横浜市戸塚区の産婦人科で2015年、人工妊娠中絶手術に向けた前処置を受けた女子高校生(当時17)=神奈川県藤沢市=が死亡し、神奈川県警は21日、適切な処置をしなかったとして、男性医師(69)=東京都目黒区=を業務上過失致死容疑で書類送検し、発表しました。
捜査1課によると、書類送検の容疑は2015年11月27日、高校生が破水したのに入院させずに帰宅させ、29日に搬送先の病院で多臓器不全で死亡させたというもの。
高校生は同月25日から4日間、産婦人科に通院。妊娠約20週の中期中絶の手術のため、器具を使って子宮口を広げる処置を受けました。28日午後に容体が急変し、別の病院に救急搬送されました。
病院から連絡を受けた県警は任意で捜査し、中期中絶について「必ず入院設備と分娩(ぶんべん)体制を有すること」とする同県医師会の規約などを踏まえ、破水後、入院させていれば、死亡を回避できた可能性があったと判断。亡くなる可能性を予想できたかや、適切な対策をする義務に違反したかを検討してきたといいます。
同県医師会は2016年、産婦人科側の入院態勢の不備などを理由に、前院長ら2人について、母体保護法指定医師の資格を6カ月停止する処分としました。産婦人科側は処分の取り消しを求めて2016年5月に提訴し、「高校生の死亡について診療行為との因果関係が明らかではない」などと主張。同年9月に訴えを取り下げました。
2025年2月21日(金)
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