2022/08/05

🇱🇨男性乳がん

男性の乳房内でがん細胞が増殖する疾患

男性乳がんとは、男性の乳房内でがん細胞が増殖する疾患。男子乳がんとも呼ばれます。

乳がんの多くは、乳汁(母乳)を分泌する乳腺(にゅうせん)に発生します。男性にも、必要はないながらも乳腺は存在するため、乳がんになる可能性はあります。

男性乳がんは、女性を含めた乳がん全体の約0・5〜1・0パーセントを占め、発生年齢は女性の乳がんより高いとされています。また、男性の場合は女性と比べて、元来の乳腺が痕跡(こんせき)的で小さいことや皮下脂肪が少ないことから、がん細胞が皮膚や筋膜へ浸潤しやすく、やや進行したものが多いといわれています。

主に60歳代以上に発生し、その多くが女性化乳房とかかわりがあると見なされています。女性化乳房とは、男性の乳腺が女性のような乳腺に発達してしまう疾患で、男性ホルモンと女性ホルモンのバランスの乱れや、肝臓の機能障害による女性ホルモン(エストロゲン)の増加が主な原因です。

内分泌系の疾患のほか、薬の副作用として現れるもの、突発性のものなど原因はさまざまですが、乳腺が発達すればするほど男性乳がんのリスクは上がります。

ほかにも、放射線の被曝(ひばく)によるもの、遺伝性のものもあると考えられています。例えば、親族内に乳がんを発症した女性が多い場合、男性であってもその遺伝子を受け継ぐ可能性が高いことがわかっていますので、乳がん家系の男性は注意が必要です。男性乳がんの発症者の約15~20パーセントは、乳がんの家族歴があるともいわれています。

男性乳がんが発生すると、多くのケースで片側の乳房の乳頭や乳輪下に硬く、移動しにくいしこりを認めます。男性は女性よりも胸部の皮下脂肪が少ないため、しこりが目立ちやすく、人によっては外側から見てもわかることがあります。

わきの下のリンパ節に転移している場合、わきの下にしこりを感じることもあります。

また、乳管の中に浸潤している場合、乳頭の変形や膨隆(ぼうりゅう)を認めることがあり、乳頭から血液混じりの分泌液があったり、皮膚の潰瘍(かいよう)を伴うこともあります。

男性であっても乳がんを発症する可能性があることを知り、乳頭や乳輪下のしこりに気付いたら、早めに内科、外科、乳腺外科を受診することが大切です。

男性乳がんの検査と診断と治療

内科、外科、乳腺外科の医師による診断では、問診を行って、合併症の有無や服薬の有無とその種類について聞きます。続いて、胸のしこりを確認するために触診やマンモグラフィー(乳房X線検査)、超音波(エコー)検査などを行い、最終的には穿刺(せんし)吸引細胞診、あるいは針生検(せいけん)をして確定します。

内科、外科、乳腺外科の医師による治療では、女性の乳がんと同様に手術を行います。手術方法としては乳房温存手術が行うこともありますが、多くは乳房すべてとともに、胸筋やリンパ節を切除します。

手術の後、抗がん剤治療や放射線治療はもちろん、ホルモン依存性の乳がんの場合は、女性ホルモン(エストロゲン)を作っている酵素であるアロマターゼの働きを妨げるアロマターゼ阻害剤による内分泌治療も行います。

男性乳がんが骨や肺、肝臓などの遠隔臓器に転移した場合は、がんの治癒を目指すのではなく、がんの進行を抑えたり症状を和らげることで日常生活の質(QOL)を保ちながら、より長くがんと共存するための治療を行います。

🇱🇨胆石症

胆石症とは、胆道内に胆汁の成分が固まって、結石ができる疾患です。

胆汁を生成するのは肝臓で、胆汁を濃縮して貯蔵する胆嚢(たんのう)から胆管を通して、十二指腸に分泌して腸の消化吸収を助け、不用な脂溶性の老廃物を体外に排出します。胆嚢と胆管を合わせて胆道といい、この胆道に胆汁中の成分が結晶となり、固体化し、やがて結石ができるのが胆石症で、胆嚢内にできたものを胆嚢胆石、 胆管にできたものを胆管胆石といいます。

