2022/08/19

🇰🇼二分脊椎

先天的に脊椎骨が形成不全となって起きる神経管閉鎖障害

二分脊椎(にぶんせきつい)とは、先天的に脊椎骨(椎骨)が形成不全となって起きる神経管閉鎖障害の一つ。脊椎披裂とも呼ばれます。

日本国内での発症率は、1万人に5人から6人と見なされています。

母胎内で、脳や脊髄などの中枢神経系のもとになる神経管が作られる妊娠の4~5週ごろに、何らかの理由で神経管の下部に閉鎖障害が発生した場合に、脊椎骨が形成不全を起こします。

人間の脊椎は7個の頸椎(けいつい)、12個の胸椎、5個の腰椎、仙骨、尾骨で成り立っています。脊椎を構成している一つひとつの骨である脊椎骨は、椎間板の付いている前方部分の椎体と、椎間関節の付いている後方部分の椎弓の2つからなっています。本来、後方部分の椎弓は発育の途中に左右から癒合しますが、完全に癒合せず左右に開いて分裂しているものが、二分脊椎に相当します。

神経組織である脊髄や脊髄膜が、分裂している椎弓からはみ出し、皮膚が腫瘤(しゅりゅう)、すなわちこぶのように突き出します。これを嚢胞(のうほう)性(開放性)二分脊椎といいます。

逆に、椎弓が分裂している部位がへこんでいることもあります。これを潜在性二分脊椎といいます。

二分脊椎は、仙骨、腰椎に多く発生し、胸椎、頸椎に発生することはまれです。

二分脊椎の発生には、複数の病因の関与が推定されます。環境要因としては、胎生早期におけるビタミンB群の一種である葉酸欠乏、ビタミンA過剰摂取、抗てんかん薬の服用、喫煙、放射線被爆(ひばく)、遺伝要因としては、人種、葉酸を代謝する酵素の遺伝子多型が知られています。

出生した新生児に嚢胞性二分脊椎が発生している場合、二分脊椎の発生部位から下の神経がまひして、両下肢の歩行障害や運動障害、感覚低下が起こるほか、膀胱(ぼうこう)や直腸などを動かす筋肉がまひして排尿・排便障害、性機能障害が起こることもあります。脊椎骨の奇形の程度が強く位置が高いほど、多彩な神経症状を示し、障害が重くなります。

多くは、脳脊髄液による脳の圧迫が脳機能に影響を与える水頭症(すいとうしょう)を合併しているほか、脳の奇形の一種であるキアリ奇形、嚥下(えんげ)障害、脊椎側湾、脊椎後湾、脊髄空洞症を合併することもあります。

出生した新生児に潜在性二分脊椎が発生している場合、無症状のケースと、脊髄神経の異常を伴っていて、幼児期はあまり症状がみられないものの、学童期や思春期になると下肢痛やしびれ感、排尿・排便障害などの症状を示すケースがあります。後者の場合、しばしば脊髄稽留(けいりゅう)症候群、神経腸嚢胞、脂肪腫、皮膚洞、類皮腫、割髄症などの合併がみられます。水頭症、キアリ奇形などの合併は、非常にまれです。

嚢胞性二分脊椎の治療には、脳神経外科、小児外科、小児科、リハビリテーション科、整形外科、泌尿器科を含む包括的診療チームによる生涯にわたる治療が必要ですので、このような体制の整った病院を受診するとよいでしょう。

二分脊椎の検査と診断と治療

脳神経外科、小児外科の医師による診断では、嚢胞性二分脊椎の場合、妊娠4カ月以降の超音波診断や羊水検査でわかることが多く、遅くとも出生時には腰背部の腫瘤により病変は容易に明らかになります。脊椎部と頭部のCT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴画像撮影)検査などの画像検査を行い、嚢胞の中の脊髄神経の有無、水頭症の有無を確認します。

また、自・他動運動検査、肢位、変形、感覚などの検査を行い、どの脊髄レベルまでが正常であるかを調べます。

潜在性二分脊椎の場合は、椎弓が分裂している部位の皮膚のへこみや色素沈着、多毛などの皮膚病変、あるいは皮膚のすぐ下に脂肪組織が蓄積して発生する脂肪腫の存在が発見の切っ掛けになりますが、気付くのが遅れることもよくあります。

脳神経外科、小児外科の医師による治療では、嚢胞性二分脊椎の場合、生後2、3日以内に背中に露出した形になっている脊髄や脊髄膜を感染から守るために、皮膚と脊髄神経を分離し、皮膚を縫合する閉鎖手術を行います。

仙骨、腰椎、胸椎、頸椎などの奇形が発生した部位により、症状には重度から軽度まで個人差はありますが、下肢障害に対しては車いす、補装具などによる装具療法、理学療法、整形外科的手術による対処を行い、排尿・排便障害に対しては導尿、浣腸(かんちょう)、摘便(洗腸)、下剤、機能訓練による対処を行います。重症例では呼吸障害、嚥下障害による栄養障害への対処、知的障害への療育を行います。

潜在性二分脊椎の場合、出生時に症状が出ることはないので、治療の対象にはなりません。時に脊髄神経の異常を伴っていることがあるので、経過だけは観察し、ある程度成長した時点でX線(レントゲン)検査、MRI検査などを行い、脊髄神経の状態を調べます。無処置でよいケースもありますが、脂肪腫の切除、脊髄稽留の解除、皮膚洞の切除などの手術が必要なケースもあります。

