2023/11/17

🟩「エムポックス」感染、岡山県で初確認 30歳代男性、海外渡航歴なし

 岡山県は17日、県内在住の30歳代の男性がかつて「サル痘」と呼ばれていた「エムポックス」に感染したと発表しました。県内でエムポックスの感染が確認されたのは、初めてです。

 エムポックスは主にアフリカで流行しているウイルスで、発疹、発熱、倦怠感などの症状がみられます。多くは2~4週間で自然に治るものの、まれに重症化します。

 岡山県によりますと、感染したのは県内に住む30歳代の男性で10月20日、発熱や発疹、咽頭痛などの症状が出たため医療機関を受診、その後、11月6日に陽性が確認されました。

 男性に海外渡航歴はなく、自宅療養して症状は回復しているということです。エムポックスは2022年5月以降、北米やヨーロッパを中心に感染が拡大し、国内でも2022年7月に1例目が確認され、今年11月10日までに218例報告されています。

 厚生労働省によりますと、人から人への感染はまれで、感染した人や動物の体液や、血液に触れた場合などに感染するということです。

 岡山県健康推進課は、「感染を疑う症状がある場合、医療機関や保健所に相談してほしい。受診の際はマスクを着用し、発疹を覆うなど対策を」としています。

 2023年11月17日(金)

🟩第一三共開発の新型コロナワクチン購入で合意 承認後140万回分、厚労省

 製薬大手の「第一三共」が開発した新型コロナウイルスワクチンについて、厚生労働省は今後、製造・販売を承認した後に、140万回分を購入することで会社と合意したと発表しました。早ければ12月上旬から自治体に配送され、新型コロナウイルスの国産のワクチンが初めて実際の接種で使えるようになります。

 製薬大手の「第一三共」は、今年9月に新型コロナウイルスのオミクロン型の派生型「XBB」系統に対応するワクチンの承認申請を行い、厚労省は、11月に開かれる専門家部会での議論を経た上で正式に承認する方針です。

 このワクチンについて、厚労省は承認後に、140万回分を購入することで会社と合意したと発表しました。

 国内の新型コロナウイルスのワクチン接種では、これまで海外の製薬メーカーのものが使われ、国産のワクチンとしては、今年8月に「第一三共」が開発した「従来型」のワクチンの製造・販売が承認されましたが、実際の接種では使われていませんでした。

 今回の「XBB」系統対応ワクチンが承認されれば、早ければ12月上旬から自治体に配送され、国産のワクチンが初めて実際の接種で使えるようになります。

 厚労省によると、合意したワクチンはアメリカのファイザー製、モデルナ製と同じメッセンジャーRNAワクチンで、「XBB・1・5」に対応。追加接種用で、12歳以上が対象となります。

 武見敬三厚労相は閣議後会見で、「ようやくできた。もっと早くほしかったというのが正直な感想」と述べました。購入額は明らかにしていません。

 2023年11月17日(金)

🟩インフルエンザ新規感染者、前週より減少 厚労省「引き続き高水準」 

 厚生労働省は17日、全国約5000の定点医療機関から6~12日に報告されたインフルエンザの新規感染者数は計8万5766人で、1医療機関当たり17・35人だったと発表しました。前週比は0・82倍。前週まで11週連続で増加していたものの、減少に転じました。厚労省の担当者は、「この時期としては高い水準で、引き続き注意してほしい」と話しています。

 国立感染症研究所の推計では、全国の患者数は約63万5000人でした。

 厚労省によると、31都府県で減少しました。都道府県別で1医療機関当たりの感染者数が多かったのは、佐賀県36・13人、山梨県29・78人、長野県27・78人。少なかったのは福井県7・87人、青森県8・58人。

 一方、インフルエンザの1医療機関当たりの感染報告者数が前週に全国一となった山梨県は、16日の県感染症対策グループ(CDC)の発表によれば、11月6日から12日までの週では、減少に転じました。流行の中心であった19歳以下の感染者が減ったためであり、20歳以上の成人では一部の年齢層で増加しており、全体としては流行が収まっている状況ではないと分析しています。

 1医療機関当たりの感染者数では富士吉田市、都留市などの富士・東部保健所管内では増加したものの、それ以外の保健所管内では減少しています。県全体でも10月30日から11月5日までの39・63人が、29・78人へと減りました。

 県CDCによると、学級・学年閉鎖など19歳以下向けの対策によって流行状況は改善しつつあるとみています。ただ、成人でも特に小・中・高校生の親世代での感染が増加傾向にあるとみられ、現時点ではインフルエンザの流行期がピークになったとはいい難いとしています。

 2023年11月17日(金)

2023/11/16

🟩グミを食べ体調不良、東京都板橋区でも2人搬送 大麻由来成分含むか

 15日夜遅く、東京都板橋区で果汁などをゼラチンで固めた菓子の一種、グミを食べた男女2人が体調不良を訴えて病院に搬送されました。東京都内では大阪市の会社が製造したグミを食べた人が体調不要を訴えるケースが相次いでおり、警視庁志村署は大麻由来の成分が含まれている可能性があるとみて鑑定などを進めています。

 15日午後11時半ごろ、東京都板橋区で「グミを食べたあと体調不良になり苦しい」などと消防に通報がありました。

 捜査関係者によりますと、通報したのは20歳代の男女2人で、豊島区内の店舗で購入したグミを午後10時ごろに1粒ずつ食べた直後に、手足のしびれや吐き気などの体調不良を訴えたということです。

 グミの袋には「HHCH」(ヘキサヒドロカンナビヘキソール)と、法律で規制されていない大麻由来成分に似た合成化合物の記載がありました。

 都内では11月、都立武蔵野公園であった祭りで4日、来場した男性が配ったグミを食べた5人が病院に搬送され、3日には押上駅でグミを食べた4人が搬送される事案がありました。

