2023/08/02

🟧オミクロン型対応の新型コロナワクチン、4歳以下への引き下げを了承

 アメリカのファイザー製とアメリカのモデルナ製の新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省の専門家部会は7月31日、対象年齢の引き下げを了承しました。

 ファイザー製は、6カ月以上4歳以下について、オミクロン型「BA・4とBA・5」への最初の免疫をつける1~3回目接種と、その後の追加接種(4回目以降)などが新たに対象となりました。これにより6カ月以上のすべての世代で、オミクロン型対応のワクチンが接種できるようになりました。

 モデルナ製は、6~11歳について、従来型への最初の免疫をつける1、2回目接種と、オミクロン型に対応した追加接種(3回目以降)が新たに対象となりました。

 今後の具体的な接種については、別の専門家会議で決めます。

 2023年8月2日(水)

2023/08/01

🟧ヘルパンギーナとRSウイルス感染症、前週より減少も引き続き注意

 流行が続いている「ヘルパンギーナ」や「RSウイルス感染症」について、7月23日までの1週間の患者数は、いずれも前の週より減少したことが国立感染症研究所のまとめでわかりました。専門家は、しばらくは緩やかに流行が続く可能性があるとして、引き続き注意を呼び掛けています。

 「ヘルパンギーナ」は夏に患者が増えるウイルス性の感染症で、5歳以下の子供がかかりやすく、発熱のほか口の中に水膨れができたりのどが痛んだりといった症状が出ます。

 国立感染症研究所によりますと、7月23日までの1週間に全国約3000の小児科の医療機関から報告されたヘルパンギーナの患者数は合わせて1万4789人、1医療機関当たりでは4・71人で、前の週の6・86人よりも2・15人減りました。

 地域ごとでは、岩手県、山形県、宮城県、長野県で10人を超えていて、警報レベルの「6人」を超えている地域は合わせて12の道と県となっています。

 また、風邪のような症状が出る病気で幼い子供が感染すると重症化することもある「RSウイルス感染症」は、7月23日までの1週間で報告された患者数が合わせて8124人、1医療機関当たりでは前の週より0・57人減って2・59人となりました。

 感染症が専門で国立病院機構三重病院の谷口清州院長は、「この3年間でさまざまな感染症に対する免疫力が低下しているので、ヘルパンギーナやRSウイルス感染症はこの後もしばらくはだらだらと流行が続く可能性がある。発熱が3日以上続いたり、食事ができない、せきがひどいなど日常生活に支障が出る場合は医療機関を受診してほしい」と話していました。

 2023年8月1日(火)

🟧国産新型コロナワクチン、初の承認へ 第一三共製、厚労省部会が了承

 国内の製薬大手、第一三共が開発した新型コロナウイルスのワクチン「ダイチロナ」について、厚生労働省の専門家部会は使用を認めることを了承しました。ファイザーなどと同様のmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンで、今後、厚労省による手続きを経て、国内の製薬会社の新型コロナのワクチンとして初めて正式に承認されることになります。

 新型コロナウイルスのワクチンは、これまで国産のものがなく、アメリカのファイザーやモデルナなど海外の製薬メーカーのものが使われていますが、今年1月、第一三共が厚労省に承認申請を行っていました。

 このワクチンについて、7月31日に開かれた厚労省の専門家部会で検討が行われ、有効性や安全性が確認できたとして、使用を認めることを了承しました。

 今後、厚生労働省の手続きを経て、国内の製薬会社の新型コロナのワクチンとして初めて正式に承認されることになります。

 開発されたワクチンは、変異ウイルスではなく従来型の新型コロナウイルスに対応したもので、人工的に作った遺伝物質mRNAを投与することにより、ウイルスが細胞に感染する際の足掛かりとなるスパイクたんぱく質の一部を体内で作り出し、免疫を高める仕組みです。

 また31日は、塩野義製薬が開発した新型コロナウイルスのワクチン「コブゴーズ」についても検討が行われましたが、有効性を評価するためのデータが十分でないなどとして、継続審議となりました。「ダイチロナ」「コブゴーズ」ともに流行初期の従来型に対応しており、足元で流行するオミクロン型の変異型「XBB」には対応しておらず、普及しない可能性があります。

