2023/07/11

🟧ヘルパンギーナ、2週連続で過去10年最多を更新  25都道府県で警報レベル

 国立感染症研究所によりますと、全国約3000の小児科の医療機関から報告された「ヘルパンギーナ」の患者の数は、7月2日までの1週間で合わせて2万360人で、1医療機関当たり6・48人でした。

 これは過去10年で最も多かった前の週をさらに上回っています。

 1医療機関当たりの患者数が「6」を上回ると警報レベルとされていますが、最も多い宮城県が15・85人で、三重県や鹿児島県、群馬県でも10人を上回るなど、25の都道府県で警報レベルを上回りました。

 ヘルパンギーナは接触や飛沫(ひまつ)などによって感染します。38~40度の発熱と、口の中やのどに直径1~5ミリ程度の小さな水疱(すいほう)ができるのが特徴。乳幼児を中心に夏に流行し、のどの痛みで食べ物や飲み物がうまく飲み込めず、脱水症状を引き起こす場合もあります。

 このほか、乳幼児に多い呼吸器疾患「RSウイルス感染症」の患者も増加傾向が続き、直近1週間の小児患者数は9981人、1医療機関当たりの患者数は3・17人と前年同期の約3倍に増えています。

 RSウイルスは新生児や基礎疾患のある子供は重症化しやすく、気管支炎や肺炎を引き起こす恐れもあります。

 日本小児科医会で感染症対策に携わる峯眞人理事は、「ヘルパンギーナは原因のウイルスが複数あり、今後も患者が増える可能性がある。これだけ急激に広がったウイルスはこれからも消えてなくなることはないので、マスクや手洗いなど基本的な対策をとってほしい」と話していました。

 2023年7月11日(火)

🟧3〜9日の熱中症搬送、全国で3964人 今年最多に

 総務省消防庁は11日、熱中症で3~9日の1週間に全国で3964人が救急搬送されたとの速報値を公表しました。今年の統計を開始した5月1日以来、1週間の搬送者数としては最多。前週(6月26日~7月2日)の3227人から737人増えました。

 茨城、長野両県で1人ずつ、計2人の死亡が確認されました。

 気象庁によると、東日本や西日本、沖縄・奄美は最高気温の高い日が今後続き、35度以上の猛暑日も予想されます。消防庁はこまめな水分補給、適切なエアコン使用などの対策を呼び掛けています。

 3週間以上の入院が必要な重症者は58人、短期の入院が必要な中等症は1271人でした。搬送者のうち、65歳以上の高齢者が2324人と全体の58・6%を占めました。

 熱中症の発生場所は、自宅の敷地内などの「住居」が1651人と最も多くなりました。 

 2023年7月11日(火)

🟧熱中症の疑いで救急搬送相次ぐ 埼玉県で72人、東京都で52人、岐阜県で児童19人

 11日も各地で気温が上がり、全国の57の観測点で猛暑日となりました。熱中症とみられる症状での救急搬送が相次いでいます。

 埼玉県によりますと、11日午後4時の時点で、合わせて72人が熱中症の疑いで救急搬送されました。

 このうち、重症が3人、中等症が21人、軽症が48人となっています。また、65歳以上の高齢者は45人で、全体の6割以上を占めています。

 埼玉県は、室内でも適切にエアコンを使用することや、こまめに水分を補給するなど、熱中症の対策を徹底するほか、周りにいる子供や高齢者に声掛けを行うよう呼び掛けています。

 東京消防庁によりますと、11日、都内では午後3時までに、10歳代から90歳代の男女合わせて52人が熱中症の疑いで救急搬送されたということです。

 このうち、13人が中等症、39人が軽症だということです。

 東京消防庁は、のどが渇く前にこまめに水分を補給するなど対策を徹底するよう注意を呼び掛けています。

 11日午前10時半すぎ、岐阜県各務原市の川島小学校から「子供が気分の悪さや体のだるさを訴えている」と通報がありました。

 市の教育委員会や学校によりますと、学校では午前9時半ごろから児童約730人が校庭に出て学校の創立150周年を祝う記念の航空写真を撮影していましたが、約50人が気分の悪さや体のだるさなどを訴えたということです。

 消防がこのうち19人を熱中症の疑いで病院に搬送しましたが、全員、意識はあり重症の児童はいないということです。

 市の教育委員会によりますと、熱中症対策のガイドラインに基づいて、児童には帽子をかぶらせ水筒を持たせていたということです。

 各務原市に隣接する岐阜市の気温は、午前10時半に30・7度、午前11時には32・3度を観測していました。

 2023年7月11日(火)

🟧7月第1週は観測史上「最も暑い週」 世界気象機関が発表

 国連の世界気象機関(WMO)は10日、暫定的なデータとして、7月第1週の世界平均気温は観測史上、最も暑い1週間となったと発表した。

 WMOは、気候変動とエルニーニョ現象の影響だとしています。

 また、7月7日の世界平均気温は17・24度で、WMOによると、2016年8月16日の16・94度を0・3度上回りました。2016年の夏には南米ペルー沖の太平洋の海面水温が上がり、世界的な気温上昇につながることが多いエルニーニョ現象が強く発生。WMOは4日に、エルニーニョが7年ぶりに発生したとしており、今後さらに気温が上昇する可能性があるとして懸念を示しました。

 WMOは地表温度と海面温度の両方が最高記録を更新しているとも指摘。生態系や環境に壊滅的な影響を及ぼす恐れがあると警告しました。

 WMOの気象サービス部門の責任者、クリストファー・ヒューイット氏は、「我々は未知の領域にいる。エルニーニョ現象がさらに発達すれば、さらに記録が更新される。影響は2024年まで続くだろう」と述べました。