胆石症の典型的な症状は、上腹部から右脇(わき)腹にかけて突然、激痛が襲う疝痛(せんつう)発作。疝痛とは腹部内臓の疾患に伴う症候で、痛みは背中や胸に広がることもあり、発作の多くは数分から数十分間隔で、波状的に襲ってきます。しかし、人によっては軽い上腹部痛だけのことも、まれではありません。

また、胆石がありますと、細菌の感染が起こりやすくなります。胆石の種類は主成分によってコレステロール系結石と、ビリルビン系結石に大きく分けられていますが、特にビリルビン系結石では細菌感染がその原因となっているので、炎症が加わって発熱を伴うことが少なくありません。

この場合、胆石胆嚢炎と呼ばれています。発熱も典型的な場合には、38℃以上の高い熱が突然現れ、全身に震えがくることがあります。しかし、微熱程度のこともまれではなく、腹痛を伴わない場合には、発熱の原因をはっきりさせることが困難な場合もあります。

胆管の結石では、細い胆管が結石によって閉塞(へいそく)されて、胆汁の流れが障害されるため、黄疸(おうだん)が出て皮膚などが黄色になります。

日本人の胆石保有率は、食生活の欧米化による脂肪の摂取量の増加とともに、年々増える傾向にあります。しかも、加齢とともに胆石を持っている人は増え、40~50歳代で4パーセント前後、70歳代では10~20パーセント、全人口の15~20パーセントの人に胆石があると、現在、推測されています。

ちなみに、胆石のうちコレステロール系結石が80パーセント、ビリルビン系結石が10パーセント前後の割合を示しており、コレステロール系結石の場合は1対2の割合で、男性より女性に多い傾向が見られます。

以前には、コレステロール系結石よりもビリルビン系結石が多く見られ、現在でも、高齢者や地方に住む人の結石はなお、ビリルビン結石が多いといわれています。

コレステロール系結石は、胆汁中のコレステロールが結晶になったものなので、肥満や過食、アンバランスな食生活、ホルモンや薬の作用、ストレスなどの生活習慣が影響しています。

胆汁中のコレステロールは通常、胆汁酸や、りん脂質(特にレシチン)など、ほかの胆汁成分が溶け込んだ状態で存在しており、固形状になっていません。しかしながら、胆汁中のコレステロールの量が異常に多くなると、その一部が結晶となり、それを核としてコレステロールが次々と凝集し、結石を作ります。胆汁中の胆汁酸やレシチンの割合が少なくなっても、全体のバランスが崩れて結石ができやすくなります。

ビリルビン系結石は、黄褐色や黒っぽい色の色素結石で、胆汁の成分であるビリルビン(胆汁色素)に細菌などが作用してできたものです。

胆汁中のビリルビンは通常、水に溶けやすい状態で存在しています。しかしながら、胆道などに細菌感染が起こると、細菌の持っている特殊な酵素によってビリルビンが水に溶けにくい状態となり、カルシウムなどと結合して結晶を作り、沈殿して、結石を作ります。

胆石症では、早期発見が重要となってきます。胆管にできた結石の場合、石が小さくても胆汁の流れを妨げるので、症状が出やすくなります。胆嚢にできた結石の場合、症状が出ないこともあります。胆石を大きくせずに疝痛発作を未然に防ぐには、早めに発見して、薬などの治療を受けることが大切です。

この点、健康診断では、肝臓の検査や超音波検査、CT検査で、胆石を見付けることができるので、年に一度は、生活習慣病予防健診を受けるように心掛けたいものです。

医師による胆石症の治療では、内科的な方法と胆嚢を切除する外科手術があります。

胆嚢内に1・5~2センチ以内で、数個程度のコレステロール系結石が存在しているような場合には、胆石溶解作用のあるウルソデオキシコール酸(胆汁酸成分の一つ)を服用していると、溶けて消失することもあります。ただし、6カ月から1年くらいの期間、服用しなければなりません。

