2023/07/24

🟧第一三共の血液がん治療薬、アメリカFDAが承認

 第一三共は20日、進行性の血液がんと新たに診断された患者を対象とする同社の治療薬「ヴァンフリタ(一般名:キザルチニブ塩酸塩)」をアメリカ食品医薬品局(FDA)が承認したと発表しました。

 FDAは、ヴァンフリタを血液・骨髄がんの一種である急性骨髄性白血病(AML)患者のうち、再発リスクの増加に関連する遺伝子変異を持つ成人患者を対象に承認しました。

 AMLは骨髄の中でがん細胞が増殖し、血液が正常に作れなくなる病気で、患者の約3割に特異な遺伝子変異が認められ、変異のない患者と比較して治療が難しく、再発リスクが高いとされます。キザルチニブはこの遺伝子に作用し、腫瘍の増殖を抑えます。

 第一三共は、ヴァンフリタの卸売り購入価格が17・7ミリグラムと26・5ミリグラムの両用量で1錠当たり546ドルだと明らかにしました。

 同社によると、ヴァンフリタは化学療法との併用および化学療法併用後の維持のための単剤療法として承認されています。

 第一三共はヨーロッパ血液学会で、ヴァンフリタの最初に投与するがん治療薬(一次治療)の臨床試験(治験)の結果について、死亡リスクが減り生存期間が延びたと発表しています。

 ヴァンフリタは日本ではAML治療の飲み薬として再発患者などを対象に2019年に販売承認を得て、2023年5月に一次治療としての使用も認められました。ヨーロッパでも申請が受理されています。

 同薬は、スイス製薬大手ノバルティスの「ライダプト」とアステラス製薬の「ゾスパタ」と競合します。

 2023年7月24日(月)

2023/07/23

🟧住民54人中25人、有機フッ素化合物が指針値超え 愛知県豊山町、配水場から検出

 愛知県豊山町の配水場から健康被害のリスクが高いとされる物質が検出された問題で、市民団体が周辺住民を対象に行った血液調査の結果を20日、記者会見で公表しました。

 2021年3月、水道水を家庭に配水する豊山町の豊山配水場で国が定めた暫定目標値(1リットル当たり50ナノグラム)を大幅に超える有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」が検出されたため、地下水のくみ上げが中止されました。

 こうした状況を受け、市民団体「豊山町民の生活と健康を守る会」が6月、豊山町と、隣接する北名古屋市の住民計54人の血液検査を行ったところ、25人のPFASの血中濃度がアメリカの学術機関が定める指針値で「健康に影響がある恐れがある」とされている1ミリリットル当たり20ナノグラムを超えていたということです。PFASは濃度が高いと健康へのリスクが高まるとされています。

 調査結果をまとめた京都大学の原田浩二准教授(環境衛生学)は、「配水区域の住民の血中PFAS濃度は比較的高い状況にあると考えられ、配水が停止されて2年が経過しているが、影響は持続していることがうかがえる」などと述べた上で、汚染源の特定とともに継続的なモニタリング調査が必要だと指摘しました。

 記者会見に同席した小泉昭夫京都大学名誉教授(環境衛生学)は、「(豊山町の)県営名古屋空港で使われた可能性がある泡消火剤が地下水を汚していると考えられる」と述べました。1994年に同空港で起きた中華航空機墜落事故でPFASを含む泡消火剤が使用された可能性があるといいます。

 PFASを含む泡消火剤を使っていたアメリカ軍横田基地(東京都)の周辺住民への血液検査でも、過半数が指針値を超えていました。

 市民団体は今後、医師による個別医療相談を行うほか、豊山町や周辺の河川や井戸水の調査を行うとしています。

 2023年7月23日(日)

2023/07/21

🟧新型コロナウイルス感染者、定点当たり11・04人 5類移行後10人超は初、前週比1・21倍

 新型コロナウイルスの全国の感染状況は、7月16日までの1週間では1つの医療機関当たりの平均の患者数が11・04人となり、前の週の1・21倍となっています。43の都道府県で前の週より増加しています。 

 厚生労働省によりますと、7月16日までの1週間に全国約5000の定点医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から9042人増えて5万4150人となりました。

 また、1つの医療機関当たりの平均の患者数が11・04人となり、前の週の1・21倍となっています。前の週から増加が続くのは、15週連続となります。5類に移行してからは9週連続の増加で、移行直後と比べると4・20倍となりました。定点医療機関当たりの報告者が10人を超えたのは、移行後初めて。

 都道府県別では、多い順に沖縄県が31・83人、佐賀県が23・05人、宮崎県が20・79人、鹿児島県が19・08人、長崎県が16・66人、大分県は16・47人、熊本県は15・93人、愛媛県は15・7人、三重県は15・53人などとなっており、43の都道府県で前の週より増加しました。少ないのは青森県4・05人、秋田県4・35人、山形県5・37人。

 このほか、7月16日までの1週間に新たに入院した人は全国で6952人で、前の週と比べて632人の増加となりました。

 厚労省は全国の流行状況について、「感染者数の伸び幅は横ばいで、全国的には緩やかな増加傾向が続いているが、特に九州や中国、四国では前の週より増加幅が大きい県が多い。一方で、沖縄県では2週連続で減少となった。各都道府県には夏の感染拡大に備えて医療機関の間の連携などの準備を進めるよう呼び掛けていて、引き続き感染状況を注視したい」としています。

 2023年7月21日(金)

🟧新型コロナ、沖縄・九州で急拡大 沖縄県や鹿児島県などで全国平均を上回る

 新型コロナウイルスの感染が、沖縄・九州を中心に再び急拡大しています。各県の定点医療機関からの感染者の報告数が、沖縄・九州では6県が全国トップ10に入り、各県は外出や移動機会が増える夏休みを前に、改めて感染対策の徹底を求めています。

