新型コロナウイルスの新規感染者数を7日までの1週間平均で比較すると、全国では1・42倍と47都道府県すべてで増加し、特に東日本を中心に増加のペースが上がっています。
厚生労働省で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前週と比較すると、全国では7日までの1週間は1・42倍となっています。
全国の1日当たりの平均の新規感染者数は5万8000人余りで、前週の同じ曜日から1万7000人余り増えています。
人口当たりの感染者数が最も多いのは北海道で、7日までの1週間は前週の1・37倍で、6日までの人口10万当たりの感染者数は803・75人となっています。
首都圏の1都3県では、東京都は前週の1・53倍、埼玉県は1・48倍、千葉県は1・35倍、神奈川県は1・54倍となっています。
関西では、大阪府は1・27倍、京都府は1・43倍、兵庫県は1・25倍となっています。
東海では、愛知県は1・63倍、岐阜県は1・43倍、三重県は1・41倍となっています。
その他の地域では、宮城県は1・72倍、新潟県と長野県、福井県で1・62倍、広島県は1・43倍、福岡県は1・27倍、沖縄県は1・09倍などと、47都道府県すべてで前週より多くなっています。
新型コロナウイルス対策を担当する政府の分科会のメンバーで東邦大学の舘田一博教授は現在の感染状況について、「新規感染者数が前の週の1・5倍を超える地域が東日本を中心にみられ、全国で前の週を上回る状況も3週間以上続いていて、第8波が近付いている兆候が強まっている。これまで大きな感染拡大の波の前には検査の陽性率が高まる状況がみられてきたが、陽性率は今、東京で30%近くに高まってきている。また、検査せずに陽性になっている人たちも増えてきていると考えなければならない。秋の行楽シーズンを迎え、旅行や移動の機会や会食も増え感染対策が緩みがちになっている中で、感染者が増加する傾向はより強まると考えられる。今後1週間から2週間は、感染状況の変化に特に注意を払う必要がある」と指摘しました。
その上で、「オミクロン型のBA・5に対応するワクチンが出てきているが、オミクロン型への感染を防御する効果が高いとされている。今、主流になっているBA・5にはBA・1対応ワクチンでも十分に効果が期待されるので、接種できる人はできるだけ前倒しで接種していくことが重要だ」と述べました。
さらに、懸念される新型コロナとインフルエンザの同時流行について、舘田教授は「今のところ、日本ではインフルエンザの急激な増加というものはみられていないが、寒くなってくる中で同時流行がある可能性を考えて密を避けることやマスクを適切に使うこと、それに換気などの基本的感染対策をしっかり行いワクチン接種を進めていくことが重要になる」と話しています。
2022年11月8日(火)