2023/09/12

🟧新型コロナウイルスの新変異型「ピロラ」、国内で初確認 東京都で1件

 新型コロナウイルスのオミクロン型の新たな変異型が、国内で初めて確認されました。 

 東京都は7日、オミクロン型の新たな変異型「BA・2・86」が国内で初めて確認されたと発表しました。都内の医療機関で8月24日にPCR検査を行った検体1件をゲノム解析した結果、「BA・2・86」だったといいます。感染した人は軽症だということです。

 新たな変異型の通称は「ピロラ」。海外メディアによりますと、国際的な科学者たちが常緑の植物の名前が由来の星にちなんで名付けたといいます。

 「BA・2・86」はオミクロン型「BA・2」の下位変異で、スパイクたんぱく質の突然変異数が「BA・2」より30余個多くなっています。

 スパイクたんぱく質は新型コロナウイルスが人体の細胞に浸透するのに核心的な役割を果たしており、もし突然変異によりスパイクたんぱく質が細胞に浸透するのに容易な構造へと変化すれば、より感染しやすくなる恐れがあります。

 「BA・2・86」はデンマークで今年7月に初めて発見され、9月6日までに、スウェーデン、アメリカ、イギリス、フランス、タイ、韓国などで42件の感染確認が報告されていて、アメリカの疾病対策センター(CDC)は病原性や感染力などは不明だとしています。 

  東京都のいとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長は、「ピロラに関しては症状の情報が少なくて、今のところ検出されている人の症状は比較的、軽症であるというところまでの情報。恐らく熱や喉の痛みやせきや関節痛・筋肉痛・倦怠(けんたい)感、吐き気や嘔吐(おうと)、あるいは味覚障害・嗅覚障害など今までの症状が複数、強烈ではない状態で出る」と話しています。

 2023年9月12日(火)

🟧アメリカFDA、新系統「XBB」対応ワクチン承認 類似変異型にも効果期待

 アメリカ食品医薬品局(FDA)は11日、新型コロナウイルスのオミクロン型「XBB・1・5」に対応するアメリカ製薬大手ファイザーとモデルナのワクチンを承認しました。アメリカ疾病対策センター(CDC)が12日開催予定の追加接種に関する諮問委員会で推奨すれば、接種を開始できます。

 ファイザーとモデルナの新たなワクチンは12歳以上の人を対象に正式承認しました。6カ月から11歳の子供の利用については、FDAが暫定的な緊急使用許可を出しました。昨年承認した2社のコロナワクチンは使えなくなります。早ければ数日後には接種を開始できるといいます。

 FDAのバイオ医薬品評価研究センターのディレクター、ピーター・マークス氏は声明で、「新型コロナによる入院や死亡を防ぐためには継続的な予防接種が不可欠だ。承認した新しいワクチンの接種を強く推奨する」と強調し、ワクチン接種を呼び掛けました。

 CDCのデータによると、現在流行しているのは「EG・5(通称エリス)」と「FL・1・5・1(通称フォルナックス)」で、感染の36%を占めます。ファイザーとモデルナは「XBB・1・5」対応のワクチンでも現在流行中の類似変異型に効果があると証明する調査結果を出しています。

 CDCによると、9月2日までの1週間で、新型コロナによる全米の新規入院者数は前週比約9%増の約1万9000人で、増加が続いています。

 一方、コロナワクチンの中で「メッセンジャーRNA(mRNA)」技術を使わないノババックスのワクチンの承認について、FDAはまだ決断を下していません。ノババックスは声明で、「CDCの12日の諮問委員会で新たなデータを発表する」と明らかにしました。

 2023年9月12日(火)

🟧性感染症の梅毒患者、1万人を超える 過去最多の昨年より2カ月早いペースで増加

 国立感染症研究所は12日、性感染症の梅毒と診断された患者が、今年に入り1万人を超えたと発表しました。現在の調査方法となった1999年以降、初めて1万人を超えた2022年より、約2カ月早いペースとなります。

 感染症研究所が週ごとに公表する感染症発生動向調査(速報値)によると、3日までの患者数は1万110人に上ります。2022年の同時期は8155人でした。

 都道府県別では東京都が2490人と最多で、大阪府1365人、愛知県590人、福岡県588と続き、都市部で多くなりました。

 梅毒の患者数は増加傾向にあります。2021年は7978人、2022年は1万3228人(速報値)で、過去最多の更新が続いています。

 梅毒は主に性的な接触によって広がる細菌性の性感染症で、治療せずに放置すると深刻な症状を引き起こすことがあります。また、妊婦が感染すると、死産や流産につながるリスクがあるほか、子供が「先天梅毒」になり皮膚の異常や難聴といった症状が出る恐れもあります。

 2023年9月12日(火)

2023/09/11

🟧CO2を回収し地中深くにためる「CCS」技術の事業化目指す 東邦ガスなど4社

 東邦ガスなど4社は、工場などから排出された二酸化炭素を回収して地中深くにためる「CCS(二酸化炭素=CO2回収・貯留)」と呼ばれる技術の事業化を目指すと発表しました。中部地方で出た二酸化炭素をオーストラリアまで運んで埋める計画です。

 これは東邦ガス、住友商事、川崎汽船、オーストラリアの大手エネルギー会社「ウッドサイドエナジー」が7日、共同で発表したものです。

 それによりますと、4社は脱炭素社会の実現に向け、工場などから排出された二酸化炭素を回収し、地中深くにためる「CCS」と呼ばれる技術の事業化を目指すとしています。

 具体的には、中部地方の工場などから出た二酸化炭素を回収して液体化し、船でオーストラリアに運んで地中に埋める計画です。

 東邦ガスによりますと、年間100万トンから500万トンの二酸化炭素を回収して地中にためることを目標として、2024年6月までに事業性調査を実施し、2030年までの事業開始を目指すということです。