胆嚢内に大きな胆石や、多数の胆石がある場合には、体の外から特殊な衝撃波を胆嚢に当て、胆石を小さく壊し、その後に胆石溶解薬を服用して治す方法もあります。

二つの方法は、コレステロール系結石には有効ですが、ビリルビン系結石の場合には効果は上がりにくく、外科手術が必要となります。最近では、開腹をしないで、腹腔(ふくくう)鏡下に胆嚢を切除する方法が、多くの病院で行われています。胆管結石もあまり大きくないものは、内視鏡とともに十二指腸から胆管に破砕管を挿入し、胆石を小さく壊して除去する方法も行われています。

胆石症は、生活習慣の改善によって予防することができます。以下の項目に気を付けることが、お勧めです。

○食べ過ぎ、飲み過ぎを避ける。

○食事は規則的にとる。

○ゆっくりと、よくかんで食べる。

○栄養のバランスに気を付ける。

○脂肪分を控える。

○食物繊維を十分にとる。

○精神的ストレスをためない。

○十分に休養をとる。

🇦🇷胆道がん

肝臓で作られた胆汁の流れる胆道に発生するがん

胆道がんとは、肝臓で作られた胆汁の流れる胆道に発生するがん。

胆道は、肝臓で作られた胆汁を胆囊(たんのう)内で濃縮し、胆管を通して、十二指腸乳頭から十二指腸内腔(ないくう)に排出します。発生部位別により、胆管がん(肝内胆管がん、肝外胆管がん)、胆囊がん、十二指腸乳頭がんに分けられます。

日本では、1年に約2万3000人が胆道がんを発症しています。世界的にみて日本は頻度が高く、胆管がんでは男性が多く、胆嚢がんは女性に多いことが知られています。胆道がんの死亡率は、年々増加しており、発生率は年齢に比例し高くなっています。

原因としては、胆石症、胆嚢炎などが挙げられます。特に、胆石症は胆嚢がんの危険因子であり、有症状者でのがんの発生は無症状者に比べて10倍。胆石が胆管胆嚢粘膜へ直接に、慢性的な刺激を与えてがん発生の母地を作ると考えられています。

近年では、膵(すい)胆管合流異常が危険因子として注目されています。本来は肝臓で作られる胆汁と、膵臓で作られる膵液は別々に十二指腸に流れますが、膵胆管合流異常では、先天的な異常で十二指腸に出る前に胆管と膵管が上方で合流しているために、膵液と胆汁が混ざり合い、膵酵素の活性化や変異原性物質を誘発するために、胆道がんが高頻度に発症します。

どの胆道がんも早期の段階では症状が出現することはありませんが、発生部位の関係で、胆嚢がんではかなり進行してからしか症状が出ないのが特徴。これは、胆嚢が胆管から少し離れていることが原因です。

胆石症や胆囊炎を合併していれば、右上腹部が痛んだり、発熱、吐き気があったりします。胆管がん、十二指腸乳頭がんでは、がんの成長に伴って胆汁の流れが妨げられ、比較的早くから黄疸(おうだん)が現れます。流れが妨げられた胆汁が胆管から血管に逆流するために、胆汁中のビリルビン(黄色いもと)が血液中に増加し、皮膚や目の結膜が黄色に変色するのが黄疸ですが、黄疸に伴って尿の色が褐色になったり、便の色が白くなったり、全身にかゆみが現れたりします。

胆囊がんでは、進行すると体重減少、食欲不振などの全身症状が現れるほか、右上腹部にしこりを触れ、さらには黄疸が現れてきます。しかし、これらの症状が出た時には、ほとんどが末期で手遅れの場合が少なくありません。

胆囊壁は胃や腸と異なり、薄い筋層がなく、厚い筋層だけであるために、がんは胆囊の外側に発育しやすく、進行したがんが多くなっているのです。

胆道がんの検査と診断と治療

胆道がんの早期発見には、症状がなくても検診の血液検査で肝機能異常や胆道系酵素の上昇、超音波検査での胆管の拡張や胆嚢壁が厚くなるなどの異常を指摘された場合は、精密検査のできる病院を受診し、速やかに2次検査を受けます。また、黄疸や濃くなった尿に気付いた際には、がん治療の専門病院を速やかに受診します。