 新型コロナウイルスの国産ワクチンが承認されることについて、ワクチンに詳しい福岡看護大学の岡田賢司教授は、「ワクチンは国民を感染症から守るツールの一つであり、危機管理の道具として日本独自で持っておかないといけない。承認されることは非常に大きな意味を持つ。開発は海外に比べると遅れをとったかもしれないが、これまで新しいワクチンを作るには少なくとも5年から10年はかかってきた。今回、3年で承認に至るのは、今までからするとかなり速いスピードだ」と述べました。

 新型コロナウイルスのワクチンは、感染拡大が本格的に始まった2020年以降、国内外の製薬会社が開発に乗り出しました。

 このうちファイザーやモデルナ、アストラゼネカなどの海外の製薬会社が開発した新型コロナウイルスワクチンは約1年後には実用化され、その後、国内でも承認されて接種が始まりました。

 日本では複数の製薬会社が国産ワクチンの開発を進め、日本医療研究開発機構(AMED)が研究開発を補助したほか、厚労省が研究や生産体制の整備を支援するなど、国を挙げて開発を後押ししてきました。

 ただ、海外のワクチンに比べ早期の実用化はかなわず、国内で接種するワクチンは輸入に頼ることとなりました。

 一方で、日本の製薬会社のワクチン開発は海外のワクチンが実用化されてからも継続され、今回、承認されることになった第一三共のワクチン「ダイチロナ」や承認申請を行っている塩野義製薬のワクチン「コブゴーズ」以外にも、熊本県のワクチンメーカー、KMバイオロジクスがインフルエンザワクチンなどと同じ「不活化ワクチン」の臨床試験を行うなど、複数の企業が開発を進めています。

 2023年8月1日(火)

🟧日本の7月の平均気温、過去最高に 45年ぶり、平年より1・91度高く

 気象庁は1日、7月の平均気温が、平年を示す基準値(1991~2020年の平均)を1・91度上回り、統計を開始した1898年以降で最も高くなったと発表しました。これまでの最高は1978年のプラス1・51度で、45年ぶりに更新しました。

 特に7月後半から最高気温が35度以上の猛暑日が相次ぐなど、厳しい暑さが続きました。気象庁によると、台風が発生するなどフィリピン付近の積乱雲の活動が活発で太平洋高気圧の勢力が強くなり、暖かい空気が流れ込んだためだといいます。

 2023年8月1日(火)

2023/07/31

🟧パルスオキシメーター、全国で30万個が未返却 47都道府県調査

 新型コロナウイルスの自宅療養者向けに都道府県が無料で貸し出したパルスオキシメーターが、全国で少なくとも約30万個返却されていないことが明らかになりました。

 購入価格は自治体ごとに違うものの、未返却数が多い東京都、埼玉県、神奈川県ぶんから試算すると計約15億円となります。貸し出しは市や区なども実施しており、実際の未返却数はさらに多そうです。

 パルスオキシメーターは、血中酸素濃度を測る医療機器。貸し出しは、2020年4月に始めた国の新型コロナ感染症緊急包括支援事業の対象となり、同支援交付金が充てられました。購入や配送、回収を都道府県などが担い、今年5月に原則終了しました。

 マスコミが全47都道府県に、自宅療養者向けの貸出パルスオキシメーターの確保数と未返却数について、今年7月上旬の状況を質問しました。

 45都道府県から回答があり、確保した計約176万5300個のうち、計約30万個が未返却。確保した数を基準にすると、未返却の割合は約17%でした。和歌山県と熊本県は、同時期の未返却数を詳しく把握していないとの回答でした。

 未返却は、都道府県別では最多が東京都の約7万個で、次いで埼玉約5万5000個、神奈川県約4万個など。

 自治体の確保数を基準にした未返却の割合は、沖縄県(約44%)、佐賀県(約40%)、山口県(約38%)など7県が30%超でした。

 延べ貸し出し回数は「不明」とした自治体が少なくないものの、把握していた自治体の大半が確保数を上回っており、1個を複数回貸し出していたとみられます。沖縄県は確保した約4万6000個を21万回以上貸し出し、約2万個が未返却でした。

