2023/06/10

🟧海外臓器移植あっせん、仲介NPOを新たに提訴 死亡患者遺族が4000万円返還を求める

 NPO法人「難病患者支援の会」(東京都目黒区)の仲介でベラルーシに渡航し、肝臓と腎臓の同時移植を受けた後に死亡した患者男性(当時45歳)の遺族がNPOを相手取り、費用の一部約4000万円の返還を求める訴訟を東京地裁に起こしていたことがわかりました。提訴は、NPOが臓器移植法違反容疑で2月9日に警視庁に摘発される前の1月29日付。

 訴状によると、男性は肝臓と腎臓を患い、NPOに仲介を依頼してベラルーシで臓器移植を受けることを決意。昨年5月ごろ、医師の診断書の手配や現地での滞在支援などの名目でNPOと契約を交わし、計約8500万円をNPOの口座に振り込みました。

 男性は同月中にベラルーシに入国し、臓器提供者(ドナー)が見付かるのを待ったものの、同7月下旬、NPOの滞在支援などは不要になったとして契約解除をNPOに伝えました。一方で、現地での滞在は続け、同9月1日に病院で肝臓と腎臓の移植手術を受けましたが、手術後に腹膜炎を起こし、同28日に現地で死亡しました。

 遺族は訴状で、男性が支払った費用のうち4000万円は使われておらず、NPOの不当利得に当たるとして返還を求めています。5月に第1回口頭弁論があったものの、NPO理事長の菊池仁達(ひろみち)被告(63)(臓器移植法違反で起訴)は勾留中で出廷せず、6月27日に次回弁論が予定されています。

 菊池被告は、男性とは別の患者2人にベラルーシでの臓器移植をあっせんしたとして臓器移植法違反(無許可あっせん)で東京地裁に起訴されています。

 NPOを巡っては、中央アジア・キルギスなどでの移植を依頼した別の男性(59)も昨年12月、手術を受けられなかったなどとしてNPOに約1841万円の返還などを求める訴訟を東京地裁に起こしています。

 2023年6月10日(土)

🟧海外で臓器移植の543人、国内で通院中 渡航先はアメリカ最多227人、仲介団体関与は25人

 海外で臓器移植を受けた後、帰国して国内医療機関に通院している患者が3月末時点で543人に上ることが、厚生労働省の実態調査で明らかになりました。渡航先はアメリカが227人で最多、移植仲介団体が関与していたのは25人。調査結果は8日の参院厚生労働委員会で、加藤勝信厚労相が報告しました。

 臓器移植を巡っては、国内では臓器提供者(ドナー)不足が深刻で、無許可あっせん団体の仲介で海外に渡航し、トラブルに遭う患者も目立ちます。

 調査はNPO法人「難病患者支援の会」(東京都目黒区)による臓器あっせん事件を受け、厚労省研究班が実施。4~5月に日本心臓移植研究会や日本臨床腎移植学会など関係学会を通じ、医療機関203施設の計280診療科から回答を得ました。

 543人のうち、生体からの移植は42人、死体からは416人、不明が85人でした。臓器ごとの内訳は、腎臓250人、心臓148人、肝臓143人、肺2人。国別ではアメリカのほか、中国175人、オーストラリア41人、フィリピン27人、ドイツ13人、コロンビア11人、ベラルーシ5人など。

 国内移植をへて医療機関を受診している患者は3万1141人でした。

 加藤厚労相は「渡航して移植を受けた患者が一定数通院している実態が明らかとなった」とし、「各国が臓器提供と移植の自給自足の達成に努めるべきだという国際的な原則に基づき、臓器移植を国内で完結できるような体制の構築に努めていく」と表明しました。

 調査では、NPOのような移植仲介団体の関与の有無や、団体の名称などについても尋ねており、厚労省は調査結果を踏まえ、団体に対する規制の在り方についても検討します。

 2023年6月10日(土)

2023/06/09

🟧タウリン欠乏が老化の要因、摂取した動物は長生き アメリカ・コロンビア大が発表

 貝類やイカ・タコといった軟体動物に多く含まれる物質「タウリン」の補充が、老化防止に有望であることを動物実験で確かめたと、アメリカのコロンビア大学などの国際チームが8日、アメリカの科学誌「サイエンス」で発表しました。ただ、人への効果は臨床試験で検証するまで不明といい、チームは「老化防止目的で過剰摂取しないでほしい」としています。

 タウリンは人間の体内でも作られ、コレステロールを減らしたり、肝機能を強化したりする効果があるとされます。栄養ドリンクの成分としても知られます。

 チームは、血中のタウリンの量を調べ、乳幼児に比べ60歳の人は8割減ることを確認しました。マウスやアカゲザルでも加齢に伴い大幅に減少していたといいます。

 中年期のアカゲザルに1日1回、半年間にわたってタウリンを投与したところ、投与しなかったグループに比べ、骨密度と骨量が増加。さらに、膵臓(すいぞう)や肝臓の機能低下を示す物質が減るなど、加齢に伴う体の衰えが改善しました。マウスで同様の実験を行うと、投与したグループは寿命の中央値が10~12%増加したといいます。