受診した病院では、まず血液検査が行われます。これにより、黄疸の原因物質であるビリルビンが高値を示しています。同時に、胆道系酵素と呼ばれるアルカリフォスファターゼ(ALP)、ロイシンアミノペプチダーゼ(LAPL)、ガンマグルタミルトランスペプチーゼ(Υ−GPT)が上昇しているのが特徴です。胆道の閉塞(へいそく)に伴って、肝機能(GOT、GPT)も異常値を示すようになり、腫瘍(しゅよう)マーカーの一つであるCA19ー9も上昇します。

胆嚢がんでは、胆嚢の中にしこりがみられます。通常、胆嚢にみられるポリープは良性のものが多いのですが、15ミリよりも大きいものはがんの可能性があります。進行した胆嚢がんでは、がんが胆嚢全体に及び、隣接する胆管に浸潤して胆管の閉塞を起こすため、それより上流の胆管の拡張がみられます。胆嚢全体を満たすような結石がみられる場合には、がんの存在を見逃すことがあるので注意が必要です。

十二指腸乳頭がんでは、胆管と膵管の十二指腸への出口にできることから、超音波検査では胆管と膵管の拡張がみられるのが特徴です。しかし、相当な進行がんでなければ、超音波検査で腫瘍がみられることはほとんどありません。さらなる精密検査として、CT検査、MRI検査、ERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影)、血管造影が行われます。

黄疸の原因となる他の疾患として、急性肝炎、肝硬変、肝不全、胆管炎、胆管結石、急性胆嚢炎などがあります。

治療では、どの胆道がんも手術により取り除くのが最良の方法となります。胆管がんの手術は、部位により術式が異なります。肝臓の中にある肝内胆管にがんが及ぶ場合には、胆管とともに肝臓の一部も切除します。肝臓の外にある肝外胆管のみにがんがあって、膵臓にがんが及んでおらず、リンパ節にも転移がない場合には、胆管だけを切除します。膵臓の中にある膵内胆管にがんがある場合には、膵臓や胃、十二指腸などを一緒に摘出することになります。

胆嚢がんの早期がんであれば、腹腔鏡を使って胆嚢だけを取り出す手術ですむことがあります。進行がんの場合には、胆嚢とともに、そこに接している肝臓の一部や周囲のリンパ節も取り除くことになります。

十二指腸乳頭がんの非常に早期のがんであれば、内視鏡と電気メスを使って取り除くことができます。それ以外の場合には、膵臓とともに胆管、胆嚢、胃、十二指腸などを一緒に摘出することになります。

胆管がんや胆嚢がんの手術に際して、肝臓の多くを摘出しなければならない場合、手術前に切除する側の肝臓を栄養する血管である門脈をつぶして、残すほうの肝臓を大きくする経皮経肝門脈塞栓術(PTPE)という処置を行うこともあります。これにより、手術後の肝機能の低下を未然に防ぐことができます。

肝臓にいくつも転移があったりして手術が不可能な場合には、全身への抗がん剤投与や、肝動脈から直接抗がん剤を投与する肝動注療法を行います。現在よく使われる抗がん剤は、ジェムザール、ティーエスワンなどです。通常、ジェムザールは経静脈的に、ティーエスワンは内服で、それぞれ単剤で投与を行いますが、場合によってはジェムザールとティーエスワンを併用することもあります。

がんの進行が局所にとどまっている場合に、抗がん剤と併用して放射線療法を行うことがあります。骨転移による痛みの緩和の目的で行われることもあります。

胆道の閉塞がある場合、手術をするにしても、内科的に治療するにしても、まずは黄疸をとる処置が必要です。内視鏡的に閉塞した胆管にプラスチック製、ないし金属製のステントを留置し、黄疸の解消に努めます。

🟥東京都、新たに3万5339人のコロナ感染確認 1週間前より5067人減

 東京都は4日、都内で新たに10歳未満から100歳以上の3万5339人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