🇮🇶二分頭蓋

先天的な発育不全により、頭蓋骨半球、大脳半球が形成不全を起こす奇形症

二分頭蓋(にぶんとうがい)とは、母胎内で、脳や脊髄(せきずい)などの中枢神経系のもとになる神経管が作られる過程で、神経管の上部に閉鎖障害が発生し、頭蓋骨半球、大脳半球が形成不全を起こす奇形症。頭蓋閉鎖不全症とも呼ばれます。

二分頭蓋は、開放性二分頭蓋と潜在性二分頭蓋に分類されます。

開放性二分頭蓋は胎児の頭蓋骨半球、大脳半球の欠如を伴う奇形症

開放性二分頭蓋は、脳の先天的な発育不全により、頭蓋骨半球、大脳半球、小脳の欠如を伴う奇形症。無脳症、無頭蓋症、外脳症とも呼ばれます。

人間の脳は、脊髄の先端が膨らんで発達してきたものです。脊髄の上には、延髄、中脳、間脳があり、その上には両側に大脳半球が存在しています。延髄の後方には小脳があり、後頭部に位置しています。

脊髄や脳は、胎児の神経管から形成されます。開放性二分頭蓋の症状が現れた胎児は、妊娠4週間程度までの超初期の段階で、神経管前部の閉鎖不全などが起こって神経管の発達が阻害されることで、後々の脊髄や脳の成長が妨げられます。妊娠4カ月ころまでは脳のある程度の発育がみられるものの、妊娠5カ月ころから一度は形成されたはずの大脳、小脳のほか、生命の維持に重要な役割を果たす延髄などの脳幹が突然退化したり、発育が止まったります。

原因については、詳しく解明されていません。人種によって発現の頻度に差があるため遺伝的な要因が関係すると考えられているほか、妊娠初期における母体の栄養摂取の不足との因果関係も指摘され、飲酒や喫煙、薬剤、放射能被曝(ひばく)、ダイオキシなどが関与しているとも考えられています。

発現の頻度は、国によって異なり、アメリカでは出産1000人当たり1人程度。日本では1970年代から1980年代前半には出産10000人当たり10人程度であったものが、近年は出産10000人当たり1人程度に減少傾向を示しています。その理由として、胎児の超音波検査などの進歩に伴って出生前に診断される機会が増え、出産に至らないケースが増えてきている可能性が指摘されています。

人工的に出産を誘発する措置が行われない場合、開放性二分頭蓋の症状が現れた胎児が母胎内で死亡して流産となるケースは少なく、出産の時までは生命を維持します。しかし、脳幹も欠損して死産となる確率が約75パーセントで、残る新生児も出生直後に死亡し、ある程度脳が残存している場合は生後数日間生存します。

部分的に大脳皮質が形成されて機能し脳波が測定される場合は、生後1週間~2週間程度生存するものの、まれです。海外では、奇跡的に1年以上生存しているケースもありますが、日本では、そのようなケースはありません。

開放性二分頭蓋の新生児では、頭で帽子をかぶる部分に相当する頭蓋骨や頭頂部が大きく欠如し、大脳半球は通常欠如して全くないか、小さな塊に縮小しているため、頭蓋の基底面が露出するとともに、基底面に付着するように変性し、表面が薄い皮膜で覆われた脳の一部が露出しています。

顔貌(がんぼう)は特徴的で、前から見ると蛙(かえる)状です。そのほか、眼球の突出や欠如、口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)を合併していることもあります。

延髄の下半分が存在していれば、嚥下(えんげ)や啼泣(ていきゅう)がみられ、音刺激、痛覚に反応を示します。正常な幼児が特有の刺激に応えて示す原始反射は、存在しており、腱(けん)反射は高進しています。

開放性二分頭蓋の胎児を身ごもった妊婦に関しては、妊娠中期までは母体に自覚症状があることはほとんどありませんが、妊娠後期に入ると羊水過多になる傾向があります。これは開放性二分頭蓋により脳幹にまで障害があり、嚥下運動ができなくなるためといわれています。

羊水は胎児にとって絶対に必要なものですが、多すぎると母体への負担が多くなります。ひどい場合は、腹が異常に膨らみ、呼吸器が圧迫されて呼吸困難にるケースもあります。妊娠後期の羊水過多症は早産の原因にもなるため、母体への負担を考えて、多くの場合で人工的に出産を誘発する措置が行われます。

潜在性二分頭蓋は頭蓋骨の欠損部から頭蓋内容物の一部が飛び出す奇形症

潜在性二分頭蓋は、頭蓋骨と硬膜の欠損があり、そこから頭蓋内容物の一部が脱出する奇形症。脳瘤(のうりゅう)とも呼ばれます。

先天性の脳奇形の一つで、新生児1万人に1人程度発生しています。原因は、胎児における遺伝子異常や、妊婦におけるビタミンB群の一種である葉酸欠乏が考えられています。

母胎内で、脳や脊髄などの中枢神経系のもとになる神経管が妊娠の4~5週ごろに作られ、その神経管が閉鎖した後に、脳組織の周囲にあって、頭蓋骨の一部を作る間葉(かんよう)組織の形成不全によって、頭を形作る骨格である頭蓋骨と、脳を取り巻く髄膜の1つである硬膜に欠損が生じ、頭蓋内容物の一部が頭蓋外へ脱出します。