 人に補充した場合の効果は未解明。ヨーロッパの中高年約1万2000人のデータでは、血中のタウリン濃度が高いと肥満や糖尿病が少なくなりました。チームは「毒になるとも考えられず、口から補える。臨床試験をする価値はある」としました。

 チームは人で効果のある摂取量を1日3~6グラムと推計し、ヨーロッパ食品安全機関が安全な摂取量の上限とする1日6グラムの範囲内としています。

 福井県立大の伊藤崇志教授(食品機能科学)は、「人に近いサルで、タウリンが老化防止にかかわることを明らかにした重要な成果だ。ただ、人で効果のある量などは、今後の検証が必要だ」と話しています。

 2023年6月9日(金)

🟧全国の新型コロナ定点把握、前週の1・25倍で9週連続増加 沖縄県は最多で「注意必要」

 新型コロナウイルスの全国の感染状況は、6月4日までの1週間では1つの定点医療機関当たりの平均の患者数が4・55人で、前の週の1・25倍となっています。増加は9週連続です。

 厚生労働省は「比較的低い水準だが全国的に緩やかな増加傾向が続いているほか、沖縄県では感染が拡大しているとみられ、今後の感染状況を引き続き注視したい」としています。

 厚労省によりますと、5月29日~6月4日までの1週間に全国約5000の定点医療機関から報告された新型コロナの患者数は前の週から4568人増えて、2万2432人となりました。

 また、1つの定点医療機関当たりの平均の患者数は4・55人で、前の週の1・25倍となりました。前の週から増加が続くのは9週連続となります。

 都道府県別では多い順に、沖縄県が15・8人、石川県が6・98人、北海道が6・71人、千葉県が6・66人、岩手県が6・44人。少なかったのは島根県2・29人、高知県2・45人、滋賀県2・47人など。42の都道府県で前の週より増加しています。中でも沖縄県は前週比1・53倍と突出して多く、注意が必要といいます。

 このほか、6月4日までの1週間に新たに入院した人は全国で4003人で、前の週と比べて768人の増加となりました。

 2023年6月9日(金)

🟧食品ロス量、2021年度の推計約523万トン 前年度比1万トン増

 消費者庁・農林水産省・環境省の3省が9日発表した2021年度の食品ロス量(推計値)によると、事業系・家庭系を合わせた食品ロス量は前年度から1万トン増の約523万トンとなりました。コロナ禍の影響により、製造業や小売業で需要の見通しが立たず、事業系の食品ロス量が増加しました。

 2021年度の食品ロス量の内訳は、事業系(製造・卸・小売・外食)が前年度から4万トン増の279万トン。家庭での食べ残しや消費期限・賞味期限切れによる廃棄といった家庭系が3万トン減の244万トン。合計で1万トン増の523万トンと推計されます。国民1人当たりに換算すると、1日に茶わん1杯の量に近い約114グラム、年間で約42キログラムの食品ロスが発生しています。

 事業系については、コロナ禍に伴う行動制限を背景に、事業者側の需要予測が困難だったことから、前年度から製造業が4万トン増、小売業が2万トン増となりました。

 製造業では、大学の休校が繰り返されて注文が取り消されたことや、内食の需要が拡大した影響も考えられるといいます。小売業については、内食需要の変化を読み切れなかったことが主な原因とみられます。

 外食産業は営業自粛や客足が遠のいたため、市場の縮小に伴って食品ロス量も1万トン減少しました。

 家庭系の詳細をみると、未開封のまま捨てる「直接廃棄」は、前年度と同じ105万トンで推移。食材の皮をむきすぎるといった「過剰除去」は1万トン増の34万トン、「食べ残し」は4万トン減の105万トン。

 このうち「直接廃棄」はここ数年、横ばいで推移。削減に向けて、「消費期限」「賞味期限」に対する消費者の理解を深める取り組みなどが課題に上っています。

 政府は、2000年度比で2030年度までに食品ロス量を半減させるという目標を掲げています。2000年度は事業系547万トン、家庭系433万トンで、2021年度時点の削減率はそれぞれ約49%、約44%となりました。

 目標達成にはさらに30万トン余りの削減が必要ですが、今後の経済状況の改善によっては食品ロス量が増加する懸念もあり、国は引き続き周知や啓発活動に力を入れたいとしています。

 河野太郎内閣府特命担当大臣(デジタル改革、消費者及び食品安全)は、「2030年度までに半減させるという目標を着実に達成するにはさらなる努力が必要で、達成に向けて消費者庁として施策のパッケージを年末までに策定したい」と話していました。

 2023年6月9日(金)

2023/06/08

🟧熱中症で救急搬送3647人、歴代3位の昨年上回るペース 6月は「第2のピーク」、湿度に警戒

 熱中症シーズンが本格的に到来し、総務省消防庁によれば、今年5月の熱中症での救急搬送人数は前年同月を上回りました。新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが変わり、人流や活動がコロナ禍前へと戻りつつあるのも一因です。湿度も高まる6月は熱中症リスクも高くなるとして、専門家も注意を呼び掛けています。