 1週間前の木曜日より5067人減り、前の週の同じ曜日を下回るのは2日ぶりです。3万人を上回るのは3日連続。また、4日までの7日間平均は3万2700人で、前の週の104・4%でした。

 新規感染者を年代別にみると、最多は20歳代の6613人で、40歳代の6328人、30歳代の6271人、50歳代の4681人と続きました。65歳以上は3474人。

 ワクチンの接種状況別では、2回接種済みが2万2713人、未接種は6249人でした。

 病床使用率は56・5%。また、都が緊急事態宣言の要請を判断する指標を30~40%としている重症者用病床使用率は31・0%に達しました。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日より4人増えて39人となっています。

 一方、都は、感染が確認された50歳代と、70歳代から90歳代の男女合わせて15人が死亡したことを発表しました。死者の発表は2日連続で10人を超えました。

 東京都の累計の感染者数は229万3812人となり、累計の死者数は4708人になりました。

 2022年8月4日(木)

2022/08/04

🟥新型コロナ国内感染、新たに23万8735人 過去2番目の多さ

 4日は午後6時30分の時点で、東京都で3万5339人、大阪府で2万2371人、愛知県で1万6005人、神奈川県で1万4007人、埼玉県で1万3821人、福岡県で1万3387人、千葉県で1万1040人、兵庫県で1万577人など全47都道府県と空港検疫で、新たに24万8735人の新型コロナウイルスへの感染が発表されました。

 1日当たりの新規感染者は3日の約24万9830人に次いで2番目の多さとなりました。新規感染者は、北海道、茨城、栃木、群馬、埼玉、石川、山梨、岡山、広島、高知、長崎の11道県で過去最多を更新しました。

 また、大阪府で15人、東京都で15人、北海道で12人、千葉県で10人、埼玉県で9人、愛知県で9人、福岡県で9人、熊本県で8人、静岡県で8人、神奈川県で7人、兵庫県で6人、鹿児島県で6人、岡山県で5人、沖縄県で4人、京都府で3人、和歌山県で3人、宮城県で3人、宮崎県で3人、広島県で3人、栃木県で3人、群馬県で3人、三重県で2人、佐賀県で2人、山口県で2人、岐阜県で2人、長崎県で2人、青森県で2人、富山県で1人、愛媛県で1人、茨城県で1人、香川県で1人、高知県で1人の、合わせて161人の死亡の発表がありました。

 国内で感染が確認された人は、空港検疫などを含め1363万4500人、クルーズ船の乗客・乗員が712人で、合わせて1363万5212人となっています。

 感染して亡くなった人は、国内で感染が確認された人が3万3180人、クルーズ船の乗船者が13人で、合わせて3万3193人です。

 厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、前日より38人増えて4日時点で516人となっています。重症者が500人を超えるのは約4カ月ぶりです。

 一方、症状が改善して退院した人などは、4日時点で、国内で感染が確認された人が1139万7919人、クルーズ船の乗客・乗員が659人の、合わせて1139万8578人となっています。

 大阪府は4日、新型コロナウイルスの新たな感染者を2万2371人確認したと発表しました。感染者数は前週同曜日(2万4288人)と比べ1917人減りました。府内の感染者の累計は144万9955人。

 新たに40~90歳代の男女15人の死亡が判明し、府内の累計死者数は5418人。

 4日時点の重症者は前日から2人増の65人で、重症病床(595床)の同日の実質使用率(重い持病などを抱える軽症・中等症患者らを含む)は22・5%になりました。軽症・中等症病床には2768人が入院しており、軽症・中等症病床(4216床)の使用率は65・7%となりました。

 新規感染者のうち、感染者と同居して症状があり、PCR検査を受けずに医師の診断で陽性と判断された濃厚接触者は812人でした。自宅療養者は16万3843人。公費によるPCR検査などを3万9725件実施しました。

 2022年8月4日(木)

