2022/11/04

🟧「オプジーボ」投与で老化細胞が減少、身体機能も改善 東京大と金沢大の研究チーム発表

 がん免疫治療薬「オプジーボ」をマウスに投与すると、体内の老化細胞が減り、身体機能が改善したとする研究成果を、東京大と金沢大の研究チームが発表しました。さまざまな臓器・組織の老化防止や生活習慣病の治療につながる可能性があるといい、論文が2日付のイギリスの科学誌「ネイチャー」に掲載されました。

 細胞の多くは時間がたつと分裂して、新しい細胞に置き換わります。分裂しなくなった老化細胞が増えると周囲に炎症が起き、がんや高血圧などの疾患の原因になります。通常は免疫細胞の働きで除去されるものの、加齢で増えるメカニズムは謎でした。

 研究チームが加齢マウスの老化細胞を調べると、一部の細胞の表面に「PD―L1」という分子が多くくっついていました。この分子が免疫細胞の表面にある分子「PD―1」と結合し、免疫を弱めることがわかりました。

 研究チームは、PD―L1が老化細胞を増やす原因とみて、免疫細胞との結合を邪魔して免疫を活性化させるオプジーボを加齢マウスと脂肪を食べさせて肝炎にしたマウスに投与。その結果、加齢マウスではさまざまな臓器で老化細胞が顕著に減少して握力が回復したほか、肝炎のマウスでは脂肪蓄積が減るなどして肝機能が改善したといいます。

 オプジーボは、PD―1を発見し、ノーベル生理学・医学賞を受賞した 本庶佑(ほんじょ・たすく)京都大特別教授の成果をもとに開発されました。研究チームの中西真・東京大医科学研究所教授(分子腫瘍学)は、「がん治療と同じ仕組みを使った新たな抗加齢療法につながる」と話しています。

 2022年11月4日(金)

🟧新型コロナ、4日の全国の新規感染者は3万4064人 前週から5200人以上減

 厚生労働省は4日、新型コロナウイルスの感染者が全国で新たに3万4064人確認されたと発表しました。前週の金曜日発表の人数より5200人以上減りました。

 また、大阪府で6人、北海道で5人、愛知県で5人、宮城県で4人、神奈川県で4人、福岡県で4人、静岡県で4人、徳島県で3人、東京都で3人、千葉県で2人、埼玉県で2人、岐阜県で2人、栃木県で2人、香川県で2人、兵庫県で1人、和歌山県で1人、山口県で1人、山梨県で1人、広島県で1人、滋賀県で1人、熊本県で1人、石川県で1人、群馬県で1人、茨城県で1人、青森県で1人の合わせて59人の死亡の発表がありました。

 都道府県別の新規感染者は、北海道3828人、東京都3090人、神奈川県2414人、広島県2084人、長野県1654人、大阪府1536人、兵庫県1317人など。

 厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、3日より15人増えて4日時点で161人となっています。

  症状が改善して退院した人などは、4日時点で、国内で感染が確認された人が2035万8135人、クルーズ船の乗客・乗員が659人の合わせて2035万8794人となっています。

 11月1日に行われた自主検査を除くPCR検査などの数は、速報値で6万5980件でした。

 一方、厚生労働省は4日、大阪府内で新たに1536人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

 これで大阪府内の感染者の累計は218万95人となりました。

 また、6人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6630人となりました。重症者は、3日より5人増えて22人です。

 2022年11月4日(金)

🟧新型コロナ、4日の東京都の新規感染者は3090人 13日ぶりに前週の同じ曜日より減少

 東京都は4日、新型コロナウイルスの感染者を3090人確認したと発表しました。前週の同じ曜日より430人少なく、前週の同じ曜日より少ないのは13日ぶりです。

 これについて東京都の担当者は、「3日が祝日のため休みだった医療機関もあり、検査の報告が遅れて計上されることも考えられる。感染者数は増加傾向にあり、ワクチン接種など感染対策をお願いしたい」としています。

 また、30歳代と70歳代の計2人の死亡も発表されました。

 4日までの1週間の感染状況は、1日当たりの感染者数が4638・4人で前週(3468・7人)の133・7%。

 4日発表の新規感染者は、年代別では20歳代の617人が最多で、次いで40歳代の573人、30歳代の554人、10歳代の448人など。重症化しやすいとされる65歳以上は139人でした。