脱出した頭蓋内容物には、脳組織が含まれている髄膜脳瘤や、脳組織が含まれず髄膜や脳脊髄液のみの髄膜瘤、髄膜と脳脊髄液と脳室が含まれる脳嚢(のうのう)瘤などがあります。小さな髄膜脳瘤などは、頭血腫という分娩(ぶんべん)の際に胎児の頭が強く圧迫されるために、頭蓋骨と髄膜との間に生じる血液の塊に類似しているものの、その基部に頭蓋骨の欠損が認められる点で異なります。

潜在性二分頭蓋の約9割は頭蓋円蓋部に発生し、残り約1割は頭蓋底部に発生します。通常、正中部に発生し、後頭部と鼻腔(びこう)を結ぶ線に沿うあらゆる部位から、頭蓋内容物の一部が脱出しますが、後頭部にできるケースがほとんどです。極めてまれに、前頭部または頭頂部に非対称的にみられることもあります。

頭蓋円蓋部や鼻腔前頭部に発生する潜在性二分頭蓋は外表上で認められやすく、鼻腔や副鼻腔内に発生する潜在性二分頭蓋は外表上では認められません。

まれに、後頭と頸椎(けいつい)の移行部に潜在性二分頭蓋が発生して、頸椎椎弓が欠損し、後頭部と背部が癒合して頸部が背側に過伸展する後頭孔脳脱出や、脳幹や小脳が脱出するキアリ奇形Ⅲ型を示すことがあります。

後頭部に発生する髄膜脳瘤では、小脳虫部欠損(ダンディー・ウォーカー症候群)や、ほかの脳形成異常を合併しやすく、脳組織の一部が頭蓋外へ脱出するため、約3割に頭蓋骨が先天的に小さく変形を伴う小頭症を合併します。脳形成異常、脳組織の大きな脱出、小頭症などは、発達や知能面での予後不良の誘因になります。

後頭孔脳脱出やキアリ奇形Ⅲ型の生命予後は、不良です。頭蓋底部に発生した潜在性二分頭蓋では、閉塞(へいそく)性の呼吸障害、脊髄液漏による反復性の髄膜炎などを示します。

潜在性二分頭蓋の位置、大きさよって、現れる症状はさまざまですが、重篤な奇形を合併していることが多く、過半数が自然流産するか、人工妊娠中絶を受けるかしており、仮に出生しても24時間以内に死亡します。

妊婦の超音波(エコー)検査やMRI(磁気共鳴画像撮影)検査で、胎児の潜在性二分頭蓋の診断がつくことがあり、髄膜脳瘤や髄膜瘤、脳嚢瘤などの位置、大きさによっては、出産後の手術による修復が可能なこともあります。

しかし、脳神経外科、小児外科、小児科、リハビリテーション科、整形外科、泌尿器科を含む包括的診療チームによる治療が必要ですので、このような体制の整った病院を受診するとよいでしょう。

出生前診断で発見された場合には、産道通過の際に胎児の髄膜脳瘤などが破れるのを予防する目的で、帝王切開を行う場合もあります。

二分頭蓋の検査と診断と治療

開放性二分頭蓋の検査と診断と治療

産科、産婦人科の医師による開放性二分頭蓋の診断は通常、分娩の前に超音波断層法を用いて行われます。胎児の超音波検査により、妊娠4カ月以降であれば、出生前診断が可能となります。また、羊水または母体の血清から血清蛋白(たんぱく)α-フェトプロテインが検出されます。

胎児が開放性二分頭蓋と確定した場合、多くはその時点で妊娠を継続するかどうかを選択することになります。その致死性の高さから、人工中絶を選択する妊婦が多く、出産まで進むケースはごくまれな状況となっています。

産科、産婦人科の医師による治療に関しては、残念ながら開放性二分頭蓋の胎児を母体の中で治療する方法はなく、自然治癒したケースもありません。

予防に関しては、原因に多因性があることと、遺伝子研究がその段階に至っていないことから、確実なものは発見されていません。

日本では、ビタミンB群の一種である葉酸が遺伝子の合成や細胞分裂に不可欠で、その摂取が開放性二分頭蓋や二分脊椎などの神経管閉鎖障害という先天性異常になるリスクを低減するとして、厚生労働省が2000年に、妊娠を希望している女性に対して、1日当たり0・4ミリグラム以上の摂取を推奨しています。ホウレン草などの緑黄色野菜、果物、レバー、卵黄、胚芽(はいが)、牛乳などに多く含まれる葉酸は、水溶性ビタミンで熱に弱く5割が調理でなくなってしまうので、サプリメントなどから摂取するのが効率的です。

潜在性二分頭蓋の検査と診断と治療

産科、産婦人科の医師による潜在性二分頭蓋の診断では、妊婦の超音波(エコー)検査やMRI(磁気共鳴画像撮影)検査で、診断がつくことがあります。

胎児が潜在性二分頭蓋と確定した場合、多くはその時点で妊娠を継続するかどうかを選択することになります。その致死性の高さから、人工妊娠中絶を選択する妊婦が多く、出産まで進むケースはまれな状況となっています。

脳神経外科、脳外科の医師による潜在性二分頭蓋の治療では、髄膜脳瘤や髄膜瘤、脳嚢瘤などが破れて細菌感染を来したり、脳出血やくも膜下出血を生じるのを防ぐために、手術で修復します。髄膜脳瘤などを脳血管から切り離すか、髄膜脳瘤などの中にコイルを詰めて大きくなるのを抑えます。

