マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、今年、これまでに全国から報告された患者数は速報値で142人となった。感染したペットの体液などを介して感染するケースも確認されていて、専門家は注意を呼び掛けている。
SFTSは、主に原因となるウイルスを持つマダニに刺されることで感染する感染症で、重症化すると血液中の血小板が減少して出血が止まらなくなったり、意識障害が起きたりして死亡することがあり、厚生労働省によると、感染して死亡する患者の割合は10%から30%に上るとされている。
国立健康危機管理研究機構によると、8月24日までに31の道府県から患者が報告され、累計の患者数は速報値で142人となっていて、これまでで最も多かった2023年を上回って過去最多となっている。
西日本を中心に患者数が多くなっているが、今年はこれまで感染が確認されていなかった北海道や関東地方からも患者が報告されていて、厚労省は、マダニに刺されないよう野外で肌の露出を減らすなどの対策を呼び掛けている。
さらに感染したネコを始めとしたペットの体液などを介して人に感染するケースもあり、国立健康危機管理研究機構獣医科学部の前田健部長は「患者の少なくとも数%は、感染したネコから感染するなどしていると考えられる。ネコを飼っている場合は、ダニに刺されないよう室内飼いを徹底するほか、野外のネコは素手で触らないようにしてほしい」と呼び掛けている。
2025年9月2日(火)
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