 自治体が未返却者に督促すると、「なくした」「壊れた」などと答える人が多いといいます。

 一方、未返却の割合は群馬県の約1%(272個)が最低で、岩手県と茨城県が2%台でした。

 機器の購入価格は、未返却数の上位3都県によると1個平均約5000円でした。

 2023年7月30日(日)

🟧東京都内、熱中症疑いで49人搬送 東村山市、2日で高齢男女4人死亡

 東京消防庁によりますと、31日都内では、午後3時までに12歳から99歳までの男女合わせて49人が熱中症の疑いで救急搬送されたということです。

 このうち、80歳代の男性1人が重症で、18人が中等症、30人が軽症だということです。

 のどが渇く前にこまめに水分補給するなど、熱中症への注意が必要です。

 一方、東京都東村山市で29日から30日にかけて、高齢の男女合わせれ4人が住宅の中で死亡しているのが見付かり、警視庁は発見当時、室内が高温だったことなどから熱中症の可能性もあるとみて、詳しい状況を調べています。

 29日午後6時前、東村山市秋津町の住宅でこの家に住む91歳と84歳の夫婦が自宅の寝室で死亡しているのを訪れた介護職員が見付け、110番通報しました。

 警視庁によりますと、夫婦は2階の寝室のベッドの上で倒れていて、窓やドアは閉め切られた状態だったということです。

 扇風機は回っていましたが、寝室に設置されたエアコンのスイッチは入っていませんでした。

 また、30日午後3時ごろには、東村山市青葉町の住宅でこの家に住む70歳代の男女とみられる2人が寝室のベッドの上で死亡しているのが見付かりました。

 当時、扇風機が回っていて窓も少し開いていましたが、エアコンは入っていなかったということで、死後数日が経過しているとみられています。

 警視庁はいずれも発見当時、室内が高温だったことなどから熱中症の可能性もあるとみて、詳しい状況を調べています。

 東村山市の東側に位置する東京都練馬区は最高気温が30日が37・7度、29日が36・7度と7月24日以降、連日猛暑日が続いていました。

 東京都監察医務院によりますと、都内では7月に入って27日までに、熱中症の疑いで40歳代から90歳代の男女合わせて70人の死亡が確認されたということです。

 このうち63人は屋内で倒れていて、クーラーの設置がなかったのが14人、クーラーは設置されていたものの動いていなかったのが38人、クーラーが動いていたのが10人、不明が1人となっています。

 昨年は7月の1カ月間に93人の死亡が確認されていました。

 2023年7月31日(月)

2023/07/30

🟧新型コロナ5類移行後の死者初公表 5月に死亡診断書などに記載は最大1367人

 新型コロナが「5類」に移行した今年5月の死者数について、厚生労働省は迅速に把握するために死亡診断書(死体検案書)などに「新型コロナ」と書かれたケースを集計した結果、1367人だったと公表しました。新型コロナが「5類」に移行してからの死者数が公表されるのは初めてです。

 新型コロナの死者数については、感染症法上の分類が「5類」に移行するまでは、国が全国の死者数を毎日公表してきましたが、今年5月8日に「5類」に移行してからは行われなくなり、厚労省は、死者数の動向を迅速に把握するため、死亡診断書などに「新型コロナ」と書かれたケースを分析する新たな集計を始めました。

 28日は今年5月の死者数が公表され、それによりますと、新型コロナが最も死亡に影響した死者は610人で、前の4月と比べて50人増えました。

 また、新型コロナが死因となった病気の経過に影響を及ぼした人も含めた死者は1367人で、前の4月と比べて58人減りました。

 新型コロナが「5類」に移行してから死者数が公表されるのは初めてで、厚労省は引き続き動向を注視するとしています。

 2023年7月30日(日)

🟩マイコプラズマ肺炎、埼玉県が関東で最多、全国2位の感染拡大 昨年同期の66倍に増加

 国立感染症研究所が発表した最新の調査結果によると、過去最大の流行となっているマイコプラズマ肺炎の感染が高水準の感染状況を維持し、中でも埼玉県は関東地方で最大、全国でも2位の感染拡大となってることがわかりました。  最新データ(10月28日~11月3日)では、1医療機関当たりの...