🇮🇶二分裂乳頭

乳輪の中にある乳頭が2つに分裂している状態

二分裂乳頭とは、乳房の先にある乳頭が生まれ付き2つに分裂している状態を指す症状。分裂乳頭、分裂乳首とも呼ばれます。

乳輪の内部に、乳頭が2つ並んでおり、2つがほぼ同じくらいの大きさの場合や、大きさがかなり異なる場合、2つともあるいは1つが通常の乳頭より大きすぎる場合、両側の乳房ともに乳頭が2つ並んでいる場合、片側の乳房だけに乳頭が2つ並んでいる場合など、症状はさまざまです。

生まれ付きのものがほとんどで、発生段階での個体差によるものと考えられていますが、二分裂乳頭になる理由はよくわかっていません。

また、一部は神経線維腫症Ⅰ型(レックリングハウゼン病)という特定の疾患に合併して起こることが知られていますが、極めてまれです。

しかし、女性には比較的多くみられる症状なので、特別珍しいということはなく、奇形でもありません。

見た目が気になるという問題と、授乳という機能的な問題が存在します。子供ができて実際に授乳を試みると、その形状や大きさのせいで乳児が乳頭をうまくくわえられないために、母乳育児を断念するということも少なくありません。

乳頭の分裂症状が明らかで目立つために、変形した乳頭を普通くらいの形状、大きさにして、授乳の際の支障を解消したいと望むのであれば、乳腺(にゅうせん)外科、形成外科、あるいは美容整形外科を受診し、手術によって整えることを考えてみてもよいのではないかと思われます。

二分裂乳頭の検査と診断と治療

乳腺外科、形成外科、美容整形外科の医師による診断では、二分裂乳頭は見た目にも明らかになることが多いので、視診、触診で判断します。

乳腺外科、形成外科、美容整形外科の医師による治療では、乳頭の一部を切除して、二分裂した乳頭を1つに縫合して一体化し、通常の乳頭の形状にする手術を行います。左右両側の場合でも、左右どちらかの場合でも問題なく手術でき、左右の乳頭のバランスを見ながらデザインして、乳頭を形成します。

乳管をできるだけ温存し、なおかつ見栄えよく通常の乳頭に近い形状に整えることが理想的ですが、場合によっては乳管を温存できない、または一部分しか温存できないこともあります。また、完全に真ん丸な形の乳頭にすることが難しく、ややいびつさが残ることもあります。

乳管がある程度温存できていて、そこそこ丸みのある乳頭に整えることができれば、授乳が可能です。それらの条件を満たせない場合には、授乳が困難になる可能性があります。

乳頭が二分裂しているだけでなく、大きさが気になっている場合、二分裂乳頭の修正手術と同時に、乳頭の大きさを縮小するデザインで手術することもできます。

乳頭が二分裂しているだけでなく、乳頭や乳輪の黒ずみが気になっている場合、色を薄くするデザインで手術することもできます。黒ずみの原因はメラニン色素の沈着によるものなので、トレチノインやハイドロキノンなどの軟こう薬でメラニン色素を脱色して、色を薄くします。乳頭縮小手術の前に脱色することもできますし、乳頭縮小手術の後に脱色することもできます。

🇯🇵日本紅斑熱

日本紅斑熱リケッチアを保有するマダニに刺されることによって、引き起こされる感染症

日本紅斑熱(こうはんねつ)とは、細菌の一種である日本紅斑熱リケッチア(リケッチア・ジャポニカ)を保有するマダニ類に刺されることによって、引き起こされる感染症。

森林や野山に入り、この日本紅斑熱リケッチアを持ったキチマダニ、フタトゲチマダニ、ヤマアラシチマダニ、ヤマトマダニなどのマダニ類に刺されることによって、日本紅斑熱に感染します。感染時の行動は、農作業や森林作業のほか、山登り、散歩などさまざまで、住居の周りで感染したと考えられるケースもあります。

1984年に徳島県で発見された新興感染症で、高熱と紅斑を伴う疾患が3例続いて発生し、その症状と刺し口などから当初はダニ類のツツガムシが媒介するツツガムシ病が疑われましたが、ワイル・フェリックス反応と呼ばれる患者の血清中に生じる抗体を利用した検査法を用いて鑑別した結果、これまでに知られていない紅斑熱群に分類されるリケッチアによる感染症であることが明らかになり、日本紅斑熱と名付けられました。

1986年に病原体が分離され、日本紅斑熱リケッチアと名付けられました。1999年には、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の制定に伴って、日本紅斑熱は四類感染症に指定されました。2012年の春には、治療薬の保険適用が認められました。

1984年の発見以降、西日本の太平洋沿岸を中心に温暖な地域で発生がみられていたものの、近年では日本海側や東北地方にも発生が広がり、全国32都府県で患者が報告されています。患者の届け出は、1994年までは年間10〜20名程度で推移し、1995年以降は年間40〜60名程度に増加し、2007年には98名、2011年には過去最高の178名を記録したほか、2011年までに5名の死亡例があります。

発生時期をみると、1998年以前は7~9月をピークに4~11月の間に発生がみられ、夏を中心に発生するといわれていました。しかし、1999 年以降は4月~10月に継続して多くの発生がみられ、さらに3月、11月、12月にも発生がみられています。