 ヨーロッパの地球環境モニタリング計画「コペルニクス」も、1940年の観測開始以来、先週が最も気温が高かったとみられると述べました。

 2023年7月11日(火)

2023/07/10

🟧神戸徳洲会病院が循環器内科のカテーテル手術を当面中止 「手術で6人死亡」と告発書

 神戸徳洲会病院(神戸市垂水区)で、循環器内科の男性医師が行ったカテーテル手術後に複数の患者が死亡したとする告発を巡り、同病院が循環器内科でのカテーテル手術や検査を当面中止すると決めたことが、明らかになりました。

 神戸市によると、今年1月以降、男性医師らが心臓病患者や透析患者らにカテーテルと呼ばれる細い管を使った手術や検査を行った結果、6人が死亡したとする告発書が6月30日に郵送で届いたといいます。1月に赴任した男性医師の名前を挙げ、担当したカテーテル手術後に6人が死亡し、別の5人も容体が悪化したと書かれていたといいます。医師は循環器内科に所属し、心臓などのカテーテル手術を月約40件実施しています。

 これを受け、市保健所は5日に立ち入り検査し、医師が担当した患者のカルテ内容や病院の安全管理体制を調べています。1月下旬の手術から数時間後に急性心筋梗塞(こうそく)で亡くなった患者のカルテも確認したものの、明確な法令違反はありませんでした。今後も継続して検査を進める方針です。

 一方、病院は7日、職員を集めた臨時の説明会を開き、循環器内科でのカテーテル手術や検査を当面中止すると伝えたといいます。

 病院を運営する「徳洲会グループ」(東京都千代田区)の担当者は「死亡事例は2件ありカルテを確認したが、医療事故とは考えていない」と説明。14日にも院内で調査委員会を設置し、一連の経緯を調べることを明らかにしました。 

 2023年7月10日(月)

🟧ヤングケアラーへの支援強化、厚労省 介護保険の基本指針案に初明記へ

 厚生労働省は来年度、家族を介護する若者「ヤングケアラー」への支援強化に乗り出します。介護保険事業の方向性を決める新たな基本指針の原案に盛り込み、10日に開かれる厚労省の部会で示します。介護保険の実施主体である市区町村は、介護サービスを実施するための事業計画に、支援方針をそれぞれ反映させ、地域での相談体制を拡充します。

 厚労省がヤングケアラーの支援を基本指針で示すのは初めて。「認知症高齢者の家族、ヤングケアラーなど家族介護者支援に取り組むことが重要」との文言を明記します。590万人いる「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者になる2025年を見据えた措置で、高齢者介護を担う若者の負担軽減策を市区町村に促します。

 市区町村は3年ごとに行われる介護保険法の改正に合わせ、事業計画を見直しています。新たな計画は2024~2026年度が対象となります。

 介護や家事に追われるヤングケアラーは、学習や部活動の時間が制約され、同世代と人間関係を築きにくくなるとされます。心身に負荷がかかっても、自覚がないまま誰にも相談できずに体調を崩すこともあります。

 また、地域の高齢者が気軽に集い、介護予防の拠点とされる「通いの場」の活動が、新型コロナウイルスの感染拡大期間に休止していたのを受け、活動再開に向けた取り組みの重要性についても触れます。 

 ヤングケアラーは、病気や障害を抱える親、祖父母ら家族の介護や家事など、本来は大人が担うべき役割を負っている若者。厚生労働省による初のインターネット調査(2020年度)によると、介護を担う中学2年は17人に1人(5・7%)、高校2年(全日制)は24人に1人(4・1%)いました。

 2023年7月10日(月)

🟧新型コロナ拡大で入院困難になり、 訪問看護での自宅療養広がる 沖縄県

 沖縄県では新型コロナウイルスの感染拡大により、重点医療機関などで入院受け入れが困難になる中、本来は入院対象となる患者を訪問看護事業所につなぎ、自宅療養で対応する動きが広がっています。重点医療機関の負担軽減にもなるものの、利用者からは「慌ただしい病院より自宅のほうが落ち着いて療養できる。こういう選択肢があることも知ってほしい」との声もあります。

 沖縄県の発表によると、2日時点で県全体の病院に1130人が入院中で、うち15人が重症。1130人の内訳は、重点医療機関36カ所で784人、その他の病院は346人でした。重点医療機関の病床使用率は増加を続け、75・3%となりました。

 重点医療機関だけでなく、地域の診療所でも入院先を探すのが難しくなりつつあります。

中頭(なかがみ)病院の仲村尚司医師によると、同病院では6月15日から7月4日まで、救急搬送を含めた救急外来患者14人を訪問看護につなげ、そのうち10人は自宅で療養を終えました。ある訪問看護の事例では、入院に比べ医療費が5分の1に抑えられたといいます。

 5類移行以前は県対策本部が訪問看護などを調整していましたが、現在は医師による調整が必要となっています。仲村医師は「コロナ禍で経験値を高めた訪問看護を利用したほうが患者や医療の負担が減ることもあるので、医師の皆さんは訪問看護につなぐことを積極的に検討してほしい」と呼び掛けました。

 2023年7月10日(月)

🟩入国前の結核検査を義務化、フィリピンとネパール対象

 留学や就労目的で日本に3カ月を超えて滞在する予定の外国人に、入国前の結核検査と、発症していないことの証明書の提出を義務付ける「入国前結核スクリーニング」が23日、フィリピンとネパールを対象に始まりました。在留中に結核と診断される人の割合が増加傾向にあり、対策が急務となっていま...