 今年5月の全国の救急搬送人数(速報値)は3647人と、前年同月比1・37倍。消防庁が5~9月の調査を始めた2008年以降で年間歴代3位だった昨年を上回るペースです。

 今年5月の天候は平年より気温が高めで、中旬には岐阜県で今年初の猛暑日(35度以上)、東京都も連日の真夏日(30度以上)を観測、下旬には北海道でも真夏日となりました。

 熱中症に詳しい済生会横浜市東部病院の谷口英喜・患者支援センター長は、「季節外れの高温に身体も衣食住の環境も対策ができていなかった中で、観光やスポーツ、学校行事など、コロナ禍から解放されて活動量自体が増えたことも要因」と話しています。

 一方、コロナ禍前の2019年5月(4448人)比では18%減。この年は5月の最高気温歴代1位の39・5度を観測するなど高温続きで、月間の「多照・高温・少雨」記録を更新した天候で熱中症が続出。2019年は5~9月でも歴代2位と異例ずくめの年でした。

 一般的に6月は入梅で雨や曇りの日が多くなり、今年6月も平年と比べて高温が予想されています。谷口医師が「熱中症の起こりやすさは夏場が第1のピークで、梅雨時期の6月こそ第2のピーク」というように、暑さで体温が上昇すると体温を下げようとして汗をかくものの、湿度が高いと汗が乾きにくくなります。同温のドライサウナとスチームサウナではスチームサウナのほうが体にきついのと同じで、同温なら多湿のほうが発症率も高くなります。

 熱中症対策として谷口医師は、自宅でエアコン空調が使えるなら除湿機能を活用して「湿度は50%以下」、「室温は27、28度程度」を勧めます。暑さに慣れるため汗をかく練習も重要で、「朝や夕方など気温が低い時のウォーキングやお風呂など、汗ばむ程度でいい」と話します。汗をかいたら「ハンカチやタオルで拭いて。そのほうが次の汗が出て体温は下がる」といいます。適切な水分補給に加え、体温調節機能をつかさどる自律神経のバランス維持のため、今日の疲れを明日に持ち越さない睡眠、食生活を推奨しています。

 2023年6月8日(木)

🟧インフルエンザやRSウイルスなど感染症患者が増加 感染対策徹底で免疫低下か

 全国各地の学校で季節性インフルエンザの集団感染による休校や学級閉鎖が、相次いでいます。

 国立感染症研究所によりますと、5月28日までの1週間に全国約5000カ所の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は7975人で、1医療機関当たりの患者数は1・62人でした。

 インフルエンザは通常12月から3月にかけて流行しますが、5月下旬に1医療機関当たりの患者数が流行の目安となる「1人」を超えるのは2013年以来10年ぶりとなります。この1週間で休校や学年・学級閉鎖をしたのは、小学校が246、中学校が40、高校が25など、全国で325カ所となっています。

 5月は大分市と宮崎市の高校でそれぞれ500人近い集団感染で休校したほか、6月に入ってからも福岡市の中学校と高校でも合わせて200人ほどが新型コロナやインフルエンザに感染するなどして休校となっています。

 また、子供を中心に例年夏から秋にかけて流行する「RSウイルス感染症」や、乳幼児に多くみられる夏風邪の代表的なウイルス性の感染症の「ヘルパンギーナ」の患者数も増加しています。

 5月28日までの1週間に約3000カ所の小児科の医療機関から報告された1医療機関当たりの患者数は「RSウイルス感染症」で1・95人、「ヘルパンギーナ」で1・33人と、いずれも3週連続で増加しました。

 5類移行前の1週間と比較すると、「RSウイルス感染症」は2倍に、「ヘルパンギーナ」は5倍に増加しています。

 厚生労働省は、「社会経済活動が日常に戻る中で、季節的な要因もあり、一定の流行を起こす感染症が今後も出てくるとみられるのでさまざまな感染症の流行状況を注視していきたい」としています。

 森内浩幸・長崎大教授(小児科)は、「コロナ禍の感染対策の徹底で、多くの感染症で流行が少なかったため、免疫が低下し感染が広がりやすくなっている」と指摘。子供は本来、乳幼児期にさまざまなな感染症にかかって免疫をつけていくことから、「感染を過度に恐れる必要はないが、重症化するケースもあるので、いつもと様子が違う場合は、迷わずかかりつけ医を受診してほしい」と話しています。

 2023年6月8日(木)

🟥インフルエンザ、昨年より約1カ月早く流行 特に子供で広がる

 インフルエンザの流行が昨年よりもおよそ1カ月早いペースで進んでいる。特に今シーズンは子供の患者が多く、専門家は学校での換気や人混みでのマスクの着用など対策を呼び掛けている。  国立健康危機管理研究機構などによると、11月23日までの1週間に全国約3000カ所の定点医療機関から...