一般に森林性のマダニ類は、その一生を通じて1〜3回のみ、シカや野ネズミなどの哺乳(ほにゅう)類や鳥類などの温血動物から吸血を行い、その栄養を元にして、幼虫から若虫への脱皮、若虫から成虫への脱皮、交尾と産卵を行います。この吸血の際に、日本紅斑熱リケッチアを保有するダニ類から吸血された動物に伝達されます。その一方で、吸血された動物が日本紅斑熱リケッチアを保有している場合に、保有していないダニ類が吸血すると日本紅斑熱リケッチアに感染し、ダニが有毒化します。加えて、紅斑熱群に分類されるリケッチアは、親ダニから卵への経卵感染(垂直感染)も起こすことが知られており、生まれながらにして有毒なダニも存在しています。

日本紅斑熱リケッチアを保有するマダニ類が吸血のため人を刺すと、体内にリケッチアが侵入して感染します。人から人には感染しません。

2~8日の潜伏期間を経て、頭痛、全身倦怠(けんたい)感、39~40度以上の高熱、悪寒、関節痛、筋肉痛などを伴って発症します。高熱の後にやや遅れてて、米粒大から小豆大の紅斑が四肢や手のひら、顔面に現れ全身に広がります。この紅斑に、痛みやかゆみはありません。リンパ節腫脹(しゅちょう)はあまりみられません。

注意深く全身を探すと、腹部か背部、外陰部、大腿(だいたい)部など隠れた部分の皮膚に、ダニ類の刺し口が見付かり、通常は1〜2週間ほどの期間見られます。しかし、刺し口が小さい場合には、数日で消えたり、頭部など体毛で覆われた部分を刺された場合には、刺し口が見付けづらいこともあります。

重症例で治療が遅れると、全身の血管内で血液が固まってしまう播種(はしゅ)性血管内凝固症候群(DIC)や、多臓器不全が引き起こされ、死亡することもあります。

なお、日本紅斑熱は日本特有の疾患ですが、同様の紅斑熱群リケッチア症は広く世界に分布しており、輸入感染症としても重要です。代表的な紅斑熱群リケッチア症は、北米大陸にみられるロッキー山紅斑熱、ユーラシア大陸にみられるシベリアマダニチフスやボタン熱、地中海沿岸にみられる地中海紅斑熱、オーストラリアにみられるクインズランドダニチフスなど。

野外での作業、レジャーなどから帰って数日から8日前後で、発熱、発疹などが認められた場合には、できるだけ早い時期に内科、感染症内科、皮膚科を受診して、日本紅斑熱あるいはツツガムシ病に感染した可能性があることを告げ、検査、治療を受けて下さい。

日本紅斑熱の検査と診断と治療

内科、感染症内科、皮膚科の医師による診断では、一般検査で、細菌などに感染すると血液中で一気に増えるCRP(C反応性タンパク)強陽性、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)およびALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)などの肝酵素の上昇、白血球や血小板の減少がほとんどの例にみられます。

確定診断は、主に間接蛍光抗体法または間接免疫ペルオキシダーゼ法という方法によって、日本紅斑熱リケッチアに対する血清抗体価の4倍以上の上昇、またはIgM(免疫グロブリンM)抗体の有意の上昇を測定することで行われます。PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法などによって、日本紅斑熱リケッチアの遺伝子の検出も行うこともあります。

検査所見はツツガムシ病のものと類似するため、鑑別が必要となります。ツツガムシ病との鑑別は難しいものの、一般にツツガムシ病ではリンパ節腫脹がしばしば見られることや、ツツガムシ病では発疹が四肢よりも体幹部に多く見られること、ツツガムシ病のほうが刺し口の中心部の黒色痂皮(かひ)部(かさぶた)がしばしば1センチメートル以上と大きい傾向があることなどの点で、違いが現れることがあります。

内科、感染症内科、皮膚科の医師による治療では、症状から日本紅斑熱が疑われたら、早期にテトラサイクリン系の抗菌薬(抗生物質)を点滴静脈内注射か内服で投与することが最も有効です。テトラサイクリン系とニューキノロン系の2種類の抗菌薬の併用投与も行われています。

細胞壁がペプチドグリカンを持たないというリケッチアの生物学的特性のため、ペニシリンを始めとするβ—ラクタム系抗菌薬は無効です。

日本紅斑熱の予防ワクチンはないため、キチマダニ、フタトゲチマダニなどのダニ類に刺されないことが、唯一の感染予防法です。

そのポイントは、森林作業や農作業、レジャーなどで、草むらややぶなどダニ類が多く生息する場所に入る時は、肌をできるだけ出さないように、長袖(ながそで)、長ズボン、手袋、足を完全に覆う靴などを着用することです。また、肌が出る部分には、人用の防虫スプレーを噴霧し、地面に直接寝転んだり、腰を下ろしたりしないように、敷物を敷きます。森林や野山などから帰宅後は衣類を家の外で脱ぎ、すぐに入浴し体をよく洗って、新しい服に着替えます。

万が一マダニ類に刺され、吸着された時は、つぶしたり無理に引き抜こうとせず、入浴して体をよく洗って注意深く取り除くか、医療機関で処理してもらうことです。

🇯🇵日本住血吸虫症

日本住血吸虫が感染して引き起こされる寄生虫病

日本住血吸虫症とは、吸盤を持った日本住血吸虫が門脈という血管の中に生息することによって、引き起こされる寄生虫病。

この日本住血吸虫という名前は、日本での研究が盛んだっことに由来していて、世界で唯一住血吸虫を撲滅した国でもあります。かつては甲府盆地、利根川流域、広島県片山地方、九州の筑後川流域などが流行地として知られていましたが、1978年以来新しい発症者は出ておらず、すでに絶滅したと考えられています。しかし、中国やフィリピン、インドネシアなどの東南アジアでは、いまだ多くの発症者が出ています。