 捜査関係者によると、この2件のグミはいずれも大阪市の同じ業者が製造したものとみられ、袋には同様にHHCHの記載がありました。警視庁が成分鑑定を進めています。

 厚生労働省によると、HHCHは、大麻由来の成分のTHC(テトラヒドロカンナビノール)などと構造が似ており、THCなどと同様に、幻覚や記憶障害などを生じさせる可能性があります。THCは法律で規制されているものの、HHCHは現時点で規制されていません。

 2023年11月16日(木)

🟩緊急避妊薬、全国約150の薬局で試験的に販売 11月28日から

 意図しない妊娠を防ぐ「緊急避妊薬」について、医師の処方がなくても薬局の店頭で適正に販売できるか調査研究を行うため、日本薬剤師会が11月28日から全国の約150の薬局で試験的に販売することになりました。

 「緊急避妊薬」は避妊の失敗や、性暴力などによる意図しない妊娠を防ぐために使われていて、性行為から72時間以内に服用すれば、妊娠を一定程度防ぐことができます。

 国内では現在、医師の処方が必要ですが、厚生労働省の検討会は今年6月、医師の処方がなくても適正に販売できるか検証するため、一部の薬局で試験的に販売する調査研究を行うことを決めました。

 これを受けて、日本薬剤師会が11月28日から全国約150の薬局で試験的に販売することになりました。

 日本薬剤師会によりますと、購入できるのは調査研究への参加に同意した16歳以上の人で、16歳以上18歳未満の人は保護者の同意が必要になるということです。

 販売価格は7000円から9000円までを想定しているということです。

 また、16歳未満の人に対しては薬局が産婦人科医などを紹介するということです。

 これらの薬局は、研修を受けた薬剤師がいて、夜間や土日、祝日も対応が可能、近隣の産婦人科と服薬後に連携できて、個室があるなどプライバシーを確保できる、といった条件を満たしたところを地域ごとに選定したということです。

 購入した人にはアンケートも行い、検証に役立てることにしています。

 2023年11月16日(木)

🟩金沢大、乳がん幹細胞を弱らせ死滅に成功 心不全薬、再発予防期待

 金沢大などの研究チームは、乳がん再発の原因細胞を特定し、既存薬で死滅できる可能性があることがわかったと発表しました。乳がんの再発予防や撲滅への貢献が期待できるとしています。研究成果は15日付のアメリカの医学誌電子版に掲載されました。

 乳がんは日本人女性の9人に1人がかかるとされ、死亡者数も増加傾向にあります。医療技術の向上で治癒が見込める症例が増える一方、治療効果が期待できる分子標的薬がないタイプがあります。

 研究チームはこのタイプについて、手術前の抗がん剤治療後も残り、再発や転移が起きやすいことが知られるがん細胞に注目。患者由来のものを濃縮して詳しく調べると、乳がんの元となる細胞に近い性質があり、特定のタンパク質を多く持つものを見付け「祖先がん幹細胞」と名付けました。

 人の祖先がん幹細胞をマウスに移植し、このタンパク質の働きを抑える既存の心不全治療薬と、がんの標準治療で使われる抗がん剤を組み合わせて与えた結果、同幹細胞が消えたといいます。研究チームは、「抗がん剤で消えないがん細胞を選択的に攻撃できたのは画期的だ。ほかにどんな組み合わせが可能か調べたい」としています。 

 2023年11月16日(木)

🟩妊婦に使用できない新型コロナ治療薬、「慎重に判断を」 32人が服用後に妊娠判明

 妊婦には使用できない新型コロナウイルスの治療薬が、妊娠に気が付く前に処方されてしまうケースが相次いでいるとして、日本感染症学会などが医療機関に注意を呼び掛ける声明を発表しました。

 この声明は、日本感染症学会と日本産科婦人科学会、日本化学療法学会の3つの学会と日本医師会、日本薬剤師会が14日に合同で発表しました。

 新型コロナの治療薬のうち「ゾコーバ」や「ラゲブリオ」などは、胎児に影響がある恐れがあるとして、妊婦には使用できませんが、厚生労働省によりますと、このうち「ゾコーバ」については、10月15日までに投与後に妊娠が判明したケースが32件報告されているということです。

 声明では、妊婦に処方された事例の多くが、医師の問診や薬剤師の聞き取り、それにチェックリストなどでの確認が行われ、問題ないとされたケースだったことから、患者本人が妊娠の可能性はないと話していても、可能性を完全には排除できないと指摘しました。

 その上で、医師や薬剤師に対し、妊娠が可能な年齢の女性に処方や調剤を行う際には丁寧に説明し、処方するかどうか慎重に判断するよう求めました。

 また、女性の患者に向けた文書も併せて発表し、新型コロナの治療薬を内服する前に、もう一度、最近数カ月間のことをよく思い出し、妊娠の可能性に思い当たる節がある場合には内服を控えるよう注意を呼び掛けました。

 ゾコーバは、軽症や中等症の患者を対象とし、昨年11月に緊急承認されました。動物実験では胎児の奇形が認められていました。製造販売元の塩野義製薬によると、今年10月までに妊婦への投与が計32例確認されています。

 2023年11月16日(木)

🟪百日せき、累計患者数4万人超え 3週連続で過去最多更新

 子供を中心に感染し激しいせきが続く「百日せき」の流行が続いています。7月6日までの1週間に全国の医療機関から報告された患者数は前の週より225人増えて3578人と、3週連続で過去最多となりました。  百日せきは激しいせきが続く細菌性の感染症で、特に生後6カ月以下の乳児が感染す...