2023/03/02

🟪オミクロン型後遺症、感染者の約1割で確認 横浜市大病院など7万人超調査

 2022年から流行している新型コロナウイルス感染症のオミクロン型変異ウイルスの後遺症について、横浜市立大病院などの研究チームが、国内外の計約7万人超の感染者に関するデータから発症率などを明らかにしました。後遺症は約1割の患者にみられました。症状別では、だるさが5割と最多でした。

 新型コロナでは後遺症が大きな問題となっており、体調が戻らず職場復帰や通学などに影響が出ています。世界保健機関(WHO)は「新型コロナ感染症の発症から3カ月後にも、2カ月以上症状がある」、アメリカ疾病対策センター(CDC)は「感染後に1カ月以上続く症状がある」と後遺症を定義しています。

 後遺症の研究や調査については大規模なものが少なく、特に世界で多くの人が感染したオミクロン型でどのような後遺症があるか不明でした。

 そこで横浜市立大病院などの研究チームは1月19日までに公開され、オミクロン型の感染者と後遺症患者の両方のデータが掲載されていた日本とアメリカ、イギリス、スイス、ノルウェー、インドの計7件の論文を解析し、小児を含めた計7万4690人の感染者のデータを調べたといいます。

 その結果、CDCの定義に当てはまる後遺症は7%の感染者で、WHOの定義による後遺症は11%の患者で確認されました。研究チームは「インフルエンザなど他の感染症よりも高い比率と推定される」と評価しています。

 後遺症の主な症状をWHOの定義でみると、だるさ50%、頭がぼんやりし集中できないなど頭のもやもや感(ブレーンフォグ)41%、頭痛29%、記憶障害28%、嗅覚障害26%などとなりました。

 一方、CDCの定義でみると、だるさ53%、睡眠障害25%、せき・たん22%などとなりました。

 研究チームの陳昊(ちんそら)・帝京大病院医師(腫瘍内科学)は、「改めて後遺症に苦しむ患者が多いことが明らかになった。発症するメカニズムの解明を進める必要がある」と話しました。

 研究チームによる研究結果は2月、感染症専門誌に掲載されました。

 2023年3月2日(木)

🟪新型コロナは中国・武漢市の研究所から流出した可能性が最も高い FBI長官が言及

 アメリカの連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官は2月28日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)は中国・武漢市の研究所から流出したウイルスが原因である可能性が最も高いとする見方を示しました。

 レイ長官はアメリカのFOXニュースのインタビューで、「FBIはしばらく前から、パンデミックの起源は武漢の研究所での出来事の可能性が最も高いと判断している」と述べました。機密情報のため詳細は明らかにできないとしました。

 その上で、中国政府はパンデミックの起源について理解を深めようとするアメリカなどの取り組みを「妨害し、混乱させようとあらゆる手を尽くしている」と非難しました。

 パンデミックの起源を巡っては、アメリカの別のメディアが、FBIのほか、エネルギー省も研究所から流出した可能性が高いとみている一方、ほかの複数の省庁は、動物からの感染だとみているとして、政府内でも見解が分かれていると伝えています。

 ホワイトハウスは、パンデミックの起源について最終的な結論は出ていないとしていますが、FBI長官の今回の発言に関心が集まっています。

 アメリカのFBI長官が新型コロナウイルスの発生源について、中国・武漢市の研究所から流出した可能性が高いという見方を初めて公の場で示したことについて、中国外務省の毛寧報道官は3月1日の記者会見で、「研究所からのウイルス流出の可能性は極めて低いというのが中国と世界保健機関(WHO)の調査チームが出した権威ある科学的な結論であり、国際社会や科学分野の世界で広く認められている」と反論しました。

 その上で「情報機関が科学的な問題を扱うこと自体が問題の政治化であり、その結論に何の信頼性もない。問題を蒸し返しても中国を中傷することはできないし、自らの信用を低下させるだけだ」と強く反発しました。

 科学界は将来、感染症の新たなパンデミックに対処するために新型コロナウイルスの起源解明が重要だとしています。

 2023年3月2日(木)

🟪プラスチック消費量、2050年に1・7倍の恐れ 国際研究チームが分析

 日米欧や中国など20カ国・地域(G20)が新たな対策を取らないと、2050年にプラスチックの消費量が2019年の1・7倍に増え、深刻な海洋汚染を招く恐れがあるとする分析結果を国際研究チームが2月27日、発表しました。一部製品の使用禁止や課税など対策強化を進めても、2050年の消費量は2019年の1・2倍に増えるとの結果も得られました。

 国際シンクタンクのエコノミスト・インパクトと日本財団の共同チームは、G20各国のプラスチック消費量や人口などのデータを基に①一部の使い捨て製品の使用禁止②石油を原料とするプラスチック製品への課税③製品の製造企業に廃棄物処理などの費用を負担させる「拡大生産者責任」の徹底―という3つの政策の効果を試算。