また、日本住血吸虫症を含む住血吸虫症になると、世界中で2億人が発症していると推定され、マラリアやフィラリアとともに世界の3大寄生虫病の1つとされています。

日本住血吸虫の成虫は、オスが1.2〜2.0センチ、メスが 1.5〜3.0センチの体長で、細長く、人間などの寄生する動物、すなわち宿主(しゅくしゅ)の小腸から肝臓へつながる静脈血管である門脈の中に生息して、 宿主の赤血球を食べています。 成虫の寿命は通常3~5年ですが、まれには30年の長きに渡ることもあります。

日本住血吸虫は一生のうち、何度も姿を変えます。成虫が寄生している門脈で産み落とされた虫卵は、糞便(ふんべん)とともに水中に流出すると、虫卵の中でミラシジウムが活発に動き、卵のからを破って水中に泳ぎ出します。ミラシジウムは中間宿主で、湖沼や低湿地に生息する巻貝の一種、ミヤイリガイの皮膚から侵入し、その体内で成長します。中間宿主とは普通、寄生虫の幼虫を宿す宿主で、この体内で寄生虫は無性生殖を行います。中間宿主がないと、寄生虫は生きていくことができません。

長さ5ミリほどのミヤイリガイに侵入したミラシジウムは、スポロシストという姿になり、貝の中で2世代を過ごします。2世代目のスポロシストは、セルカリアという姿に成熟します。セルカリアは2つに枝分かれした尾を持ち、貝から水中に出て泳ぎ回り、終宿主である人間などの動物が水中に入ってくると、蛋白(たんぱく)質を溶かす酵素を使って皮膚を溶かしながら体内に侵入します。終宿主とは普通、寄生虫の成虫を宿す宿主で、この体内で寄生虫は有性生殖を行います。

皮膚から侵入する時に尾を切り捨て、セルカリアは血液に乗って体内を移動します。心臓から肺に行き、それから再び心臓に戻り、大循環によって門脈に達した後、そこで成虫になるまで過ごします。セルカリアが人に侵入してから成虫になるまで、およそ40日ほどかかります。

成虫は門脈系の細い血管に行き、そこで産卵を行います。産卵された虫卵は、体内のさまざまな部位に運ばれます。腸管内に運ばれたものは、糞便と一緒に体外に排出されます。また、肝臓や脳に運ばれるものもあります。

日本住血吸虫症の症状としては、まずセルカリアが皮膚より侵入した時に、かゆみのある皮膚炎を起こします。侵入から5~10週の間、セルカリアが体内を移行することによって、せき、発熱、ぜんそく様発作、リンパ腺(せん)炎などが起こり、時に肝臓や脾(ひ)臓がはれることもあります。

侵入後10~12週で、虫体が成熟して産卵が始まると、発熱、腹痛、下痢などの症状が現れます。虫卵が肝臓に流入した場合には、虫卵が血管を詰まらせて炎症を起こし、最終的に肝硬変になることもあります。肝硬変になると、腹水がたまり、腹部がはれてきます。多くの虫卵が血管を通って脳に流入した場合には、てんかん様発作、頭痛、運動まひ、視力障害などのさまざまな症状が現れます。

日本住血吸虫症で一番恐ろしいのは、肝臓や脳に対する症状で、悪化すると死に至ることも少なくありません。

日本住血吸虫症の検査と診断と治療

医師による確定診断は、肝生検あるいは直腸粘膜の生検によって、組織中に虫卵を確認することによってなされます。現在の日本の発症者の多くは、過去に感染していてもすでに炎症は消退し、古くなった虫卵は石灰化しています。超音波検査やCTでは、肝臓の表面は特徴的な亀甲(きっこう)状あるいは網目状の肝硬変像を示し、石灰化した虫卵と線維化がみられます。

治療においては、駆虫剤のプラジカンテルの内服が有効ですが、副作用があるので注意します。過去に感染している場合には、肝硬変や肝細胞がんの合併があり得るので、画像診断による経過観察が行われます。

予防法としては、セルカリアのいる水に接触することにより感染が成立するので、汚染された水に直接触れないことに尽きます。しかし、日本住血吸虫が撲滅されていない外国で漁業や農業をする人は、水に直接触れることを避けられないので、予防は大変困難です。

日本住血吸虫症を根本的に撲滅するためには、中間宿主であるミヤイリガイの数を減らす必要があります。日本では、さまざまな殺貝剤をまいたり、水路をコンクリートに変え、ミヤイリガイが繁殖しにくいような環境にすることによって、撲滅に成功しました。汚染地域が比較的限られていた日本と異なり、外国では汚染地域が広大であり、ミヤイリガイの撲滅は簡単ではありません。

なお、甲府盆地などではミヤイリガイがいまだ多数生息しており、これらは中国やフィリピンの日本住血吸虫にも感受性があるため、人間や動物の移動に伴って外国産の日本住血吸虫が侵入した場合、国内で寄生虫病が再興する可能性も否定することはできません。

🇯🇵日本脳炎

蚊に媒介され、日本脳炎ウイルスによって起こる感染症

日本脳炎とは、主にコガタアカイエカによって媒介され、日本脳炎ウイルスによって起こるウイルス感染症。重篤な脳炎、髄膜炎症状を呈します。

日本脳炎ウイルスは、フラビウイルス科に属するウイルスで、1935年に人の感染脳から初めて分離されました。人から人への感染はなく、ブタなどの動物の体内でウイルスが増殖された後、そのブタを刺したコガタアカイエカなどの蚊が人の皮膚を刺すことによって、感染が成立します。