 入院患者は1779人で、そのうち「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者は前日より1人少ない18人でした。

 重症者用の病床使用率は3日から1・2ポイント上がって10・5%、全体の病床使用率は1・8ポイント上がって31・8%でした。

 累計は感染者329万930人、死者6020人となりました。

 2022年11月4日(金)

🟧新型コロナとインフル混合ワクチン、初期の臨床試験開始 ファイザーなど

 アメリカの製薬大手ファイザーとドイツのバイオ企業ビオンテックは3日、新型コロナウイルスとインフルエンザの両方に効果がある混合ワクチンについて、アメリカで初期の臨床試験を開始したと発表しました。混合ワクチンの開発はほかの製薬会社でも進められていて、1つのワクチンで対応できるようにすることで、より多くの人を感染症から守ることが狙いです。

 混合ワクチンは、4つの異なるタイプのインフルエンザウイルスに対応するワクチンと、新型コロナウイルスのオミクロン型「BA・5」などに対応するワクチンを組み合わせたものです。

 臨床試験では、18歳から64歳の健康な被験者180人を対象に、安全性や接種する最適な量、それにウイルスの働きを抑える中和抗体がどれくらいできるか、6カ月間にわたって調べるということです。

 新型コロナとインフルエンザの混合ワクチンを巡っては、アメリカの製薬会社のモデルナやノババックスも開発に取り掛かっており、2023年中の実用化を目指しています。

 2022年11月4日(金)

2022/11/03

🟧体外で細胞培養して人工的に髪の毛作成 横浜国大などがマウスで成功

 体の外で人工的に髪の毛を作り出すことに、マウスの実験で成功したと、横浜国立大学の研究チームが発表しました。毛をマウスに移植すると、定着して生えかわるのも確認できたということで、脱毛症などの治療につながるのではないかと期待されています。

 研究は横浜国立大学の福田淳二教授(再生医療)らの研究チームが行い、論文を10月21日付のアメリカの科学雑誌「サイエンス・アドバンシズ」に発表しました。

 研究チームは、黒い毛が生えるマウスの胎児の皮膚から表面の部分になる細胞と、体の組織を支える部分になる細胞を取り出し、これらの細胞をつなぐ役割を担うたんぱく質などを低い濃度で混ぜて培養しました。

 すると2日後には、表面になる細胞を支える部分になる細胞が囲むようになり、培養を始めてから10日後には「毛包」と呼ばれる髪の毛を作り出す部分を含んだ毛が生えてきたということです。

 さらに、5ミリほどにまで伸びた毛をマウスの皮膚に移植すると定着し、その後、いったん抜けたものの、3週間ほどたつと新たな毛に生えかわったということです。

 毛包を含む一定の長さがある毛を、ほぼ100%の精度で人工的に作ることに成功したのは初めてだということで、脱毛症の治療法の開発につながるのではないかとしています。

 福田教授は「植毛のように移植できるので、人の細胞で作ることができたら画期的な治療法になる。髪の毛ができる様子も再現でき、白髪が生えるメカニズムの解明にも応用できる」と話しています。

 ただし、現段階ではマウスのように人の皮膚細胞から毛包を培養し、髪の毛を生やすことはできておらず、実用化の見通しも立っていません。人への応用に向けては、課題がいろいろあるといいます。

 福田教授によると、毛髪の再生技術を巡っては、アメリカの研究チームが人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って毛髪の生えた皮膚を人工的に培養してから、マウスへ移植するのに成功しました。しかし、人への移植は安全性や費用の面での課題があり、医療現場での活用は難しいとみられているといいます。

 理化学研究所と再生医療のベンチャー企業は2018年、毛包を繰り返し再生させる細胞を大量に作る技術を開発。人の頭部に移植することで毛髪を再生させようとする臨床研究の実施を目指していたものの、新型コロナウイルスの感染拡大などが影響して中断しています。

 2022年11月3日(木)

🟧世界初、中国・上海市で吸入型の新型コロナワクチン接種スタート

 中国・上海市で10月25日、吸入型の新型コロナウイルスワクチン(アデノウイルスベクター5型)の追加接種予約が始まり、26日から接種が始まりました。地元メディアによりますと、吸入型のコロナワクチンが使われるのは世界で初めてです。

