減少して出血が止まらなくなったり、意識障害が起きたりして、死亡することもある。

 国立健康危機管理研究機構によると、昨年1年間に報告された患者数は速報値で191人と、これまでで最も多かった2023年を50人余り上回り、過去最も多くなった。

 患者が報告されたのは32道府県で、高知県で15人、静岡県と大分県で13人、長崎県で12人、佐賀県と熊本県で11人、兵庫県で10人など、西日本を中心に多くなっている。

 また、各地の自治体の発表などによると、北海道や茨城県、栃木県、神奈川県などで、初めて感染が確認され、東日本にも広がってきている。

 国立健康危機管理研究機構獣医科学部の前田健部長は、「致死率の高いマダニの感染症が、日本に存在していることを知ってほしい」とした上で、「例年は3月ごろから患者が増え始めるので、草むらなど野外で活動する際は、肌を見せない服装をしたり、虫よけ剤を使ったりといった対策をしてほしい」と注意を呼び掛けている。

 2026年1月11日(日)

2026/01/10

🟥シート状に培養したiPS細胞をそのまま凍結保存 解凍後も人体組織分化の機能維持

 シート状に培養したiPS細胞を、人体の組織に分化するという機能をほぼ維持したまま凍結保存することに成功したと、神戸大の研究チームが8日までに国際科学誌に発表した。実用化すれば、機械を使ったiPS細胞の大量生産や維持管理が容易になるという。

 iPS細胞は通常、シート状に培養する。冷凍保存も可能だが従来の方法では容器から剥がしてばらばらにする必要があり、工程が複雑な上に作業中に細胞が劣化する恐れがあった。

 研究チームは今回、凍結前に短時間の酵素処理をすることで、シート構造を壊すことなく細胞同士の結合を弱めることに成功。その上で新たな保存剤を開発。

 酵素処理をしなかったり、処理をしても市販の保存剤を使ったりしてシートを冷凍保存すると、解凍から48時間後の細胞生存率は0%近かった。一方で新技術では、少なくとも生存率は70%以上となった。

 研究チームの丸山達生教授は、「iPS細胞は維持管理に熟練の手技や、高価な培地が必要だったが、冷凍食品のように簡便に長期保存でき、再生医療の実現や新薬開発に貢献できる」としている。

 2026年1月10日(土)

2026/01/09

🟥兵庫県伊丹市の研修医過労死で和解 市が見舞金、院内で経過記録活用

 2018年、兵庫県伊丹市の市立伊丹病院の研修医だった男性=当時(25)=が自殺し、遺族が長時間労働による精神障害が原因として市に約1億3000万円の賠償を求めた訴訟が、神戸地裁で和解したことが9日わかった。市が見舞金を支払う他、死亡の経過記録を病院が継続的に保管し、職員研修に活用すると約束する内容。

 男性の両親は「最愛の息子は帰ってきませんし、悲しみが消えることもありません。決して風化させることなく、二度と同じような事故を起こさぬよう、真摯に取り組んでいただきたい」と代理人弁護士を通じてコメントした。和解は昨年12月22日付。

 男性は大阪大卒業後の2018年4月から研修医として勤務し、外科や呼吸器内科に配属された。同年7月、一人暮らしをしていた寮の自室で自殺した。伊丹労基署の認定では、死亡直前1カ月間の時間外労働は、計80時間弱に達していたという。

 2026年1月9日(金)

🟥がん遺伝子パネル検査、治療到達8% がんの種類で差も、5万4000人解析

 がんの遺伝子の変化を網羅的に調べて対応する治療を探す、がん遺伝子パネル検査を国内で受けた5万人超についての分析を、国立がん研究センターなどの研究チームが発表した。検査に基づく治療を受けられたのは8%で、がんの種類によっても差があった。

 がんは遺伝子の変化によって起きることから、近年は遺伝子の変化を調べ、それに合った治療をするゲノム医療が推し進められている。100種類以上の遺伝子を同時に調べるがん遺伝子パネル検査は2019年に保険診療になった。

 研究チームは、2019~2024年に検査を受けた約5万4000人について分析した。

 検査の結果、治療法のある遺伝子の変化が見付かったのは73%に上ったが、国内未承認薬や治験段階のものも含まれ、実際にその治療を受けられたのは8%だった。ただ、経年的に改善してきており、2019~2020年には6%だったが、2023~2024年には10%に増えていた。

 がんの種類によっても治療に結び付く割合には差があり、患者が多く薬剤開発が進んでいる肺がんは20%、甲状腺がんは35%と高かった。一方で、薬剤の開発が進みにくい膵(すい)がんや肝臓がんは2%に満たなかった。

 患者の生存期間との関係を見ていくと、科学的根拠が強く国内承認済みの薬がある遺伝子変化が見付かった人は、最も予後が良かった。有効性のある薬が国内未承認薬だった場合でも、予後が良い傾向にあった。治験などを通じて未承認薬が使えれば、患者が恩恵を受けられる可能性がある。

 国立がん研究センター研究所分子腫瘍(しゅよう)学分野の片岡圭亮・分野長は、「がん遺伝子パネル検査の有用性と限界、がんの種類によって違いがあることも明らかになった。今後、薬剤開発が進みエビデンスが確立されていくことが重要だ」と話す。

 論文は6日、医学誌「ネイチャー・メディシン」の電子版に掲載された。

 2026年1月9日(金)

2026/01/08

🟥インフルエンザ感染者、5週連続で減少 西日本では依然多く

 厚生労働省は8日、全国約3000の定点医療機関から昨年12月22~28日の1週間に報告されたインフルエンザの感染者数は計8万7534人で、1医療機関当たり22・77人だったと発表した。前週比0・70倍で、5週連続の減少。

 全国平均では警報レベルとされる1医療機関当たり30人を下回ったが、西日本では依然として超えている地域が多い。

 都道府県別で1医療機関当たりの感染者数が最も多かったのは宮崎県の62・57人。鹿児島県48・00人、佐賀県39・88人が続いた。少なかったのは、秋田県10・56人、福島県11・54人、岩手県11・98人など。前週より増えたのは沖縄県のみだった。

 今季は、全国平均で警報レベルを超えるのが昨季より5週早く、昨年11月17~23日の週には全国で1医療機関当たり50人を超えた。

 2026年1月8日(木)

🟥B型肝炎の救済対象を拡大 「再発」患者ら、除斥期間めぐり国と和解

 集団予防接種が原因のB型肝炎を巡り、賠償を求める権利が消滅する除斥期間(20年)の起算点が争われた裁判が15日、福岡高裁(河合芳光裁判長)で和解した。国と全国原告団との基本合意も新たに交わされ、従来の国の運用より救済対象が拡大される。対象者は数百人ほどとみられる。  B型慢性...