日本脳炎は、東アジアから東南アジア、南アジアにかけて広く発生し、アジア以外のパプアニューギニア、オーストラリアでも発生が報告されています。年間3~4万人が発症していると見なされますが、日本と韓国ではワクチンの定期接種によりすでに流行が阻止されています。

日本では、1966年の2017人をピークに減少し、1992年以降の発症数は毎年10人以下であり、そのほとんどが中高齢者。地域的には、80パーセント近くが九州、沖縄、中国、四国で発生しています。

厚生労働省では毎年夏に、ブタの日本脳炎ウイルス抗体獲得状況から、間接的に日本脳炎ウイルスの流行状況を調べています。それによると、毎夏日本脳炎ウイルスを持った蚊は発生しており、国内でも感染の機会はなくなっていません。

感染しても、日本脳炎を発症するのは100~1000人に1人程度と見なされてきており、大多数は無症状の不顕性感染に終わります。

潜伏期は6 ~16日間とされ、典型的な症例では、数日間の高い発熱、頭痛、悪心、嘔吐(おうと)、めまいなどで発症します。小児では腹痛、下痢を伴うことも多くみられます。これらに引き続いて急激に、首の硬直、光線過敏、種々の段階の意識障害とともに、中枢神経系障害を示す症状、すなわち筋強直、脳神経症状、不随意運動、振戦、まひ、けいれん、病的反射などが現れます。

死亡率は20~40パーセントで、幼小児や高齢者では死亡の危険が大。後遺症は生存者の45~70パーセントに残り、小児では特に重度の障害を残すことが多くなります。パーキンソン病様症状やけいれん、まひ、精神発達遅滞、精神障害などです。

日本脳炎の検査と診断と治療

日本脳炎ワクチン未接種者や不完全接種者で、6月〜10月に発生した脳炎発症者の場合には、日本脳炎を考慮する必要があります。 

医師による診断は、腰椎(ようつい)に針を指して脳脊髄(せきずい)液を採取する髄液検査や、血液検査などにより、ウイルスや、ウイルス遺伝子、ウイルスに対する抗体の検出で確定されます。しかし、検出される日本脳炎ウイルスは一過性であり、極めて少量なため、髄液や血液からのウイルスの検出は非常に難しく、臨床診断に頼らざるを得ない面があります。

日本脳炎は4類感染症に定められており、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出ます。

いったん日本脳炎を発症すると、特効薬は全くありません。症状が現れた時点で、すでにウイルスが脳内に達し脳細胞を破壊しているため、将来ウイルスに効果的な薬剤が開発されたとしても、一度破壊された脳細胞の修復は困難と見なされます。日本脳炎の予後をピーク時と比較しても、死亡例は減少したものの全治例は約3分の1とほとんど変化していないことから、治療の難しさが明らかです。

対症療法が中心となり、高熱とけいれんの管理を行います。脳浮腫(ふしゅ)は重要な因子ですが、大量のステロイド剤の投与は一時的に症状を改善することはあっても、予後、死亡率、後遺症などを改善することはないとされています。

従って、日本脳炎は予防が最も大切な疾患で、その予防の中心はワクチンの予防接種と蚊の対策。日本脳炎の不活化ワクチンが予防に有効なことは、すでに証明されています。実際、近年の日本脳炎の発症者のほとんどは、予防接種を受けていなかったことが判明しています。

子供への日本脳炎の定期予防接種は、従来のワクチンによる急性散在性脳脊髄炎(ADEM)などの重い副作用があり、平成17年から事実上中断していました。しかし、年間数例発症していることから、平成21年2月に承認された新型ワクチンを使用して、平成22年春から再開されます。

従来のワクチンは、日本脳炎ウイルスを感染させたマウスの脳の中でウイルスを増殖させて、高度に精製し、ホルマリン等で不活化、すなわち病原性をなくしたものです。新型ワクチンは乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンといわれ、マウス脳の代わりにVero細胞(アフリカミドリザル腎臓由来株化細胞)の中でウイルスを増殖させ、得られたウイルスを採取し、ホルマリンで不活化したものです。

予防接種法に基づく定期予防接種は、生後6カ月以上~7歳半未満(第1期)に3回、9歳以上~13歳未満(第2期)に1回の計4回のスケジュールで行われる予定。接種を一度も受けていない子供が多いとみられる3~7歳については、優先的に接種されます。9歳以上の接種については、有効性、安全性が確立されていないため、現時点では定期接種は困難とされています。

なお、日本脳炎は定期の予防接種の対象疾患となっていますが、その発生状況などを検討して、予防接種を行う必要がないと認められる地域を都道府県知事が指定することができるようになっています。これを踏まえて従前より、北海道のほとんどの地域では、日本脳炎の予防接種は実施されていません。

蚊の対策としては、日本脳炎ウイルスを媒介するコガタアカイエカは日没後に活動が活発になるとされていますので、このような時間帯に戸外へ出掛ける必要がある時には、念のためできる限り長そで、長ズボンを身に着けたり、露出している皮膚に蚊除け剤を使用したりします。

また、コガタアカイエカは水田や沼地など大きな水域で発生するので、住宅の周囲に発生源がある場合は、夜間の外出を控え、蚊が屋内に侵入しないように網戸を使用したり、夜間の窓や戸の開閉を少なくしたり、蚊帳を利用したりします。

