国立がん研究センターは、最新のがん生存率をまとめ、がんと診断された患者の5年生存率が66・2%、10年生存率が53・3%だったと16日付で発表しました。生存率は改善傾向にあるとしています。
生存率は、がんの治療拠点となっている全国の医療機関からの「院内がん登録」のデータを解析しました。
5年生存率は8回目、10年生存率は4回目の公表となります。今回から、より実態に近い「ネット・サバイバル」という算出法を採用。前回までの集計と単純に比較できなくなったものの、担当者は「より正確な数字になった」と説明しています。
従来は、原因を問わず亡くなったすべての人から、がん以外の原因による死亡を除く方法で間接的に生存率を推計しており、高齢者に多いがんでは実際よりも高くなっている可能性がありました。
ネット・サバイバルは、患者一人一人が、がんによって亡くなる確率を推計して平均値を出します。がんの影響を直接的に計算でき、国際的に普及している手法。
5年生存率は2014年から2015年にがんと診断された約94万人、10年生存率は2010年にがんと診断された約34万人を対象に算出しました。
研究チームによると、5年生存率はすべてのがんで66・2%、診断時の平均年齢は68・3歳。男性は62・8%、女性は70・8%で、やや女性のほうが高くなりました。
部位別の5年生存率は、前立腺がんが95・1%、女性の乳がんが91・6%と高く、小細胞肺がんは11・5%、膵臓がんは12・7%と低くなっています。
10年生存率はすべてのがんで53・3%、診断時の平均年齢は67・2歳。男性は48・7%で、女性は59・8%でした。
年代別の10年生存率は小児がんになる0~14歳は79・5%、若年のAYA世代に当たる15~39歳は79・8%でした。
部位別の10年生存率は、前立腺がんで84・3%、女性の乳がんで83・1%、大腸がんで57・9%、胃がんで57・6%などとなりました。
2023年3月16日(木)
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