🟥新型コロナ新規感染者、日本が2週連続で世界最多 全体の21%を占める

 世界保健機関(WHO)は、7月31日までの1週間の新型コロナウイルスの新規感染者数をまとめ、日本は137万9099人と、2週連続、世界で最も多くなりました。

 WHOは新型コロナウイルスの世界全体の状況を取りまとめていて、3日、新たな報告書を発表しました。

 それによりますと、7月25日から31日までの1週間の新規感染者数は世界全体で656万5679人と、前の週より9パーセント減少しました。

 一方、日本は137万9099人と、前の週と比べて42パーセント増え、2週連続世界で最も多くなり、世界全体の新規感染者数の21%を占めました。

 日本に次いで多いのが、アメリカで92万3366人、韓国が56万4437人、ドイツが45万人などとなっています。

 WHOは、世界各地で調査方針が変更され、検査数も減少していることから、実際の感染者数はさらに多い可能性もあるとしています。

 累計感染者数の42%を占める世界最多のWHOヨーロッパ地域事務局管内(旧ソ連諸国やトルコを含む)では、行動制限の撤廃に伴い、出入国時に課されていたウイルス検査が行われなくなっている国が多くなっています。WHOは検査に伴うウイルスの遺伝子解析数が減ることで、変異型ウイルスが出現した際に速やかに察知できない可能性が高まっているとして、懸念を示しています。

 2022年8月4日(木)

🟥北朝鮮、6日連続で発熱者ゼロ 韓国、3日連続で新規コロナ感染者10万人以上

 北朝鮮の朝鮮中央通信は4日、3日午後6時までの24時間に新型コロナウイルスの感染者とみられる新たな発熱者は確認されなかったと報じました。新たな発熱者がいなかったと報じるのは6日連続。同通信は7月30日、1日の発熱者が初めてゼロになったと伝えていました。

 北朝鮮は5月12日に新型コロナの発生を認めました。同通信によると、4月末からの発熱者の累計は477万2813人で、このうち約477万2739人が完治したといいます。治療中の患者数には言及しておらず、患者はいないと推定されます。

 北朝鮮は、新型コロナ感染が「終息段階」に入ったと評価する一方、新型コロナ変異型やサル痘、水系感染症などさまざまな感染症が広がる可能性に神経をとがらせている様子です。

 同通信は「現在の防疫状況をより強固にし、新たな感染症の発生を徹底して防ぐための活動が全国的により積極化されている中、全般的な防疫事業に対する強い掌握力と指揮・統制力が一貫して維持されている」と報じました。

 一方、韓国の中央防疫対策本部によると、4日0時基準で新型コロナウイルス感染者は10万7894人増えて累積2016万154人になりました。

 前日(11万9922人)より1万2028人減ったものの、2日(11万1770人)から3日連続で10万人以上を維持。1週間前である7月28日(8万8361人)の1・22倍、2週間前である7月21日(7万1142人)の1・52倍です。7月は前週比で約2倍増加する状況が続いたものの、先週半ばからは増加ペースがやや鈍化しています。

 この日、新規感染者の中で海外流入事例は435人で4日連続で400人以上と高い水準を維持しています。海外流入事例を除いた国内地域感染事例は10万7459人。

 この日、重症・重篤患者数は310人で前日(284人)より26人増え、去る5月18日(313人)以降78日ぶりに300人台に上りました。1週間前である7月28日(196人)の1・58倍、2週間前である7月21日(107人)に比べては2・90倍です。

 国家感染病気危機対応諮問委員である嘉泉(カチョン)大学医学部予防医学科のチョン・ジェフン教授は今回の再流行の頂点が今週や来週の間に通過し、重症・重篤患者発生頂点は8月中旬ごろ300~400人で形成されると予想しました。

 新型コロナ死亡者は34人で前日(26人)より8人増えました。年齢帯別にみると、80歳以上が18人で、70歳代6人、60歳代5人、50歳代3人、40歳代と30歳代それぞれ1人。累積死亡者は2万5144人、累積致命率は0・13%です。

 2022年8月4日(木)

🟥COP30、合意文書採択し閉幕 脱化石燃料の工程表は見送り

 ブラジル北部ベレンで開かれた国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)は22日、温室効果ガス排出削減の加速を促す新たな対策などを盛り込んだ合意文書を採択し、閉幕した。争点となっていた「化石燃料からの脱却」の実現に向けたロードマップ(工程表)策定に関する直接的な記述...