2023/03/31

🟩特定遺伝子に変異がある人がピロリ菌に感染すると、胃がん発症リスク22倍に 理研など発表

 特定の遺伝子に変異のある人がピロリ菌に感染すると、胃がんの発症リスクが約22倍になるとの分析結果を、理化学研究所や愛知県がんセンターの研究チームが30日、アメリカの医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」で発表しました。ピロリ菌を除菌すれば、胃がんの発症リスクを大幅に下げられる可能性があるとしています。

 ピロリ菌は胃がんのリスクを高める要因の一つとして知られ、感染がかかわっている胃がん患者は特に東アジアで多くなっています。一方、生まれ付きの遺伝子の変異が発症とどう関係しているかは、十分にわかっていませんでした。

 理化学研究所の碓井喜明特別研究員らの研究チームは、血液や組織などを集めて保管するバイオバンクを活用。日本人の胃がん患者約1万2000人と、がんではない約4万4000人のDNAを調べました。その結果、9個の遺伝子と胃がんの関連が明らかになりました。

 このうち、傷付いた遺伝子を修復する働きを持つ「BRCA1」や「BRCA2」など4個の遺伝子のいずれかに変異がある人がピロリ菌に感染していると、変異もピロリ菌感染もない人と比べて約22倍、胃がんになりやすいという結果になりました。

 2023年3月31日(金)

2023/03/30

🟩1日8000歩を週1~2日でも、死亡リスク大幅減 京都大など発表

 京都大学などの研究チームは29日、1週間に1、2日でも8000歩以上歩く人は歩かない人に比べて、死亡率が十数%低下するという研究結果を発表しました。習慣的に8000歩以上歩く人の死亡率が低下することは知られていたものの、この研究は頻度に着目。週に数日だけでも、全体的な死亡リスクや、心臓・血管系の病気による死亡率が低減する傾向がみられたといいます。

 京都大学とアメリカのカリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究チームは、アメリカ国民を対象にした健康調査のデータを使い、20歳以上の3101人について、1週間で8000歩以上歩いた日数と、10年後の死亡率の関連性を分析しました。この結果、8000歩以上歩いた日が1日もなかった人に比べて1、2日歩いた人は14・9%、3~7日歩いた人は16・5%、死亡率が低くなりました。

 また、心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞など心臓・血管の異常による死亡率は、1、2日歩いた人は8・1%、3~7日歩いた人は8・4%、低減していました。

 この傾向は、年齢や性別に関係なく、1日当たり6000歩や1万歩を条件に分析しても同様だったといいます。

 研究結果は、国際科学誌「ジャマ・ネットワーク・オープン」に発表されました。

 研究チームの井上浩輔・京都大大学院助教(社会疫学)によると、「週末にまとめて歩くだけでも健康に効果はあるか」という外来患者の相談が研究の切っ掛けだったといいます。井上助教は、「『毎日歩かなくては』と自分にプレッシャーをかけず、週に1、2日でも歩いてみては。健康のための歩行の指針として参考にしてほしい」と話しています。

 2023年3月30日(木)

🟩東京都で新たに956人感染 新型コロナ、前週比48人増

 東京都は30日、新型コロナウイルスの感染者を都内で新たに956人確認したと発表しました。前週の同じ曜日から48人増え、8日連続で1週間前を上回りました。

 1週間平均の新規感染者数は、30日時点で819・6人で、前の週に比べて135・5%。

 新規感染者956人を年代別でみると、0歳7人、1~4歳15人、5~9歳14人、10歳代67人、20歳代215人、30歳代159人、40歳代155人、50歳代143人、60~64歳51人、65~69歳28人、70歳代64人、80歳代33人、90歳以上5人。重症化しやすいとされる65歳以上の高齢者は130人でした。

 入院患者は473人で、病床使用率は9・0%。人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使っている重症の患者は、29日より1人増えて3人でした。

 一方、感染が確認された2人が死亡しました。

 東京都の累計は感染者433万7217人、死者8061人となりました。

 2023年3月30日(木)

🟩全国で新たに7207人感染 新型コロナ、死者は40人

 厚生労働省は30日、新型コロナウイルスの新規感染者が全国で7207人確認されたと発表しました。前週の木曜日より約1300人減りました。

 また、国内で感染して亡くなった人は、神奈川県で6人、新潟県で5人、埼玉県で4人、愛知県で4人、大阪府で3人、千葉県で2人、奈良県で2人、東京都で2人、栃木県で2人、福岡県で2人、京都府で1人、岐阜県で1人、愛媛県で1人、滋賀県で1人、福島県で1人、長野県で1人、静岡県で1人、鹿児島県で1人の合わせて40人、累計で7万3865人となっています。

 都道府県別の新規感染者数の最多は東京都で956人。次いで神奈川県の457人、大阪府の395人、北海道の376人、愛知県の329人、広島県の309人、埼玉県の308人、千葉県の308人と続きました。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、30日時点で68人となっています。重症者の数は、29日と比べて変わりませんでした。

 一方、厚生労働省は30日、大阪府内で新たに395人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。これで、大阪府内の感染者の累計は、282万7387人となりました。

