2023/07/10

🟧埼玉県、熱中症疑いで102人搬送 今年初の1日100人超に

 熱中症警戒アラートが出ていた埼玉県では、10日午後4時までに、熱中症の疑いにより102人が救急搬送されました。県内で1日に100人以上が熱中症で搬送されるのは今年、初めてです。

 埼玉県によりますと、10日午後4時の時点で、熱中症の疑いで病院に救急搬送された人は102人に上り、今シーズンで最も多くなりました。

 このうち重症が3人、中等症が32人、軽症が67人となっています。

 また、65歳以上の高齢者が65人と全体の3分の2近くを占めています。

 10日、さいたま市や所沢市では38度を観測し、それぞれ今年の最高気温を記録していて、熱中症警戒アラートも出されていました。

 埼玉県は、直射日光を避けて暑い日の外出を控えることや、こまめに水分を補給することなど、熱中症対策を呼び掛けています。

 特に、高齢者や持病のある人は、暑さで徐々に体力が低下して室内でも熱中症になることがあるとして、エアコンを適切に使い、周りの人も高齢者のいる部屋の温度に気を配るよう呼び掛けています。

 2023年7月10日(月)

🟧エムポックスに30歳代男性が感染 鹿児島県内で初確認、海外渡航歴なし

 鹿児島県は10日、県内の30歳代男性の「エムポックス(サル痘)」感染を確認したと発表しました。県内での感染確認は初めて。

 7日に陽性が判明し、8日に医療機関から管轄保健所に発生届がありました。発疹、発熱咽頭痛などの症状がみられるものの、容体は安定しています。男性は海外渡航歴はありません。

 エムポックスウイルスに感染すると発症し、発熱や頭痛、リンパ節のはれといった症状が生じた後に、顔などに発疹ができ水膨れとなります。多くは2~4週間で自然に回復しますが、まれに重症化します。

 感染者の皮膚や体液、血液などに接触して感染するほか、寝具を介してうつることもあります。世界的に男性同士の性的接触による感染報告が大多数となっています。天然痘のために開発されたワクチンに発症予防効果があります。

 今年5月26日に「サル痘」から「エムポックス」に感染症法上の名称が変更されました。

 2023年7月10日(月)

🟧東京都内熱中症疑い、午後3時時点で53人搬送 東京消防庁が「救急車ひっ迫アラート」を初めて発表

 都心で今年初めて35度を超える猛暑日となった東京都では、熱中症による救急搬送が相次ぎました。

 東京消防庁によりますと、10日午後3時までに、都内(島嶼部と稲城市除く)で熱中症の疑いで救急搬送されたのは14歳から91歳までの男女53人です。

 このうち50歳代、60歳代、80歳代の男性3人と70歳代の女性2人の合わせて5人が重症で、20人が中等症、28人が軽症です。

 東京消防庁は、のどが渇く前にこまめに水分を補給するなど対策を徹底するよう注意を呼び掛けています。

 また、東京消防庁は10日、島嶼部と稲城市を除く管轄エリアで救急車の出動率が90%を超えるなどしたため、7月から運用を始めた「救急車ひっ迫アラート」を初めて発表しました。

 通常は日中、279台で運用している救急車の台数を30台ほど増やして300台以上で救護活動に当たっているということです。

 2023年7月10日(月)

2023/07/09

🟧アメリカ軍横田基地内でPFAS含む泡消火剤漏出 10年以上前に3件

 東京都は、有害性が指摘されている化学物質「PFAS(ピーファス)」が含まれる泡消火剤がアメリカ軍横田基地内で10年以上前に漏れ出たのが確認されていたと、国から連絡があったことを公表しました。基地のある多摩地域などでは、地下水からPFASが検出されていて、都は「速やかに情報提供されなかったのは極めて遺憾」としています。

 有機フッ素化合物の「PFAS」は、一部の物質で有害性が指摘されています。

 このPFASを巡り、都は4日、防衛省北関東防衛局から「アメリカ軍横田基地内で、これまでに3件、PFASを含む泡消火剤が漏れ出たことを確認した」などと情報提供があったことを、5日公表しました。

 漏れ出たのは、2010年1月に格納庫内で、2012年10月にドラム缶から、2012年11月に保管されていた容器からの、合わせて3件で、アメリカ軍は「基地の外へ流出したとは認識していない」と説明しているということです。

 PFASを巡っては、都の地下水の調査で、多摩地域と23区の合わせて17自治体で、国の暫定の目標値を超える値が検出されていました。

 都は「多くの都民が健康への影響などについて不安を抱いており、早急に払拭(ふっしょく)する必要がある。速やかに情報提供されなかったのは極めて遺憾」などとして、国に対し、地下水への影響調査や都民への情報提供を行うよう要請しました。

 2023年7月9日(日)

🟧宮城県こども病院、心臓手術で血液送る管が外れる 脳に重度の後遺障害

 仙台市の宮城県立こども病院は6日、県内居住の小児患者に心臓手術を行ったところ、人工心肺用送血管が外れ、脳への血液供給が一時的に不十分となり、重度の障害が残る医療事故が発生したと発表しました。

 病院によると、昨年2月25日、先天的に心臓内にある左右の心房を隔てる壁に穴がある「心房中隔欠損症」の患者の手術を行おうと、大動脈と送血管を接続した後に出血が始まりました。さらに、原因の確認に時間がかかったため、少なくとも約18分間、患者の脳への血液供給が不十分な状態になりました。患者は低酸素性脳症に陥り、日常生活で介護が不可欠となる重度の後遺障害(1級)となりました。人工心肺から体内へ血液を送り出す送血管が外れていたのが原因でした。