 26日午前9時、上海市長寧区天山中医学病院の専用外来には、吸入型新型コロナワクチンを接種する第一陣となる市民がきていました。男性の李さんは取材に対して、「1回の接種で有効となるタイプのワクチンを接種したので、ブースター接種を受けようと思っていた。そんな時に、吸入型のワクチンに関するニュースを見たので、すぐに予約して受けにきた」と話しました。

 李さんは接種前に、息を吐き、その後看護師に渡された噴霧用のコップ吸込み口を開けて口を当て、中の霧状の薬剤がなくなるまでゆっくりと息を吸っていました。「空気を吸うのと同じで、においは全然ない。とても簡単に接種できた」と李さん。

 吸入型新型コロナワクチンの接種は、まず看護師が専用設備で液状の薬剤を微小粒子状にしてコップの中に入れ、その後、接種者がコップの中の霧状の薬剤を吸い込み5秒間息を止めるだけで完了します。

 上海市長寧区天山中医学病院の感染科の何金輝看護長は、「接種者は接種完了後、30分経過観察する必要がある。吸入後、コップの中に明らかに霧状の気体が残っていたり、吸入の過程(5秒息を止めている間を含む)でせきが出たり、息を吐くのが早すぎたりした場合は、新たに吸入し直す必要がある。やり直しは1回しかできない。接種後、1週間は自身の既知のアレルギー物質やよくあるアレルゲンに接触するのを避けなければならない。また、水をたくさん飲み、十分に睡眠をとるよう心掛けるほか、激しい運動や飲酒、刺激のある辛いもの、魚介類などを避けたほうがよい」と説明しています。

 この吸入型新型コロナワクチンは中国の製薬メーカー「康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)」が開発・製造したもので、9月4日に国家薬品監督管理局が3回目以降のブースター接種での緊急使用を承認しました。

 不活性化ワクチンの接種完了から6カ月以上経っている18歳以上の人や、筋肉注射型の遺伝子組み換え新型コロナウイルスワクチン(アデノウイルスベクター5型)を接種して6カ月以上経っている18歳以上の人は、ブースター接種として吸入型ワクチンを接種することができます。ブースター接種は無料で受けることができます。また、市民はブースター接種に、同種接種か、交互接種を選ぶことができます。

 上海市の発表によると、臨床研究の結果から、吸入型ワクチンの有効性に関しては、吸入型ワクチンと不活化ワクチンの交互接種は免疫応答を著しく増強することができ、接種6カ月後も高水準の中和抗体を維持しているといいます。

 10月25日時点で上海市の2回接種完了者は2300万人以上、3回接種完了者は1200万人以上となっており、同市政府は3回目接種をしていない市民に接種完了を呼び掛けています。

 2022年11月3日(木)

🟧東京都で新たに6686人が新型コロナ感染 12日連続で1週間前を上回る

 東京都が3日、新たに確認した新型コロナウイルスの感染者は6686人でした。3日連続で6000人を超えました。前週の木曜日から2745人増え、12日連続で前週の同じ曜日を上回りました。

 東京都の直近1週間の感染者の平均は4699・9人で、前週と比べて139・4%になっています。

 新規感染者6686人のうち、1227人は医療機関を受診せずに自主検査などで陽性と判明し、都の「陽性者登録センター」に登録した患者です。

 1696人が入院していて、そのうち「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者は前日より1人多い19人でした。

 重症者用の病床使用率は2日から0・5ポイント上がって9・3%、全体の病床使用率は0・8ポイント上がって30・0%でした。

 また、80歳代と90歳代の男女3人の死亡が確認されました。

 2022年11月3日(木)

🟪小中学生の体力調査、中学生男子はコロナ感染拡大前を上回る

 全国の小学5年生と中学2年生を対象に、50メートル走など8つの項目で体力や運動能力を調べる今年度の国の調査で、中学生の男子の合計点は新型コロナウイルスの感染拡大前を上回りました。一方で、小学生の男女は低下傾向にあり、スポーツ庁は運動の機会を増やす取り組みに力を入れていく方針で...