 また、3人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて8476人となっています。重症者は29日と変わらず6人です。

 2023年3月30日(木)

🟩静岡県で初のエムポックス(サル痘)感染確認 海外渡航歴のない40歳代男性

 静岡県は県内に住む40歳代の男性がウイルス性の感染症、エムポックス、これまでのサル痘に感染したと発表しました。静岡県内で感染が確認されたのは初めてです。

 エムポックスは、感染すると発熱や発疹などの症状が現れるウイルス性の感染症です。

 静岡県によりますと、3月28日、県内に住む40歳代の男性が疑いのある症状を訴えていると医療機関から保健所に報告がありました。

 県の環境衛生科学研究所が詳しく調べた結果、感染が確認されたということです。

 県によりますと、エムポックスの感染の確認は県内では初めてで、国内では81例目だということです。

 男性は重症ではなく、状態は安定しているということです。海外への渡航歴はなく、県が感染経路を調べています。

 この感染症は中央アフリカから西アフリカにかけて主に発生が確認されていましたが、昨年5月から流行地域に渡航歴のない患者が欧米などを中心に確認され、国内では昨年7月に初めて感染が確認されています。

 エムポックスは感染後、1週間から3週間程度の潜伏期間があり、その後、発熱やリンパ節のはれ、発疹などの症状が出ますが、発症から4週間程度で治癒するとされています。

 日本の感染症法において4類に分類され、感染者の血液や皮膚の病変に触れると感染するとされていますが、空気感染は確認されていません。隔離などの対象ではなく、今回感染が判明した男性も入院はせず、自宅で経過観察をしているということです。

 静岡県感染症対策課は、「人から人への感染は簡単には起こらないが、発熱や発疹など感染を疑う症状がある場合は身近な医療機関に相談してほしい」と呼び掛けています。

 2023年3月30日(木)

2023/03/29

🟩健康な成人のコロナワクチン追加接種、2回以降「推奨せず」 WHOが指針見直し

 世界保健機関(WHO)は28日、新型コロナウイルスワクチンの接種指針を見直し、健康な成人らへの追加接種(ブースター接種)について、有益性が限定的だとして2回目以降の接種を「推奨しない」としました。

 WHOの予防接種に関する戦略諮問委員会は新指針について、新型コロナの変異型「オミクロン型」が主流となったことの影響に加え、感染とワクチン接種によって獲得された集団免疫を考慮したと説明しています。

 戦略諮問委員会は、ワクチン接種対象者を重症化率と致死率に基づき3つのグループに分類。最優先すべき高齢者、糖尿病などの基礎疾患がある人、免疫不全の人、妊婦、医療従事者にのみ定期接種を推奨するとしました。

 優先度が中程度のグループは「60歳未満の健康な成人、基礎疾患のある子供」で、追加接種は1回までを推奨するとしました。2回目以降の追加接種については「害はないが公衆衛生上の有益性はごくわずかだ」として、「推奨しない」としています。

 さらに、優先度が最も低い健康な子供や若者については、初回接種・追加接種ともに安全かつ有効だが、感染時に重症化しにくい点を考慮すると、「接種による公衆衛生上の効果は、はしかなどの従来の子供向けワクチンと比べ、はるかに低い」として、接種は各国の判断にゆだねるとしています。

 指針をまとめた戦略諮問委員会は、「優先度の高い対象への定期接種は妥協してはいけない」と呼び掛けています。

 各国はこの新指針も参考に、今後のワクチン接種の方針を策定することになります。

 2023年3月29日(水)

🟩ジェネリック医薬品の日医工、29日に上場廃止 品質不正で経営危機の末に

 ジェネリック医薬品(後発医薬品)大手で経営再建中の日医工(富山市)は28日、同社の株式が29日に上場廃止になると発表しました。上場最終日となった28日は35円で取引を終えました。

 今後は、企業再生ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)と医薬品卸大手のメディパルホールディングス(HD)の傘下で再建を進めます。

 1965年設立の日医工は1980年に名証に株式を上場し、現在は東証プライム市場に所属しています。後発薬大手として国の普及策を追い風に成長を続けたものの、品質不正が発覚し、2021年に富山県から業務停止命令を受け、主力工場で32日間生産を停止しました。2022年12月に私的整理の一つである事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)が成立し、金融機関から事業再生計画が承認されました。

 3月8日にJWPとメディパルHDが出資する合同会社ジェイ・エス・ディー(JSD)を引受先とする第三者割当増資の払い込みが完了。株式併合を経て日医工はJSDの完全子会社になります。同日付で後発薬のサンド(東京都港区)で社長を務めた岩本紳吾氏が社長に就いています。

 2023年3月29日(水)

🟩マイコプラズマ肺炎の患者数、5週連続で過去最多更新

 発熱や長引くせきといった症状が特徴で、子供が感染することの多いマイコプラズマ肺炎の流行が続いていて、10月27日までに全国の医療機関から報告された患者数は1医療機関当たり2・49人と、5週連続で過去最多を更新しました。  マイコプラズマ肺炎は子供に多い細菌性の感染症で、飛まつ...