 2019年に2億6100万トンだった消費量は、新たな対策を取らないと2050年に4億5100万トンに増えると推定されました。「課税が進む」など各対策の進展を考慮しても、2050年の消費量は3億2500万トンに上ると試算されました。

 2023年3月2日(木)

2023/03/01

🟪東京都で新たに1028人感染 新型コロナ、5人が死亡

 

 厚生労働省は3月1日、都内で新たに1028人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1週間前の水曜日(2月22日)と比べて167人減りました。

 直近7日間を平均した1日当たりの新規感染者数は867・1人で、前週比は75・7%。

 新規感染者1028人を年代別でみると、0歳8人、1~4歳21人、5~9歳46人、10歳代103人、20歳代193人、30歳代161人、40歳代129人、50歳代163人、60~64歳40人、65~69歳29人、70歳代75人、80歳代43人、90歳以上17人。重症化しやすいとされる65歳以上の高齢者は164人でした。

 入院患者は802人で、病床使用率は15・1%。人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使っている重症の患者は、2月28日より2人減って11人でした。

 一方、感染が確認された5人が死亡しました。

 東京都の累計は感染者431万6027人、死者7978人となりました。

 2023年3月1日(水)

🟪新型コロナ新規感染者、全国で1万3950人 前週比4869人減

 厚生労働省は1日、新型コロナウイルスの新規感染者が全国で1万3950人確認されたと発表しました。前週の水曜日(2月22日)と比べて4869人減りました。

 また、国内で感染して亡くなった人は、埼玉県で9人、新潟県で9人、北海道で8人、千葉県で5人、東京都で5人、福岡県で5人、大阪府で4人、群馬県で4人、三重県で3人、京都府で3人、兵庫県で3人、奈良県で3人、宮城県で3人、愛知県で3人、沖縄県で3人、石川県で3人、山口県で2人、山梨県で2人、岐阜県で2人、岩手県で2人、栃木県で2人、福島県で2人、静岡県で2人、香川県で2人、和歌山県で1人、山形県で1人、岡山県で1人、徳島県で1人、滋賀県で1人、熊本県で1人、秋田県で1人、長崎県で1人、長野県で1人、鳥取県で1人の合わせて99人、累計で7万2486人となっています。

 都道府県別の新規感染者数の最多は東京都の1028人。次いで愛知県の830人、大阪府の797人、神奈川県の628人、北海道の621人、兵庫県の606人、福岡県の581人、静岡県の567人、埼玉県の535人、広島県の519人と続きました。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、1日時点で160人となっています。重症者の数は、2月28日と比べて6人減りました。

 一方、厚生労働省は1日、大阪府内で新たに797人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。これで、大阪府内の感染者の累計は281万4285人となりました。

 また、4人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて8368人となっています。重症者は、2月28日より1人少ない27人です。

 2023年3月1日(水)

🟪中国からの入国、水際対策を緩和 全員検査を撤廃、サンプル検査に

 中国の感染状況が落ち着いてきたことを踏まえ、政府は3月1日、中国本土からの入国者に対する新型コロナウイルスの水際措置を緩和しました。これまですべての人に義務付けていた入国時の検査を、最大で5人に1人を対象としたサンプル検査に変更しました。ただし、出国前72時間以内の陰性証明を提示することは、引き続き義務付けられます。

 また、検疫態勢の状況次第で、中国本土からの直行便を、これまで限定していた成田、羽田、関西、中部以外の空港にも認めるほか、増便も認めます。

 政府は今後の水際対策について、中国の感染状況や各国の水際措置の状況を見つつ、柔軟に対応するとしています。

 中国政府は日本やアメリカへの団体旅行は解禁しておらず、中国からの旅行者数が本格的に回復するのは時間がかかる見通しです。

 2023年3月1日(水)

🟪オミクロン型対応コロナワクチン、5~11歳用を承認 厚労省

 厚生労働省は2月28日、新型コロナウイルスのオミクロン型に対応したアメリカのファイザーの5〜11歳用のワクチンを承認しました。従来型ワクチンを接種済みの子供の追加接種に用います。この世代向けのオミクロン型対応ワクチンは初めて。

 ウイルスが広がり始めた当初に流行した従来型に合わせた成分と、オミクロン型派生型の「BA・4」「BA・5」の両方に対応する成分を混ぜた2価ワクチン。前回の新型コロナワクチンの接種から3カ月以上間隔を空ける必要があります。

 厚労省は3月8日以降、自治体に配送する方針。

 首相官邸によると、27日公表の5~11歳の2回目までの接種率は23・2%、3回目は8・9%にとどまっています。

 2023年3月1日(水)

🟩エムポックスは依然として制御されていない、アフリカ疾病対策センターが警告

 アフリカ連合(AU)の保健機関は10月31日、エムポックス(サル痘)の発生が依然として制御されていないと警告し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)よりも「さらに深刻な」パンデミック(世界的大流行)を避けるための支援の必要性を訴えました。  アフリカ疾病対策センター...