💅二枚爪

爪の甲の先端の部分が、薄く層状にはがれたり、割れたりしていく状態

二枚爪(にまいづめ)とは、爪の甲の先端部分が薄く層状にはがれたり、割れたりしていく状態。爪甲(そうこう)層状分裂症とも呼ばれ、爪甲剥離(はくり)症の一種に分類されています。

爪の甲は三枚の層からなっており、表面を覆う第一層のエナメル質や第二層が少しずつはがれたり、割れたりしていく二枚爪は、さほど珍しくはなく、女性によく起こる一般的な爪のトラブルです。

痛みはありませんが、爪の先端がもろくなるため、外見上に問題が出てきます。また、一度治っても、何度も同じ症状が現れることがよくあります。

二枚爪になる原因は、いくつかあります。

まず、爪の乾燥が原因になります。つまり、爪の甲の水分含有量が低下することによって生じるため、日本では空気が乾燥している冬に二枚爪になりやすいといえます。正常な爪の甲の水分含有量は16パーセントほどですが、爪は成長するに従い、先端に向かって伸びていくと水分量は減っていき、爪の甲の先端部分の水分含有量が12パーセント以下になると、二枚爪が起りやすくなります。

また、水仕事の多い主婦、手の爪に施すマニキュアや、足の爪に施すペディキュア、除光液(エナメルリムーバー)を使用する機会の多い女性では、爪の甲の水分保持能力が低下して、二枚爪が起こりやすくなります。洗剤や、マニキュアなどを落とす除光液に含まれるアセトンが外的刺激になって、二枚爪を誘発することになります。

次に、食事での栄養バランスの偏りやダイエットなどで蛋白(たんぱく)質不足になることが、二枚爪の原因になります。爪の主成分は蛋白質の一種のケラチンなので、体調が悪かったり栄養バランスが悪いと、爪の色が変色したり線が入ったり、二枚爪になります。

偏った食生活や過度なダイエットによって鉄欠乏性貧血になり、これが原因で二枚爪になることもあります。血行不良や、甲状腺(こうじょうせん)機能高進症の発症も、二枚爪の原因になります。

爪切り、爪やすりの使いすぎ、間違った使い方の継続が、二枚爪の原因となる場合もあります。爪切りなどを使用したショックで、三枚の層からなっている爪に目に見えないヒビが入り、何か力が加わった時に二枚爪になったりします。

水をよく使ったり、指先の細かい操作を必要とする職業も、二枚爪の原因になります。職業は、料理人、理髪師、美容師、庭師、パソコンのオペレーター、ギタリスト、ピアニストなど。

二枚爪の検査と診断と治療

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、爪の甲の先端部分に層状の剥離を起こし得る外的物質や薬品、あるいは皮膚疾患や全身疾患を検査して、原因がわかるようであれば、それを除去ないし治療します。

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療では、一般的には、爪の角質に浸透しやすい保湿剤やステロイド剤(副腎〔ふくじん〕皮質ホルモン)をこまめに塗ったり、ビタミンEの飲み薬を使用する場合があります。

爪の乾燥が原因で二枚爪を発症している場合は、日常生活で爪の乾燥を避けるようにしてもらいます。例えば、水仕事の多い人は、水を使う回数を減らしたり、使い終わったらきちんと水分をふき取り、保湿剤を塗ることです。

蛋白質不足が原因の場合は、まずは爪に必要な栄養をしっかり摂取してもらいます。いくら爪の保湿ケアを行っていても、栄養不足のままでは二枚爪を繰り返すだけなので、蛋白質、コラーゲン、さらに野菜や海藻類に多く含まれるミネラル類をしっかり摂取してもらいます。

鉄欠乏性貧血が原因の場合は、鉄剤を内服してもらったり、食べ物やサプリメントから鉄分を摂取するように心掛けてもらいます。ただし、手の爪が新しくなるまでに3カ月~6カ月かかりますので、すぐに効果を実感することは難しいでしょう。

血行不良や甲状腺機能高進症が原因の場合は、その治療を行えばよくなります。

日常では、保湿剤などを使ったネイルケアにより治療、ないし予防することが、重要となります。爪も皮膚の一部であり、主に蛋白質の一種のケラチンが角質を構成しているのですから、マニキュア、除光液、洗剤などを使いすぎるとダメージを受けるので、その使用を控えます。

爪切り、爪やすりの使いすぎ、間違った使い方で二枚爪になることもあるので、まずは使用をやめます。入浴後や指を温めるなどした後に、紙やすりで丁寧に爪の甲の先端部分を削り、爪にハンドクリームやキューティクルオイルなどの保湿剤を塗って、擦り込むようにマッサージします。

足の爪は爪切りで切っても構いませんが、その後で爪の先を紙やすりで削って形を整え、爪にハンドクリームやキューティクルオイルなどの保湿剤を塗って、擦り込むようにマッサージします。また、足の爪の伸ばしすぎも爪の先に衝撃を与える原因になったりしますので、適度な長さを保ちます。

二枚爪の進行中は、水仕事の際にはゴム手袋の着用を心掛けます。

🟥ロッテ、ガム3商品3万個を自主回収へ 国内で認められていない食品添加物を使用

 ロッテは26日、「めっちゃふくらむフーセンガムボトル」(2024年7月発売)などガム3商品を自主回収すると発表した。回収個数は計約3万個になる見込み。原材料である「エンドウたんぱく」に、国内で使うことが認められていない食品添加物「メチルパラベン」「PEGエステル類」が含まれて...