東京大の研究チームが、海水と淡水の両方に適応できるメダカの一種を使い、マイクロプラスチックの体内残留と排出について両方の環境で比較した結果、海水中のほうが残留量が多いことを突き止めました。海水魚は淡水魚よりも、プラスチックごみによる汚染の影響を長期的には受けやすい可能性を示しました。プラスチックが生物の体内で、どのように有害に作用するかを解明する手掛かりになりそうです。
実験ではインドネシアなどに生息するジャワメダカの稚魚を、微小なプラスチック粒子を入れた海水と淡水それぞれの水槽に24時間入れて観察した後、粒子を含まない水槽に移して、体内から粒子が排出される過程や量を比べました。
海水に入れた稚魚は、消化管内の水の移動速度が速く、この動きが取り込んだ粒子の排出も促すと考えられました。だが実際は消化管内に粒子が多く残り、観察5日後のふんにも含まれていました。一方、淡水に入れた稚魚は消化管内の水の移動は比較的遅く、取り込んだ粒子の量も少なくなりました。観察5日後のふんには粒子は含まれていませんでした。
今後は、マイクロプラスチックの体内動態をさらに詳しく調査し、環境に応じた防除策の開発に成果を活用するといいます。
2025年2月2日(日)
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