 各県のまとめなどによると、7月3~9日の1週間でそれぞれ定点医療機関1カ所当たりの感染者数は、沖縄県が47都道府県で最も多い41・67人、次いで鹿児島県が17・18人、宮崎県が16人、佐賀県が15・33人、熊本県が11・99人などと続き、全国平均の9・14人を上回っています。

 宮崎県は20日、最新の直近10~16日の1週間でみると、20・79人と前週の1・3倍に拡大していると発表しました。入院患者数も19日時点で173人と、前週から1・8倍に増加しているといいます。1日当たりの新規感染者数は891人と推計され、担当者は「第8波に入った2022年12月上旬の1日当たりの実数988人に近付いている」としています。

 熊本県も20日、直近1週間では15・93人と、前週に比べ1・33倍に増えていることを明らかにしました。

 九州各県とも医療体制が逼迫(ひっぱく)する状況ではないものの、これまで夏場に感染が拡大し、夏休みで人の流れが増える時期を迎えるため、状況に応じたマスクの着用や「3密」の回避を呼び掛けています。

 2023年7月21日(金)

2023/07/20

🟧東京都の新型コロナ感染者、1医療機関当たり8・25人 前週比1・08倍で4週連続増

 東京都内の新型コロナウイルスの感染者数は前の週の1・08倍と4週続けて増えており、専門家は、重症化リスクの高い高齢者などに早めのワクチン接種を検討するよう呼び掛けています。

 都は20日、新型コロナの感染状況について、モニタリング項目を発表しました。

 それによりますと、定点把握の対象になっている都内419の医療機関のうち、413カ所から報告があり、感染者数は7月10日から16日までの1週間で合わせて3407人で、1医療機関当たりでは8・25人となりました。

 これは前の週の7・58人の1・08倍と、4週続けて増えています。

 また、7月17日時点での入院患者数は、前の週の1176人から157人増えて1333人となり、こちらも4週続けて増えています。

 専門家は、「入院患者数は4週連続で前週から増加しているが、医療提供体制への大きな負荷は今のところみられない」としています。

 2023年7月20日(木)

🟧HPVワクチン任意接種費用、小6~高1男子にも全額助成 東京都中野区

 東京都中野区は、女性の子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)感染を予防するワクチン任意接種について、区内に住む小学校6年~高校1年相当の男子の接種費用を助成することを決めました。区によると、男性への助成は都内自治体では初めて。

 対象となるのは4500人。4価HPVワクチン(ガーダシル)1回につき約1万7000円(計3回を想定)を助成し、8月1日以降の接種が対象。区内87カ所の医療機関であれば全額助成となります。区は接種費用約1600万円を予算化しました。

 HPVは男性についても性感染症や肛門(こうもん)がん、中咽頭(いんとう)がんなどを引き起こす原因となることがわかっています。主に性交渉を通じて感染することから、男性への接種を増やすことで、女性の感染リスクも減らせます。HPVワクチンは、小学校6年~高校1年相当の年齢の女子は公費で接種を受けられるものの、男子は対象外でした。

 男性へのHPVワクチン接種は多くの国で推奨され、アメリカ、イギリス、オーストラリアなど20カ国以上の国で公費接種が行われています。日本では、2020年12月から任意接種で男性が4価HPVワクチンを受けられるようになりましたが、全額自費で合計3回で約5〜6万円かかります。

 2023年7月20日(木)

🟧「ヘルパンギーナ」感染者、過去10年で最多の状況続く

 子供がかかりやすく、発熱などの症状が出る感染症「ヘルパンギーナ」の流行が続いていて、7月9日までの1週間に報告された患者の数は、過去10年で最多だった前の週よりもさらに増加したことが、国立感染症研究所のまとめでわかりました。

 ヘルパンギーナは夏に患者が増えるウイルス性の感染症で、5歳以下の子供がかかりやすく、発熱のほか口の中に水膨れができたり、のどが痛んだりといった症状が出ます。

 国立感染症研究所によりますと、全国約3000の小児科の医療機関から報告されたヘルパンギーナの患者の数は7月9日までの1週間で、合わせて2万2980人となりました。

 1医療機関当たりでは7・32人で、現在の集計方法になった1999年以降、7人台に達するのは初めてで、国が定める警報レベルの「6人」を超えた前週の6・48人からさらに増加しました。

 都道府県別では、最も多い宮城県の23・2人を始め、岩手県(14・7人)や三重県(12・4人)など8つの道県で10人を超えていて、27の都道府県で警報レベルの「6人」以上となっています。

 また、熱やせきなど、風邪のような症状が出る「RSウイルス感染症」の患者数は合わせて1万613人、1医療機関当たり3・38人で、引き続き患者の多い状況が続いています。

 感染症が専門の国立病院機構三重病院の谷口清州院長は、「この3年間は新型コロナウイルス対策が取られていたため、子供がさまざまなウイルスに接しておらず、感染しやすい状況になっているとみられる。今の流行が収まっても新型コロナウイルスを含めた呼吸器感染症が夏休みを中心に広がる恐れもある。ウイルスと接する量を減らすためにも、マスクや手洗いの徹底、人との距離を保つことに気を付けてほしい」と話していました。

 2023年7月20日(木)

🟪「健康寿命」ほぼ横ばいで推移、厚労省発表 男性72・57歳、女性75・45歳

 厚生労働省は24日、介護を受けたり寝たきりになったりせずに日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」が、2022年は男性72・57歳、女性75・45歳だったと公表しました。前回調査の2019年(男性72・68歳、女性75・38歳)から、ほぼ横ばいで推移しました。  健康寿命は3年...