 東海地方では、中部電力も今年2月、イギリスの大手石油会社と協定を結び、二酸化炭素を回収して地中に埋めたり再利用したりする技術の導入を目指すと発表しています。

 2023年9月11日(月)

🟧新型コロナ患者増加、新変異型「エリス」の割合が拡大

 新型コロナウイルスの患者数が増えています。東京都内にある病院では、感染力が強いとされる新たな変異型、通称「エリス」の割合が増えて、一般の医療にも影響が出ています。

 全国約5000の定点医療機関から8月28日~9月3日の1週間に報告された新型コロナウイルスの感染者数は計10万1289人に上り、1医療機関当たり20・50人で、法的な位置付けが5月8日に「5類」に引き下げられて以降、最も多くなっています。

 現在、感染が広まっているのは世界保健機関(WHO)が8月、注目すべき変異型に指定したオミクロン型の新たな変異型「EG・5」、通称「エリス」とみられています。

 東京都品川区にある昭和大学病院では、8月に入ってEG・5の割合が増え、コロナ患者を解析した結果、約6割がEG・5だということです。現在、コロナ病床12床に対し44人が入院していて、5類移行後最多です。一般病床も使って対応に当たり、通常の医療にも影響が出始めています。

 昭和大学病院の相良博典院長は、「(入院患者の)7割ぐらいが高齢者かなと思います。通常の医療業務に関してもかなり影響が出てきている。恐らく、かなり市中感染は増えているだろうと思います。まだまだ、もうちょっと増えていくだろうと思います」と話しています。 

 感染力がやや強いとされるEG・5の特徴については、「ほとんどが中等症から軽症。重症はそれほど多くない。今、流行しているEG・5に関しては、従来、我々が接種してきたワクチンは効きにくいと思いますので今度、認められた新たなワクチン、それを早めに接種する必要性があろうかと思います」 と話し、高齢者など重症化リスクの高い人に感染を広げないよう、場面に応じた感染対策を取るよう呼び掛けています。

 2023年9月11日(月)

🟧日本調剤と料理宅配ウォルト、処方薬宅配サービスを開始 最短30分で配送

 全国47都道府県で調剤薬局を展開する日本調剤(東京都千代田区)と、料理宅配サービス「Wolt(ウォルト)」を展開するウォルトジャパン(東京都渋谷区)は、処方薬を最短30分で届ける宅配サービスを9月11日から始めました。

 配送の対象は日本調剤の窓口やオンラインで服薬指導した処方薬で、患者は薬剤師に配送の希望を伝えるとウォルトの配達パートナーが自宅に届けるといいます。配送時間は30分後から1週間程度まで指定できます。

 料金は1回800円。まずは日本調剤の東京都と神奈川県の18店舗からサービスを始め、11月には首都圏の120店舗まで対象を広げます。また、来年以降は順次対応店舗を全国に広げていく計画です。

 このサービスが可能になった背景として、電子処方箋の制度が今年1月にスタートし、オンラインでの処方薬の取り扱いが認められたことがあります。しかし電子処方箋の導入は緩やかで、システム導入コストが障壁となっています。

 日本調剤は、電子処方箋が中長期的には定着し、処方薬の自宅配送も普及すると見込んでいます。自社の店舗網を生かした配送サービスが、制度の利用を後押しすることが期待されます。一方、ウォルトにとっては新規事業の柱となり得ます。

 処方薬を受け取れるサービスは、大手ドラッグストアやコンビニエンスストアが普及に取り組んでおり、関連銘柄に注目が集まりそうです。

 2023年9月11日(月)

2023/09/10

🟧新型コロナワクチン接種、来年度からは高齢者などに年1回で調整

 来年度からの新型コロナウイルスのワクチン接種について、厚生労働省は65歳以上の高齢者や重症化リスクのある人を対象に、年に1回、秋から冬の間に行う方向で調整していることがわかりました。今後、専門家などの意見を踏まえ最終的に決定することにしています。

 新型コロナワクチンの接種については、「まん延予防上緊急の必要がある」として接種費用を全額公費で負担する「特例臨時接種」で行われ、今年5月に感染症法上の位置付けが5類に変更された後も、無料での接種が続けられています。

 一方、「特例臨時接種」は来年3月末が期限となっていて、厚労省は来年度以降の接種の対象者や費用負担の在り方などについて検討を進めています。

 こうした中、厚労省が、来年度以降の接種について、年に1回、秋から冬の間に行う方向で調整していることがわかりました。

 接種を受ける対象者については、65歳以上の高齢者など重症化リスクの高い人とする方向で検討しており、今後、専門家などからの意見を聞いた上で決定することにしています。

 また、接種の費用負担の在り方についても、季節性インフルエンザなどと同様に一部自己負担となるケースもある「定期接種」に変更するかどうかなどについて今後検討を進め、今年中にも最終的な方針を取りまとめることにしています。

 2023年9月10日(日)

🟩公立病院の院長になる要件に「医師少ない地域での勤務」を検討 医師偏在で厚労省

 医師が都市部などに偏り地方で不足する「医師の偏在」への新たな対策として、厚生労働省が、公立病院の院長などの管理者になる要件に、医師が少ない地域で1年以上勤務することを新たに加える方向で検討を進めていることがわかりました。  「医師の偏在」は医師が都市部や特定の診療科などに偏り...