 事故が起きた手術では、脇の下を切開する腋窩(えきか)側方切開が採用されたものの、この方法は傷口が目立ちにくくなるというメリットの半面、人工心肺のリスクが高くなり、難易度が上がるとされます。

 手術は3人で行われ、研修医が執刀。この研修医は心房中隔欠損症を含めて40~50例の手術経験があったといい、「目視での確認を怠ってしまった」と話しているといいます。

 記者会見した今泉益栄理事長は「経験や手術数を踏まえると問題はなかった」とした上で、「安全確認が不十分だった。多大なる苦しみを与えてしまったことに心から深くおわびを申し上げる」と謝罪しました。

 今年6月2日に示談が成立し、病院は賠償金を支払いました。小児患者の性別や年齢などは非公表でした。

 2023年7月9日(日)

🟧子育て世帯数が初の1000万割れ、老老介護は過去最高の63・5% 厚労省調査

 厚生労働省は、世帯の状況などを調べる「国民生活基礎調査」を行っていて、2022年6月の調査で得られた約20万4000世帯からの回答を分析して、全国の世帯数を推計しました。

 4日に公表した調査結果によりますと、18歳未満の未婚の子供がいる、いわゆる「子育て世帯」は991万7000で、初めて1000万を下回りました。全世帯に占める割合も、2019年の前回の調査から3・4ポイント低下し18・3%と初めて20%を下回り、過去最低を更新。少子化の加速が改めて示されました。 

 岸田文雄政権は6月に「こども未来戦略方針」をまとめたものの、財源の裏付けなど不透明な面が多く、少子化対策の実効性が問われています。

  子供がいる、子育て世帯を人数別にみると、「1人」が49・3%とほぼ半数に上り、「2人」が38・0%、「3人以上」が12・7%でした。

  同居の家族らによる介護では、介護を受ける人と世話をする人がともに65歳以上の「老老介護」が63・5%に達しました。2019年調査から3・8ポイント上昇。過去最高を更新しました。 

 65歳以上の高齢者のみか、65歳以上と18歳未満の未婚の子供だけで暮らしている「高齢者世帯」は1693万1000。全世帯に占める割合は、2019年の前回の調査から2・5ポイント上昇し31・2%でした。高齢化が進む中、単独世帯も1785万2000へ増えました。2019年から4・1ポイント上がり32・9%を占めました。

 今回の調査について、厚生労働省は「出生数が去年80万人を下回ったが、そのような要因も反映された結果だと思う。少子化の動向については今後も引き続き注視していきたい」としています。

 2023年7月9日(日)

2023/07/08

🟧軽い運動で高血圧が改善する仕組みを解明 脳に伝わる適度な衝撃が有効

 ジョギングや速歩などの運動で脳に適度な衝撃が伝わると高血圧が改善することを、国立障害者リハビリテーションセンターや国立循環器病研究センター、東京大、群馬大などの研究チームが発見しました。論文が7日、イギリスの科学誌に掲載されました。成人を対象とした臨床試験でも効果が確かめられ、さまざまな疾患の原因となって健康寿命を縮める高血圧の新たな治療法につながると期待されます。

 軽いジョギングのような運動では、足が着地する時に頭部に衝撃が伝わり、脳内の細胞の隙間を埋める間質液が動きます。この動きで血圧の調整にかかわる細胞が物理的に刺激され、血圧を上げる作用があるタンパク質の量が減り、血圧が低下することがわかりました。適度な運動が高血圧改善に効果があることは統計的に知られていたものの、そのメカニズムが明らかになりました。

 軽いジョギングで頭部に加わる衝撃は約1G。高血圧のラットを使った実験で、麻酔をかけた上で、1Gの衝撃がリズミカルに加わるように頭部を上下させる受動的な運動を1日30分、2~3週間続けたところ、血圧が低下しました。ラットが自ら走行した場合と効果は同じでした。

 人間での臨床試験は、高血圧の約30人を対象に、座面が上下に動いて頭部に1Gの衝撃が加わるようにした椅子に週に3回、1回当たり30分座る実験を1カ月間続けたところ、最高血圧の平均は141・9から132・9に低下しました。さらに、実験終了から約1カ月にわたって効果が持続しました。

 受動的な運動で改善効果が認められたことから、自ら運動できない寝たきりの高齢者や障害者にとって、新たな治療法の開発につながる可能性があります。

 また、糖尿病や肝機能障害など適度な運動による改善効果が知られている病気でも、同様のメカニズムが働いている可能性があり、研究チームは今後の研究で解明したいとしている。

 このほか、重度の身体障害がある子供向けに、上下に動く椅子を使って自律神経障害を改善する臨床試験も進めています。自律神経の乱れは睡眠や排泄(はいせつ)などに問題を起こし、本人や世話をする家族にとって負担が大きくなっています。

 国立障害者リハビリテーションセンター病院の澤田泰宏・臨床研究開発部長(細胞生物学)は、「高血圧や糖尿病には薬があるが、こちらには有効なアプローチがない。負担を軽減できるよう研究を続けたい」と話しました。上下動する椅子は医療機器としての承認を目指します。

 2023年7月8日(土)

🟩入国前の結核検査を義務化、フィリピンとネパール対象

 留学や就労目的で日本に3カ月を超えて滞在する予定の外国人に、入国前の結核検査と、発症していないことの証明書の提出を義務付ける「入国前結核スクリーニング」が23日、フィリピンとネパールを対象に始まりました。在留中に結核と診断される人の割合が増加傾向にあり、対策が急務となっていま...